At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Peralta / Same

2013-06-30 | Hawaii
先週から少し仕事が忙しくなり、更新が遅くなってしまい申し訳ありません。取り上げるのはハワイのマイナーなギタリスト兼シンガーソングライター、Ray Peralta(レイ・ペラルタ)がKawika Recordsなるスモールレーベルに残したLP。録音年の記載がないため詳細は分かりませんが、サウンドから察するにおそらく70年代中~後期の作品かと思われます。収録曲10曲のうち歌が入っているのは3曲のみで、基本的にはペラルタ氏自身がプレイするギターを中心とした、いわゆるスラックキー・ハワイアン。大自然の雄大さとある種のノスタルジーを感じさせる演奏が魅力の1枚となっています。その名もずばりのA-6、Slack Keyを中心にほとんどが自作曲で占められていますが、バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」やアントニオ・カルロス・ジョビンのメドレーなどもプレイしており、音楽好きなら耳馴染みのあるメロディーもちらほら出てくることでしょう。中でもJobim Jamと名付けられたB-5のジョビンメドレーは、本場顔負けの正統派ボサノバとなっており、これからの季節に映える素敵なナンバー。Hi-Fi Records辺りのセレクトするレコードが好みの人にはツボかと思います。ただ個人的に注目なのはこれらスラックキー曲ではなく、何故か一曲だけ不自然にコンテンポラリーをやっているA-1のGoing On。LPに針を落とした瞬間流れてくる涼し気で心地良い高音のエレピ、ざくざくと荒く刻まれるビート、弱々しく切なげなペラルタのヴォーカルの3拍子に即ノックアウトな名曲です。先日取り上げたグレッグ・ヨーダー辺りにも通じる上質なメロウフォーク~Pre-AOR。マイナーな自主盤を追いかけているメロウグルーヴ愛好家でエレピ好きならおそらくほぼ確実に気に入ることでしょう。マイナーな作品でレア度もそれなりですが、幸いなことに今のところそこまで極端に高騰している様子は見受けられないので、もしもどこかで見かけたら試聴してみることをお勧めします。正直この1曲のためだけに買っても損はしないLP。興味のある方は探してみてください。
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Tropical With The Moonlight / Various Artists

2013-06-23 | Compilation
先日も少し書きましたが、最近マイブームでひそかに勉強中なのがラヴァーズ・ロック。僕の場合、昔からこうやって一つのジャンルにハマると、教材となった音源でコンピレーションを作るクセがあるので、今回も一つ作ってみました。なんというかこの作業は自分の中でそのジャンルをきちんと消化するための儀式みたいなもので、言ってしまえば完全に自己満足の産物なのですが、そこは凝り性気質な僕のこと。毎回それなりにこだわりを持って、よそに出しても恥ずかしくない作品を作ることを心がけています。選曲の自由度で圧倒的なアドバンテージがある以上、ガチガチのしがらみの中で作られるオフィシャル製品に内容で負けるのは、一時期DJの真似事を少し齧った身としてはちょっとどうかと思うんですよね。。。。とりあえず以下トラックリスト。

1. Fairy God Mother / Annette B
2. Fit And Ready / Sandra Cross
3. Time For Love / Cocoa Tea & J.C. Lodge
4. Don't Throw It All Away / Barrington Levy
5. Didn't I / Kofi
6. Watching You (Soul Mix) / Brown Sugar
7. Ecstasy of Love / Sammy Levi
8. Spoilt By Your Love / Carol Gonzalez
9. You Are The One / Intense
10. You'll Never Get To Heaven / Annette B
11. Day Dreaming / Jocelyn Brown & The Robotiks
12. Curious / Kofi
13. Bringing Out The Sunshine / Otis Gayle & Juliette
14. Melody Of My Heart / Reggae Disco Rockers
15. Since You Came Into My Life / J.C. Lodge & Sugar Minott
16. As / E. Mac-U-Late & Don Campbell
17. That Girl (Groovy Situation) / Freddie McGregor
18. L'etoile Du Bonheur (When You Wish Upon A Star) / Clementine
19. Rainbow / Reggae Disco Rockers

