At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Switch / Bjarne Rostvold 5,4 & 3

2010-12-25 | Hard Bop & Modal
澤野工房から昨年ようやくCD化された通称「馬車」ことJazz Journeyで知られるロストヴォルドによる66年の3作目。前作Tricrotismから続投する朋友ペデルセンとボッチンスキー、数年前にデンマークに移住しここを終の棲家としたケニー・ドリュー、そしてRadio Jazz Groupにも参加する黒人テナー奏者レイ・ピッツにより吹き込まれた一枚です。オリジナルのメンバーとは人選に多少の違いが見られるも、この翌年リリースされたヤーディグのDanish Jazzman 1967と同じく、ある意味では後期Jazz Quintet 60作品とも呼べそうですが、それと同時に64年にブルーノートに吹き込まれたデクスター・ゴードンのOne Flight Up(BN4176)の続編的意味合い(こちらはフランス録音ではあるもののペデルセン、ドリューが参加)もあり、そちらの関連性から聴いてみても何かと興味深い作品。特にドリュー作のA-3、Coppin' The HavenはOne Flight Upでも演奏されていたナンバーの再演となるため、両者を聴き比べてみるのも面白いかもしれません。個人的にはこちらの盤の演奏の方が好み。北欧の風に当てられたせいかドリューのピアノの繊細度がグッと増していて、今の季節に聴くと非常に耳馴染みが良いです。またB-3のVenusian Blueはレイ・ピッツの作品。以前ここでも紹介したようにRadio Jazz Groupからの再演で、静と動を行き来するモーダルなナンバーになっています。ちなみにここでのボッチンスキーはマイルスを意識したミュート・プレイで個人的に少し苦手。何というか彼には、オープンでのプレイの方が似合う気がするんですよね。そんな彼のオープン・トランペットが思う存分堪能出来るのがB-1のWampoo。自分で書いた曲だからと言うこともあるかもしれませんが、ここでの彼はこれまで以上に非常に堂々としたプレイをしていて大いに好感が持てます。Jazz Quintet 60のFontana盤に通じるきれいめ系のバップなので、おそらく好きな人も多いのではないでしょうか。ちなみに以前Ricky-Tickのコンピに入っていたA-1のFolk Musikは、曲調とは裏腹にハードなジャズロック。確かにヨーロッパのDJに好まれそうな音ではありますが日本人的には少し微妙です。ともあれ最近の欧州ジャズのバブル崩壊に伴い値段が下がってきた作品のため今が買い時の一枚。片手で数えられるくらいの値段で発見したら購入を検討してみても良いかもしれません。

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