タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

子宮に咲く花

2012-04-03 20:23:02 | 不妊症
子宮はお腹の中にあるのですが、一部は膣(ちつ)の中に飛び出しています。
この飛び出している部分を子宮膣部と言います。

子宮膣部は唇のような形をしていて、
若い時は左の絵のように、花が開いたように外に向かって開いています。
これを子宮膣部びらん、と言います。
50歳以上になって月経も無くなると、右の絵のように花がしぼんでしまいます。

ところで、男性ではお腹の中と外界とはつながっていません。
だからお腹の中は、からっぽなのです。
ご飯を食べて胃がいっぱいになるとしても、胃はお腹の外なのです。
お腹は腹腔(ふくくう、ふくこう)という袋状のものなのですが、
普段はぺっちゃんこな、ビニールの買い物袋状態なのです。
虫垂炎が破裂したりすると、腸と腹腔がつながります。
腸はすなわちお腹の外だから、この時ばかりはお腹の外と内がつながるのです。

それに対して女性のお腹の中は普段から外界とつながっています。
膣から子宮、卵管の先は、腹腔というお腹の中なのです。
だから精子はお腹の中まで泳いでいけますし、
人間の卵だって、お腹の中に産み落とすのです。
なかなかイメージできないでしょう。
でもここがポイントです。
女性のお腹の中は、外界につながっているので、
外界からの化学物質やばい菌などに侵されやすいということ。

初めに戻ります。
もし性感染症などのばい菌がお腹の中に入ってしまうと、
子宮はもうこれ以上入れないために、蓋をしてしまうのです。
あるいは化学物質などが入ってくると、アレルギー反応が起こって、
子宮内膜症という病気になってしまい、
この場合も同様に、子宮に蓋をしてしまうのです。

そしてあたかも、50歳以上の人のように、子宮膣部のびらんが無くなって、
右の絵のように、花がしぼんでしまうのですね。
こうなると、なかなか妊娠しにくそうなのは分かりますよね。

今書いていることは産婦人科の教科書にも載っていませんよ。
外国の教科書にも載っていません。
私が数十年の経験から言っていることだからです。
でも言われてみれば、そう思うでしょう?
昨日来院された不妊症の初診も方も子宮の花がしぼんでいました。
最近、子宮外妊娠で手術した方もしぼんでいました。
こういう方は卵管も細くなっているのですね。

共通しているのは子宮頸管粘液という液体も減少するので、
さらに精子が泳いで上がりにくくなっています。
だから、ホルモン注射で粘液を増量させて、
さらに人工授精で、精子を子宮の奥の方まで押し込んであげれば、
妊娠しやすくなります。
もちろん、いきなり体外受精だって、ありですが。

火曜日の不妊症治療のワンポイントレッスンでした。
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