分かる人には分かると思いますが全曲80年代以降の甘いナンバーで占めており、レゲエと言っても一般にイメージされるような泥臭さは皆無。ほどよく都会感の漂う、汗知らずスーパー・スウィート・ソウルな雰囲気でまとめてみました。収録曲にMuroさんが昔Diggin'シリーズで選んでいたナンバーが多いのはご愛嬌。2000年前後に台頭したダンスホール・レゲエや数年前のジャパレゲブームでレゲエに対してアレルギーを持っている人にこそ、ぜひ聴いてみてもらいたいと思います。

Tropical With The Moonlight

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I Love Makin' Love To You / Madelaine

2013-06-22 | Free Soul
白人女性ヴォーカリスト、マデレインによる1978年の唯一のアルバムから、プロモーショナル目的でカットされた3曲入り12インチ・シングル。正規リリースのないレアな一枚ではありますが、収録されているのがアルバム中でもハイライトとなる3曲で、おまけにそのうち2曲がアルバム版とは尺が異なるディスコ仕様のリミックスとなっているため、その筋ではそれなりの人気と知名度を誇る作品です。日本で広く知られるようになったきっかけは、おそらくB-1のWho, What, Where, When, WhyがDiggin' Heat 2000に収録されたこと。もともとアルバム・バージョンはそれ以前からフリーソウルのコンピCDに収録されており、フロアでは半ばクラシック化していましたが、このテープのリリース以後、アルバムではなくこちらの12インチを探すDJが増えたように思います。壮大なストリングスをバックに高らかに歌い上げるアルバム版とは異なり、こちらのリミックスはビートとピアノを強調したダンス・クラシック仕様。BPM自体も若干早めになっています。冒頭の3分弱はマデレイン嬢の歌が入らず、2バース分まるまるオケのみで引っ張るという若干強引な構成になっていますが、DJで使うことを考えるとこれはこれで良いタメとして機能するので結果オーライといったところ。使いどころを間違うと悲惨ですが、上手く流れの中に組み込むことが出来ればフロアに心地良い空気を運ぶことが出来ること間違いなしでしょう。曲自体は言うまでもなく、数あるフリーソウル系ダンスクラシックの中でも1、2を争う大名曲。アルバム版ではありますが僕自身これまで3回ほどコンピでお世話になっています。ちなみに件のテープでは展開上の都合で曲後半の一番気持ち良い部分が丸ごとカットされているため、気になる人は是非このオリジナルを探してみてください。個人的に同系統ではテリ・ゴンザレス(≠インナー・ライフ)のCaught Up (In One Night Love Affairs)に匹敵する数少ない曲のうちの一つだと思います。当時よく言われていた「泣きながら躍る」を体現するナンバー。一時期リイシューされたものの廃盤になって久しいアルバムに、本作からのリミックス2曲をボーナストラックとして追加収録して再CD化していただけると有難いのですが。。。
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I Won't Change / John Valenti

2013-06-21 | AOR~BES
邦題は「女はドラマティック」。リリース当時アメリカではお蔵入りとなってしまい、日本のみで発売されたことで知られるジョン・ヴァレンティの2ndアルバムです。数年前にリイシューされた前作Anything You Wantはフリーソウルで取り上げられ大いに人気を博しましたが、こちらの作品は既に多くの方も指摘している通りもう少しストレートにAOR。前作に数多く収録されていたようなフリーソウル系楽曲はB-1のタイトル曲くらいのもので、それ以外の曲は基本的に全て正統派のAORなため、どちらかと言うとリアルタイム派の人に好まれる一枚です。なんというか初期ボビー・コールドウェルとラリー・リーを足して2で割ったような作風なため、そうした作品が好きな人ならおそらくハマるかと。特にA-2のDid She Mention MeやB-2のStephanieあたりは程よくポップで爽やかな良質AOR作品となっているため、好きな人も多いはずです。映画「波の数だけ抱きしめて」のサントラの雰囲気が好きな人ならば、ほぼ間違いなくツボど真ん中でしょう。またボビーのHeart Of Mineのような都会的なAORバラードが好きな人にはA-5のBest For You。どこまでもアーベインなサックスに導かれるアダルトなナンバーで、女性ウケ良さそうなスウィートな一曲に仕上がっています。時代がらほとんどの曲に本来のタイトルや歌詞とは全く無関係な邦題が付いていたりと、正直今の感覚からすると苦笑を禁じえない部分もありますが、これはこれでAORの様式美の一つ。そういう恥ずかしいところまでも含めてAORが好きというような人には是非お勧めのアルバムです。LP/CDどちらも比較的入手が容易な作品なので、まだ聴いたことがないという方は聴いてみても損はないかと。ちなみに僕は何年か前、LPを探そうと思ったその日のうちに神保町の某店で見つけ、1000円くらいで入手しました。それくらいありふれた一枚。おそらくその気になればすぐ見つかると思うので、興味のある人は探してみてください。
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Aja / Steely Dan

