At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

La Cena / Various Artists

2008-02-26 | Compilation
既に別のところで先行紹介したものですが、約1年ぶりにコンピCDなど作ってみました。↓の曲目見て頂ければ分かる通り、例によって今回も欧州ジャズ中心です。ただ、そうは言っても前作と同じような雰囲気のものを作っても面白くないので、今回は少し質感を変えてわりと都会的な感じにしてみたつもり。男気溢れるアフロ・キューバンやハードバップは選曲候補から外して、敢えて若干血圧低めな曲ばかり集めています。最近の僕の傾向からすると、日々のリスニングにはこれくらいの温度が肌に合っていて、自分としてはわりとお気に入り。変に気負ってもいない適度な空気感が和めます。以下トラック・リストを掲載しておきますので、ご興味のある方は是非ご参考にどうぞ。

1.Dark Eyes / Francy Boland
2.Toots Sweet / Routine Jazz Quintet
3.Snap Count / Quintetto Lo Greco
4.Lush Life / Clarke = Boland Sextet
5.Tenderness / Myriam Alter Quintet
6.When Wish Upon A Star / Nicola Conte
7.Lonley Girl / Francy Boland
8.Beautiful Lola, Flower Of The North / Zbigniew Namyslowski
9.Wafers / Oscar Rocchi Quintet
10.Mishima / Routine Jazz Quintet
11.Carete B / Lucien Joly Quintet
12.I'll Remember April / Fabrizio Bosso Quintet
13.Pink Tenor / Gunnar Ormslev
14.Flowing Lines / Quintetto Lo Greco
15.Fly Me To The Moon / Tema 3-D
16.Minha Saudade / Vitor Assis Brasil
17.Tudo Que E Preciso / Sansa Trio

個人的には、品の良いヨーロッパのワルツ~ボッサ中心な中盤の流れが特に好き。こういう曲は真夜中のBGMに映えます。ラストの2曲は最初に発表したものがイマイチ気に入らず、ジャズ・サンバの流れに差し替えました。こうすることで全体のバランスが取れたと思っているのですがどうでしょう。

La Cena

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Dippin' / Hank Mobley

2008-02-23 | Hard Bop & Modal
数多くの録音を残したモブレー最大のヒット作にして、言わずと知れたジャズ喫茶の定番。そんなブルーノートの4209番が本作Dippin'です。例のU.F.O.のサンプリングを筆頭に、クラブ界隈でも古くから人気のある一枚なので、若い世代の人などは初めて買ったジャズ作品がこれと言う方もいるのではないでしょうか。そのようなこともあり、既に様々なところで語り尽くされた感のある本作。今さら紹介するのも気が引けるので掲載を迷ったのですが、やはり改めて聴き直しても良い作品だと思うので載せることにしました。さて、前置きはこの辺りにして中身の話。過去にも多くの人が指摘した通り、本作の特徴は何と言ってもその演奏の軽さにあります。モブレー関連作のみならず、ブルーノート全体の作品の中で見ても一際キャッチーさの光る作品で、全体的に非常に耳馴染みの良い仕上がり。こんなに聴き易いアルバムはそうそうないのではないのかと思うくらい、誰にでも分かる明快なナンバーが並んでいます。本格派の人は眉を潜めるかもしれませんが、雰囲気でジャズを聴いている身としては、これはこれで良いのではないのではと言うのが本音。ここは素直に難しいことは何も考えず、A-2のRecado Bossa Novaが放つ純然たる心地良さに身を委ねるのが正解だと思っています。当時、世界的に一大ムーヴメントとなりつつあったボサノバですが、それに対するジャズ側の回答として雛形的な存在なのがこの曲。グルーヴィーに揺れるリズムに乗せた哀愁溢れるメロディー・ラインが素晴らしいですね。またB-3のBallin'は多幸感に満ちたハードバップ・スタイルの佳作。Recado~に比べれば断然知名度が落ちますが、こちらも華やいだ雰囲気がこれからの季節にもぴったりな良い曲です。モブレイのテナーも去ることながら、リー・モーガンによる解放的なトランペットがまた素敵。こういう曲は理屈抜きで好きですね。ちなみに昔からの人気盤と言うことで、これまでにも何度となくプレスされている作品なので、ご購入の際はプレス時期などもチェックした方が良いかもしれません。僕はどのプレスを買おうか色々悩んだ結果、結局オリジナルのステレオ盤を買うことにしました。本当はモノ盤が欲しかったのですが、それはそれで若干値が張るもので…。ただ、オリジナルに対して特に拘りのない普通の人はキング盤で充分なのかなと思います。最近の廉価版再発はさすがに若干御進めしかねますが…。
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Jazz Progression / Oscar Rocchi Quintet

