At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Helsinki / Quiet Nights Orchestra

2009-02-07 | Club Music
久しぶりに買ってみたこの手のクラブ・ジャズ系新譜から紹介。なんでもこの4月に国内先行でアルバムがリリースされるスウェーデンの新人ジャズ・コンボのデビュー作とのことです。この12インチも輸入盤ではなくPヴァインからの国内盤。おそらくアルバム・リリース前の話題作りと言ったところでしょう。プレイヤー本人たちがどう思っているかはともかく、売り手側がサウンド/ビジュアル共に当初のRicky-Tickレーベル(と言うかファイブ・コーナーズ・クインテット)を非常に意識していることは明白で、内容自体もまぁ予定調和の範囲内と言ったところ。特に深く考えるまでもなく、これはまず間違いなく日本市場向けの録音でしょう。ただ、そう言った売り手側の戦略は抜きにして考えれば、個人的にはわりと好きな部類に入る一枚です。少なくとも国内の新進クラブジャズ系コンボの諸作と比べれば、こちらの音作りの方がずっと好み。最もこの辺りは、単に僕が未だに欧米人に対して変なコンプレックスを抱いているだけなのかもしれませんが…。A-1のHelsinkiはバップ基調のいわゆるジャズ・ダンサー。これと言った特徴があるわけではありませんが、耳触りは非常に良く聴き易いナンバーになっています。続くA-2のThe Searchはフェンダーローズ使いの快速ブラジリアン。フロントがトランペットではなくフリューゲル・ホーンであることもあって、何年か前にユッカ・エスコラが単独名義でリリースした12インチの雰囲気に良く似ています。僕個人としては元からエレピ好きということもあって、どちらかと言うとこちらの曲の方が好み。寒い冬でもほっと暖まるようなメロウ・サウンドがこの時期向けかもしれません。ラストA-3のQuiet Nightsは女性ヴォーカルを配した少しニコラ・コンテ風のしっとりした曲。これもいかにも日本人受けしそうな雰囲気ですね。ちなみにB面にはニルス・クロウのリミックスが2曲入ってます。特に目新しい音ではないものの、こちらも往年の生音系クラブ・ジャズと言った雰囲気でなかなか。他の曲もこのクォリティでやってくれるようなら、とりあえずアルバムにも期待してよさそうですね。いつも本気度高めのジャズばかり聴いてしまっても飽きが来るので、たまにはこれくらい軽めのレコードに触れてみるのも悪くはないと思います。
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Images / Venom Meets Marco Di Marco

2007-10-27 | Club Music
凄く久しぶりに買った感じがする新譜モノから紹介。インコグニートのブルーイのご子息であるDJ Venomが、イタリアのピアニストMarco Di Marcoの作品をリミックスした一枚です。ちなみに素材となっているのは2004年にリリースされ話題となったMy London Friendsと、このブログのタイトルにも使わせて貰っている73年のAt The Living Room。どちらも現在はクラブジャズ系のArisionが権利を持っている作品ですね。このレーベルのオーナー、シモーネ・セリテラは本当にマルコの作品に愛着があるみたいです。最もリスナー側の視点から言わせて貰うと、もうお腹いっぱいという気がしなくもないですが…。さて、そんな本作。リミックス作品ということで正直あまり期待はしていなかったのですが、良い意味で予想を裏切るなかなかの好盤に仕上がっています。その企画の出自から「生音ジャズのテッキーなブロークン・ビーツ化」というありがちな作風かと思いきや、これが意外にもわりと正統派のジャズ。リミックスと言うことで、オリジナルにはなかったシンセ音やエフェクトも加わっているのですが、全体的にそれほどクラブ・プレイを意識した作りになっていないので、たとえばE.S.T.あたりと並列に聴けてしまうような品の良いコンテンポラリー作品になっています。B-1のBrazilian Waltz(The Poizon Waltz Remake)や続くB-2のWinding Dance(Celestail Re-Edit)などは、オリジナルにはない空間的な広がりが付け加えられて非常に都会的。賛否両論あるでしょうが、個人的にはこういう質感は非常に好きです。そして、そうした都会的な感覚が最も良く現れているのがA-3のI Miei Ricordi(The Re-Imagination)。オリジナルもエレピが揺れる浮遊感のある曲でしたが、新たに上から被せられた金属的なピアノのサウンドが最高ですね。ラグジュアルなバーでカクテルでも飲みながら聴きたくなる一枚。最近すっかり疎遠になってしまいましたが、たまには新譜のチェックもしてみるものだなと思わされました。ちょっと作風が違うので比べるのもどうかと思いますが、僕としてはIdea 6よりこっちの方が好きです。
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Carnival EP / April Set