2013-06-20 | AOR~BES
泣く子も黙るAORのモンスター・アルバム。ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーの二人によるユニット(と書くのがこの場合は正解)、スティーリー・ダンによる1977年の6thアルバムにして名実ともに彼らの代表作として洋楽ファンには非常に良く知られた作品です。彼らの生い立ちと本作品の内容については既に多くの方がレビューしているためここで改めて詳しく書くようなことはしませんが、実は本作、個人的にはこれまでものすごく苦手だった一枚。AORの代表作としてその存在は以前から知っていましたが、その完璧主義さ加減と技巧に特化したアレンジが今ひとつ好きになれず、正直なんとなく敬遠していました。僕の場合AORは何よりもまず雰囲気が第一で、演奏やアレンジは二の次という聴き方をしているため、本作のように技巧重視の作品はどうしても相性が悪く、なかなか本腰を入れて聴く気がしないんですよね。そんな僕がこうして改めて本作を聴くようになったきっかけはB-1のPeg。デ・ラ・ソウルのEye Knowネタとしてヒップホップ界隈でもよく知られる作品ですが、先日ふと街で耳にしたこの曲が妙に心地よく、なんとなくアルバムを聴き直してみる気になりました。そうしたら不思議なもので、これまで苦手と思っていた他の楽曲も意外と耳に違和感なくすんなり入ってきたため、それ以来すっかりアルバム一枚通してヘビーローテーションしています。長く音楽を聴いていると似たような経験は誰にでもあると思いますが、これはこれで音楽の楽しさの一つ。今回の僕のように、最初に聴いたときに理解できなくても、数年後に改めて聴いてハマるということは充分に有り得ます。ちなみに今回のことがきっかけで、思い切って他のスティーリー・ダン作品やドナルド・フェイゲンのソロにも手を出してみましたが、残念ながら本作以外はまだ僕の耳には合いませんでした。。。次に聴く気になるのがいつになるかは分かりませんが、まぁ理解できるようになるのを気長に待ってみることにします。
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Taste And See / Rob Mehl

2013-06-18 | Hawaii
数年前にCreole Stream Musicからリイシューがリリースされ、一部マニアの間で話題となったクリスチャン系コンテンポラリー。ハワイ生まれのシンガーソングライター、ロブ・メールが80年代初頭にリリースしたアルバムです。いわゆるキラー曲が収録されているということもなく、全体的に地味な部類に入る一枚ですが、実は僕が今のようにコンテンポラリー・ハワイアンに再アプローチするようになったきっかけの一つだったりもするため、個人的にはやや思い入れの強い作品。冒頭から黒っぽいアプローチを見せるA-1のHouse On The Rock、ライトメロウなA-2のOverboard、そしてタイトル通りジェントルな雰囲気が心地良いA-4のBe Gentleと、いわゆるAOR寄りな楽曲がA面に集中していることもあり、当初はこちらの面ばかり聴いていましたが、実は裏に収録されているアコースティックな楽曲も何気に出来が良く、今ではアルバム通してお気に入りの一枚になりました。中でもさりげなく響くフルートの音色が美しいB-1のWaterfallがマイ・フェイバリット。いつもこのブログを読んでくださる方にはなんとなく分かって頂けると思いますが、個人的にこの手のフルート入りコンテンポラリー・ハワイアンは理屈抜きで僕の趣味ど真ん中です。ちょっと落ち着いた浜辺のカフェで聴いたらさぞ気持ち良いことでしょう。全編にわたり録音はLAで行われているようですが、楽曲から自然とにじみ出てくるハワイらしさがツボ。ジャケット含め非常にマリンフレーバー漂う一枚なので、そうした雰囲気が好きな人にはお勧めです。ちなみに言うまでもありませんがアナログはレア。特にこだわりがない方はおとなしくCDを買った方が良いでしょう。リリース当初は想定外の売れ行きだったのか店頭から一瞬で消えたこともありましたが、しばらく後に再プレスされたこともあり、今では比較的入手が容易な作品になっています。まだ聴いたことがないという方は是非耳を傾けてみてください。
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Arizona Light / Mike Soctt

