At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Skyhigh / Skylight

2005-07-30 | Free Soul
フリーソウル・クラシックから久しぶりに紹介。瑞々しいジャケットも印象的なこの盤は、オーストラリアのAOR~ファンク系バンドが70年代に録音した一枚です。ちなみにオリジナルは見たことないので、おそらく相当レアなのだと思いますが詳細は分かりません。僕が持っているのはシスコ企画で96年に再発された盤です。これでも最近はあまり見ないですけれどね。まずは何と言ってもA-2のGet It Happeningが文句なしの名曲。アコースティック・メロウ・ソウルの最高峰だなんて帯にも書いてありますが、まさしくその看板に偽りなしと言えるでしょう。優しいエレピとメロウな低音の女性ヴォーカルが美しい。後半のハンド・クラップが流れてきたら、明け方のダンスフロアも感極まるはず。オリジナルよりも若干土臭さに満ちたB-3のWhat's Going Onも名カヴァーです。そして個人的に大好きなのはイントロのアコースティック・ギターが爽快なA-3のWhat's Happening To You。ジャケットのイメージともぴったりな気持ちよい一曲でオススメです。一時期のブームの追い風で人気の落ちているフリーソウルですが、やはり今聴いても輝きは色褪せませんね。ちなみに僕はこのLPを買うのは3度目。過去2回のはどちらも盤質が悪くノイズが出たので、ようやく盤質の良いものを手に入れられて満足しています。まぁ再発には変わりないのですが・・・。
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Over The Rainbow / Aura Urziceanu

2005-07-30 | Contemporary Jazz
一部の方々にとっては既にお馴染みでしょうが、ルーマニアのシンガーである彼女によるカナダ録音の2枚組LPです。なんと言うか凄くカフェ的なアルバム。テンポの速い曲も遅い曲もあるのですが、全体としてスタンダードを中心にジャズやボサノヴァなど上品なスタイルでアレンジしているので、二枚通して落ち着いて聴けます。ちなみに僕はこのアルバムでは特にジャズボッサ的なナンバーが気に入っていて、A-3のLonely LieやC-1のWe'll Be Together Again辺りが個人的にツボ。キュートなヴォーカル・ワークがまた良い感じです。もちろん橋本徹さんお気に入りのD-2、As Time Goes Byのようなドラマティックな高速ボサノヴァも好きですけどね。しかしこんなマニアックなアルバムをCDどころかアナログでまで再発してしまうP-vineは本当に凄いと思います。しかも、きちんとオリジナルと同じWジャケット仕様というのが驚きです。きちんと採算は取れてるのでしょうか?ちなみに彼女の名前は日本語表記ではアウラ・ウルジチェナウとなっていますが、果たしてこの読みが正しいのかどうかは僕は分かりません・・・。いずれにしろ、まぁ良いアルバムであることには変わりないのでルーマニアのものだからと言って珍しがって敬遠しないで聴いてもらいたい一枚。でも、もう一枚再発された方のアルバムは僕は苦手なんですけどね・・・。
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Beat Surrender / The Jam

2005-07-27 | Rock
いつもと少し毛並を変えてパンクから紹介。と言っても、The Jamが果たして真にパンクと呼べるのかどうかは僕には分かりませんが・・・。そもそも、このシングルが発売されたときには僕はまだ生まれていなかったので、これが当時流行っていたということも知らないのですが、そんなこととは関係なく大好きな一曲です。なんで大好きかってこの曲を聴くと落ち込んでいるときも自然と元気が出てくるから。サバービア誌によればポール・ウェラーは「とてつもなく素晴らしいことをそのままにしておきたいと願うなら、かならず終わらせなければならない」と言ってジャムと言うバンドを終わらせたそう。ちなみにこのシングルがJam名義での最後のリリースに当たるものです。解散ソングと言うには少し明るすぎるようと思う方もいるかもしれませんが、逆に新しい始まりへのプレリュードと考えればこのような形でのラスト・シングルにも納得が行くと思います。後にリリースされることになるスタカン名義での素晴らしき作品群への布石にして、10代後半~20代前半という淡々しく瑞々しかった青春時代への、希望に満ちた素晴らしき決別ソングです。いわゆる僕の好みとは少し違うかもしれませんが、自分の殻を破って新しいことに挑戦したいときに聴くと胸の奥から勇気が湧くのでオススメ。ちなみに僕が持っているのは当時限定でリリースされたこのジャケ違い2枚組7インチ。カップリングには彼が崇拝するCurtis Mayfieldのカヴァーなども入っています。
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The Latin Band Of / Mario Castro-Neves

