クリスマスイブの夜は、皆さんもサンタさんに変身ですか?
親の愛が、サンタさんそのものだって、子どもたちも大きくなったら分かるのでしょうね。
ところでこのクリスマスの時期は、おぎゃー献金なるものをまとめて贈っています。
日本産婦人科学会を通して、こども園などに贈られます。
今年は5千円ちょっと貯まりました。さっそく郵便局に行ってきましたよ。
もう1つ、今年はフィリピンへの義援金もまだ受け付けています。こちらは来年に。
年末で外来も混んできましたから、今日は更新が遅くなってしまいました。
皆さんも月末のお薬は早めに貰いに来てくださいね。
さて、火曜日ですので不妊症の話題も少ししておかないと。
人工授精という手技が有るのは、何度もお話していますね。
どうも体外受精と言葉が似ているので、勘違いされておられる方も多いのですが。
排卵日に合わせて精子を採ってきていただきます。
専用の容器に採って、常温で、奥さんに持参してもらうのです。だからご主人は仕事に行けます。
朝採って、8時に持って来ていただくか、夕方採って、18時頃に持って来ていただきます。
採取してすぐより、30分以上経っているのがいいので、クリニックに来て採る必要はないのです。
採取してから数時間までは、それほど元気さは変わりませんから心配しなくて大丈夫です。
どんな方におすすめしているかと言えば、
もちろん精子が少ない方、元気のない方、夫婦生活がそれほど無い方、もしくはまったく無理な方、
もう1つのパターンは、夫婦の適合性が良くないカップルです。
子宮から出る子宮頸管粘液には雑菌を殺す作用も有るのです。
それほど強い殺菌作用が有りますから、精子だってやられてしまうことも有るのです。
そんな時は子宮頸管を通りこして、子宮の中にまで精子を注入するのは意味が有ることです。
精子を直接やっつけてしまう場合は、抗精子抗体が居る場合も有るので、
その場合はまた違う治療が必要になってくるのですが。
もしくは頸管粘液が出ない場合も、精子が登っていけません。
採取した精子は、3ミリリットルくらいのことが多いのですが、
ほんの少しのことや、5ミリリットル以上のことも有ります。
ですが子宮の中に入れられるのは、ほんの0.5ミリリットル以下です。
だから採取した精子は、特殊な液体で分離するように、遠心器にかけます。
こうすることで、精子を濃縮するという意味も有りますし、
また射精されたままの精子が浮遊している精液から精子のみを取り出して、
回りの精漿(せいしょう)を取り除くという意味も有ります。
精漿には雑菌が居ることも有りますし、取り除いた方が精子が長生きするようです。
この操作のことを精子濃縮人工授精と呼びます。
以前は人工授精と言っても、洗浄せずにそのまま子宮に注入する施設も多かったのですが、
最近ではこの精子濃縮人工授精の方が一般的になってきました。
濃縮していないと、雑菌も子宮の中に入ってしまうので、
処置の後、子宮内膜炎になることも、残念ながら有ったのです。
それも精子濃縮法が普及してからは、炎症を起こすことは減ってのですが、
なかなか完全に抑えるところまではいっていません。
だから稀に、子宮内膜炎や腹膜炎になることは有りますね。
それでも人工授精はとてもいい治療法で、妊娠されるカップルも多いので、
怖がらずに受けて行って欲しいですね。
さて今年も残り僅かです。
1年分の統計等、やるべきことは残っており、この年末年始になんとか諸機関への報告も有りますので、
クリニックに籠って、デスクワークといたしましょう。
いくつかクリスマスカードを戴いているのですが、まだ紹介、返事できていなくてゴメンなさい。
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