竹取翁と万葉集のお勉強

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後撰和歌集 巻20 歌番号1393から1397まで

2024年06月25日 | 後撰和歌集 現代語訳

歌番号一三九三

原文 加部之

読下 返し

 

原文 奈以之乃加美

読下 内侍のかみ(尚侍)

 

原文 武寸比遠幾之堂祢奈良祢止毛見留可良尓以止々之乃不乃久左遠川武可奈

和歌 むすひおきし たねならねとも みるからに いととしのふの くさをつむかな

読下 結び置きし種ならねども見るからにいとど忍ぶの草を摘むかな

解釈 花が咲いて実を結び残した種、その言葉ではありませんが、皇女が結び置いた文を見る度に、一層に皇女を偲ぶ思いが募ります。

 

歌番号一三九四

原文 於无奈与川乃美己乃己止止布良比者部利天

読下 女四内親王の事、弔らひ侍りて

 

原文 以世

読下 伊勢

 

原文 己々良与遠幾久可奈可尓毛加奈之幾者飛止乃奈美多毛川幾也志奴良无

和歌 ここらよを きくかうちにも かなしきは ひとのなみたも つきやしぬらむ

読下 ここら世を聞くが中にも悲しきは人の涙も尽きやしぬらん

解釈 多くの人の生涯を聞くなかでも、とりわけて悲しい物事では、その関係する人の涙も尽きてしまうのでしょうか。

 

歌番号一三九五

原文 加部之

読下 返し

 

原文 与美飛止之良寸

読下 詠み人知らす

 

原文 幾久飛止毛安者礼天不奈留王可礼尓者以止々奈美多曽川幾世佐利个留

和歌 きくひとも あはれてふなる わかれには いととなみたそ つきせさりける

読下 聞く人もあはれてふなる別れにはいとど涙ぞ尽きせざりける

解釈 話に聞く人も、ああ、悲しいと、思うような別れでは、関係する人はたくさんの悲しみの涙は尽きることがないようです。

 

歌番号一三九六

原文 左幾乃美可止於者之万佐天万多乃止之乃

世宇可従川比多知遠久利者部利个留

読下 先帝おはしまさで、又の年の

正月一日贈り侍りける

 

原文 左武之与宇乃美幾乃於本以万宇知幾三

読下 三条右大臣

 

原文 以堂川良尓遣不也久礼奈无安多良之幾者留乃者之女者武可之奈可良尓

和歌 いたつらに けふやくれなむ あたらしき はるのはしめは むかしなからに

読下 いたづらに今日や暮れなん新しき春の始めは昔ながらに

解釈 虚しく今日の一日は暮れて行くようです、新しい初春の始めの行事は昔ながらに行われていますが。

 

歌番号一三九七

原文 加部之

読下 返し

 

原文 加祢寸个乃安曾无

読下 兼輔朝臣(藤原兼輔)

 

原文 奈久奈美多布利尓之止之乃己呂毛天者安多良之幾尓毛加者良左利个利

和歌 なくなみた ふりにしとしの ころもては あたらしきにも かはらさりけり

読下 泣く涙古りにし年の衣手は新しきにも変らざりけり

解釈 あの御方を亡くした悲しみに泣いて流した涙に過ごした過ぎた年の衣の袖は、新しい年にも悲しみの涙で濡れることは変わりないようです。

 

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