タマルさんはナツメヤシ

タマルは女性の名。ナツメヤシの意味で多産を象徴。聖書には約束の地カナンは、蜜(ナツメヤシ)と乳(ヤギ)の流れる地とある。

炎症生腸疾患と妊娠

2018-02-14 21:38:11 | 産科
京都府城陽市の咲弥花(さやか)ちゃん、1月9日生まれ。
「優しく周りを癒す存在であり、信(芯)の有る子になってください。
夫も一緒に泊まることができ、心強かったです。
次は子供たちと立ち会い出産希望です。」

写真の赤ちゃんは、3番目なのですよね。
そして写真のお母さんは3姉妹なのです。
しかも3姉妹とも、タマル産で産んでくださったので、
お婆ちゃんにとっては、孫が10人になったそうですよ。
この連休は、賑やかだったと言われていました。
内孫より外孫、と言いますからね。

里帰りでしたから、ご主人も一緒に個室のダブルベッドで宿泊できたのは良かったでしょう?
しかもベッドの差額代無しなんて、日本でもタマル産くらいではないですか?

今日は春一番だったようですね。
タマル産でも、自動ドアが風で開かないくらい強い風でした。

さて、前回のブログで、産後のお母さんが飲んでもだいじょうぶな薬かどうかは、
薬の添付文書では当てにならない、というお話をしました。
それで真実を努力して集められたのが、大分県の薬剤師会だったようです。
「母乳とくすりハンドブック」という書籍になっているようなので、さっそく申し込みました。

いえ、もちろん他にもいくつか母乳と薬剤の関係の本は持っているのですよ。
見比べるために購入したのです。
上記の本は一般の方は購入できませんが、
本屋さんに「治療薬ハンドブック」という一般的な本が売っていますから、
興味の有る方はそちらを購入されてはいかがでしょうか。

それで、1つ妊娠中の薬のお話をしておきましょう。
前回も花粉症のお薬の話でしたから、続きですよ。

今日は炎症性腸疾患と妊娠です。
最近も、外来を受診された方に、この病気を持っている方が居られました。
潰瘍性大腸炎やクローン病と言った方が馴染みが有るでしょうか。
若い人に多い病気で、近年急増しているのですよ。

治療には、抗炎症剤や、重症の場合はステロイドの内服などが使われるようです。
抗炎症剤のメサラジンは、妊娠中に内服しても良いが、授乳婦はダメと薬剤情報に書いてあるのですね。
それで本当かどうか調べてみたくなったのです。
http://www.ibdjapan.org/patient/pdf/03
ネットで検索すれば、こんなリンクも発見したのですが。
これによると、薬を内服中はとくに葉酸も摂取した方が良さそうですよ。

まあ、みなさんの方が自分が病気になれば、いろいろと調べてみたくなるでしょう。
しかもある程度は簡単に調べられるようになりましたからね。
医療者も、患者さん以上に勉強しておかなければならないので、
これはちょっと手強くなってきましたよ。

ちなみに炎症性腸疾患では、早産が1.85倍、
低出生体重児は1.4倍、死産は1.6倍多いとされています。
また、寛解してから妊娠した女性でも、妊娠すると35%が妊娠中に再燃します。
でもね、それでも頑張ってもらえるよう、指導していかないといけませんね。