１１月２８日夜、沖縄防衛局の田中聡局長が報道陣との非公式の懇談会で、米軍普天間基地代替施設建設の前提となる環境影響評価（アセスメント）の「評価書」の年内提出の方針について、一川防衛相が「年内提出の準備を進めている」とあいまいな表現で明言を避けているのはなぜか、の問いに田中局長が「（女性を）犯すときに『これから犯しますよ』と言いますか」と述べたという、とんでもない暴言をしていたことが判明しました。
田中局長の発言は、女性をさげすみ、人権感覚を欠いた非常識な発言であるだけでなく、１９９５年に米兵による少女暴行事件が起こった沖縄の県民にとっては許しがたい暴言であり、怒りと抗議の声が沸きあがったのは当然です。
一川防衛相は２９日、「弁解の余地はない」として田中聡沖縄防衛局長を更迭しましたが、一方で「評価書の年内提出の方針に変わりはない」と強弁。
しかし、沖縄県民の反発は益々強く、仲井真県知事も田中局長の暴言に「コメントする気も起こらない。口が汚れるから」と不快感を述べ、厳しく非難しており、「県内移設」は到底許されない情勢です。
この問題について１２月１日の参院東日本大震災復興特別委員会で追及された一川防衛相は、１９９５年に在沖米海兵隊員３人が小学生を暴行した沖縄少女暴行事件について「正確な中身を詳細には知らない」と答弁。
これまでも一川防衛相については、就任直後の「安全保障は素人」という発言をはじめ、ブータン国王夫妻歓迎 宮中晩さん会を欠席して民主党議員のパーティーに出席し「こちらの方が大事だ」などと発言して陳謝した問題など、およそ大臣とは思えない人物だとして批判が上がっていました。
更迭された田中前沖縄防衛局長の暴言の対応のために２日、沖縄入りした一川防衛相は仲井真県知事や高嶺県議会議長らと面会し謝罪。同日の県議会で全会一致で可決された「抗議決議」を受け取りました。
今後、自民、公明両党は一川防衛相に対し参院で問責決議案を提出する方針で、野党の賛成多数で可決される可能性が高くなっています。
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