竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻2 歌番号99から103まで

2024年08月01日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻2

歌番号 99 拾遺抄記載

詞書 題しらす

詠人 よみ人しらす

原文 也万佐止尓 也止良佐利世者 本止々幾須 幾久比止毛奈幾 祢遠也奈可末之

和歌 やまさとに やとらさりせは ほとときす きくひともなき ねをやなかまし

読下 やまさとにやとらさりせは郭公きく人もなきねをや啼かまし

解釈 山里に宿りをしなかったら、ホトトギスよ、その啼き声を聴く人もいない、無駄な鳴き声を立てることになったでしょう。

 

歌番号 100

詞書 天暦の御時の歌合に

詠人 坂上望城

原文 保乃可尓曽 奈幾和多留奈留 本止々幾須 美也万遠以徒留 計左乃者川己恵

和歌 ほのかにそ なきわたるなる ほとときす みやまをいつる けさのはつこゑ

読下 髣髴にそ鳴渡るなる郭公み山をいつるけさのはつ声

解釈 ほのかに啼き渡っているホトトギスの声、深山を出て来て、今朝の初声です。

 

歌番号 101 拾遺抄記載

詞書 天暦御時の歌合に

詠人 平兼盛

原文 美也万以天々 世者尓也幾川留 本止々幾須 安可川幾加个天 己衛乃幾己由留

和歌 みやまいてて よはにやきつる ほとときす あかつきかけて こゑのきこゆる

読下 み山いてて夜半にや来つる郭公暁かけてこゑのきこゆる

解釈 深い山を出立して夜半にはやって来るホトトギス、明け方に渡って、その啼き声が聞こえます。

 

歌番号 102 拾遺抄記載

詞書 寛和二年、内裏歌合に

詠人 右大将道綱母

原文 美也己比止 祢天万川良女也 本止々幾須 以満曽也万部遠 奈幾天以川奈留

和歌 みやこひと ねてまつらめや ほとときす いまそやまへを なきていつなる

読下 宮こ人ねでまつらめや郭公今そ山へをなきていつなる

解釈 都の人は、まだ寝ないで待っているでしょう、そのホトトギスは、今、山の辺を啼きながら出て行くようです。

 

歌番号 103 拾遺抄記載

詞書 女四のみこの家、歌合に

詠人 坂上是則

原文 也万可徒止 比止者以部止毛 本止々幾須 末川者徒己恵者 和礼乃美曽幾久

和歌 やまかつと ひとはいへとも ほとときす まつはつこゑは われのみそきく

読下 山かつと人はいへとも郭公まつはつこゑは我のみそきく

解釈 私のことを山に住む人と人は言うけれど、ホトトギスの、人々が待つ、その初声を私だけが聞くのです。

 

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