みちしるべの伝説

音楽と希望は刑務所でも奪えない。

絲山 秋子「海の仙人」

2008年08月16日 | 
いい本だった。若狭の美しい海が印象的。
中盤からの展開は、泣けるので、電車では読みにくい・・・。
登場人物が、皆、いきいきと描かれてる。会話がいい。さぱっりしてて読み心地いい。
絲山さんのものを読むのは、まだ3作目だけど、どれも読ませる。
いろんな音楽が登場した。浜辺で奏でられる無伴奏チェロソナタ。そしてレター・フロム・ホーム 、どんな曲だろうか???

水島

孤独ってえものがそもそも、心の輪郭なんじゃないか?外との関係じゃなくて自分のあり方だよ。背負っていかなくちゃいけない最低限の荷物だよ。

家では反響がきついので、彼は外で弾くことを好んだ。ピックアップの後席にチェロを積んであちこちの浜に行って弾いてみた。意外なことに一番近い気比の浜の音が気に入った。チェロは人の声に近い音程なので心が落ち着くと聞いたことがある。
河野もチェロに話しかけるように弾いた。やがてチェロは、河野にとって最も豊かで奥深い話し相手になっていった。

恋はあせらず

自らが自らを救うのだ

真実とはすなわち忘却の中にあるものなのだ

結局、この夏、宝くじも当たらず、雷にも当たらず・・・。
夏のうちに、若狭の海を見に行こうか・・・。

海の仙人
絲山 秋子
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コメント
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