みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

小山硬(おやまかたし)画伯の天草(慈光)

2006年01月22日 | 絵・写真・美術館
少し前、リニモに乗って美術館に行った。名都(めいと)美術館

日本現近代美人画のコレクションが充実しているとの話を聞きつけたので。
特別な企画展ではなかったので、休日なのに、訪れる人はまばら。新春らしい装いの美人画は期待どおりで、静かに絵を楽しめました。

そして思わぬ名画との出会いがあった。小山硬(おやま・かたし)画伯の「天草(慈光)」。
一目見て、これは、いい絵だと思った。
否応なく凝視してしまい、身動きできない感じ。
ただ、ただ、いい絵だと思った。

絵の舞台は、キリシタン弾圧の地、天草。
恐らくは、貧しいがために老神父に託された赤ちゃんなのだろう。
照らし出される初々しい幼子の命と年月を重ねた老人の命。
どちらの命も尊く、受け継がれてゆく命の尊さが素直に伝わってくる。
あと、年月を重ねた老神父の肩の線の力強いこと。
幼子を抱き上げる老神父の武骨な手が美しいこと。
(映画「風の谷のナウシカ」で、ナウシカが、老兵の瘤だらけの手、腐海の毒に犯された手が好きだ、と言うお気に入りのシーンがあるのだけど、それと同じだろうか)

老いてこそ得られる美なり天草の
(そらみみ)(こりゃ駄目だ。季語がない!)

思いがけず良い絵に出会うことは、美術館に足を運ぶ醍醐味ですね。
今年も、なるべく美術館に行こうっと。
この小さな画像では、大きな実物の良さが何百分の1になってしまうのは残念。

この辺を見ていると、小山硬画伯の天草を題材にした絵は、他にも幾つかあるんですね。
「プラチナムグレイ」、言葉だけで、なんだか降参。
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2 コメント

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慈光 ()
2006-01-22 19:55:11
絵の世界はさっぱりなので、小山硬さんの絵も初めて拝見しました。

天草(慈光)、静かな世界に引き込まれるよう。

大きい絵なのですね。

いつか本物の前に立って見てみたいです。



日本の伝統色は色も素敵ですが、名前もそれぞれに趣がありますね。
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慈しみの光り (そらみみ)
2006-01-22 22:04:17
樹さん、僕も、まだ足を踏み入れたばかりですよ。

小山画伯の絵も、はじめてでした。

実際の絵は、等身大に近い大きさがあったと思います。

静かな美術館で、ただじっと絵を見るのも、いいもんです。



色一つとっても、微妙な違いでいろんな名前がついていて、

絵の世界も奥深いですね。



楽器をやることで、他の芸事にも、自然と目が開いてゆくような

気がしますね。

(トラックバック、ありがとうございました。)
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