At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

The Last Word / The Jazz Couriers

2007-03-31 | Hard Bop & Modal
タビー繋がりでJasmineの再発盤からもう1枚。こちらもTempo原盤になるThe Jazz Couriersの59年盤です。1957~59年の短い間だけ活動していたグループなので、一部のマニアを除き彼らのグループ名に耳覚えのある人は少ないかもしれませんが、このグループの中核を成す2人のテナー奏者の名前は比較的良く知られているはず。一人はもちろんタビー。そしてもう一人はロンドンにて自分の名を冠した名ジャズ・クラブを作ったロニー・スコットです。若干世代の違う2人のテナーによる分厚い音の共演がこのグループの最大の魅力。冒頭から勢い良く捲くし立てるA-1のIf This Isn't Loveを聴いた瞬間、モダンジャズ好きなら誰しもその重厚な演奏の虜になるでしょう。白眉は続くA-2のEasy To Love。コール・ポーター作によるこのナンバーを、彼らはとびきりスウィンギンなハードバップでプレイしています。眩いばかりのライトが今にも頭上から降り注いで来そうな華やかな演奏で、おそらくフロアー映えも抜群。やや曲調は違いますが、以前ここでも取り上げたDon Menzaの名曲Cinderella's Waltzにも通じる多幸感に満ちた演奏は、さぞ真夜中のダンス・フロアーを盛り上げてくれることでしょう。タビーがテナーからマレットに持ち替え、グルーヴィーなヴァイブ・プレイを披露するA-4のAutumn Leaves(枯葉)もかなり良い感じ。さらにB-2のYesterdaysではフルートまでプレイし始め、その多才ぶりは留まることを知りません。彼のように何をやらせても上手い人って現実にいるんですね。ラストのB-3ではもう一度勢い良くガーシュウィン作のスタンダード、Love Walked Inで締め。かくしてThe Jazz Couriersの短いキャリアは終焉を迎えることになります。UKにおけるモダンジャズ黎明期の貴重な記録。興味のある方は是非聴いてみてください。とりあえず格好よさだけは保障します。
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Tubby's Groove / Tubby Hayes Quartet

2007-03-31 | Hard Bop & Modal
既にこのブログでも何度も取り上げているUKのテナー奏者による、1959年吹き込みのカルテット音源。詳細な資料が手元にないので正確なことはわかりませんが、たしか彼がTempoレーベルに吹き込んだ最後の作品が本作だったはずです。この後60年代に入ってFontanaからリリースされた諸作に比べ、いわゆるクラブジャズ的なアプローチが非常に少ない(というか実質ほとんどない)ので、若い世代向けには紹介されることは少ないですが、往年のファンにとっては古くからタビーの最高傑作として認知され非常に人気のある作品。一部マニア及びコレクターの間で、オリジナル盤が非常に高額で取引されていることでも有名ですね。肝心の内容のほうですが、まず結論から一言。非常に水準の高いモダンジャズ作品で、同時にとてつもなく格好いい一枚です。タイトルに嘘偽り全くなし。グルーヴィーなタビーのテナーが全編に渡って存分に楽しめる一枚に仕上がっています。普段はワンホーン作品が苦手な僕でも、ここまで徹底された演奏なら文句はありません。取り分け冒頭A-1のTin Tin Deoの素晴らしさと言ったら本当に言葉にならないくらいです。曲全体の8割を占めるタビーのソロが格好良過ぎ。当時まだ新しかったであろうモーダル・スタイルを取り入れた、男気溢れる彼のプレイには誰しも魅了されることでしょう。これは紛れもなく欧州におけるトップ・オブ・モーダル・ジャズ。9分超という長尺も、この最高のプレイの前では全く気になりません。急速調のハードバップで演奏されるB-1のThe Surrey With The Fringe On Topや、ワルツのリズムと4ビートの巧みな切り替えが素晴らしいB-2のSunny Monday辺りも相当の出来栄え。いわゆるクラブジャズではなく、本当のモダンジャズを思う存分に聴きたい人には打ってつけの一枚です。ちなみにこれも英Jasmineからアナログでリイシューされていますので、興味のある方はそちらでどうぞ。また別ジャケではありますが、58年のEPとのカップリングでCD化もされていたはずです。
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Trying To Fool Destiny / Paulo Muniz