2007-08-01 | Club Music
Premium Cutsやビストロ・ジャズなどのレギュラー・パーティーや、同名ミックスCDの製作でも非常に良く知られた鈴木雅尭氏によるソロ・プロジェクトがこのApril Set。以前はBlue Cafeのコンピ等を含め、わりとコンスタントにリリースがあったものの、最近はオリジナル作品のリリースが随分減りましたね。クラブ系アーティストのリミックス作品などでは時々名前を見かけますが、おそらく自身名義でのリリースと言う意味ではかなり久しぶりの作品となるのではないでしょうか。最も本作も完全な新譜というわけではなく、以前Blue Cafe N°4に収録されていた曲のリメイクではありますが。2007 New Mixと名付けられたA-1は、オリジナル同様キップソーンの大河原泉をヴォーカルに据えたリミックス。ダンサンブルな雰囲気は基本的にそのままなのですが、ヴォーカルに全編エフェクト処理をかけたり、少しデジ・ロック風のシンセ音を加えている辺りが今風なのかな。まぁこの辺りの音についてはあまり詳しくないので良く分かりません。個人的にプッシュしたいのは断然Bossa Floatと名付けられたB-1。こちらはヴォーカル含め全編完全録り直しによるラウンジ・ボッサになっています。まるで初期のSunaga t Experienceを思わせるセンチメンタルな音作りがツボ。中盤のポエトリー(フランス語?)やピアノのソロも洗練されてて良い感じです。ただ、実はこのヴァージョンって2年半くらい前から既に完成していて、これまでもクラブなどで何度か聴いていたため、何だかこの時期のリリースは少し「今さら」感があって残念。初めて聴いて気に入り、ずっと正規リリースを待っていた身としては、せめて後1年半くらい前に出して欲しかったな…と。あまりのリリースのなさに、このままお蔵入りなのかなと思ってしまっていたもので。
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re-mode club jazz digs / Yasuko Agawa

2007-05-28 | Club Music
久々にクラブ系の新譜CDから紹介。須永辰緒氏監修による阿川泰子のリミックス集です。この手の企画盤、最近は以前ほど見かけなくなりましたが、やはり個人的にはどうにも食傷気味…。Punch The Monkeyの頃は企画自体が新鮮だったので、それなりに好きだったんですけれどね。とは言え本作の場合は参加メンバーがメンバーなので、この辺りのNu Jazz人脈のファンならば、とりあえずチェックしてみても損はないかもしれません。何せNicola ConteやThe Five Corners Quintetを筆頭に、ここ数年で著しく知名度を上げた「その筋」の豪華リミキサー陣がズラリ。参加メンバーを見ているだけで、ファンなら自然と胸がときめいてくるはず。と言うか、恥ずかしながら僕はときめきました(笑) そのNicola Conteが手がけたM-1のSend One Your Loveは、いつも通りの生音コンボ(ただしFabrizio Bossoは抜き)で演奏されるスムースな高速バップ・ナンバー。相変わらず抜群に格好いいです。しかも上ネタ(と言うか阿川のヴォーカル)がS.Wonder作のミラクル・メロディー。これはズルい。こんなの聴いて盛り上がらないわけがありません。収録曲中で一際Nu Jazz度の高いM-4のSkindo-Le-Leも最高。Gerardo Frisinaの名義になっているものの、実質手がけているのはPaolo Fedreghini & Marco Bianchiで、彼らのアルバムに近いダークな作風になっています。中盤のヴァイブ・ソロが気持ちいいですね。続くM-5のSome MorningはCalmによるディープなコズミック・ソウル。反復の美学を存分に堪能出来る名リミックスと言えるのではないでしょうか。フリーソウル風味のM-6、Surrender(Azul)もダンサンブルかつどこか懐かしくて良い感じ。そして締めを飾るM-11のWhen The World Turns Blueは須永氏自身によるセンチメンタルな高速バップ。毎度のことですが、太宰百合さんの女性的なピアノはこの手の切ない曲に、本当に良く似合いますね。幾ら食傷気味とは言え、何だかんだでアナログが出たら買ってしまうんだろうなぁ…。
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Candyfloss / A Forest Mighty Black

