タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

罪悪な世の中で

2015-02-27 20:39:09 | つれづれ
今週生まれた赤ちゃんとお父さんです。
お疲れさまでした。

最初に、ウォーターベッドでのお産の意味は何でしょうか。
それは陣痛の間、自由に動けるというメリットが有ることです。
都会の病院では、まるでニワトリのケージのようで、
自分だけの陣痛室を確保できるところは少ないですからね。

ウォーターベッドの水が温かいので、背中を温められるという効果も有ります。
冬場はとくにそう感じられるかもしれません。
整形外科にはお婆ちゃんのために、マッサージもできるウォーターベッドが有るではないですか。
背中を温めると、陣痛の痛みが和らぐのです。
最近、2人ほど、無痛分娩を希望して、他院に転院されました。
背中に硬膜外麻酔をしてお産するそうです。
ただ、ウォーターベッドやリフレクソロジーも無痛分娩の一種なのですが。

20年ほど前に世界的に水中出産が流行したのですが、
最近では下火になっています。
産婦さんには、リラックスできるというメリットが有るのですが、
介助する方がたいへんだということも有るでしょう。
その点、陸に上がってのウォーターベッドは、より普遍的なものと言えるでしょうか。

いつも両親学級で、タマル産は自然分娩を目指しているから帝王切開も少なくて済むのですよ、
とお話しているのですが、
そうすると、タマル産では帝王切開できないという噂が広まっているようです。
田舎の噂とは怖いものですね。
帝王切開ができないどころか、帝王切開と決めてから帝王切開が始まるまでの時間は、
タマル産より早い病院は無いのではないでしょうか。

妊娠初期に双子だと分かれば、他の病院に紹介させられる、と言う方が居られました。
開業した頃はタマル産でも双子の普通分娩をしていたのですが、
この15年ほどで、すっかりお産を取り巻く環境が変わってしまい、
今の時代、診療所で双子を取り扱ってはいけないのですよ。
病院でも無理で、未熟児センターの併設している三次医療施設で産んでください。

妊娠中期頃に、だいたい妊娠28週頃に、早産してしまう方が居られます。
この時期、急にお腹が大きくなる時期で、胎児の成長が付いていかなくなるのですね。
年に数回、それも決まって夜中に、
夜は副交感神経の活動が高まるので、お腹が張りやすくなるからなのですが、
破水したり、陣痛がおこったりして、タマル産を受診されます。
これは胎児の生命に関わる一大事なのですよ。

今はお産を取りやめるクリニックが急減していますから、
三次医療施設も混んでいることが多いのです。
場合によっては夜中に何カ所も電話で問い合わせをするのです。
それで神戸の海側の病院まで、1時間ほどかけて救急車に同乗して搬送することが有ります。
帰りは救急車もサイレンを鳴らさずにゆっくり帰ってきますから、
救急搬送の依頼と搬送で、3、4時間はかかってしまいます。
それが、先日のことですが、夜中に1時間半も待たされてしまった、と怒られたのですよ。
これが現実なのですね。
これでは、産婦人科のなり手もなくなるのは当然でしょう。

なぜ産婦人科を続けているか、と聞かれれば、むかしは天職だからと答えていましたが、
今は、使命感だけですね。それもいつまで続くか。
自分を犠牲にしてでも他のために生きるということだけなのです。
タマル産の初診の方には、ボランティアの冊子を差し上げているのです。
写真を見るだけで、心が温かくなってきますからね。
それでもキリスト教が主体の冊子だから気持ちが悪い、と言って破棄する人も多いです。
世界で宗教感の無いのは日本人くらいでしょうか。
これでは新島襄先生も泣かれていることでしょう。

今はニュースで少年犯罪の話ばかりです。
今になって学校で道徳の時間を増やして解決しようとしているようですが、
子供を教育するのは、学科だけではないのです。
何の宗教でもいいので、両親が子供に神様が居られることを教えてあげられると、
自分の子どもが犯罪に巻き込まれることも少なくなるのです。
もし子供たちが大きくなって、海外に留学したいと言ったなら、
日曜日には教会に行く信仰心のあつい家庭に、大切な自分たちの子どもは預けてくださいな。

さきほど、電話である男性からいきなり受付嬢が罵声を受けました。
今は保険機関から診療報酬の点数が送られてくるのですか?
1年ほど前の件ですが、支払った金額と違うではないかと叫ばれるのです。
ただの勘違いというか、読み方が難しいですからね。
最近は店員に土下座させる野蛮人も居るとか。
篠山にも同様の人が居るのは、やりきれないですね。

せめてタマル産で生まれた子たちには、神様の祝福がありますように。

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