2007-03-28 | Free Soul
少しずつ桜の花が咲き始め、街の空気もにわかに春めいてきた今日この頃。CDのみのリリースながら最近巷でひそかに話題の本作は、そんな季節にぴったりな爽やかMPBの傑作盤です。もともとは誰も知らない自主制作のインディー盤だったものの、神戸disques dessineeによる熱烈なプッシュと独占ディストリビュートの甲斐あって、今では都内でも取り扱っている店舗がかなり増えてきた模様。同店が前回ディストリビュートしたJohan Christher SchutzによるPassionも内容的に悪くはなかったですが、個人的にはこちらの作品に軍配が上がります。吹き抜ける風の爽やかさ、そして全編を覆うライト・メロウな雰囲気が圧倒的。リオ・デ・ジャネイロ録音とのことですが、ヨーロッパのブラジル音楽にも通じる洗練されたアレンジがまた非常に僕好みです。90年代後半に流行ったカフェ系ブラジル音楽とか好きな人だったら、間違いなく本作の魅力にも取り込まれるのではないでしょうか。特に冒頭から疾走感溢れるM-1のDefeated Guyや、軽快なボサ・リズムで聞かせるM-9のFrom Now Onなどはモロにアプレミディ系のフリーソウル・ナンバーになっているので、その辺りのファンは要チェックですね。まるで若かりし頃のスティーヴィー・ワンダーのように甘く歌うパウロのヴォーカルもまた素敵です。ちなみに個人的に一番気に入っているのはM-6のFeeling Guilty。他の曲に比べて少しだけジャズの要素が強くて、そこがまたとてもオシャレに聴こえる魔法のナンバー。晴れ渡った春の空の下、こんな曲を聴きながら海辺をドライブしたら、なんだかとても楽しい気分になれそうなこと請け合いです。近いうちにHMV辺りの大手外資系レコード店も入荷するのかな。Johan Christher Schutzも入ってるようでしたし。
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Midnight In Tokyo Volume Three / Various Artists

2007-03-25 | Hard Bop & Modal
近年マニアの間で再評価著しい和ジャズ。数年前の白木秀雄のレア音源復刻を皮切りにして、ジャズ批評誌での2号に渡るフックアップから、その後のThinkレーベルによる一連の再発へと続き、ついには先日クラブ・ミュージック系雑誌のremix誌でも大々的に取り上げられるという快挙(?)まで成し遂げたこのムーヴメント。既に何度か触れているように、僕自身としてはブーム自体にそれほど興味はなく、某中古チェーンによるこの自演劇を横目で眺めながら、黙々と他のレコードを漁り続けているわけですが、だからと言って何も和ジャズ全体を否定しているのではなく、僕の好みに合いそうなものに関しては時々こうやってチェックしています。さて前置きが長くなりましたが、本作は以前にここでも取り上げたミッドナイト・イン・トウキョウの第3集にして、1957年5月27日に「日比谷クラブ」で行われたジャム・セッションの様子を収めた実況録音盤。「楽団単位ではなく個人のプレイにスポットを当てる」というコンセプトの元で製作されたため、楽曲ごとにメンバーは流動的なものとなっていますが、いずれの演奏も当時の日本におけるモダン・ジャズの最高峰と呼ぶに相応しい名演で、同時期の欧米ジャズと比べても何ら遜色のない抜群のプレイが存分に楽しめるようになっています。個人的にはB-1のI'll Remember MayとB-2のPlug And Conectorがお気に入り。どちらも三保敬太郎のペンによるオリジナル作品ですが、知らずに聴いたらこれが50年も前の作品とはとても思えぬ、非常にソフィスケイトされた仕上がりに驚きです。バークリー音楽院留学前のナベサダが参加するB-3のThe Bluesもまた素敵ですね。クボタタケシ氏の言葉を借りるなら、「日本人だからカッコいい」でも「日本人だけどカッコいい」でもなく、「カッコいいものはカッコいい」を改めて感じることの出来る1枚。文句なしのオススメ盤です。
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Инструментальный Ансамбль / Давид Голощекин

