At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

最後に...

2010-12-26 | Weblog
突然ですが、約4年半続けてきたこのブログもひとまず本日の更新を持って終了とさせて頂きます。このゴールデンウィーク明けから特にご挨拶もないまま全く更新なしの状態が続いたことで、周りの人には色々とご心配をおかけしましたが、とりあえずはこれで一旦区切り。更新の途絶えたこの半年間、このブログの今後について色々と考えてはいたのですが、やはり惰性でこの先も続けるよりも、この辺りで一度区切りを付けるのが最良と判断しました。「とてつもなく素晴らしいことをそのままにしておきたいと願うなら、かならず終わらせなければならない」とは尊敬するポール・ウェラーの弁。どんなことでも〆は大切だと思うので、ここにブログ連載終了をはっきりと宣言させてもらいます。僕自身を含め資料用として当ブログを使ってる方もいらっしゃると思うので、これまでに書いた記事を消すことはしませんが、今後の更新は基本的にないものとお考えください。ちなみにここで書いてきた記事に関してですが、もともと限られた一部の狭い間口にしか届かない情報を広げるというコンセプトで書いてきた文章なので、その趣旨を組んだ上での一部転載は全てOKというかむしろ推奨します。そもそも僕のレビュー自体、多くの先輩方の書かれた文章を参考にしたものなので、そこに関してとやかく言うつもりはありません。最も某大手CDショップのポップのように、ここのレビューを丸々コピペした上、あたかも自分で書いたかのように振舞う姿勢については関心しませんが…。まぁいいです。とりあえずこの4年半、皆様長々とお付き合い頂きありがとうございました。音楽の趣味は変わってないのでWeb上なり現実の世界なり、今後もお会いすることがあるかもしれませんが、その時はまたどうか一つよろしくお願いします。それでは。最後に重ねて御礼申し上げることで、このブログの結びとさせて頂きたいと思います。

追記:2011年12月に4枚ほどレビューを追加しました。いずれも今年に入ってから手に入れたレコードですが、Web上でもあまり長文のレビューを書いている人がいらっしゃらなかったので、もしかしたら自分のようにもう少し詳しく内容を知りたい方もいらっしゃるのではないかと思いまして。なお今後も気が向けばこっそりと追記する可能性はありますが、念願のSketchも4年越しでようやく手に入れたことなので、まぁしばらくはまたお休みします。ではでは。
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Sketch / Orsted, Axen, Rostvold

2010-12-26 | Hard Bop & Modal
ヨーロッパのPortrait In Jazz。本作は1962年の3月に吹き込まれた録音で、このほぼ1ヶ月前に名作Poll Winner 59を完成させていたアクセンとロストヴォルドの名コンビに、当時まだ15才だったペデルセンが加わることで誕生したヨーロピアン・ジャズの記念碑的一枚です。ペデルセンはこの前年にもDebutからリリースされたEP×2枚(Steeple Chaseから出てた編集盤にも収録された作品です)で既にアクセンと共演実績があるものの、ドラムスにロストヴォルドを配したこの布陣での組み合わせでの録音はおそらくこのときが初。アクセンとロストヴォルド側からしてみても「馬車」の吹き込み以降Poll Winner 59まではエリック・モーセホルムと行動を共にしており、特にアクセンに関してはさらに以前のHitレーベル初期からモーセホルムとタッグを組んでいたこともあり、この辺りで一つ若い新顔を加えようという意図があったのでしょう。そこで抜擢されたのが以前にも共演歴のある天才若手ベーシストのペデルセン。ここにオルステッド=アクセン=ロストヴォルドの鉄壁布陣が誕生します。このトリオ、冒頭にもふれたようにエヴァンス=ラファロ=モチアン的な性格が強く、ピアノ・ベース・ドラムスの三者が対等な立場で演奏をする「インタープレイ」が積極的に取り入れられており、そのせいか明確なリーダーが存在しません。例えばB-1のSoftly, As In A Morningではテーマを奏でるのはベースのペデルセン。彼のプレイはしばしばスコット・ラファロと比較されますが、本作ではその傾向がより顕著に表れていると言えるでしょう。収録された4曲はどれも宝物のようなナンバーばかりですが、個人的に一番好きなのは冒頭A-1を飾るI Can't Get Started。厳かなペデルセンのベースの音色に誘われるかのように入る神秘的なロストヴォルドのブラシとアクセンのピアノ。そして曲は徐々に盛り上がり…。どこか神々しささえ漂うこの演奏は、間違いなくこの時期のダニッシュ・ジャズ最高峰でしょう。手に入れるのには相当苦労しましたが、この演奏を聴いているとそれも報われる気がします。ちなみに本作の数ヵ月後にこの3人がボッチンスキー、ニルス・ハスムの二人をフロントに迎え録音したのが例のJazz Quintet 60のMetronome盤(ジャケット写真の場所も同じ)。こちらも勿論合わせて必聴の一枚。今は澤野の再発で聴いていますが、そのうちオリジナルでも手に入れたいものです。
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Our Dilemma / Bent Axen, Bjarne Rostvold