2005-07-25 | Brasil
カナダのライブラリーに残された珠玉のブラジリアン~AOR集。良質再発レーベルCelesteから今年に入ってリリースされた後、ディスク・デシネの計らいでアナログ化され現在話題となっている一枚です。全体を通してソフトロック的な瑞々しさに満ちていますが、それでもきっちりとメロウなのがこの盤のポイントだと僕は思います。ソフトロックというとどことなくお子様向けの音楽という気が僕にはどうしてもしてしまうのですが、この盤に関してはしっかりと大人向けな内容。オリジナル6曲+カヴァー4曲という構成ながら、元曲を知らず一聴しただけではどれがオリジナルでどれがカヴァーなのかなど全く分からないくらい、アルバム全体のアレンジに統一感があります。A面もいいですが、僕が気に入っているのはB面の方。特にB-2のSummersoftとB-4のThis One's For Youは奇跡としか言いようのないソフト・メロウ・ブラジリアンAOR最高峰です。初めてMeta Roosのアルバムを聴いたときのような感動を覚えました。フリーソウルを通過したブラジリアン好きにはおすすめのアルバムです。アナログは1000枚限定だそうなのでなくなる前に買っておきましょう。この手の国内再発盤は一度店頭から消えるとなかなか再入手し辛いです・・・。
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Swinging The Jazz / Gustav Brom

2005-07-24 | Hard Bop & Modal
東欧チェコの敏腕コンポーザーGustav Brom率いるビッグ・バンドが、1967年にドイツの名門レーベルSabaに吹き込んだ良質音源。オリジナルはかなりレアだという話なのですが、僕が持っているのは数年前に再発されたアナログ盤です。僕はモダンジャズでは5~6人くらいの編成によるコンボが好きで、普段聴くのもそのようなものばかりなのですが、決してビッグバンドが嫌いというわけではありません。このLPも僕の数少ないビッグ・バンド・レパートリーの中ではかなり気に入っています。A-1のLypsoからアルバムのタイトル通り軽快な4ビート・スウィングで快適に飛ばしていく好ナンバー。その他の曲もどれも佳作揃いと言った感じで一枚通して楽しめます。ジャイルス・ピーターソンもコンピに入れたという話のB-4、Waldmadchenは女性スキャット入りのグルーヴィーなワルツ・ジャズ。そして個人的に一押しなのがB-3のKater Peterというナンバー。東欧らしいミステリアスなイントロからバピッシュに飛ばすホーンが心地よいオリジナル曲です。オルガンの音色がグルーヴィーなB-1のMoonriverカヴァーも結構好き。ゆったりとしたテンポながら、素晴らしき夜の始まりを演出してくれる都会的なビッグ・バンド・サウンドです。全体を通して音抜けが非常に良い盤なのもポイント高いかな?たまには気分を変えてビッグ・バンドに酔いしれるのも良いですね。
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Breaks Of Dawn / Urbs & Cutex

2005-07-24 | Mellow Hiphop
ジャジー・ヒップホップ好きの間でカルト的な人気を誇る、オーストリア発インストゥルメンタル・ヒップホップ・デュオによる2001年の1st。と言っても僕が彼らとこの盤を知ったのは、今年に入ってアプレミディ・セレソンの特典CD-Rで聴いてからなのですが・・・。そのCD-Rには良い曲がたくさん入っていましたが、中でも特に好きだった曲を調べてみたらこの盤に行き着いた訳です。セレクトCD-Rに収録されていたのはA-2のUp and Downという曲で、サンプリングされたメロウなピアノとフルートの音色が美しいインスト・ナンバー。ラップこそないもののブッダの休日なんかが好きな人はハマるでしょう。もちろんHydeout~Jazzy Sport好きの人も当然気に入るはず。要所に挿入されるヴォイス・サンプルも良い感じです。少しタイプは違いますが、D-3のBack In The Daysという曲もメロウかつ暖かみのあるサウンドで心地良いです。こちらは同じブッダでもロッキーをサンプリングしたReturn Of The Buddha Bros.辺りに近いどこか神秘的な雰囲気。アルバムを通して聴くと収録曲の100%が僕好みという訳ではないのですが、この2曲のためだけにも聴いてもらう価値があるアルバムだと思います。ちなみに前者は最近CDでリリースされた何かのコンピに収録された模様。例によって詳しいことは知りませんが・・・。
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Make Her Mine / Hipster Image

2005-07-23 | Rock
伝説のモッズ・バンド、Hipster ImageによるMake Her Mineという曲の99年に出された日本盤12インチ。僕は当時この曲がリバイバル・ヒットしたことは良く知らないのですが、どうやらリーヴァイスのCMに使われていたみたいですね。僕には馴染みのない60's UKのモッズなのに、この曲に関しては素直にカッコいいと思えます。鮮烈なホーンとグルーヴィーなビート、おまけに若干やる気のない白人ヴォーカルと来れば僕の好み一直線と言った感じ。ロックとして聴くよりもクラブ・ジャズとして聴いて素晴らしいです。僕は基本的に打ち込みビートよりも生音の方が好みなのでA-2のオリジナルが気に入っていますが、サンプリング&コラージュでクラブ仕様に変換したA-1のThe Readymade All That Jazzも悪くないです。ジャズというかこの当時流行っていたラウンジ~ボッサと言った感じで、どことなく打ち込み時代のNicola Conteを彷彿させるようなクールなビートと、ナレーション気味なスポークンが決まっています。僕の持っている小西康晴氏のイメージとは若干違う雰囲気。どちらかというと須永さんのイメージに近いです。基本的には派手だけれど、どこか冷めている感じもありつつ大人びたクールな印象が特徴的で格好いい。キラー・モッズとはこういうことを言うのでしょうか?ちなみにそこそこの人気盤らしく、最近のリリースにしては結構な値段をつけている店もあるのでご注意を。こういう最近の盤に高いお金を払う必要は僕はあまりないと思います・・・。
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プッシュ / 宮本 典子 with 鈴木 勲