2007-03-24 | Hard Bop & Modal
旧ソ連国営Melodiaレーベルにて1975年に吹き込まれた良い感じのジャズ。今回も全くクレジットは読めませんが、少し調べてみたところによると、本作はDavid Goloshchekinなるピアニストのリーダー作のようです。当時わりと人気だったのか同じ国営レーベルから何枚か作品をリリースしているらしいのですが、僕が実物を見たことがあるのはこれともう1枚だけ。やはり圧倒的な言葉の壁のせいか、まだ日本にはそれほど入って来ていないみたいですね。さて、そんな日本においてはマイナーな存在である彼ですが、実際にはなかなかの実力者のようで、本作でも旧ソ連特有の翳りのあるピアノ・プレイが存分に楽しめます。数曲でヴォーカルを取るElvira Trafovaも、キュートな歌声でバップ・スキャットを披露していて良い感じ。軽快なテンポでスウィングするA-4のМилая Джорджия Браун(原題:Sweet Georgia Brown)辺り好きな人も多いのではないでしょうか。GoloshchekinのオリジナルによるA-3、Я Вспоминаю Чарлиもインストながら良く歌う2管のアンサンブルが気持ちよい1曲。さらにB-2のТанцы Нашего Побережьяは、例の夜ジャズ<裏>にも収録されたライブラリー風ナンバーで、天から降り注ぐようなスキャットと刹那的なピアノが美しいモーダルなソフト・ブラジリアンになっています。極め付けはB-4のБразильская Сюита。キリル文字表記のためタイトルの意味は分かりませんが、これが何とTristezaで始まる3曲のブラジリアン・メドレーとなっていて、しかもアレンジがデンマークのBrigit Lystager風味。これはサバービア好きの胸を打つこと間違いなしでしょう。ストリングス入りのヴォーカル・ナンバー2曲も、しっとりと上品で良い雰囲気。というか全曲いいです。クラブプレイ向きではありませんが、部屋聴き用としてはかなり高水準の1枚。オススメ盤です。ちなみにジャケットはこのモノクロ以外にカラーのものもあるようですね。
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Senna Opowiesc Jana B. / Crash

2007-03-21 | Free Soul
ちょっと今さら感はあるのですが、たまたまレコード屋で発見したので紹介します。例のNovi Singersを筆頭に、一昔前に密かなブームとなったポーランド産レア・グルーヴのうちの一枚で、Crashなる当地のジャズ・ファンク・バンドが女性ヴォーカリストのGrażyna Łobaszewska(読めません…)をゲストに向かえ76~77年に製作したLPが本作。サバービア誌では便宜上ユーロ・ジャズの括りで掲載されていましたが、時代がらジャズ・ファンク~フュージョン色がかなり強めな上、プログレ的な要素も少なからず内包されているので、いわゆる正統派のジャズ・ファン向きの作品ではないかと思われます。実際僕自身も一枚通して聴くのは少し辛め。最もデンマークのAriel辺りに比較的近い雰囲気を持っているので、ヨーロッパのジャズDJとかはこういうの好きそうですけれどね。さて、そんな本作中で僕が唯一好んで聴いているのはB-3に収録されたW Najprostrzych Gestach。程よいテンポで演奏されるブラジリアン・フュージョンで、ベースとアナログ・シンセ、そしてサックスの音色がたまらなくグルーヴィーな一曲です。Grażyna嬢の可愛らしい声で奏でられるメロディー・ラインも、どこか郷愁感と高揚感を同時に煽る展開となっていて、あまり耳馴染みのないポーランド語による歌詞と相まり、ある種独特のオリエンタルな世界観を作り出すことに(本人たちの意思とは関係なく)成功しているのではないかと。フェイド・インで始まりフェイド・アウトで終わるのが少し残念ですが、個人的にはなかなかの佳曲だと思っています。ちなみにサバービア掲載効果か一部の店舗では未だに5桁で取引されているようですが、基本的にそれほど高いレコードではないはず。安く見つけたら聴いてみても良いかもしれません。
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Jazz Quintet 58 / Same