2007-04-19 | Club Music
今から13年ほど前にリリースされた独Compostレーベルの記念すべき1作目。最近クラブジャズに興味を持ち始めた方にはさほど馴染みがないかもしれませんが、Compostと言えば一昔前のシーンでは圧倒的な人気を誇っていた名門レーベルです。特にジャザノヴァ以降の90年代後半におけるクラブジャズを語る上では、決して避けて通ることの出来ない非常に重要な存在。「未来のジャズ=Future Jazz」という概念を提唱し、当時のダンスフロアーで一世を風靡していましたね。このA Forest Mighty Blackは、そんなCompostレーベルの中心人物であるRainer Trübyらによるユニット。おそらくジャザノヴァ以前におけるこのレーベルの看板ユニットは彼らだったのではないでしょうか。その彼らのデビュー作にして代表作がこの12インチ。何と言ってもSide-AAに収録されたFresh In My Mindの人気と知名度が圧倒的です。Tenorio Jr.によるジャズサンバの名曲Nebulosaを効果的に使用したループの魔法。アルバムに収録された高速ドラムン・ベースのヴァージョンも相当格好よいですが、エレガント度という点でこのオリジナルに軍配かな。要所で巧みに挿入されるKitty Kのジャジーなスキャット・ワークも良い感じです。ただ、個人的にはSide-Aのタイトル曲の方がFresh~よりもさらにお気に入り。どこまでもグルーヴィーなベース・ラインに乗る、メロウなフェンダー・ローズの調べが余りにも素晴らしい。さらにはNovi Singersから拝借した爽快な混声コーラスまで加わり、聴いていると何だかいつの間にか幸せな気持ちになってきます。フリーソウル周辺の音楽が好きな人にはこの展開はたまらないはず。初期のモンドグロッソやU.F.O.にも近い雰囲気ですね。最近の日本でのクラブジャズ・シーンは、ニコラ・コンテやTFCQ以降すっかりオーセンティックな傾向にあって、こういう一昔前に流行った打ち込みの曲はおざなりにされてしまいがちですが、そんな中にもやっぱり時を越えて愛すべき曲ってあると思います。ただブームに便乗しただけのツマらない曲が多いのも事実ですが、そんなのいつの時代だって同じことですし…。
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European Suite E.P.2 / Sunaga t Experience

2007-02-16 | Club Music
昨年リリースされたSunaga t Experience名義での3rdアルバム、A Letter From Allnightersから切られた都合4枚目のシングルが本作。タイトル的には昨年話題となったEuropean Suite E.P.の続編という体裁になっていますが、ヨーロピアン・ジャズのカヴァー集であった前作とは異なり、本作は全3曲いずれも須永氏のペンによるオリジナル曲で構成されています。先日7インチでもカットされ瞬く間に完売したA Healing Blueは、今回はアルバム未収録だったニコラ・コンテによるリミックス(というかリコンストラクト)を収録。この盤の目玉はおそらくそのリミックスとなるのでしょうね。オリジナルをほとんど無視した独特の手法は相変わらずですが、先日のThird Eye名義でのMacedoniaと同じく、彼ののリミックス・ワークの中でも一際ジャズ度が濃い内容となっていて僕は非常に好きです。名盤Other Directionの世界観を正統に引き継いだとも言える非常に完成度の高いリミックスではないでしょうか。最も、申し訳程度に挿入されるSheila Landisのヴォーカルは、いっそ全く排してしまった方が良かったのではないかと思いますが…。ちなみに残りの2曲は既発のものですが、アルバムの中でもクラブ度が高かったナンバーを収録。A-2のDig The Nu Breed(タイトルのみThe Jamの曲から引用)のカットが嬉しいです。適度なヨーロピアン・バップ的解釈のNu Jazzで、オールド・ジャズの流れからでも、逆に新譜の流れからでもプレイ可能という非常にDJフレンドリーな1曲。こういう曲って意外にありそうでないんですよね。全体的に前作European Suite E.P.よりもクラブ・ユースな一枚となっているので、生音ジャズを中心にプレイするDJの方には重宝されるのではないでしょうか。ちなみに次はライブのレパートリーでもあるNaimaやHelsinki At Noonあたりをカットしてくれるとファンとしては嬉しいですね。
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A Moment Of Love / Korpi Ensemble

