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東南アジア、台湾などへの海外旅行記などを中心に投稿しています。

タイの賃上げ。

2012-04-25 22:38:40 | タイ

 タイ政府は4月1日から1日あたりの最低賃金を300バーツ(約780円)に引上げました。日給月給に換算すると月23日稼働で6900バーツ(約18000円)になります。現地で日系企業に勤務する知人の話ですと、約30%のアップになるそうです。この負担は大きいですね。当然、時間外単価にも反映されます。
 タイの首都バンコクから100キロメートル圏内には、多くの工業団地が点在しています。バンコクを東京に例えると、西は静岡県沼津市付近までになるでしょうか。
 ここには自動車産業、電機産業や精密部品産業など多くの日系企業が進出しています。昨年の洪水被害の報道で知った方が多くいられると思います。
 今回の賃上げで影響を受けるのは、ここの日系企業です(他国の企業も進出してはいますが、その数と規模は日系企業とは比較になりません。)。新聞などの報道では、従業員の解雇、隣国ベトナムやマレーシアへの移転・移管などが起きる可能性を示唆していますが、私はそうは思いません。
 その理由は、タイにとって日系企業はなくてはならない存在となっているからです。
 私が駐在時代に営業で訪問した日系繊維企業の駐在員の方は、地域の大半の方がこの企業に勤めており、既に定年退職者も出ていると話していました。その方は2度目の駐在で、ご自身もここが最後の勤めになるとも話されていました。
 過去に採算の悪化からインドネシアへの移転を検討したそうですが、地域に与える影響が大きいので断念したそうです。ただ、現地従業員には会社の経営状況を説明し、賃金のカットや定昇の凍結などに協力していただいたそうです。
 タイと日本の交流は、昨日今日始まったわけではありません。工場が進出したのは今から50年前ほどですが、交流は数百年前まで遡ります。また、民主化が進むミャンマーは日系企業の進出を期待しています。この進出に国境を隣接するタイを水先案内人にすべきだと唱える日本人経営者もいます。
 これらのことから、日本が今後ともタイへの貢献を続けることが、日本経済の発展に繋がると考えています。