At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Bay Area Diversity / Various Artists

2021-11-14 | Compilation
少し前に選曲中と紹介していた00年代前半期のヒップホップ集。リアルタイムで体験してこなかった人にはなかなか分かりづらい感覚と思いますが、00年代前半の宇田川町界隈では、当時メインストリームで流行っていたドレ、エミネムや南部のバウンス(チキチキ)ではなく、アグリー・ダックリングやピープル・アンダー・ザ・ステアーズ辺りの、いわゆる西海岸アンダーグラウンドサウンドがストリートで大きな支持を集めており、僕自身もその手の曲を好んで聴いていたので、今回の選曲にもそうした指向が反映されています。トラックリストは以下の通り。

1. Merry-Go-Round / A.Y.B.Force (P-Vine / 2005)
2. Elevator Music / Ugly Duckling (Handcut / 2004)
3. Back To The Grind Again / Bloquera (Tres / 2004)
4. It's About Time / Pase Rock (Hyde Out / 2002)
5. The Drive / Headnodic Feat. The Procussions (Tres / 2005)
6. Sidestep / Crown City Rockers (Basement / 2004)
7. The Way U Make Me Feel feat. Kim Hill / Black Eyed Peas (Interscope / 1998)
8. Keep It Alive Jazz Remix! / Kero One (Plug Label / 2004)
9. Braggin' & Boastin' feat. Little Brother / Sound Providers (Quarternote / 2004)
10. Remembering Dave (Monorisick Remix) / Substancial (Hyde Out / 2001)
11. Shallow Days / Blackalicious (Mo'wax / 1999)
12. Feed the Homeless / Starving Artists Crew (Fat Beats / 2003)
13. One Of Those Days (D-Smooth Remix) / Schoolz Of Thought (Full Blast / 2003)
14. It's Like That / De La Soul (Sanctuary / 2004)
15. Pure Thoughts / Lighthead (Day By Day / 2002)
16, Miss January feat. Talib Kweli / The Procussions (Rawkus / 2006)
17. Faithful / Common (Geffen / 2005)
18. For Da Love Of Da Game feat. Pauly Yamz, Baby Blak / DJ Jazzy Jeff (BBE / 2002)
19. Personal Ads / Time Machine (Glow-in-the-Dark / 2002)

全体的に、古き良きヒップホップと言うか、サンプリング主体のいわゆるニュースクールマナーで制作されたナンバーを選曲しているので、当時の雰囲気を知っている人であれば懐かしく感じてもらえるかと思います。00年代前半期にこうした曲を多く作っていたのが、いわゆる西海岸アングラ勢とNujabesが主催するHydeoutだったので、収録曲は必然的にそうした曲が中心。

この手のサウンドは00年代後半以降、「おしゃれなジャジーヒップホップ」として巷で持て囃され、大量生産された楽曲が、外資系CDショップやヴィレッジ・バンガードを中心に当時の若者に大量消費されていくことになるわけですが、この頃はまだそうした様子は少なく、ただのアングラ・ヒップホップとして僕自身を含むBボーイにも好意的に受け入れられていました。

また、アングラ畑ではないものの、カニエ・ウエストがプロデュースしたCommonのBeも、この手のサウンドと親和性があり、当時ストリートで大ヒットしていたのをよく覚えています。

現在ローファイ・ヒップホップとしてリバイバルヒットしているのは、00年代後半以降のジャジー・ヒップホップ(実際に曲が制作された時期というよりも価値観が00年代後半的)なので、今回紹介するような00年代前半期のアングラ・ヒップホップは語られることもあまり多くなく、正直90年代ニュースクールと00年代後半ジャジー・ヒップホップの狭間でミッシングリンク化してしまってる気がしますが、実は今聴いても良いものが多いので、気になる方は是非聴いてみてください。

Bay Area Diversity
コメント
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