みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

福間洸太朗/光と影の織り成すファンタジー

2021年02月28日 | ライブ&コンサート
再び、ピアノのリサイタルへ。
先月訪ねたコロナ禍のコンサートに、味をしめてしまい再び、サラマンカホールへ足を運んでしまった。
今回は、一昨年の展覧会の絵が圧巻だった福間洸太朗さんのピアノ。

いいリサイタルだった。
しなやかで繊細、それでいてヴィルトーゾの曲もドンと来い!
福間さんは、スポーツをされてるのかな?同性から見ても、凛々しくて惚れ惚れする。
物腰は穏やかで、とても丁寧で、好青年。そういう人柄が演奏にも表れていた気がする。
余韻、余白をとても大切にされていた。

プログラムもいい。
前半は月光ソナタとショパンから4曲。
聴き馴染のある曲(弾いたことのある曲)が続くと、気持ちが入る。
月光ソナタの疾走する3楽章はもちろん圧巻だったけど(馬鹿なことに、スフォルツァンドで髪の毛が跳ね上がるのを眺めてしまう・・・。)、
闇の1楽章と3楽章に挟まれて、2楽章が、束の間の安らぎと喜びが感じられて、穏やかに輝いていた。
節度があって美しい佇まい。

ショパンのノク5、幻想即興曲、別れの曲、革命は、4楽章の組曲で、何のアナウンスもなかったけど、途中誰も拍手をしなくて、観客のレベルが高いではないか!
変な変化球ではなくて、直球で勝負するショパンだった?

後半はフランスとロシア。
一番好きだったのは、フォーレのノクターンかな。
フォーレの、独特な哀感と温かさが入り混じったオリエンタルな浮遊する感じがいい。演奏は素晴らしく洒脱。溜息が出る。
ラフマニノフのソナタ2番は、あまりなじみがなくて、真ん中辺は、ちょっと眠気が・・・。笑

アンコールの1曲は、ドビュッシーの夢。
ちょうど練習中で、細部まで楽譜が頭に入っていることもあり、福間さんの個性が良く分かった。
前半はとてもしっとり、中盤は意外とサラッと弾かれていた。
もちろんため息が出るくらいに、素敵な夢だった。

武満徹やラフマニノフの良さが分かるようになる日は来るのかな?
こういう景色が心底から素晴らしいと感じられているピアニストの方が羨ましい。

そう言えば、今回は、地元のヤマハ系列の楽器店が主催するコンサートだったので、ピアノはヤマハだった。
ちゃんと、ヤマハのピアノを絶賛されていて、さすが、配慮が行き届いた福間さんだった。笑


開場に15分遅れたけど、今回も左側のいい席。


サラマンカ大学のレリーフもいいんだな。





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友人の小学生の生徒さんを見ていると、彼らは夢を広げるために、この演奏を聞いて、
自分のようなおじさんは、夢を諦めるために、この演奏を聞いているのかな?と思ったりもする。

帰って、来週のレッスンの練習をするも、どうも気持ちが入らず、珍しくバイオリンの方が楽しく感じるのだった・・・。

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しかし、最大の収穫は、かねてから気になっていたサラマンカホール近くのパティスリーアタッシエ
試してみたら、これは美味しかったこと!
サランマンカホールのマチネの時、楽しみが増えたなあ!


ガトーフレーズ

http://attacher.jp/


コメント
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