2008-02-17 | Contemporary Jazz
先日リイシューもされたバリゴッツィのDire盤などに参加していたイタリアのピアニストが、自身のクインテットを率いて吹き込んだ珍しい一枚。記憶が定かではありませんが、確か本来はライブラリーとして製作された盤だったと思います。Flamという耳馴染みのないレーベルからのリリースということもあって、中古市場にもあまり出てこない作品だったのですが、そんな本作が今回めでたくリイシュー。同時に発売されたムッソリーニ(前回紹介済み)のインパクトが強く、若干その影が薄れている印象もありますが、こちらも相当なレア盤だったので今回の再発は嬉しい限りです。大枚叩いてオリジナルを買うほどの作品ではないと思いますが、例によって数千円で聴けるのであれば買っておいて損のない一枚。録音が82年とかなり新しいこともあり、同じイタリアン・ジャズでも60年代のそれとは若干趣が異なり、どちらかと言うとPenta Flowersの諸作に近い肌触りに仕上がっています。以前Deja Vuからリリースされたコンピや、Idea 6辺りの音の質感が好きな人ならばおそらくハマるでしょう。特に冒頭A-1のPrepositionなどは、そのままModalamodeに収録されてもおかしくないような雰囲気。細かいことは良く分かりませんが、おそらく管の音色の円やかさが最大のポイントなのだと思います。これが純ハードバップ~モードと言うより、やや落ち着いたコンテンポラリーな質感を生み出している原因なのでしょう。ただ、個人的な注目はやはり夜ジャズのテープに収録されていたB-3のWafers。なぜかこれだけ他の曲とは明らかに趣の異なる洗練されたナンバーで、哀愁溢れるフルートが気持ち良い都会のジャズ・ダンサーになっています。マルコ・ディ・マルコとネイザン・ヘインズのUp Westを、もう少し繊細な感じにシフトさせた感じと言ったところでしょうか。本格派のモダン・ジャズ・ファンには向かないかもしれませんが、雰囲気で音楽を楽しむ人間には打ってつけの一曲。僕と同じようにフルートの音色が好きな方は、この曲だけでも是非一度聴いてみてください。
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The Latin Taste / Il Trio Di Romano Mussolini

2008-02-15 | Contemporary Jazz
例のムッソリーニ宰相の息子さん、ロマーノが自身のプライベート・レーベルに残した非常にHard To Findな一枚。そんな知る人ぞ知る秘蔵盤が「ついに」と言うか「ようやく」と言うか、突然ここに来て500枚限定でアナログ再発されてしまいました。今回のタイミングでの再発は賛否両論あるのでしょうが、どちらかと言うと中身よりも希少性が原因で中古市場でも高騰していたアルバムなので、個人的にこの再発仕事は大いに大歓迎。そもそも純ジャズと言うよりライブラリー的な内容の一枚ですし、正直なところ6桁出しても手に入れたいと言う程の作品ではなかったものの、数千円で手に入るなら別に買っておいて損はないかと思います。A-4のVersiliana SambaがSunaga t Experienceによるカバー曲の元ネタとして話題ですが、この盤の個人的本命はA-1のMedidation。どこまでも晴れ渡る澄み切った空をバックに聴きたい、軽やかなイタリアン・チネ・ボッサの名演です。元々はジョビンの作品ですが、ここではそれをヨーロピアン・サントラ~ライブラリーっぽさ満点にカヴァー。例えるならば、あのトロバヨーリのジェラシーをサニー・サイドにシフトした感じとでも言ったところでしょうか。おそらくサバービアな雰囲気が好きな人ならば絶対好きです。またA面のラテンな雰囲気から一転して、B面はグッと大人っぽいスウィング・ジャズでこちらもなかなか。プレスの関係か若干音が割れてしまっているのが気になるところではありますが、エリントンをカヴァーしたB-3のDrop Me Of Harlemなどアーバン・ライクで良い雰囲気です。温かいサックスの音色が気持ちいB-4のConfirmationも悪くないですね。いわゆる本格派ジャズしか受け付けないようなタイプの人には内容的にオススメ出来ませんが、ライブラリーやサントラに代表されるヨーロッパのレア・グルーヴが好きな人はチェックしてみても良いかもしれません。結構な数が日本に入ってきているようですが、一度売切れてしまうと多分次に見つけるのは難しくなってしまうと思うので、気になった方は素直に新譜のうちに手に入れましょう。
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Talkin' / 土岐麻子

