At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Carolines / Same

2005-09-29 | Free Soul
Tyfonというスウェーデンのレーベルから78年にリリースされたニュー・ディスカヴァリー。何と言うかアルバム通していろいろなテイストの曲をやっているので、一概にジャンル分けすることも出来ないのですが、強いて言うならば基調はソフト・ロックでしょうか?Battened Shipsの方のOdysseyのアルバム(黒いジャケ)辺りに近い雰囲気でもあります。まずA-1のThink I'm Fall In Love Againがライト・メロウな爽やかAOR~フリーソウルの傑作。乾いたビートにエレピの音色も眩しくて、おまけにメロディが思い切り込み上げ系。きっとこういうの嫌いな人はいないんじゃないかなって思います。若干ブラジリアンっぽいB-5のFlipもグルーヴィーなホーンに盛り上がること間違いなし。こういうのはクラブで大音量で聴きたいですね。そしてB-1はディスコチックにカヴァーされたCole PorterのI've Got You Under My Skin。僕の好みとは違いますが、好きな人にはたまらないことでしょう。部屋聴きするにはB-6のMin VanやA-3のNostalgi Pa Varat Sattのようなオリジナル曲も良いです。あまり日本には入ってこない盤だと思いますが、もし見つけたら買って損はしません。Free Soul~Cafe Apres-Midiファンにオススメです。
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The Colored Selection / Donnie

2005-09-29 | Club Music
2002年にリリースされ、21世紀のスティーヴィー・ワンダーとして多方面から話題になった黒人シンガー・ソングライターDonnieによる1stアルバム。後にMotownからもリリースされたようですが、僕が持っているのはGiant Stepからリリースされた2枚組のアナログ盤です。最近のものにしてはこのアナログが何気に手に入りにくく、発売当時買い逃していた僕は後から探すのに苦労しました・・・。で、やっぱりこのアルバムと言えばA-2のDo You Knowですね。R&Bと言うよりは70年代のニューソウルと言ったほうが良い黒人音楽と、華やかで軽快なブラジル音楽の高次元での融合が素晴らしい。そしてライト・メロウなメロディ展開もモロに日本人好みするところでしょう。まるでスティーヴィー本人が軽やかなボッサ・ビートに乗せて歌っているかのようです。そしてタイトル通り昇天しそうに気持ちのいいオーガニックなフリーソウルのC-1、Heaven Sentも最高。午後のコーヒーを飲みながら聴くもよし、パーティーの終わりに明け方のフロアで聴くもよしの最高のアルバムです。最近の音なんて興味ないなんて言わず、知らない人は是非チェックしてみてください。というかむしろ往年のフリーソウルが好きな人にこそオススメのアルバムです。
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Music / D.L.

2005-09-26 | Japanese Groove
J-Hiphop好きには最早お馴染み過ぎるBuddha BrandのMC/トラックメーカー、Dev Largeによるメジャー第一弾12インチです。彼は97年頃からずっと「ソロもやる」と公言しながらなかなか機が熟すことがなく、これまで何度もそのソロは企画倒れに終わっていたので、今回のリリースはファンにとっては本当に待望のものでしょう。ちなみに実は数ヶ月前に自主で一枚12インチも切っていて、この盤はそこに収録されていたIt's The Musicという曲のセルフ・カヴァーというか再演になっています。It's The Musicの方には触手が伸びず、こちらを紹介するのは何よりもそのトラックに惹かれたから。サンプリング至上主義の彼には珍しく完全生音でトラック製作をしているせいか、音がまるで往年のBrand New Heaviesのような90's Acid Jazzテイストで僕好みなのです。また英語と日本語を巧みに混ぜ合わせた特有のラップも、最近の彼の仕事の中ではトップ・クラスに輝いている気がします。J-Hiphop好きのみならず音楽ファンならチェックしておいて良い内容。ちなみにカップリングには80's Rare Grooveのカヴァー、Must Be The Musicが収録されています。こちらはダンクラ好きに良さそうですね。歌唱力のなさはまぁご愛嬌ということで(笑) 売り切れ必至の限定プレスなのでお早めにどうぞ。
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Intentions / Native

