At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Nonet SHQ & Woodiwnds / Karel Velebny

2005-11-30 | Hard Bop & Modal
チェコスロバキアのヴィブラフォン奏者Karel Velebnyが、1968年に独Sabaレーベルに吹き込んだ好盤。古くはあのGilles Petersonがコンピに収録し、最近では須永辰緒氏が「夜ジャズ」に収録したダンス・ジャズ・クラシックス、B-1に収録されたNudeがその筋では非常に有名ですね。サバービア誌ではJazz Hip-TrioによるOrange Boom的なスウィングと記載されていますが、僕の印象としてはそれとはもう少し異なった感じ。Orange Boomが荒々しいピアノ・トリオで攻め立てるのに大して、こちらの音はヴァイブとフルートで上品かつ優雅な雰囲気です。もちろんある程度スリリングではありますが、決して激しいと言った感じの音ではありません。どちらかと言うとこないだ書いたBill Evans QuintetのYou And The Night And The Music辺りにより近い雰囲気で、それをもう少しヨーロッパ的にアレンジしたと言った趣でしょうか。まぁいずれにしろ「夜ジャズ」ですね・・・こういうのが多分。ちなみに僕が持っているのは数年前にリリースされた再発盤です。オリジナルは若干高めなので。どうでもいいですが何か最近Saba~MPSの紹介が続いてますね(笑)
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Sphinx / Nikolai Levinovsky, Allegro Jazz Band

2005-11-25 | Contemporary Jazz
旧ソ連Melodiaレーベルに残されたこの盤は、Nikolai Levinovskyというキーボーディストが自身のバンドAllegroを率いて録音した1986年作。とにかくジャケット裏が全てロシア語で記載されているために解読は到底不可能なのですが、この格好良さは只者ではありません。まず耳を惹くのがB-1に収録されたЧертова дюжинаという曲。コズミックでスピリチュアルな変拍子フュージョンです。Two Banks Of Fourあたりの西ロンドン勢が好きなら必ずツボなはず。そして本作の目玉は何と言ってもB-2のПортреты друзей, концертная сюита。中盤以降突如現れる怒涛の高速ブラジリアン・フュージョンがあまりにも格好良過ぎです。めまぐるしく揺れるNikolaiのエレピ、タイトなリズム隊、バックを固めるホーンも大充実の素晴らしきユーロ・サンバの最高峰。旧ソ連の録音状態の悪さからか、新しめの録音なのに70年代風の音に聴こえるという点もポイントかな。須永辰緒さん辺りの音が好きならば、この音を聴いてやられないはずはないです。日本にはあまり入ってくることがない旧ソ連ものですが、そんなこととは全く無縁の素晴らしさを誇る一枚なので、ぜひチェックしてみてください。超オススメ盤、本当にヤバいです。ちなみにモスクワのレコード屋から購入しました。
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Jazzflora EP / Various Artists

2005-11-24 | Club Music
先日2作目もリリースされたDealers Of Nordic Musicというスウェーデンの新進ジャズ・レーベルによる良作コンピからのサンプラーEP。実は発売してから一年半以上経つのですが、DMRで即売り切れた後に再入荷がなかったので、手に入れるのに時間がかかってしまいました。このDealers Of Nordic Musicという名前には聞き覚えがないかもしれませんが、Hirdを輩出したレーベルと言えば耳の早いリスナーは分かるはず。このサンプラーにも当然Hirdの曲がメインで収録されています。後に自身のアルバムにもタイトルを変えて再録されたA-1のI Love You My Friends(Vokal Version)がそれ。当ブログでもずいぶん前に紹介したエレピ使いのフューチャー・ジャズ傑作のユキミ・ナガノによるヴォーカル入り版。これは文句なしに素晴らしい。それからB-1のOddjobによるBloodstreamという曲もなかなか。World Standardにも収録されていますが、5/4という変拍子で心地よい北欧ジャズを聴かせてくれる好曲です。このアーティストの詳細は残念ながら不明ですが、CDでアルバムを一枚出しているよう。ちなみに、このサンプラーはあまり見つからない一枚ですが、CDで良ければ普通にHMV等で買えるはずです。そちらにはKoopやThe Five Corners Quintetなども収録されているらしいので、未聴の人はぜひ聴いてみてください。
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As Simple As It Is / Dusko Goykovich Quintet

