At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Virtual Insanity / Jamiroquai

2014-10-27 | Acid Jazz~UK Soul
前回に引き続きジャミロクワイのシングルCDをもう一枚。1996年にリリースされた3rdアルバムTravelling Without Moving(邦題:ジャミロクワイと旅に出よう)のリード曲で、一般にジャミロクワイを代表する曲と言えばコレを挙げる人が大多数だと思われる90年代の洋楽ヒットです。最近でも例の未来的なPVがカップヌードルのCMで使われていたりしたため、おそらく多くの人がどこかしらで聞き覚えがあるはず。例によってシングルは各国からリリースされていますが、こちらは米Workレーベルからプロモ・オンリーで少数のみ製作された少し珍しめの一枚。目玉はなんと言ってもヒップホップ・プロデューサーSalaam Remi(サラーム・レミ)によるPeace Of Mind Mix。オリジナルのスムースな雰囲気は残しつつもバッキングを全面的に差し替え、いわゆる90'sアングラ・ヒップホップ的サウンドで再構築した名リミックスです。MuroさんがDiggin' Heatで取り上げたこともあり、ヒップホップ~R&B界隈では恐らくこちらのリミックスの方がオリジナル以上に人気が高いことでしょう。M-4のフルバージョンは最近リマスターされた3rdにボーナス・トラックとして収録されたようですが、M-1のPeace Of Mind Edit(3:42のショートバージョン)は本作のみに収録。フェードインで始まるイントロの処理が甘いのがやや気になりますが、元曲ではアルバム・バージョンのみに存在する中盤以降の転調部分がオミットされているため、全体的にすっきりとした雰囲気に仕上がっています。ちなみにM-2とM-3にはオリジナルのシングル/アルバム両バージョンもしっかりと収録されており、これ一枚でVirtual Insanityが心ゆくまで堪能出来る親切設計。正規盤から差し替えられた完全フェラーリ仕様なジャケットも良い雰囲気なので、マニアならば是非手にすべき一枚かと思います。本当はこのジャケ/内容で12インチが出ていればそれが欲しいのですが。。。
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Stillness In Time / Jamiroquai

2014-10-26 | Acid Jazz~UK Soul
ここ最近マニアックな盤ばかり取り上げていたので、たまにはメジャーどころということでこんな作品を紹介。ジャミロクワイの2ndアルバムThe Return Of This Space Cowboy(邦題:スペース・カウボーイの逆襲)からシングルカットされた一枚です。次作でポップスターになってしまって以降の楽曲は正直今聴くと辛いものがありますが、初期2作の彼らはメジャーシーンにおけるアシッドジャズの伝道師として立派にその役割を全うしており、作品のクォリティも総じて高め。そんな彼らにとってのキャリア絶頂期にリリースされたシングルが本作です。困ったことに彼らのシングルは同じタイトルでも発売された国によって収録曲が微妙に異なるのですが、本命は今回取り上げたこのジャケットのUK盤。タイトル曲とSpace CowboyのDavid Moralesによる人気リミックスがそれぞれロング/ショートの2バージョンずつ収録されています。アルバムでは妙にこもった音質でマスタリングされていたタイトル曲がマスタリング違いでクリアになっていることと、Space Cowboy(Classic Radio)が入っていることが個人的にポイント高め。どちらもショートバージョンはitunes等で配信されていないため、僕みたいに色々なところから曲を寄せ集めてコンピレーションを作っている人にとっては、非常に使い勝手の良い一枚と言えるでしょう。ライトファンクの流れから繋げてもよし、ハウスやダンクラの流れから繋げてもよしと八面六臂の活躍を見せること間違いなし。CDシングル盤ということもあり、まだインターネットが一般化する前はそれなりに手に入れることが難しい作品でしたが、今や入手は非常に容易なので、気になる人は是非買ってみてください。2曲とも彼らの作品中でも特にスティービー指数が高いナンバーなので、そちらサイドのファンも楽しめると思います。僕と同世代でこのジャンルを買っててまだ聴いたことない人はいないと思いますが、もしいるのであればすぐにチェックしましょう。
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Piece A Cake / Henry Kapono

2014-10-22 | Hawaii
前回の更新からまた1ヶ月くらい空いてしまい申し訳ありません。本当はもう少し頻繁に更新をしたいと思っているのですが、なかなか忙しくて時間が割けていないのが現状です。紹介するのはヘンリー・カポノが1982年にリリースしたソロ名義での2ndアルバム。先日紹介した同年リリースの3rdアルバムDreamer Boy同様、彼の作品中でも市場に出回ることが極端に少ない作品です。地元ハワイで録音された次作とは異なり、こちらはLA録音。演奏メンバーにはTOTOのジェフ&マイク・ポーカロを始め、エルトン・ジョンやチャカ・カーン、そしてマイケル・ジャクソンらの作品に参加していたミュージシャンがズラリと名を連ねており、なかなかに豪華な編成となっております。そうしたこともあり、いわゆるコンテンポラリー・ハワイアン的サウンドではなく、内容的には全体的にわりとロック寄り。元々カポノの声質自体が比較的ロック向きなので、これはこれで悪くないと思いますが、メロウなコンテンポラリー・サウンドを期待して聴くとやや肩透かしを食らうかもしれません。B-2のWaiting For Your LoveがMuro氏のHawaiian Breaksに収録されていることもあり、オークションではそれなりに高値となっているようですが、正直オークション価格ほどの価値がある作品かと言われると個人的には微妙かと。ただ、そうした中にあってA-3のPamelaとA-5のOne More Tomorrowはメロウなバラードでなかなかの出来。いずれもロック色強めながら、トム・スコットの吹くサックスが心地よいアイランド・メロウなナンバーとなっており、このあたりのサウンドが好きな人はハマるかと思います。特に後者はピアノとハモンド・オルガン、ギターによるバッキングも心地よく、個人的にもかなりお気に入り。大枚をはたいてまで購入すべき作品ではないと思いますが、もしも安値で見かけたら手に取ってみてもいいかもしれません。マニア向きの作品ではありますが、気になる方は探してみてください。
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