竹取翁と万葉集のお勉強

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拾遺和歌集 巻2 歌番号79から83まで

2024年07月26日 | 拾遺和歌集 現代語訳 巻2

拾遺和歌集

 

巻二:夏

 

歌番号 79

詞書 天暦の御時の歌合に

詠人 大中臣能宣

原文 奈久己衛者 満多幾可祢止毛 世美乃者乃 宇寸幾己呂毛者 多知曽幾天个留

和歌 なくこゑは またきかねとも せみのはの うすきころもは たちそきてける

読下 なくこゑはまたきかねともせみのはのうすき衣はたちそきてける

解釈 蝉の鳴く声はまだ聞こえないけれど、衣替えの時期、蝉の羽のような薄い衣を裁ちて着ました。

 

歌番号 80 拾遺抄記載

詞書 屏風に

詠人 したかふ

原文 和可也止乃 加幾祢也者留遠 部多川良无 奈川幾尓个利止 美由留宇乃者奈

和歌 わかやとの かきねやはるを へたつらむ なつきにけりと みゆるうのはな

読下 わかやとのかきねやはるをへたつらん夏きにけりと見ゆる卯の花

解釈 私の屋敷の垣根は春の季節を隔てたのだろうか、夏がやって来たとばかりに思える、卯の花です。

 

歌番号 81 拾遺抄記載

詞書 冷泉院の東宮におはしましける時、百首歌たてまつれとおほせられけれは

詠人 源重之

原文 者奈乃衣呂尓 曽免之多毛止乃 於之个礼八 己呂毛加部宇幾 个不尓毛安留可奈

和歌 はなのいろに そめしたもとの をしけれは ころもかへうき けふにもあるかな

読下 花の色に染めし袂の惜しけれは衣かへうきけふにもあるかな

解釈 花の色に染めた袂が名残惜しいので、夏の衣替えの行事は心侘しく感じるものです。

 

歌番号 82 拾遺抄記載

詞書 なつのはしめによみ侍りける

詠人 盛明のみこ

原文 者奈知留止 以止飛之毛乃遠 奈川己呂毛 堂川也遠曽幾止 可世遠末川可奈

和歌 はなちると いとひしものを なつころも たつやおそきと かせをまつかな

読下 花ちるといとひしものを夏衣たつやおそきと風をまつかな

解釈 春の季節が終わる時、花が散ると嫌ったものですが、衣替えで夏衣を裁って着ると、遅いなぁと思いながら秋風を待っています。

 

歌番号 83 拾遺抄記載

詞書 百首歌中に

詠人 しけゆき

原文 奈川尓己曽 佐幾可々利个礼 布知乃者奈 万川尓止乃美毛 於毛飛个留可奈

和歌 なつにこそ さきかかりけれ ふちのはな まつにとのみも おもひけるかな

読下 夏にこそさきかかりけれふちの花松にとのみも思ひけるかな

解釈 夏になると咲き木々に蔓花が懸かる藤の花よ、その藤の花は季節を待つばかり、その言葉の響きではありませんが、松の枝ばかりに懸かるものと思っていたのですが。

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