
古くは舘ひろしと岩城滉一の出会いから始まった国産ロックンロール・バンドがこのクールス。時代に応じメンバーを少しずつ変え、現在まで30年以上にわたり活動を続けている彼らですが、本作はそんな彼らの第二期、いわゆるクールス・ロカビリークラブ時代のシングル盤です。クレジットこそありませんが、ちょうど同じ時期にリリースされたアルバム「New York City N.Y」と並び、プロデュースに山下達郎を迎えた作品として知られており、現在ではそちら方面からも人気が高い一枚。と言うよりも、今わざわざこのシングル盤を購入する人のほとんどは熱心な達郎ファンだと思われます。それもそのはず、本作のタイトル曲はアルバム収録からは漏れたものの「New York City N.Y.」収録のどの曲よりも達郎色が強く、ヴォーカルだけ差し替えれば違和感なく達郎本人の曲として通用するナンバー。岡本一生のMoonlight Singing収録曲「ムーン・マジック」と同様にLet's Dance Babyを彷彿とさせるライトメロウなミディアムアップで、まるで夜空に羽ばたいていくような都会的なアレンジが最高の一曲です。いずれも1977~78年に製作された楽曲なので、ちょうど達郎氏のなかで当時このようなアレンジの楽曲がブームだっただけなのでしょうが、現代のリスナー観点からすると間奏のサックス含め正に理想的な展開。過去にはライトメロウのコンピに収録されたこともあり、先日出た例の本にも追加掲載されていましたが、それにも納得の素晴らしい一曲です。クールス自身には興味がない人が聴いても決して損はないナンバーかと。ちなみに取り上げられることは少ないですが、カップリングの「風がかわる前に」もコーラスとオールドタイミーなアレンジがクセになるナンバーでなかなかに良い感じです。なお肝心のクールス・ロカビリークラブは、本作を最後にヴォーカリストの一人であるピッピこと水口晴幸が脱退。その後しばらくして現クレイジーケンバンドの横山剣を迎えクールスR.Cとして再始動し、名曲シンデレラ・リバティを生み出すことになるのですがそれはまた別の話。このあたりの経緯については横山剣さんの自伝にも詳しく書かれているので、気になる方は読んでみると良いと思います。
なんとなくこんな感じ。参考までに
Sentimental New York
Intro
E♭ C♯ G♯ G♯m G F♭ F C B♭
Verse m
E♭ Cm G♯ B♭
E♭ Cm G♯ BSUS4 B♭
G♯ B♭ Gm Cm Fm Fm/B♭ E♭
間奏
E♭ C♯ G♯ G♯m G F♭ F C B♭
Em♭ G♭ Em♭ G♭ Em♭ G♭ Em♭ G♭ Cm/F B♭/G Cm/F B♭/G
Cm Cm B♭/G B♭/E B♭
E♭ Cm G♯ B♭ E♭ Fm Gm Fm
まだ未完成ですが 完成させてーーー