2010-12-25 | Hard Bop & Modal
デンマークのHitレーベルからリリースされたベント・アクセンとビャルネ・ロストヴォルドによるデュオ作品。この時期のHitと言えば先ほどロストヴォルドのリーダー作でも触れた「馬車」(HR710/レーベル唯一のLP)が良く知られるところですが、本作はそのちょうど3週間後に吹き込まれた録音で、レコード番号的にもHR711と直近の作品となります(ちなみにTOPのトリオ作品2枚はさらに1ヶ月後)。アクセン名義のPoll Winner 59は翌年の録音のため、本格的な二人の共演としては恐らく最初期のものと言えるでしょう。それにも関わらず本作はモーセホルムのベースを排したデュオと言う最小でのコンボ編成。非常に意欲的な録音です。リズムの要となるベースがいない状態で二人の息を合わせるという作業は、それだけでどう考えても並大抵のことではないはずだと思いますが、ここではそれをさも当然のように実践し、かつピアノとドラムス各々の演奏としても非常にハイレベル。やはりこの人たちは只者ではありません。特に素晴らしいのはA-2のOn Green Dolphin Street。アクセンはちょうどこの半年ほど前にも、ペデルセンとフィン・フレデリクセンを従えたトリオで同曲を録音していますが、こちらのデュオ演奏の方が躍動的かつキレのあるプレイでより魅力的です。またロストヴォルドのドラムロールから始まるB-2のI've Got You Under My Skinも、多幸感に満ち溢れたスウィンギンなナンバー。要所で入る「止め」のポイントも絶妙な素晴らしい演奏になっています。アクセンとロストヴォルドは確か一回りくらい年が違うはずなのに、良くもここまでぴったりと息が合うものだと驚きを隠せません。これぞジェネレーション・ギャップを感じさせぬ阿吽の呼吸。ちなみにこの二人、よっぽどウマが合ったのか翌年のPoll Winner 59でも一曲だけデュオ演奏を披露していて、そちらもなかなかに快演となっているので興味のある方は聴いてみてください。なお本作は十数枚あるHitのEP諸作でも特に見ない一枚かと思われますが、純粋な玉数の少なさもさることながら、デュオという特殊なフォーマットを売り手/買い手共に敬遠していることが原因で市場に出回りにくくなっている節があります。この辺りのデンマークものの中では内容のわりにそこまで極端に値段が高いというわけでもないと思いますので、見つけたら即買いした方が無難かと。
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Fanfar! / Lasse Lystedt Quintet

