Lincoln Olivetti(リンコリン・オリヴェッチ)とのコンビで82年にSom Livreからリリースした作品で知られる、ブラジルのキーボーディスト兼シンガーソングライター、Robson JorgeによるCBSからリリースされた1976年のソロ名義コンパクト盤。一昔前なら英語読みでロブソン・ジョージと呼ばれていたと思いますが、ここ10年くらいでブラジル人の人名は現地風にポルトガル語読みするのが主流になったため、ここはおそらくホブソン・ジョルジと呼ぶのが正解なのでしょう。さてこのホブソン、翌1977年には同じくCBSからLPもリリースされていますが、本作はそのLPとは曲被りなしで4曲が収録されています。内容としては年代的なところもありブラジリアン・ソウル一歩手前と言ったところ。いわゆるブラコンだったりAOR的な80年代特有のギラついた雰囲気はなく、自然体でいわゆるフリーソウル的なナンバーをやっています。A-2のTudo BemとB-1のPenso Em Dizer Que Te Amoは表裏で当時シングルも切られたようですが、現代的な観点からすると聴きどころはむしろ本作オンリーの収録となるその他2曲。A-1のViver Depoisはイントロ一発で名曲と分かるタイプのミディアム・チューン。心地よいコーラスとこみ上げ系メロディーが耳に残るピースフルな一曲です。またB-2のProcure Amarはストリングスとホーンのアレンジがどことなくモータウン作品を思わせる、高揚感に満ちたポジティヴ・ソウル。どちらもおそらく多くの人がイメージするフリーソウルの音に非常に近いので、元クラバーのR35世代なら絶対に好きなはずです。ちなみにややポップ路線は強くなるもののLPの方もなかなかの名盤。しっとりバラードで歌われるAmei vocêやエヴァーグリーンな煌めきを漂わせるUm Dia Qualquerなど聴きどころ多めなので、気になる方はこちらのコンパクト盤と合わせてチェックしてみると面白いかもしれません。
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