2005-09-25 | Contemporary Jazz
これは素晴らしい。名古屋発のアコースティック・ジャズ・カルテットNativeが、ピアニストとフリューゲル・ホーン奏者をゲストに迎え製作した2ndアルバムです。僕はこれまで彼らのことを知らなかったのですが、先日発売されたこのCDがHMVやタワーレコードで大プッシュされていたので聴いてみたところ、これが大当たりで即購入というわけです。店頭ポップには「Nicola ConteやFive Corners Quintet好きにオススメ」とありましたが、どちらかと言うとドイツのHipnosis辺りにより近い質感。M-1のDivaは現代欧州クラブジャズ風のキラー・ダンサー、クラブでかけても盛り上がることでしょう。続くM-2のCiment Songは70年代風味のジャズ・ファンクで、こちらはIno Hidefumiとか好きな人に良いかもしれません。ピアノレス・カルテットによるジャズ・ワルツM-5のAll The Peopleはポエトリー・リーディングと相まってU.F.O.辺りを思わせる名曲。そして僕的に何よりもオススメなのが女性Vo.を迎えたM-11のWhispery Voice。気だるく儚げなミッド・テンポのモーダル・ボッサで、Chris WoodsのMy Lady辺りと抜群の相性を発揮しそうな絶品ナンバー。ちなみに他の曲もどれも素晴らしく、クラブと枠に留まらないスタイリッシュに洗練されたジャズが聴けます。最近新譜のCDなんてチェックしていないという人にこそオススメの一枚。
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Tropical Musique From Guadeloupe / Mariepin

2005-09-22 | Contemporary Jazz
仏領グアダループに残された詳細不明の謎盤。カリプソ・ミーツ・ジャズと言った趣のインスト・グループで、全編で「ビギン」という当地の伝統的なビートに乗せて小粋でジャジーな演奏をしています。曲によってホーンが入っていたりいなかったりと若干編成が違うようですが、こちらもクレジットに乗っていないため良く分かりません・・・。ただ、そんな謎盤ながら内容は素晴らしく、特にA-5のCougnan, Cougnanという曲が僕はお気に入り。どこかのレコード屋でも同様に紹介されていましたが、ピアノトリオで哀愁のカリプソをやっている美しくも儚いナンバーです。クボタタケシさん辺りのDJが好きな人は間違いなく気に入るはず。同じくピアノトリオのB-1もBiguine Fondamentaleはダンサンブルな名曲。しかしながら、ここでもやっぱり楽しいながらにどこか郷愁感が漂っており、この辺りの絶妙なバランス感覚が唯一無二と言えそうです。ちなみに最近ネット通販のレコード屋などでたまに見かけますが、多分本来的にはかなりレアな盤のはず。誰か有名DJがレコメンドしたら一発で高騰しそうな盤なので、お早めにどうぞ。ちなみに僕は3000円程度で買いました。
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Windmills Of The Soul / Kero One

2005-09-21 | Mellow Hiphop
今年のヒップホップ・シーン、メジャーでのNo.1名盤はCommonのBeということで間違いがなさそうですが、アングラではおそらくこの盤がNo.1の有力候補なのではないでしょうか?カリフォルニア在住韓国系ラッパーKero Oneによる先ごろリリースされた1stアルバムです。午後のコーヒーを飲みながら聴きたいヒップホップ、そんな表現がよく似合うアルバムで、サンプリングと生音をうまく融合させながら、全体的にとてつもなく柔らかく暖かいグルーヴを作り出すことに成功しています。Kero OneのラップもCommonのように暖かみのあるフロウで、心地よい浮遊感を持つトラックと相性抜群。特に心地よいエレピとハンド・クラップが印象的なM-4のMy Storyや、Grooveman SpotによるRessurection 03と同ネタながらその上に新たに生演奏を加えたM-8のIn All The Wrong Place辺りは絶品。インストの小品ながら爽やかなM-6のAin't That Somethin?なんかも最高です。というか本当にここに書ききれないくらい全曲最高で、普段ヒップホップを聴かない人にこそ聴いてもらいたい一枚。洗練された大人のヒップホップで、これはもうCommonのBe同様に21世紀のソウル・ミュージックと言ってしまっても差し支えないでしょう。今のところCDのみですが超オススメ盤です。
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The Gods Of The Yoruba / Gerardo Frisina

2005-09-19 | Club Music
イタリアのSchemaレーベルからリリースされた最新作を久々に紹介。最近は自分の中で新譜離れが激しくて、正直D.M.R.にチェックしに行っても惹かれるものがないのですが、やはりSchemaだけはオフィシャル・ホームページ共々未だにチェックしています。で、これはそのSchemaのDJ&リミキサーGerardo Frisinaによる12インチ。いずれリリースされる3rdアルバムからの先行カットと言うことのようです。前作Hi Note以降、ひたすら60年代風の古きよきモダン・ジャズを追求し続けている彼ですが、今回の曲はコテコテと言うかHorace Silverのカヴァーです。とは言えオリジナルでの6/8拍子を捨て高速4ビートのジャズ・ハウス・スタイルで展開されているので、クラブ映えは抜群だと思います。アフロキューバンに刻むハイハットも最早お約束ながら格好いい。欲を言えばコーラスなしの完全インストが良かったという気もしますが、その点を差し引いても充分に美味しい曲であることは確か。昨年末に世間を騒がせたP.Fedreghini & M.BianchiのCircus In C Minor路線が好きなら、ぜひチェックしてみてください。オススメ盤。
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Hutson II / Leroy Hutson

