とだ九条の会blog

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戦争政策から「平和の連帯」へ(1)

2008年09月03日 | 国際・政治
九条の会事務局長の小森陽一さん(東京大学大学院教授・日本近代文学)が『新婦人しんぶん』の「憲法ゼミナール」というコーナーに記事を連載していますが、その8月28日付けに「戦争政策から『平和の連帯』へ」と題して重要な視点を指摘していますのでご紹介したいと思います。(文責:サイト管理者)

小森氏は冒頭、今年63回目の8月15日を迎えたことに触れて、「多くの人々が『もう二度と戦争をしてはならない』と決意を新たにしたと思いますが、北京オリンピックのただ中でもロシアとグルジアの間での戦闘に『戦争をなくす』と言っても非現実的ではないかと思っている人も少なくはないでしょう」と話を始めました。
そしてこうした状況に、よく「北朝鮮が攻めてきたら、どうするのか」とか「中国の軍事的脅威に、どのような手段で対抗するのか」といった疑問に直面する場合があることに触れ、こうした不安や恐怖に正面から応答していくことが、今の我々の運動にとって大切だと指摘しました。

なぜなら、そうした不安や恐怖は、アメリカの無法な戦争に日本国民の命を道具として使おうとする勢力をはじめ、マスメディアによって意図的に作り出されてきたからだといいます。
つまり、1991年のソ連崩壊後、それまでのソ連脅威論にもとづいて日米安保条約を正当化する理由はなくなったため、北朝鮮を新たな仮想敵にしたて上げ、さらにその背後に中国がいるという単純な枠組みで危機意識を増幅してきたのだと述べました。

重要なことは、この不安と恐怖は「事実と因果関係」を知らないから増大するという基本を踏まえることだと小森氏は指摘します。つまり、逆に「事実と因果関係」を伝えるならば、多くの人々の不必要な不安や恐怖を解きほぐすことができるわけだと。

そう指摘した上で小森氏は、今伝えるべき「事実」の中で一番重要なことは、北朝鮮も中国も、アジアの国々に対し、戦争の放棄を誓い、日本国憲法九条と同じように「武力による威嚇または武力の放棄」を明記した条約に調印しているということだと強調します。

この条約とは、当ブログでもたびたび紹介してきた「東南アジア友好協力条約(TAC)」というもの。この「東南アジア友好協力条約」では、前文で「世界の平和、安定および調和をいっそう促進するため、東南アジアの内外のすべての平和愛好国との協力が必要」であるとしています。そして、第2条では、日本国憲法九条1項と同じく、「武力による威嚇または武力の行使の放棄」を宣言していると紹介しています。

(つづく)

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