2013-06-16 | AOR~BES
シカゴの白人シンガーソングライター、マイク・スコットが1976~78年に録音した楽曲を編纂した自主制作盤。マニアの方なら既にご存知と思いますが、近年になって発掘されたこの手の自主系AOR~SSW作品の中でも、その筋で非常に評価が高い作品のうちの一つです。内容的には若干AORの要素を含んだメロウでいなたいシンソンものといった趣。同じ自主系作品でもアーチー・ジェイムス・キャバナーのようにクラブ受けするキャッチーな曲が収録されているというわけではありませんが、全体的に好内容な仕上がりとなっており、この手のメロウ系SSWが好きな方なら恐らく納得が行く作品かと思います。Youtubeにも投稿されている冒頭A-1のGet It Off Your Mindはアップテンポですが、その他の曲は基本ミディアム~スロウで、わりとじっくり聴かせるタイプのものが多め。爽やかながらどこか儚げなA-3のI Know The Reason、コンテンポラリー・ハワイアンのような緩いボサリズムで聴かせるB-2のLittle One、ほど良い黄昏感が一日の終わりにぴったりなB-4のOcean Breezeなどなど全体的に良曲が多く、派手さこそないものの手堅く隙のない仕上がりになっています。そんな佳作が多数詰まった本作での個人的フェイバリットはA-4のSay Whatever Happened。シンセとピアノが気持ちいいライトメロウなミディアムで、アルバム中もっとも都会的なナンバーです。内陸であるシカゴでどうしてこのような曲が生まれたのか疑問ですが、曲全体からそこはかとなく香るマリンフレーバーが非常に魅力的。知らずに聴いてハワイのマイナー盤だと言われたら信じてしまうかもしれません。残念ながら今のところCD化はされておらず、アナログ盤も自主作品と言うことで当然レア。おまけにその内容の良さから価格も高騰しているため気軽にお勧め出来るような作品ではありませんが、そうした事情をおしても聴いてみたいというような方は探してみても損はないかと思います。もっともそのうち韓国あたりからひょっこり再発するかもしれないので、仮に高額で購入したとしてもリイシュー時に泣き言を言わないと言うのが前提ですが。。。
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Signature / Scott Wesley Brown

2013-06-16 | CCM
フィラデルフィア出身のCCM系シンガーソングライターによる1982年のアルバム。CCM畑の人ということもあり、日本ではあまり取り上げられているところを見たことありませんが、音楽活動を開始した70年代中盤~現在にかけて実に24枚もの作品を残す多作の人で、本作は彼の7作目にあたります。基本的にはCCMにありがちな優しい白人男性ボーカルものと言った雰囲気ですが、時代がらAOR寄りな楽曲が幾つか収録されており、AORファンにとっても楽しめる一枚。雲を突き抜けるかのような爽快感が気持ちいいB-2のThere Is Power、産業ロック風の演奏で聴かせるA-3のWorkin' Out The Details、山下達郎を思わせるアップテンポなB-4のYou Are The One辺りはそうした観点で聴いても普通に問題なくイケるかと思います。ポップな曲であってもメロディーラインはあくまで優しいというCCM特有の音作りが、いわゆるライトメロウ系のサウンドを好む人にとってはツボかと。おまけにこのスコット・ウェズリー・ブラウンの場合、曲だけではなく声もいわゆるAOR声のため、その点でもポイントが高いです。そして、そんな彼の魅力がもっとも詰まっているのがA-1のWithin His Joy。ジム・シュミットも取り上げていた曲ですが、こちらの演奏はそのジム・シュミット版よりも遥かにAORしていて、フリーソウル受けが良さそうな仕上がりになっています。爽やかな朝を感じさせる冒頭のシンセの音、心地よく跳ねたリズム、優男風の甘いヴォーカルに中盤の都会的なギターソロと、最初から最後まで完璧な一曲。ブルース・ヒバードのNever Turnin' Backが好きな人ならハマること間違いないなしでしょう。残念ながらCDでのリリースはないようですが、アナログなら安く手に入れることが出来ると思うので、気になる人は是非。ギターのイラストが描かれたジャケットの雰囲気も良いし、個人的には非常にお勧めの一枚です。
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Just Like The Old Times / Craig Ruhnke