2005-09-16 | Free Soul
あのCurtis Mayfieldの後釜としてImpressionsに加入したという経歴のわりに、いわゆるニューソウル四天王からすると若干知名度が低いLeroy Hutson。しかしながら曲が悪いかと言えばそんなことは全くなく、極上のソウル・ミュージックの嵐です。これはそんな彼が76年にCurtomレーベルに録音した一枚。とにかくA-4のI Think I'm Falling In Loveという曲が素晴らしい。レア・グルーヴ~フリーソウル期に再評価された子の曲は、僕のソウル・ミュージックへの偏見を捨てた一曲と言っても良いでしょう。それまでの僕にとってソウルとは、夜が似合う何となくまったりとした甘い音楽だったのですが、この曲のはじけ具合と言ったらどうでしょうか?軽やかなフルートとグルーヴィーなベースが気持ちいい朝が似合う目覚めの一曲。まさに「フリー」ソウルと言った解釈を僕に植え付けてくれた思い出の一曲です。ちなみに打って変わってA-5のLove To Hold You Closeは都会の夜を彩るメロウなグッド・ミュージック。どこまでもシンプルなジャケが格好いいオススメの盤です。純粋なソウル・ファンよりもフリーソウルが好きな人にこそ聴いて欲しいアルバム。基本中の基本です。
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戦争に反対する唯一の手段は。 / V.A.

2005-09-13 | Japanese Groove
僕が最初にピチカート・ファイヴを意識して聴いたのは、高校3年生のときだったと思います。残念ながらその頃には彼らは既に解散していたので、リアル・タイムで聴いたわけではないのですが、その当時の僕にはピチカートの歌と言葉は本当に衝撃的でした。いや、曲や詞に限らず、そのファッション性にまでカルチャー・ショックを受けたものです。さて、この盤はそんなピチカートの名曲を豪華アーティストがカヴァーしたトリビュート・アルバムからの4曲をカットしボーナスを1曲加えた12インチ。Reggae Disco RockersによるA-1「きみみたいにきれいな女の子」や、南佳孝によるラテンなB-1「テーブルにひとびんのワイン」など名演揃いですが、やはり注目はボーナス・トラックのB-3。98年当時スチャダラパーがプロデュースして話題となったYou The RockのDuck Rock Feverのアカペラを、ピチカートの「東京の合唱」オケとブレンドした反則的なキラー・ナンバーです。しかもこれ普通にブレンドしただけなのでしょうが、ラップとオケのハマり具合が異常に良く、下手なリミックス・チューンより出来は完全に上。ピチカート・マニアのみならず、これ聴いて盛り上がらない人はいないでしょう。隠れたオススメ盤です。
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Bywaja Take Dni / Alicja Majewska

2005-09-13 | Free Soul
個人的に、アルファベットを使用しているのにも関わらず、最も読み方が分からないのがポーランド語なのですが、これはそんな東欧ポーランドから届いた一枚。Alicja Majewskaというヴォーカリストによるおそらく70年代~80年代モノと思われるLPです。とりあえずWジャケットの裏側には色々記載されているのですが、全く読めないので解読不能・・・。曲ごとにアレンジャーを変え色々なスタイルに挑戦しているのですが、とにかくB-4に収録されたKsiezycowe Dziewczynyという曲は素晴らしいの一言です。Piotr Figielという人気アレンジャーが手がけ、バック・コーラスにAlibabkiを配したこの曲は、後にPiotr Figiel自身のMusicという盤にも収録されることになる東欧産ブラジリアン・ポップスの最高峰。うねうねっとしたアープ・シンセの上にAlibabkiの美しいコーラス、そしてAlicja嬢の囁くような歌声が乗る込み上げ系のブラジリアン~フリーソウル。終盤の「ららら」なコーラスではフロア全体が感極まり大合唱すること必至の名曲です。ちなみにサバービアに掲載されたPiotr Figielの盤よりも値段的に手にしやすいと思うので、こちらをおすすめしておきます。ちなみに近年出た彼女のベスト盤CDにも、この曲は収録されているそうです。暖かい秋の夕暮れに気持ちよく聴きたいですね。
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