今日は、前回の続きからです。
写真は、今日外来を受診された方の膣のおりものの顕微鏡写真です。
顕微鏡で観ると、こんな感じで、棒状のものとブツブツの部分が見えますね。
これはカンジダという糸状のカビなのです。
ブツブツは胞子(ほうし)と言って、飛んでいってまた増殖する部分です。
毎年なられるのに、懲りられないのですよ。
あれほど風邪に抗生物質は飲んではいけないと言ったのに。
だって、風邪で抗生物質を飲むと早く治るのです、と言われるのです。
いえいえ、飲まなくても治ったのですよ。
飲むから、こんな風にカンジダ膣炎になってしまったのですからね。
前回のブログを読まれた方なら、もう分かりますね。
今日はもう1つ、新しいことを付け加えておきましょう。
膀胱炎のお話です。
女性でも膀胱炎になると、婦人科だけでなく、泌尿器科に行かれることも有ります。
ですが泌尿器科では検査はまずされません。
もちろん内診も無いのです。
抗生物質を処方されて終わりでしょう。
まあ、診察が嫌いだという女性には、それでも良いのかもしれませんが。
膀胱炎の検査では、まず検尿をしますね。
尿蛋白や尿糖、尿潜血だけでは、膀胱炎かどうか分かりません。
できれば尿沈渣と言って、尿を遠心機にかけて、沈殿物を顕微鏡で観るのが確実です。
でも時間がかかりますね。
それで簡易検査としては、尿カタラーゼ検査というのが有ります。
尿に過酸化水素という酸化剤をポトポトと入れると、泡がたってきます。
泡が出れば膀胱炎ですから、これなら誰でもできますよ。
泡の実態は酸素です。
膀胱炎になれば白血球が寄ってきて細菌を食べます。
細菌や白血球はカタラーゼという酵素を持っているので、過酸化酸素によって還元され、
酸素のブクブクを出すという仕組みです。
でもね、このウロバブルテストというキット、販売中止になったのです。
だいたい保険の点数も廃止になったのです。
それでタマル産では、仕方がないので代替の検査として、
カタラーゼテストを試験紙でできる高機能のテステープを使用しています。
紙コップの尿に、テステープを浸けるだけなのですが、
白血球の数やカタラーゼテストが陽性かどうかまで分かりますから、短時間で判明するのですよ。
さらに膀胱や膣には常在菌以外の細菌は居ないのですが、
これを直接検査しておくことも重要です。
性感染症が有ることも多いので、いきなり抗生物質ではなく、
検査しておかないと、彼氏やご主人も治療する機会を失い、
何回でも膀胱炎や膣炎になってしまいますからね。
だから女性が膀胱炎になったら、泌尿器科より婦人科を受診した方が良いのですよ。
覚えておいてくださいね。
それともう1つ、覚えておいていただきたいのは、
膀胱炎に対して今までよく処方されてきた抗菌剤で、
フルオロキノロン系という薬は、効果よりも副作用の方が大きいので、
膀胱炎や気管支炎では使用しないようにと、アメリカのFDAが警告を出したようです。
フルオロキノロン系にはレボフロキサシンやシプロキサシン、オフロキサシンなどが有ります。
副作用としては、低血糖性昏睡や、神経過敏や記憶障害などの精神神経系の症状です。
これで、膀胱炎に使える薬が少なくなりました。
性感染症であるクラミジア頸管炎などにも、よく使われてきた薬なのですが。
これからは耐性菌の問題など、よほどの時だけ使用することにしておきましょう。
写真は、今日外来を受診された方の膣のおりものの顕微鏡写真です。
顕微鏡で観ると、こんな感じで、棒状のものとブツブツの部分が見えますね。
これはカンジダという糸状のカビなのです。
ブツブツは胞子(ほうし)と言って、飛んでいってまた増殖する部分です。
毎年なられるのに、懲りられないのですよ。
あれほど風邪に抗生物質は飲んではいけないと言ったのに。
だって、風邪で抗生物質を飲むと早く治るのです、と言われるのです。
いえいえ、飲まなくても治ったのですよ。
飲むから、こんな風にカンジダ膣炎になってしまったのですからね。
前回のブログを読まれた方なら、もう分かりますね。
今日はもう1つ、新しいことを付け加えておきましょう。
膀胱炎のお話です。
女性でも膀胱炎になると、婦人科だけでなく、泌尿器科に行かれることも有ります。
ですが泌尿器科では検査はまずされません。
もちろん内診も無いのです。
抗生物質を処方されて終わりでしょう。
まあ、診察が嫌いだという女性には、それでも良いのかもしれませんが。
膀胱炎の検査では、まず検尿をしますね。
尿蛋白や尿糖、尿潜血だけでは、膀胱炎かどうか分かりません。
できれば尿沈渣と言って、尿を遠心機にかけて、沈殿物を顕微鏡で観るのが確実です。
でも時間がかかりますね。
それで簡易検査としては、尿カタラーゼ検査というのが有ります。
尿に過酸化水素という酸化剤をポトポトと入れると、泡がたってきます。
泡が出れば膀胱炎ですから、これなら誰でもできますよ。
泡の実態は酸素です。
膀胱炎になれば白血球が寄ってきて細菌を食べます。
細菌や白血球はカタラーゼという酵素を持っているので、過酸化酸素によって還元され、
酸素のブクブクを出すという仕組みです。
でもね、このウロバブルテストというキット、販売中止になったのです。
だいたい保険の点数も廃止になったのです。
それでタマル産では、仕方がないので代替の検査として、
カタラーゼテストを試験紙でできる高機能のテステープを使用しています。
紙コップの尿に、テステープを浸けるだけなのですが、
白血球の数やカタラーゼテストが陽性かどうかまで分かりますから、短時間で判明するのですよ。
さらに膀胱や膣には常在菌以外の細菌は居ないのですが、
これを直接検査しておくことも重要です。
性感染症が有ることも多いので、いきなり抗生物質ではなく、
検査しておかないと、彼氏やご主人も治療する機会を失い、
何回でも膀胱炎や膣炎になってしまいますからね。
だから女性が膀胱炎になったら、泌尿器科より婦人科を受診した方が良いのですよ。
覚えておいてくださいね。
それともう1つ、覚えておいていただきたいのは、
膀胱炎に対して今までよく処方されてきた抗菌剤で、
フルオロキノロン系という薬は、効果よりも副作用の方が大きいので、
膀胱炎や気管支炎では使用しないようにと、アメリカのFDAが警告を出したようです。
フルオロキノロン系にはレボフロキサシンやシプロキサシン、オフロキサシンなどが有ります。
副作用としては、低血糖性昏睡や、神経過敏や記憶障害などの精神神経系の症状です。
これで、膀胱炎に使える薬が少なくなりました。
性感染症であるクラミジア頸管炎などにも、よく使われてきた薬なのですが。
これからは耐性菌の問題など、よほどの時だけ使用することにしておきましょう。