2008-02-12 | Japanese Groove
かなり久しぶりに購入した国産良質ポップス。元シンバルス、土岐麻子さんが昨年暮れにリリースした2ndアルバムです。その透明感溢れるヴォーカルが好きで、実はシンバルス後期から彼女の隠れファンだったのですが、その独特の声質と歌い方はもちろん今作でも健在。柔らかく女性的な彼女の歌声と、この手のフュージョン・サウンドの相性はやはり想像通り抜群ですね。「土岐流シティ・ポップ」を合言葉に、非常に完成度の高い一枚に仕上げられています。何年か前に一部で話題になった「流線形」に近い質感と言えば、おそらく分かる方には分かってもらえるでしょう。アルバム冒頭を飾るM-1の「モンスターを飼い馴らせ」から雰囲気満天。甘く切なく、それでいて少しだけノスタルジックなアーバン・サウンドに引き込まれていくこと間違い無しです。バックの演奏は完全に70年代後半のそれそのものなのに、ヴォーカルだけが今風と言うのがポイントなのかな。そのことによって、都市型ポップスとしての洗練度が一層上がっている気がします。和モノはそれほど真剣に掘っていないので詳しくは知らないのですが、少なくとも僕が知っている当時もののレコードに、ここまで洗練された雰囲気を持ったアルバムはありません。そんなアーベインな雰囲気が作中最も顕著に現れているのが、先行シングルもカットされたM-3の「ファンタジア」。きらめくエレピの音色と柔らかいホーン・セクションが最高に気持ちいいライト・メロウなバラードです。夜のドライブを終えた帰り道、ふとラジオからこんな曲が流れてきたら、おそらく誰しも自然と胸が熱くなるはず。タクシー・ドライバーに扮したPVも、個人的にここ最近見た映像作品としてはベストな出来でした。正にどこを取っても僕のツボど真ん中な一曲。最近はジャズやブラジルものばかり聴いていますが、こういう雰囲気の曲はやっぱりいつまで経っても大好きです。ちなみに他の曲では、どこかユーミンを思わせるアッパー・ミドルなM-8の「サーファー・ガール」辺りもかなりお気に入り。「いつもジャズばかりじゃなく、たまにはポップスでも…」と思ったら是非聴いてみてください。AOR系フリーソウルの雰囲気が好きな人も多分大好きだと思います。文句なしのオススメ盤。
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Serenata / LTC