2005-11-23 | Hard Bop & Modal
しばらく私用で東京を離れていて更新が遅れてしまい申し訳ありません。さて、今回は久々に購入した旧譜ジャズのオリジナル盤を紹介。このブログでも過去2枚ほど紹介したユーゴスラビアのトランペッターDusko Goykovichが、70年にミュンヘンのクラブDomicileで行ったライブからの実況録音盤です。収録された4曲全てが10分前後という長尺ながら、どの曲もテンポ良い欧州産ハードバップで演奏にダレが生じないので、使いようによってはクラブプレイも充分に可能でしょう。B-1のMadison Walkは実際に須永氏もテープに収録済みですしね。全ての曲が素直に格好よくて甲乙付け難いのですが、個人的にもっとも気に入っているのはA-2に収録されたDomicile Bluesという曲。基本的には4ビートながら、この曲だけリズムパターンが少し違っていて面白いんです。ちなみにこのアルバム、残念ながらCD化はされていないようですが例のSwinging Macedoniaに比べればかなり安く手に入ります。それでも決して安いとは言えない値段ですけれどね。詳細はよく分かりませんが、独MPSからのリリースで2ndプレスもあるよう。本格的なジャズを聴きたい人にぜひぜひオススメの一枚です。文句なく格好いい!
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Sun & Moon / Jiva

2005-11-17 | Brasil
7月にP-Vineから日本先行発売された後、ずっとワールド・リリースとアナログ盤待ちをしていたのですが、あまりにもリリースされる気配がないので国内盤CDを買うことにしました。アトランタの名門レーベルGiant Stepから届けられた本作は、爽快という言葉がとてもよく似合う素敵な一枚。Donnieと比較されていることが多いようですが、Donnieよりはもう少しブラジリアン度が高めで全体に明るい盤となっています。程よいアーバン・テイストとリゾート感覚が見事に同居している秘密は、おそらくフェンダー・ローズ含めアナログ・シンセの使い方の上手さ。程よいレトロ感も持っているので、古い音楽と一緒にかけても全く違和感なく、いい感じに心をときめかせてくれます。敢えて一曲上げるならばM-5のFree Fallingかな。ミディアム・テンポの心地よいサンバ・ジャズです。ちなみに解説を読むまで知らなかったのですが、なんと数年前にHigh'n'Dryが話題となったSirius Bのメンバーも数名参加しているそう。Sirius Bと言うともう少し土着度が高めな印象があったので、なんだか少し意外な気もしますね。それはともかくオススメの一枚なので是非購入してみてください。フリーソウル・ライクなAOR~ブラジリアン好きならば間違いなくヒットするはずです。最近の心地よい小春日和な午後にはこんなCDを聴きながら過ごすと快適になれそう。
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Piano×4 / Various Artists

2005-11-17 | Hard Bop & Modal
小川充氏のJazz Next Standardにも掲載されていたので、ジャケットを見たことある人は結構多そうな一枚。後にMPSと名を改めることになる西ドイツの名門Sabaレーベルから64年にリリースされたオムニバス盤です。参加しているのは4組で、タイトル通りそれぞれ異なる4人の気鋭ピアニストがフィーチャーされたコンボ編成。もっとも僕はドイツのジャズに詳しいわけでもないのでElsie Bianchiくらいしか名前を知りませんが…。全体的に気品溢れる小品集と言った趣で良いですが、特に好きなのはB-2に収録されたGoofin' Each Otherという曲。Dieter Reithという人がリーダーを務めるピアノトリオに2名のパーカッションを加えた編成によるグルーヴィーな高速ラテン・ジャズです。The Modern Jazz Group Freiburgなるクインテットが演奏するハードバップなB-5のBig Pもなかなかに格好いい。ちなみにタイトルとジャケットからトリオ作品を思わせますが、実際にはトリオなのはElsie Bianchiだけで他は全て4~5名の編成なので、お間違えのないようにしてください。そう言えば数ヶ月前から渋谷の某店でずっとオリジナルが飾られていますね…悪いアルバムではないのですが大枚はたいて買うほどのものでもないような気もしてしまいます。MPSから再発アナログがリリースされているので、多くの人にとってはおそらくそちらで充分でしょう。
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Denga / Robin Jones and His Quintet

2005-11-15 | Brasil
これも当ブログではカテゴリー分けに困る一枚なのですが、最近ブラジル方面をあまり紹介していなかったのでブラジルにカテゴライズしてみました。僕は不勉強なのであまりよく知らないけれど、どうやら割りとジャズDJの間では人気のアルバムらしい1971年のUK盤です。ライブラリーなのでしょうか・・・?特別にいわゆるキラーな曲が収録されているわけではないのですが、全編でパーカッシヴなブラジリアン~ラテン風味の小気味良いジャズが展開されています。リーダーを務めているRobin Jonesはドラム奏者で、他にパーカッショニストが二人も参加しているため、パーカッシヴになるのは当たり前と言えば当たり前なんですけれどね。収録曲の全てが2~3分で終わるという点もポイントが高いです。ちなみに佳曲が並ぶ中での個人的なオススメはB-4に収録されたMy Summer Loveという曲。涼しげなエレピと気持ちのいいサックスが美しいジャズ・ボッサです。大枚を叩いて買うようなレコードではないと思いますが、もし安く見つけることが出来たら耳を傾けてみるのもいいかもしれません。前述したように外れ曲がないので、晴れた昼間に部屋で聴いていると気持ちいい一枚です。ちなみにモノラルとステレオの両方でリリースされているらしく、モノラル盤の方が値段は張るそうです。僕の持っているのはステレオ盤ですが…。
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Funky Christmas / Various Artists

