At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Experimental Beathead Jams / Various Artists

2021-02-06 | Compilation
2021年最初の選曲は、前々から一度しっかりと向き合わなければいけないと考えていたトリップホップ。以前90年代のUKサウンドとしてTalkin' Loudレーベルを取り上げましたが、90年代初頭のアシッドジャズ・ブームが下火になり、Talkin' Loudが半ば開店休業状態になっていた頃、アンダーグラウンドで盛り上がっていたのがこの手のサウンドでした。レアグルーヴ~ヒップホップの流れとセカンドサマーオブラブ以降のインテリジェンス・テクノの流れの融合から生まれたこの新たな音は、90年代中盤に一大勢力となり大きな盛り上がりを見せることになります。中でもムーヴメントの旗手となっていたのが、今回取り上げたジェームス・ラベル擁するMo'Wax(とNinja Tune)。今では大御所となっているカリフォルニアのDJシャドウや日本のDJクラッシュをフックアップし、世界に名を轟かせたことでも知られています。さて少し長くなりましたが、前置きはこれくらいにして今回の選曲リストは以下のような形。

1. The Loop / DJ Krush (from the album "Strictly Turntablized" MW025)
2. Ravers Suck Our Sound (N.O.W. Mix) / La Funk Mob (from the ep "Breaking Boundaries Messing Up Heads" MW023)
3. A Whim / DJ Krush (from the single "A Whim / 89.9 Megamix + Bonus Beats" MW033)
4. Sortie Des Ombres / RPM (from the single "2000" MW018)
5. Stars / Nightmare On Wax (from the compilation "Headz" MW026)
6. 89.9 Megamix / DJ Shadow (from the single "A Whim / 89.9 Megamix + Bonus Beats" MW033)
7. Evolution Of The Beast (Part 2) / Palm Skin Productions (from the single "The Beast (Remix)" MW029R)
8. Abstract Original (Deep South Mix) / Attica Blues (from the ep "Vibes, Scribes 'N' Dusty 45's E.P." MW020)
9. Sassafrass (Plaid Mix) / U.N.K.L.E. (from the ep "The Time Has Come E.P." MW028)
10. Symmetrical Jazz / Awunsound (from the compilation "Headz" MW026)
11. In A Silent Way / Palm Skin Productions (from the single "In A Silent Way" MW013)
12. Dig This Vibe / DJ Krush (from the album "Strictly Turntablized" MW025)
13. What Does Your Soul Look Like (Part 1) / DJ Shadow (from the single "What Does Your Soul Look Like")

94年にリリースされたコンピレーションHeadzを頂点にしたレーベル全盛期のサウンドと言うことで年代が93~95年に集中しているため、今回は各曲の収録元とそのカタログナンバーをクレジットすることにしました。ちなみに、だいたい10番台中盤~30番台前半くらいまでがこうしたトリップホップど真ん中の作品で、この後レーベルは徐々に多様化していくことになります。96年のHeadz 2あたりからドラムンベースやアップテンポの曲が混在し始めますが、97年にNigoのA Bathing Apeと組む頃にはロックにも手を出し始めたことでますます方向性がとっ散らかり、さらに日本のToy's Factoryの配給でマス向けにもアピールしだしたことで、段々とコアなファンに対しての求心力が薄れていくことになってしまいました。

今回の選曲はそうした多様化が始まる前、純度が高い時期からの曲のみをチョイスしているため、気になる方は是非聴いてみてください。毎度のことですが公式で出ているコンピよりは初心者にとっても取っつきやすい内容かと思います。

Experimental Beathead Jams
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