2008-02-10 | Contemporary Jazz
かなり久しぶりの紹介となるNu Jazz系12インチ。北欧Ricky-Tickからリリースされた彼らの2枚目のシングルです。昨年末に日本先行でリリースされたアルバムは、試聴こそしてみたものの何となく惹かれず購入に至りませんでしたが、こちらはシングルは気になったので2週間ほど悩んで結局買うことにしました。アルバムからの収録曲はB-1のJust Give Me Timeのみで、他の2曲はこのシングルのみで聴けるナンバー。ただし、タイトル曲とこのJust~はいずれもクラーク=ボラン楽団のレパートリーなので、実質的には彼らへのトリビュート作と捕らえた方が自然なのかもしれません。A-1のタイトル曲は例によって高速調のボサ・ジャズ。このままでもNu Jazz的な硬いリズム展開が悪くない佳曲なのですが、個人的には回転数を33に合わせて遅回しでかける方がずっと好みです。ヴォーカルが入らないこともあって、遅回しで聴いてもそれほど違和感は感じられないし、こちらの回転数でかけるDJさんも出てくるかもしれませんね。オリジナルはわりと上げ気味のテンポですが、こうするとグッと落ち着いた雰囲気で、黄昏時のカフェ仕様に早変わりします。ジャケットのイメージに近いのもこちらなのではと思ったり思わなかったり…。ただ、それよりも注目なのはB-2のVisions Of Blue。リズム的にはほとんど人力ハウスと言った感じですが、ニコラのプロデュース下でプレイしている時とは対照的に、こちらはディープ・ハウスにも通じる都会的で煌びやかな音色が眩しい好ナンバーに仕上がっています。何となく井上馨さんによるChari ChariのAurora辺りを思わせる壮大な展開が素晴らしいですね。Schemaの雰囲気とは全く違いますが、これはこれでEspecialや西ロンドン系が好きな人に受けそう。しかし、彼らの楽曲はいつ聴いてもSchemaレーベルに感じるイタリアらしさが(良い意味で)希薄ですね。もはや完全に純正の北欧ジャズと言ってしまっても良いくらいRicky-Tickのレーベル・カラーに同化している気がします。こういうクラブ系12インチも、一度完売してしまうと次の入荷を待つのが面倒になりがちなので、興味のある方はお早めにどうぞ。
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Tubby Hayes and 'The Jazz Couriers' / Same

2008-02-09 | Hard Bop & Modal
澤野工房によるTempo復刻2作目は前回に続きジャズ・クーリアーズ。先のLast Wordsは彼らの最終作でしたが、こちらは57年にリリースされた1stアルバムに当たります。当時タビー22歳、ある意味この後の華々しき活躍の原点的作品と言えそうですね(実際はこれより前にも幾つか録音がありますが)。ちなみに某レコード屋店主に以前聞いたところによると、数あるタビー関連作のうちで、近年最も人気のある盤が本作なのだとか…。とは言え、オリジナルは素人がうかつに手を出せるような金額では到底ないので、聴くにはJasmineからのリイシュー盤で購入するしかありませんでしたが…。ただ、困ったことにこのリイシューがまた曲者。ジャケットの色合いがオリジナルと全く違うので、正直あまり購買意欲をそそられるような品ではなかったんですよね。そんなこともあって、今回の澤野盤は正に待望の復刻仕事と呼べそう。オリジナルに忠実なさすがの仕上がりで、素直に嬉しい限りです。気になる内容の方はと言うと、もうバリバリのハードバップ。この時期のタビー諸作はいずれ劣らぬ好作揃いですが、収録年が古いこともあり、純バップと言う点では本作がその最たるものかもしれません。小気味良いテーマに続き演奏される冒頭A-1のThrough The Night Roared The Overland Expressから、もう抜群に格好良いハードバップの好ナンバー。オリジナル盤には手が出なくても、こういう曲はやはりアナログでかける方が似合う気がします。そして何よりのお気に入りはB-1のOh, My!。アルバム中でも一際グルーヴィーなナンバーで、50年代のジャズ・クラブの盛り上がりを時を越えリスナーに想像させる名演です。明快なテーマと良く歌うメロディアスなソロ。これは誰もが好きでしょう。おそらくジャズ初心者の方が聞いて一番「ジャズらしい」と感じるのがこの辺りの音。ややアンティークな音の質感も含め、これぞ王道と呼べそうな、非常に分かりやすいナンバーです。正直この曲だけでも聴く価値ありかと。なお、アナログは例によって完全受注限定生産とのこと。気になる人はいつもの通り、プレミア化する前にショップへ走りましょう。文句なしのオススメ盤。
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Basrelief / Ib Lund Nielsen