2007-02-01 | Club Music
北欧フィンランドから届いた傑作新譜7インチ。D.M.R.でも初回入荷分が即座に完売になったため、再入荷を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか。僕自身、彼らのことは良く分からないので特に詳しい説明も出来ないのですが、クレジットを見る限りでは、どうやら女性ヴォーカル一人を含む6人組のバンドのよう。ちなみにリリースはTFCQの主要構成メンバーでもあるTeddy Rok Sevenのアルバムを発売したJupiterというレーベルからです。ありきたりな表現ですが、「北欧らしい」という形容が非常に良く似合う1枚で、少し翳りのあるサウンドに乗る透明感に満ちたヴォーカルが印象的。両面共に内容良いですが、やはり個人的にはB-1のLike Father Like Sonが白眉。あのTwo Banks Of Fourの傑作One Dayを、もう少し北欧寄りにシフトしたような独特の雰囲気が抜群ですね。全体を包むノスタルジックなアコーディオンの音色が肝となって、独特の退廃的な世界観を築き上げることに成功しています。サビでのメロディーの込み上げ具合も素晴らしい。きちんとクラブ・ミュージックを通過してきた人なら、誰でもきっと一瞬で耳を奪われるはず。また、A-1のタイトル曲も、どことなくアシッド・ジャズ前夜のネオアコ的な匂いを持つ名曲。ニューウェイブが生んだ奇跡のフェイク・ジャズ・バンド、Kalimaの現代版と言ってしまっては少し言い過ぎでしょうか。TFCQの面々の作品にも通じるジャケットの雰囲気もまた素敵。i tunesでダウンロードすることも可能ですが、是非7インチというパッケージできちんと持っていたくなる作品です。少しずつ日が伸びてきたとは言え、まだまだ寒い日が続くこのシーズン。こんな曲を聴きながら長い夜を過ごすのも良いものです。オススメ盤。
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Punch The Monkey! 3 / Various Artists

2007-01-09 | Club Music
数年前に流行った一連のPunch The Monkeyシリーズ。1~3のリリース後、須永さんによるミックスCDやオリジナル音源を集めたCDなんかもリリースされていました。リアル・タイムでは「流行ってるなぁ」程度で、それほど深く接していないので詳細は分かりませんが、今となってはおそらく最も手に入りにくいのがこの3。CDでは普通にあるのですが、アナログがびっくりするくらい市場に出回っていないんです。1や2は都内のユニオンを一回りすれば、いつでも確実に1枚くらい見つかるのですが、この3に関しては本当に見つからない。あまりの見つからなさに、もしかしてアナログ盤は出てないのではという懸念さえ抱かせた、僕にとっては想い出の一枚(実際は二枚組みですが…)です。CDの方は発売当初から聴いていて、内容自体は知っていたのですが、どうしてもアナログで欲しくて、都内を2年くらい駆け回ってようやく2ヶ月くらい前に見つけました。Jack Ashfordが手がけたBlack Jackという映画のサントラ曲をモロ使いしたMuro氏によるC-2のLove Theme - Muro's Love Bank Mixや、クレイジーケンバンドが歌うA-2のTheme From Lupin The 3rd(Vocal Version) - CKB仕様など聴き所は多いですが、やはり当ブログ的に注目なのはDJよしお(a.k.a.小西康晴)氏によるA-1のLupin The 3rd '97 - readymade 440 mix。このヴァージョン、歴代のルパン三世のテーマの中でもトップ3に入る出色の出来栄えになっています。89年版や80年版に比べてやや弱い印象のあった97年版を見事に再構成した素晴らしい内容。須永さんがリミックスした80よりもいいですが、こちらの方が更にジャズ度高めで気に入ってます。小西氏の歴代リワークの中でも非常に完成度の高い1曲。ちなみにアナログとCDでは若干ジャケが違います。掲載しているのは、僕の持っているアナログ盤。
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The Sirens Call / Jazzanova feat. Thief

