At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

街はパレード / あっぷるぱい

2018-09-26 | Japanese AOR
なんとなくネットを見ていて発売を知ったシングル盤。2012年に「謎の大学生バンド」という触れ込みでリリースされたCDが一部で話題を呼んだ、流線形のクニモンド瀧口氏プロデュースによる匿名バンド"あっぷるぱい"がこの8月に7インチ・ヴァイナル・オンリーでリリースした一枚です。彼らは2012年のCDアルバムを発売した後は、翌年末に配信のみで"ココナツ・ホリデイ"というしただけで、それ以外に新作の発表はしていなかったので、今回の作品は約5年ぶりの作品ということになります。6年前のアルバムに収録された曲は、思い切りシュガーベイブによるシティポップ黎明期の音作りを意識というかトレースしたものでしたが、今回の新曲はそこから少し時代が下って1980年前後の生音シティポップ最盛期サウンドを真似たもの、要は流線形の1stと同様の質感になっており、個人的には非常に好み。00年代以降のシティポップ再評価におけるエポック・メイキングとなった"3号線"や"東京コースター"の流れを組む、軽やかかつノスタルジックな王道メロウ生音シティポップに仕上がっています。洋楽に明るい方には、セルメンあたりのA&M〜CTI系サウンドというと分かりやすいかも。この手の音楽を好む方なら、おそらく雰囲気が好きな人は多いのではないでしょうか。流線形の1stが2003年なので、個人的には、待ち侘びたサウンドメイクが15年越しでようやく戻ってきたという思い。最初の出会いがあまりに衝撃的だったので、それ以降もクニモンド瀧口さん関連の曲はだいたいチェックしていますが、個人的にはどれもイマイチのれなかったため、久しぶりのヒットです。7インチの新譜というフォーマットはあまり好きではなく、実は気に入らない部分もあるのですが、今のところCDのリリースはないようなので買ってしまいました。なお、本作のリリース背景などを色々と調べていたら、11月にサノトモミさんによるこちらも6年ぶりの新譜が出ることも発覚。そちらも併せて楽しみにしておこうと思います。さて、今回のあっぷるぱい。プロデューサーである瀧口氏が立ち上げたレーベルの第一弾作品という位置づけでしたが、果たして次回作はあるのでしょうか。シュガーベイブの雰囲気に寄せていた前作はともかく、ここまで自身の趣味丸出しの音作りをするならば、何も匿名バンド名義にしなくても良いような気がしますが・・・。
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ミライのテーマ / うたのきしゃ / 山下 達郎

2018-09-19 | Japanese AOR
久しぶりの音盤紹介は、この夏話題となった細田守監督のアニメ「未来のミライ」の主題歌となるこの作品。僕を含めた音楽好きの方々の間ではアニメ以上に大きな話題となったのが本作ではないでしょうか。アニメのオープニング曲であるM-1の「ミライのテーマ」、そして主題歌であるM-2の「うたのきしゃ」ともに生バンド主体の演奏をバックに従えた楽曲となっており、まさに往年の達郎サウンドそのもの。For YouやPocket Musicあたりの80年代前半作品の質感を、2018年の気分で再構築した雰囲気となっているため、あの時代のシティポップ~AORサウンドが好きな方にはたまらない内容かと思います。個人的にも達郎さんの現行作品としては、2002年にリリースされたLOVE GOES ON(その瞳は女神 (Goddess))以来の大ヒット。それ以降の作品にも好きなものは多少あるものの、近年のバラード主体の作風は正直あまり好みではないので、新曲でストレートな達郎サウンドにノックアウトされるのは15年以上ぶり。あまりの完成度の高さに感銘して、思わず衝動的に10年ほど前に選曲したタツロー・ベストの続編を作ってしまいました(笑) 前回の選曲は70年代のRCA/Air時代の楽曲が中心でしたが、今回は80年代以降のMoon期にスポットを当てており、70年代とは一味違う30代以降の円熟した達郎サウンドが楽しめる仕上がりとなっています。諸事情あるのでここには載せませんが、いつもの通りアップしているので気になる方は聴いてみてください。SonoriteやRay Of Hopeの雰囲気は個人的にイマイチ乗り切れないので、願わくば次回のアルバムはこの路線で制作頂けると嬉しいです。ちなみにシングルのカップリングや毎年のクリスマスプレゼントで届けられるライブ音源の編集盤については別企画で進行希望。特に難波弘之(key)、伊藤広規(G)との3人体制によるアコースティック・ライブ音源については抜群の出来なので、未発表もの含めオフィシャルCD化してほしいものです。いずれにしろ本作が往年のファンにとっての名作であることは疑いないので、まだ未聴で興味のある方はぜひご視聴をば。素敵な達郎サウンドにやられること間違いなしです。
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Modern Sounds from Bari / Nicola Conte

2018-09-11 | Compilation
異常とも言える夏の暑さも収まり、ようやく少しだけ秋らしくなってきた今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はと言えば相変わらずですが、まぁぼちぼち日々を楽しんでいます。さてさて今夜はそんな夜長にも良く合うセレクトを紹介。今から15年くらい前(!)にクラブ界隈で一世を風靡したジャズDJ、ニコラ・コンテによる楽曲の中から僕が特に好きな曲ばかりを集めた80分です。まずは以下トラックリスト。

1. Quiet Dawn
2. Waltz of the Sirens
3. The Happiness Tree
4. New Morning (Nicola Conte Re-Work) / Sabrina Malheiros
5. Ocean Dance / Gaetano Partipilo
6. Macedonia
7. Open the Door / Nicola Conte presents Stefania Dipierro
8. Groovy Samba / Nicola Conte and His Groups
9. Song For The Seasons
10. Wanin' Moon
11. Castle in The Rain
12. If I Should Lose You (feat. Marvin Parks)
13. Sandalia Dela (feat. Heidi Vogel)
14. You Are (Nicola Conte New Samba Mix) / Povo
15. The In Between
16. Crocodile Tears (Nicola Conte "Lotus Bossa" Quintet Version) / Gira Mundo
17. Jamming (With Mr. Hoagland) (Nicola Conte "For Friends And Relatives" Version) / The Five Corners Quintet

ニコラはこれまで単独名義で6枚のアルバムをリリースしており、いずれも少しずつアルバム全体の雰囲気は異なるのですが、少し聴けばわかる通り、今回のセレクトは2004年にブルーノートからリリースされ大きな反響を呼んだ傑作Other Directionsとその前後にリリースされた作品群の質感に寄せています。あの頃一部でブームとなり僕自身もどっぷりハマった欧州ジャズへの入り口となったのがこの辺りの音。ここから元ネタ探しに走り、様々な意味でとんでもないことになったのも今となっては良い思い出です(笑) いつものようにmixcloudへのリンクを貼っておくので気になる人は聴いてみてください。この手のジャズ系楽曲を中心に選曲するのは、何気にかなり久しぶりだったりするので不安はありましたが、意外とうまくハマったと思います。

Modern Sounds from Bari
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