2007-03-18 | Hard Bop & Modal
1958年にデンマークTriolaレーベルにて吹き込まれたEP。この後、先日再発された63年のFontana盤まで続くことになる、一連のJazz Quintet関連作品のデビュー作となるのが本作なのではないでしょうか。59年録音のDebut盤EPを含め、以降の作品では基本的に一貫してJazz Quintet 60を名乗る彼ら(-61名義のDebut盤は例外)ですが、本作録音の時点ではまだ後に続くプロジェクトの方向性もはっきりと決まっていなかったのか、単に録音年を冠しただけのJazz Quintet 58というものがコンボ名として使われています。またメンバー自体も他の諸作とは大きく異なっていて、プロジェクト全体の実質的なリーダーであるボッチンスキーと、61年のLet's Keep The Messageに参加したJørgen Elniffを除く他3人のミュージシャンは、本作のみの参加となっているのも興味深いところ。人気のペデルセンはおろか、ボッチンスキーと並びプロジェクト全体の鍵となるアクセンすら、この時点ではまだ参加していないのですから。ただ、だからと言って本作が聴くに値しない作品であるかというとそんなことは全くなく、むしろこのプロジェクト黎明期の貴重な記録として大いに聴く価値のある一枚だと思います。収録された4曲は当然いずれも水準の高いハードバップとなっていますが、中でもB-2のAtli's Moustacheが取り分け素晴らしい出来栄え。まるで獲物を狙うかのような鋭い2管のフロントと、どこか不穏な緊張感を漂わせるリズム隊の組み合わせが、否応なしに例のTo Iskol'hofを彷彿させる非常に格好良い仕上がりとなっています。ゆったりとバラードで聴かせるA-2のDarn That Dreamも、どこか悲壮感と哀愁に満ちていて素敵ですね。それにしても本作録音時のボッチンスキーはまだ若干18歳。とてもじゃないですが信じられませんね。
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Bossa Nova! / Quintetto Basso Valdambrini

2007-03-18 | Hard Bop & Modal
Deja Vuからの一連の再発シリーズに便乗して、ついでと言っては何ですがこの盤も紹介。おそらく彼らの作品のなかでも一際レアリティーが高く、また同時に一般的な知名度が低いLPなのではないでしょうか。さて、そんな本作は62年に伊Ricordiレーベルに吹き込まれた一枚。名義上は一応クインテット録音となっているものの、実際のところは総勢12名のミュージシャンが曲毎に入れ替わる流動的なコンボ編成になっていて、曲によっては双頭リーダーが2人とも抜けることもあったりします。そういった意味では、純粋なQuintetto Basso Valdambriniの演奏とは言いかねるのですが、それはまぁご愛嬌ということで(笑) そういえばThe Five Corners Quintetも全然5人じゃないですものね。演奏の方も普段のウェストコースト~ハードバップのそれとは若干趣きが異なり、全編にカバザの音色が散りばめられた南国的な雰囲気の漂うリラックスしたものになっています。ただ、だからと言ってそれが悪いと言うわけでは決してなく、むしろ個人的には非常に好き。フランコ・チェリの柔らかいギターとバッソの暖かいテナーが印象的なA-1のDesafinadoからして最高です。ピアーナを加えた3管によるフロントとセラーニのピアノが堪らなく優美なA-4のI Should Careも、まるで真夏の夜の夢を思わせる素晴らしい一曲。DJ的にはA-5のMy Little Suede ShoesやB-4のI'll Remember April、それからB-5のBarbadosのようなアップテンポな曲がオススメですね。最も基本的にどの曲も「打ってる」ので、全体的に使い勝手はいいと思いますが。ちなみにRearwardのコンピに収められたOscarnovaも本作に収録。個人的には他の曲の方がずっと内容良いと思うのですが、コンピに入れることが出来なかったのはやはり権利関係によるものなのでしょうか。
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Джаз 65 / Various Artists