2005-07-22 | Japanese Groove
少しヨーロッピアン・ジャズの紹介が続いたので、久々にメロウでソウルフルなレコードの紹介。現在もmimiという名義で活動しているらしい彼女のデビューアルバムに当たるのがこれです。プロデュースを勤めるのは人間発電所のイントロ・ネタの作者としても有名なベーシスト、鈴木勲氏です。当時のAOR~シティポップスのブームにのせてクロス・オーヴァーな楽曲をオリジナル/カヴァー問わず展開しているジャパニーズ・フリーソウルの裏名盤。しっとりしたA-1のモノローグから、もうシティポップス・ファンはやられること間違いなしでしょう。日本人特有の甘酸っぱいヴォーカルとアレンジが素晴らしい。そして笠井紀美子がオリジナルであると思われるB-3のMy Lifeという曲の完成度の高さは神がかり的。笠井ヴァージョンでは日本語で歌われる曲なのですが、こちらではネイティヴな全英語詩に変換されていて、まるでLemuria辺りのハワイアン・フリーソウルのよう。メロウなエレピとキュートなヴォーカルにやられること間違いなしです。流線形の東京コースターが好きな人ならば確実に好きだろうと思われるお勧め曲です。ただ意外なほどに盤がレアで、どこにでもありそうなわりにどこにもなかったりして、探すのはそこそこ大変かもしれません。こないだ見かけた新宿の某ジャズ・レコード専門店では異常な値段が付いていましたし・・・。
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Rythmes Et Melodies / Jacky Giordano

2005-07-20 | OST / Library
サントラというかライブラリーなのですが、うまいカテゴリーを設定しなかったためにこちらに掲載。僕もあまり詳しく知らないのですが、このJacky Giordanoなる人はカルト・フレンチ・ライブラリーの世界ではJanko Nilovicなどと並んで多作の人として有名なようで、例の再発レーベルDare Dareからもライブラリー作品が一枚リリースされているよう。まぁJanko Nilovicは今やあまりに有名なので知名度を比較するのは少し厳しいかもしれませんが・・・。で、このアルバムもそんな多作だった彼のライブラリーの一枚。タイトル通り色々なリズムやメロディの音楽が14曲も収録されています。いわゆるジャズ・ファンクから変態的でプログレッシヴな音まで、その内容は実にヴァラエティに富んでいて面白い。個人的にはエレピがクールなA-1のKeep Quiet辺りがネタとしても使えそうかなって思います。そして極めつけはやはりアフロ・キューバンな正統派モダン・バップであるB-6のAfolioでしょう。2管のバピッシュな絡みが最高にクールです。テンポ的にもクラブでうまく使えそうなくらいの速さ。Basso=ValdambriniのLotarなんかとも少し近い雰囲気なので、興味ある人はぜひ聴いてみてください。と言ってもコレも手に入れるの難しいでしょうが・・・。ちなみにロンドンのレコード屋から買いました。インターネットの普及で本当に便利になりましたね。
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Jazz Compositions / Marina Granovskaja

2005-07-19 | Contemporary Jazz
サバービア誌にて奇跡のロシアン・ジャズと評された84年のリトアニア録音盤。英語とロシア語で書かれたジャケット裏のクレジットを見るとマルチ・プレーヤーのKestutis Lusasがピアノ・ローズ・ベース・ドラムスと全ての楽器を一人で操っている模様です。その一人多重録音カルテットの演奏の上で軽快にスキャットするのがMarina Granovskajaなる女性ヴォーカリスト。例えるなら真夜中のジャズとでも言うべきでしょうか?80's Jazzに共通する洗練されたアレンジをリトアニア風に解釈したという感じ。国が近いこともあってかどことなく北欧辺りのサウンドにも通じる気がします。僕が気に入っているのはB-1のComposition No.12という曲。とても美しくもグルーヴィーなワルツ・ジャズの名作です。そしてもちろん人気のB-2、Swift Bossa Novaも文句なしの大傑作。静寂の中をひっそりと疾走していく高速ジャズ・ボッサの最高峰です。Irene Sjogren Quintetの人気トラックThe Real Guitarist In The Houseにも近い繊細な演奏は何度聴いても癒されます。全体的に静かな曲が多いのでクラブプレイと言うよりは夜カフェでしっとりと聴いていたい感じ。ただ、いかんせん旧ロシアものということでレアだし未だに世界的にそこそこ高価なアルバムですが・・・。何かの折に出会うことがあったらぜひ耳を傾けてみてください。
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