2007-01-08 | Club Music
久しぶりのJazzanova自身名義によるシングルは、彼らからのクリスマス・プレゼントという触れ込みでリリースされた片面プレスの7インチ。ハンドメイド感覚満点のジャケットが何とも可愛いハート・ウォームな1枚になっています。本当は年内に紹介しようと思っていたのですが、一度購入を迷ったら即売り切れとなってしまい、入手に若干手間取ったため、こんな変な時期の紹介になってしまいました。まぁ内容は良いので季節外れでも載せますが…。Jazzanovaってあまり真剣に聴いたことがないので何とも言えませんが、聴いた印象は少なくとも僕のイメージしてる彼らの音とは若干違う雰囲気。特有のフューチャー・ジャズ志向は影を潜め、この曲ではひたすらアコースティックな世界観が築かれています。例えるならばミニー・リパートンの名曲Lovin' Youを現代的に解釈したような感じ。ある種の神秘さを感じさせる女性コーラスや、楽器一つ一つの暖かい音色が聴いてて単純に心地良いです。さらに中盤から入ってくるThiefのメロウな歌声がまた絶妙で、部屋でぼんやりかけていると何だかまるで夢の世界にいるかのよう。クラブ的に使える曲というわけでは全くありませんが、At The Living Roomな雰囲気が良く出ていて好きです。最近は60年代のジャズばかり聴いていますが、たまにはこういう変り種も悪くないですね。ミックス・テープの最後なんかに収録したら、テープ全体のエンディング・テーマとして上手く機能してくれそうな気がします。ありそうで意外に見つからない、そんな雰囲気を持っている名曲と言えるのではないでしょうか。ちなみに何かのコンピにも入っているようですが詳細は知りません。ただ、i tunesでも落とせるみたいなので、興味のある方はそちらで是非どうぞ。
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Homecocking / Jazzanova and Friends

2006-12-17 | Club Music
「ジャズと料理は非常に似ている。材料選びが何よりも大事だからね。」という言葉から生まれたという話の本作は、独Sonar Kollektivの最新コンピレーション。CD+レシピ本という面白い体裁でリリースされたもので、可愛らしいジャケットと凝った作りのブックレットは、パラパラと眺めているだけで幸せな気分になれそうです。嬉しいことにレシピはドイツ語ではなく英語で書かれているので、ちょっと本気を出したらおそらくコレを元に料理が作れるはず。で、CDの方の内容はというと、このレーベルらしいクロス・オーヴァーな楽曲が中心の構成。詳細は分からないけれど既発曲が中心なのかな。さて、そんな中において異彩を放っているのがThird EyeによるM-3のMacedonia。聞き覚えのない名前でしょうが実はコレ、Nicola Conteの変名です。そう、ここに収録されているのは、本来旧譜コンピFocus Jazzに収録されるはずだった噂の一曲。ダスコ・ゴイコヴィッチの66年の名曲Macedoniaを、例によってニコラのお抱えコンボがカヴァーした高速キラー・ジャズ・ダンサーが、何故かここに収録されているんですね。半年前の来日時も自身のDJプレイで最初にかけていたので、聞き覚えのある人もいるはず。クラブを意識したパーッカシヴな昨今のリミックス作と違い、シーンを震撼させた名盤Other Direction再びとでも言うべき、男気溢れる純ハードバップ作品に仕上がっています。おそらくナウラのDown In The Village辺りを意識していると思われる曲中のテンポ&リズム・チェンジもばっちり。これで踊らなきゃ嘘でしょう。ひょっとすると本年度最も素晴らしい作品かもしれません。ちなみに年明けには12インチも切られるらしいです。激オススメ。
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