2007-03-18 | Hard Bop & Modal
久々の紹介となる旧ソ連Melodiya音源。例によって表記が全てキリル文字なため、詳細はほとんど不明なのですが、本作はどうやら1965年にモスクワで行われたジャズ・フェスティバルのノベルティー盤か何かのようです。4組の異なるスモール・コンボによる音源が収録されていて、その内訳はオーソドックスなアルトのワン・ホーン・カルテットとピアノ・トリオ、それからヴァイブ入りカルテットとワン・ホーン+ギターがフロントのクインテットという構成。いずれもなかなかにモダンな味わいで悪くないですが、中でもとりわけ白眉なのがヴァイブ奏者Л.Гарин(英文表記:Lenoid Garin?)のカルテットによるオリジナル曲、A-2のЭкспромт(ごめんなさい、読めません…)でしょう。近年ジャズDJ達からウォント率の高い例のLouis HjulmandのNew Salesburgにも通じる高速4ビートのモーダルなバップで、巷のレコ屋風な書き方をするならばDJ即死のジャズ・ダンサー・チューンとでも言ったところ。小気味良いテンポで打ってるビートの中を疾走するヴァイブが最高に気持ちよく、この辺りのヨーロピアン・ジャズ好きならば確実に一発でノックアウトされることでしょう。演奏にどことなく透明感があって、知らずに聴いたら思わず北欧産のニューディスカヴァリーかと勘違いしてしまいそうですね。何気なくDJでかけたら周りの人からも驚かれること必至でしょう。ただし、この国営レーベルのLP全般が持つ特徴で、音圧というか録音レベルが異常に低いので、プレイの際はその辺りに注意が必要となってくるかもしれません。社会主義時代のソ連産ということで、おそらくそれほど資金がなかったのでしょう。レコード自体の作りはかなり適当です。良く分からないですが、おそらくこのジャケットも廉価盤の統一ジャケ。最もそれでも聴いてみたいという僕のようなマニアな人は、探してみても良いかもしれませんけれど(笑)
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New Sound From Italy / Basso-Valdambrini Octet

2007-03-12 | Hard Bop & Modal
こちらも今回再発分のバッソ=ヴァルダンブリーニ関連盤。先のBasso Valdambrini Plus Dino Pianaと同じく伊Jollyが原盤になりますが、こちらは当時米Verveからも発売されていた他、Stellaからの2ndプレスもあるので、オリジナルのレア度とは裏腹に彼ら関係のLPとしては比較的見る機会が多い一枚なのではないかと思います。さて、そんな本作は若干メンバー編成の変わる3セッションからなる59年録音。注目ポイントとしては、スウェーデンが誇る巨漢バリトン奏者ラース・ガリンの参加と、本来ギタリスト(当時はわりとベースも演奏していたようですが…)であるフランコ・チェリの奏でるベース、それからアレンジで参加しているウミリアーニ辺りになるのでしょうか。演奏スタイルとしては、そもそもイタリアという国自体がジャズ後進国であったことも踏まえ、同時代の他のヨーロッパのコンボに比べ若干古さを感じさせるところもありますが、ある意味そこが逆にこの盤の魅力なのかもしれません。どことなく54~55年くらいの英Tempo盤などにも通じる演奏。おそらくこの盤を録音したことには、本場アメリカへ向けて当時のイタリアン・ジャズメンを紹介するという目的があったと思いますが、そう言った意味では同様の目的で作られたジミー・デューカーのPub Crawlingにも非常に近い雰囲気がありますね。クラブ映えするようなレコードではないですが、純粋にオールド・ジャズとして楽しめる1枚に仕上がっています。個人的に気に入っているのはGeorge GruntzのアレンジによるA-1のIndiana。心地良いスウィングで飛ばすバップ・ナンバーで、聴いていると何故だか自然とウキウキした気分になること間違いなしです。B-3のPeter Of April辺りも良いですね。なんとなくサバービア的な雰囲気も感じられる1枚。フロアでガンガンに踊るのでもなく、家で一人で真剣に聞くのでもなく、ほのぼのとジャズを聴きたい方にはオススメです。
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