2005-11-14 | Free Soul
街にもイルミネーションが輝きだし、そろそろ時期的にも掲載して大丈夫だろうと思うので紹介。アトランティック傘下の米Cotillion Recordsというレーベルから1976年にリリースされたクリスマス・コンピレーションです。時代柄からかファンクと言うよりもディスコというテイストで全編が彩られたこのコンピで、最も注目すべきはLuther Vandrossがソロ活動を始める前に組んでいたバンドLutherによるA-1のMay Christmas Bring You Happiness。Muroさんのミックステープで知ったのですが、僕が考え得るクリスマス・ソングの最高峰がこれです。ソウル~ファンクのブラック的な要素を多分に含みながら、フリーソウル・ライクな込み上げ系メロディー・ラインをばっちり踏襲したハート・ウォーミングな大名曲。フリーソウル好きでこの曲が嫌いと言う人はおそらくいないはず。それくらい素晴らしすぎる一曲です。Impressionsによる絶品カヴァーなA-6、Silent Nightもアーバン・メロウで美しいのでお気に入り。昨年もそうでしたが、これからのシーズンの我が家ではマライアと並んで今年もこのアルバムがヘビー・ローテーションになるはずです。もはやクリスマス・アルバムの定番ですね。何気にレアですが・・・。最もアメリカ盤だしあれば高くないアルバムなのですが、企画盤だけになかなか見かけない気がするので、もし見つけたら即購入しましょう。
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Modal Soul / Nujabes

2005-11-12 | Mellow Hiphop
なんだか最近レコードではなくてCDの紹介の方が多いような気がしますが、この作品も今のところCDでしかリリースされていないもの。日本が世界に誇るヒップホップ・クリエイターであるNujabes氏による2ndアルバムです。彼の名前は今やヒップホップ界に留まらず色々なところで知れ渡っているので今さら説明不要かもしれませんが、インディーズ・レーベルのHydeout Production主催ということでも有名ですね。で、このアルバムですが一言で表現するならば冬にぴったりな暖かい一枚。他のアンダーグラウンド・ヒップホップ同様サンプリング主体のメロウなサウンドであることには変わりないのですが、そこに日本人特有の「侘び寂び」的なテイストが付加されているのが彼の特徴。この辺りはChari ChariやCalmなんかが持つ世界観ともどこか共通している気がします。アルバムにはいわゆるヒップホップ的な曲とブロークン・ビーツなインストが混ざって収録されていますが、ヒップホップ・サイドとしてはユーミンの「春よ来い」を思わせるM-1のFeatherという曲が秀逸。この曲を1曲聴いただけで部屋の中にふわぁーっとした暖かい雰囲気が広がります。ブロークン・ビーツとしてはUyama Hiroto氏のサックスをフィーチャーしたM-10のタイトル曲が素晴らしい。正にジャパニーズ・コズミック・ソウルの最高峰と言った趣きのスピリチュアルな1曲です。それにしてもModal Soulというこのタイトルからして既に素晴らしいですよね。普段ヒップホップを聴かない人でもコレは行けるはず。秋~冬を暖かい気持ちで迎えたい人にオススメの一枚です。
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Jazz Desire / High Five Quintet

2005-11-09 | Contemporary Jazz
こちらもFabrizio BossoやDaniele Scannapiecoなどが参加したイタリアの若きクインテットによる一枚。本国でのリリースは昨年なんだけれど、最近ジャケ違いの国内盤がリリースされてHMVなどで話題になっているから、知っている人もいるかもしれませんね。僕の持っているのも国内盤なのですが、なんだかジャケット載せようとするとバックの色と被って微妙になりそうなので、こちらのオリジナル・ジャケを掲載しておきますね。ダサいですが・・・。さて、まず驚くべきことに彼ら5人のうちピアニストを除く4人がOther Directions参加組です。で、アルバム全体としてもBossoのリーダー作に比べると上品な雰囲気が漂っていて、Other~にかなり近い質感を放っているのが特徴。まぁあの完璧なアルバムには敵わないながらも、そこそこにグルーヴィーで良質なジャズ・アルバムとなっています。単純に好みの問題でしょうけれど、PovoやP.Fedreghini & M.Bianchiよりはこちらの方が好みかな。ちなみに一聴しただけではM-1のConversationが使えるジャズ・ダンサーとなるのでしょうが、実はそれよりも素晴らしいのがM-8のWide Green Eyes。夜感漂うスロウでモーダルなジャズ・ボッサです。7分と若干尺が長いのがたまに傷ですがQuartetto Modernoによるスパルタクスのテーマを思わせる愛すべき佳作です。こちらもCDのみなので、興味のある人は外資系大型店にでも足を運んでみてください。
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