竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻20 歌番号1388から1392まで

2024年06月24日 | 後撰和歌集 現代語訳

歌番号一三八八

原文 加部之

読下 返し

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 也止三礼者祢天毛佐女天毛己比之久天由女宇川々止毛和可礼左利个里

和歌 やとみれは ねてもさめても こひしくて ゆめうつつとも わかれさりけり

読下 宿見れば寝ても覚めても恋しくて夢うつつとも分かれざりけり

解釈 あの御方が残した、このお屋敷の様子を眺めていますと、未だに亡くなられたことが、寝ていても覚めていても、夢とも現実とも区別が出来ません。

 

歌番号一三八九

原文 左幾乃美可止於者之万佐天与乃奈可於毛日奈个幾天

徒可者之个留

読下 先帝おはしまさで、世の中思ひ嘆きて

つかはしける

 

原文 左武之与宇乃美幾乃於本以万宇知幾三

読下 三条右大臣

 

原文 者可奈久天与尓布留与利者也万之奈乃美也乃久左幾止奈良万之毛乃遠

和歌 はかなくて よにふるよりは やましなの みやのくさきと ならましものを

読下 はかなくて世に経るよりは山科の宮の草木とならましものを

解釈 虚しい気持ちで、これからもこの世に過ごして行くよりも、山科の御陵の宮の草木にもなりたいものです。

 

歌番号一三九〇

原文 加部之

読下 返し

 

原文 加祢寸个乃安曾无

読下 兼輔朝臣(藤原兼輔)

 

原文 也万之奈乃美也乃久左幾止幾美奈良八和礼者志川久尓奴留者可利奈良利

和歌 やましなの みやのくさきと きみならは われはしつくに ぬるはかりなり

読下 山科の宮の草木と君ならば我は雫に濡るばかりなり

解釈 山科の御陵の宮の草木に貴方がなるのなら、私は下草となり、その草木の置いた露の雫に濡れるばかりです。

 

歌番号一三九一

原文 止幾毛知乃安曾无三満可利天乃知者天乃己呂知可久奈利天

飛止乃毛止与利以可尓於毛不良武止以飛遠己世多利个礼者

読下 時望朝臣身まかりて後、果てのごろ近くなりて、

人のもとより、いかに思らむ、と言ひおこせたりければ

 

原文 止幾毛知乃安曾无可女

読下 時望朝臣妻(平時望朝臣妻)

 

原文 和可礼尓之本止遠者天止毛於毛保衣寸己比之幾己止乃可幾利奈个礼者

和歌 わかれにし ほとをはてとも おもほえす こひしきことの かきりなけれは

読下 別れにしほどを果てとも思ほえず恋しきことの限りなければ

解釈 死別での喪の期間が終わったからといても、悲しみの終わりとも思えません、亡き人が恋しいと言う気持ちに限りがありませんから。

 

歌番号一三九二

原文 於无奈与川乃美己乃布美乃者部利个留尓加幾川个天

奈以之乃加美尓

読下 女四内親王の文の侍りけるに、書きつけて

尚侍に

 

原文 美幾乃於本以万宇知幾三

読下 右大臣

 

原文 堂祢毛奈幾者奈多尓知良奴也止毛安留遠奈止可々多美乃己多尓奈可良

和歌 たねもなき はなたにちらぬ やともあるを なとかかたみの こたになからむ

読下 種もなき花だに散らぬ宿もあるをなどかかたみの子だになからん

解釈 種を実らせない花でさえも、散らないで咲いている屋敷もあるのに、どうして、女四内親王は、形見となる御子も残さずに亡くなられたのでしょうか。

 

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