2010-12-25 | Hard Bop & Modal
クラブにおける欧州ジャズブーム真っ只中、DJを中心に局地的にヒットし後にCelesteからCD復刻もされたラース・リーステットのJazz Under The Midnight Sun(Swedisc/1964)。その復刻CDにボーナス・トラックとして2種類のアウトテイクが収録されていたFanfar!のオリジナル・バージョンが収められているのが本作です。Jazz Recordsというスウェーデンのプライベート・レーベルから1962年にリリースされた作品で、何でも500枚のみのプレスだそう。10インチというマニア好きするフォーマットもまた収集欲をそそりますね。さて、そんな本作。まず聴きものはA-1のタイトル曲で、Jazz Under~にも収録されたThe Runnerのプロトタイプ的ナンバーです。本盤収録のオリジナル・テイクで既に充分その萌芽は感じられますが、Celeste盤収録のアウトテイクではその傾向がより顕著。特にソロ部分では同じフレーズが飛び出してきたりもしますので、The Runnerはおそらくこの曲をベースにより洗練度を高めていく内に完成した曲なのでしょう。なお演奏自体の完成度としては、やはりアウトテイクではなくこちらのオリジナルに軍配。まぁ当然と言えば当然ですが。続くA-2のSo Dareはブルージーなナンバーでこれもなかなかの佳曲。ソロを務めるレイフ・ヘルマン(ts)が抜群に格好いいですね。ちなみに2曲とも「子供」ことA Boy Full of Thoughtsで有名なベント・エゲルブラダ(p)の作品です。どうやらこのコンボにおけるエゲルブラダの存在はある意味でリーダーのリーステット以上に重要だったようで、B面ではリーステット不在の中、エゲルブラダのカルテット名義でLP裏面いっぱいを使いArctic Suiteなる実験的なナンバーを収録しています。もちろんこれもエゲルブラダ作。一曲の中で静と動が何度も交錯するタイプの曲で、先のロストヴォルドらによるVenusian Blueやコメダの諸作辺りにも通じる雰囲気ではあるものの、それほど難解と言うわけでもなくわりと聴きやすい仕上がりになっているため好感が持てます。一時期のレアリティが嘘のように頻繁に出てくるJazz Under The~やThe RunnerのEPとは異なりあまり市場に出回らない一枚ではありますが、見つけたら是非聴いてみてください。個人的にはこのArctic Suiteがエゲルブラダのナンバーで一番好きです。
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Switch / Bjarne Rostvold 5,4 & 3

2010-12-25 | Hard Bop & Modal
澤野工房から昨年ようやくCD化された通称「馬車」ことJazz Journeyで知られるロストヴォルドによる66年の3作目。前作Tricrotismから続投する朋友ペデルセンとボッチンスキー、数年前にデンマークに移住しここを終の棲家としたケニー・ドリュー、そしてRadio Jazz Groupにも参加する黒人テナー奏者レイ・ピッツにより吹き込まれた一枚です。オリジナルのメンバーとは人選に多少の違いが見られるも、この翌年リリースされたヤーディグのDanish Jazzman 1967と同じく、ある意味では後期Jazz Quintet 60作品とも呼べそうですが、それと同時に64年にブルーノートに吹き込まれたデクスター・ゴードンのOne Flight Up(BN4176)の続編的意味合い(こちらはフランス録音ではあるもののペデルセン、ドリューが参加)もあり、そちらの関連性から聴いてみても何かと興味深い作品。特にドリュー作のA-3、Coppin' The HavenはOne Flight Upでも演奏されていたナンバーの再演となるため、両者を聴き比べてみるのも面白いかもしれません。個人的にはこちらの盤の演奏の方が好み。北欧の風に当てられたせいかドリューのピアノの繊細度がグッと増していて、今の季節に聴くと非常に耳馴染みが良いです。またB-3のVenusian Blueはレイ・ピッツの作品。以前ここでも紹介したようにRadio Jazz Groupからの再演で、静と動を行き来するモーダルなナンバーになっています。ちなみにここでのボッチンスキーはマイルスを意識したミュート・プレイで個人的に少し苦手。何というか彼には、オープンでのプレイの方が似合う気がするんですよね。そんな彼のオープン・トランペットが思う存分堪能出来るのがB-1のWampoo。自分で書いた曲だからと言うこともあるかもしれませんが、ここでの彼はこれまで以上に非常に堂々としたプレイをしていて大いに好感が持てます。Jazz Quintet 60のFontana盤に通じるきれいめ系のバップなので、おそらく好きな人も多いのではないでしょうか。ちなみに以前Ricky-Tickのコンピに入っていたA-1のFolk Musikは、曲調とは裏腹にハードなジャズロック。確かにヨーロッパのDJに好まれそうな音ではありますが日本人的には少し微妙です。ともあれ最近の欧州ジャズのバブル崩壊に伴い値段が下がってきた作品のため今が買い時の一枚。片手で数えられるくらいの値段で発見したら購入を検討してみても良いかもしれません。
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