竹取翁と万葉集のお勉強

楽しく自由に万葉集を楽しんでいるブログです。
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万葉集 集歌3633から集歌3637まで

2022年09月19日 | 新訓 万葉集
集歌 3633 安波思麻能 安波自等於毛布 伊毛尓安礼也 夜須伊毛祢受弖 安我故非和多流
訓読 粟島(あはしま)の逢はじと思ふ妹にあれや安寝(やすい)も寝ずて吾(あ)が恋ひわたる
私訳 粟島の名の、その名のように「逢はじ」と私が思うような貴女でしょうか。物思いで安眠も出来なくて私は貴女に恋しています。

集歌 3634 筑紫道能 可太能於保之麻 思末志久母 見祢婆古非思吉 伊毛乎於伎弖伎奴
訓読 筑紫(つくし)道(ぢ)の可太(かた)の大島しましくも見ねば恋しき妹を置きて来ぬ
私訳 筑紫に行く可太の大島。その島の名のように「しましく」も逢わないからか貴女が恋しい。その貴女を奈良の京に置いて来た。

集歌 3635 伊毛我伊敝治 知可久安里世婆 見礼杼安可奴 麻里布能宇良乎 見世麻思毛能乎
訓読 妹が家路(いへぢ)近くありせば見れど飽かぬ麻里布(まりふ)の浦を見せましものを
私訳 貴女の家に行く路が近くにあったならば、見ていても飽くことのないこの麻里布の浦を見せたいのですが。

集歌 3636 伊敝妣等波 可敝里波也許等 伊波比之麻 伊波比麻都良牟 多妣由久和礼乎
訓読 家人は帰り早来(はやこ)と伊波比島(いはひしま)斎(いは)ひ待つらむ旅行く我れを
私訳 家に残る人は早く帰って来なさいと、伊波比島の名のように、貴女は神に斎って待つでしょう旅を行く私たちを。

集歌 3637 久左麻久良 多妣由久比等乎 伊波比之麻 伊久与布流末弖 伊波比伎尓家牟
訓読 草枕旅行く人を伊波比島(いはひしま)幾代(いくよ)経(へ)るまで斎(いは)ひ来にけむ
私訳 草を枕にするような辛い旅を行く人を斎う、伊波比島。何代ほども、そんな人々を斎って来たのだろう。


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