1958年にデンマークTriolaレーベルにて吹き込まれたEP。この後、先日再発された63年のFontana盤まで続くことになる、一連のJazz Quintet関連作品のデビュー作となるのが本作なのではないでしょうか。59年録音のDebut盤EPを含め、以降の作品では基本的に一貫してJazz Quintet 60を名乗る彼ら(-61名義のDebut盤は例外)ですが、本作録音の時点ではまだ後に続くプロジェクトの方向性もはっきりと決まっていなかったのか、単に録音年を冠しただけのJazz Quintet 58というものがコンボ名として使われています。またメンバー自体も他の諸作とは大きく異なっていて、プロジェクト全体の実質的なリーダーであるボッチンスキーと、61年のLet's Keep The Messageに参加したJørgen Elniffを除く他3人のミュージシャンは、本作のみの参加となっているのも興味深いところ。人気のペデルセンはおろか、ボッチンスキーと並びプロジェクト全体の鍵となるアクセンすら、この時点ではまだ参加していないのですから。ただ、だからと言って本作が聴くに値しない作品であるかというとそんなことは全くなく、むしろこのプロジェクト黎明期の貴重な記録として大いに聴く価値のある一枚だと思います。収録された4曲は当然いずれも水準の高いハードバップとなっていますが、中でもB-2のAtli's Moustacheが取り分け素晴らしい出来栄え。まるで獲物を狙うかのような鋭い2管のフロントと、どこか不穏な緊張感を漂わせるリズム隊の組み合わせが、否応なしに例のTo Iskol'hofを彷彿させる非常に格好良い仕上がりとなっています。ゆったりとバラードで聴かせるA-2のDarn That Dreamも、どこか悲壮感と哀愁に満ちていて素敵ですね。それにしても本作録音時のボッチンスキーはまだ若干18歳。とてもじゃないですが信じられませんね。
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