2008-02-03 | Contemporary Jazz
デンマークのベーシスト、Ib Lund Nielsenがコンポーズした79年録音の作品集。ボッチンスキー、ニルス・ハスム、ヤーディグ、ロストヴォルドと60年代デンマークを代表するジャズメンが、例のJazz Quintet 60解散後、再度一同に介したというダニッシュ・ジャズ史上ある意味貴重な一枚です。ただ、もともと非常にレアな作品な上、昨今のボッチンスキー人気とも相まって中古市場での価格も鰻上りなようなので、オリジナルで聴くのは普通の人には少し厳しいかもしれません。かく言う僕も原盤ゲットは早々に諦めて、以前デンマークで出回った復刻CD-Rで聴くことにしました。さて、内容に関しての感想。正直あまりデンマークらしさは感じられないなと言うのが本音です。メンバーがメンバーなだけに、誰もがJazz Quintet 60サウンドを期待してしまうと思うのですが、正直あの奇跡のような雰囲気はここにはありません。あれから20年近く経過しているため、普通に考えて当然と言えば当然の話なのですが、「もしかしたら…」と淡い期待をしてしまっただけに、やはり若干残念な感は拭えませんね。最もそう言った固定観念を抜きにして考えれば、世界中にフュージョン旋風の吹き荒れていたこの時代としてはなかなかの佳作と言った趣。特に冒頭を飾るM-1のタイトル曲はダスコ・ゴイコヴィッチを思わせるエキゾな高速アフロ・キューバンなので、その手のジャズを好むクラブ畑の方はハマるかもしれません。リズム隊の質感こそプレ80年代的な雰囲気ですが、ヤーディグの奏でるフルートが個人的には好み。Debut盤を聴いたときも思いましたが、やはりこの人はサックスよりフルートの方が向いている気がします。ニルス・ハスムのソプラノ、ボッチンスキーのフリューゲルもなかなか。いずれにしろ6桁出して買うほどのレコードではないのでしょうが、ご興味のある方はこのCD-Rで聴いてみてください。ちなみに盤起こしではないようなので、わりと綺麗な音質ですよ。日本で取り扱っているところがあるかは知りませんが、本国からわりと簡単に個人輸入が可能です。まぁ好事家向けではありますが…。
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Vol.2 / Sansa Trio

2008-02-02 | Brasil
ホセ・ブリアモンチ率いるサンサ・トリオが66年に吹き込んだ2作目。オリジナルはこの手のボサ・ジャズものにしては結構なレア作品として、知っている人は知っている一枚だったのですが、昨年ようやく紙ジャケで復刻されました。ちなみに例のSom/Major大量再発とは別口の国内限定リイシューだそうです。ドラムにアイアート・モレイラが参加していることもあって、サンバランソ・トリオと良く似た雰囲気の一枚ですが、内容的にはこちらの方がちょっと控えめかなと言うのが最初の印象。取り立ててキラーな曲があるわけでもなく、何と言うか淡々と演奏をしている感じですね。ただ、派手さがない分だけ飽きが来ず繰り返して聴けることも事実で、実はここ最近密かな愛聴盤になっていたりします。何と言うか、あまり考えごとをしたくない時に部屋のBGMにするのに最適。オリジナル盤を持っていないから言うわけではありませんが、こういう作品はもしかしたらCD向きなのかもしれませんね。さて、収録曲の話。軽快なテンポで進むM-1のSambiduや、ジンボ・トリオやサンボサ・シンコもプレイしているM-2のCao Xangòなど、アナログA面部分に当たる「打った」楽曲も悪くはないものの、個人的にツボなのはやはりB面。中でもM-10のTudo Que é Precisoが一番のお気に入りです。まるで高級ホテルのラウンジBGMを思わせる、とびきりジャジーでムーディー、そしてエレガントでロマンチックなバラード・ナンバー。どこか日本人好みするタッチの繊細な一曲なので、おそらくヨーロッパのピアノ・トリオ辺りが好きな人ならハマるはず。これまで散々紹介してきたハードなジャズ・サンバもモチロン好きですが、最近は何となくこういう洒落たピアノ・トリオも気分です。少し年を取ったこともあって、いわゆるクラブ系の音楽から心情的に若干距離を取ったからでしょうか。ともあれAt The Living Roomな一枚であることは確か。カラフルでコミカルなジャケットも素敵ですね。こういう再発盤は一度廃盤になると見つけるのが俄然難しくなるので、興味のある方は店頭にあるうちに是非どうぞ。
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