2013-06-15 | AOR~BES
古参のAORファンからは古くから評価が高い作品。カナダはトロント生まれのシンガーソングライター、クレイグ・ランクによる1982年のアルバムです。皆さん既にご存知と思いますが、掲載しているジャケットはテイチクからリリースされた日本盤のもの。元々のジャケットが冴えないため、イメージ重視のAORとしてリリースするのが厳しいと考えられたのか、日本盤リリースにあたり宮内ハルオの描いたこの素晴らしいイラストジャケットへ差し替えられたようです。たしかに内容から考えるとこのジャケットにして正解。まさか、あのオリジナルのジャケにこのような爽やかなウェストコースト調AOR作品が収録されているとは、当時のリスナーは誰も考えなかったことでしょう。内容的には全編通して気持ちの良い一枚となっていますが、特に冒頭の3曲が良い感じ。A-1のBaby Blue、A-2のReach Out、A-3のYou're All That I Need。3曲続けてミッドテンポのライトメロウ佳作に仕上がっています。また少しテンポが上がったB-1のタイトル曲もなかなかの完成度。AORのファンには演奏重視な人と雰囲気重視な人の二通りがいますが、僕のように雰囲気重視で聴いている人にとっては、おそらく満足いただける内容なのではないかと思います。このタイプの作品の場合、演奏がどうこう、クレジットがどうこうという細かいことに着目するよりも、ただ単純にこの気持ちよさに身を委ねるのが正解。小難しいことを考えずに、休日の午後にコーヒーでも飲みながらのんびりと楽しむのに最適な一枚です。なお数年前に韓国主導でCDリイシュー済みなため、CD派の人はそちらで。LP派の人はこちらの国内盤を探すのが良いかと思われます。オリジナル盤は最初に書いたようにジャケットがイマイチですし、何より市場にあまり出回っていないため、素直にこの国内盤を探した方が幸せになれるかと。時々オークションなどで高騰しているところを見かけますが、しょせんAORの国内盤。上手に探せばそのうち1000円くらいで見つかると思います。
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Without you / Jeff Rasmussen

2013-06-14 | Hawaii
ハワイの大手Paradise Recordsの傍系レーベルと思われるShell Recordsから1990年にリリースされたCD。いわゆる90'sのコンテンポラリー・ハワイアンです。このジェフ・ラスムッセン氏、正直日本では無名な人なのですが、少し調べてみたところ本作以外にも何枚か作品を出しているようなので、彼の地ではそれなりに有名な人なのかもしれません。そんな良く分からない人のアルバムを何故買ってみる気になったかというと、以前Paradiseからリリースされているコンピで聴いた曲が僕好みだったため。本作に収められたM-3のHawai'i My Homeという曲がそのコンピ収録曲で、ややボサノバ調のリズムにマッキー・フェアリー似の甘い歌声とメロディーが乗る心地良いミディアムチューンです。軽いリズムとアコースティックギター、そして控えめなフルートがいかにもコンテンポラリー・ハワイアンと言った趣で個人的にお気に入り。残念ながらAOR寄りと呼べるナンバーはこれだけで、その他の曲は全般にトラディショナル色が濃いというか、トラディショナル・ハワイアンを現代風に昇華したような曲となっていますが、いかんせん声が良いため個人的にはこれはこれでアリだと思います。聴きどころはM-4のHe Nani Hawai'iやM-6のタイトル曲あたり。もしもマッキー・フェアリーが亡くならず、今も音楽をやっていたなら、きっとこういう雰囲気の曲をやっていたことでしょう。変にメインランドを意識した背伸びをしていないナチュラル感が耳に心地よく、聴いていると自然と優しい気持ちになります。カフェなんかのBGMにしても気持ちいいかもしれませんね。ちなみに手元にCDしかないため、LPでリリースされているかどうかは分かりませんが、単純に時期から考えると恐らくCDオンリー、もしくはCDとテープのみのリリースでLPは存在しない可能性が高いです。正直内容から考えて、AORのみを専門にしている方にはお勧めできませんが、このブログ復活以降プッシュしているコンテンポラリー・ハワイアンに興味がある方は探してみてもいいかもしれません。マニア向けの一枚。気になる方はチェックしてみてください。
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