At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

The Way Of Love / Hawaii For Africa

2014-05-31 | Hawaii
アーティスト名義とジャケットから分かるように、We Are The Worldのハワイ版。発売された時期も本家と同じ1985年です。この前年の暮れ、イギリスでリリースされたバンド・エイドを皮切りに欧米ではチャリティ盤ブームがあり、本作もその一環で製作された模様。表ジャケットには24人分の名前しか書かれていませんが、裏ジャケットには100名以上のクレジットがあり、当時のコンテンポラリー・ハワイアン系ミュージシャンの多くが参加しているようです。Alan Yamamoto(アラン・ヤマモト)なる日系人が企画したようですが、音楽的な中心はセシリオ&カポノのヘンリー・カポノ。本家でのマイケル・ジャクソン的ポジションにあたるのが彼です。その他、作詞作曲にはブラザー・ノーランドやマッキー・フェアリー辺りが参加。チャリティー曲らしく壮大な雰囲気を持ったAOR系ミディアム・スロウになっているため、そうした雰囲気の楽曲が好きな人なら、まず問題なく聴けるかと思います。取り立てて素晴らしい曲と言うほどでもありませんが、こうした曲はオールスターが一同に会しているという雰囲気自体を楽しむものなので、そうした意味では及第点。レコードからでは誰がどのパートを歌っているのか分からないという不満点はあるものの、当時ミュージックビデオも撮影されており、現在ではYoutubeにもアップされているため、そちらを見ればある程度判別可能。ビデオでは歌唱シーンがありませんが、3回目のサビが終わった後に一番おいしいCパート前半2コーラスを歌っているのが、相変わらずの巨体で抜群の存在感を示すロイヤル・ガーナーさんと思われます。ビデオでもジャケットでも真ん中にいる美人さんはおそらくノヘラニ・シプリアーノ。どうやらガーナーから引き継いでCパート後半2コーラスを担当しているようです。正直マニア向けの作品なので遍くお勧め出来る一枚ではありませんが、気になる人は探してみると良いかもしれません。日本国内にはあまり入ってきていないようですが、リリース時期が新しいこともあり海外では普通に買えると思います。
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Bix / Bix Phillip

2014-05-28 | CCM
一部マニアの間で知られるマイナー系CCMレア盤。クレジットの記載がないため詳細はよく分かりませんが、音の雰囲気的におそらく80年代前半に製作されたものと思われます。音数も少なく際立った派手さはないものの、ギターとエレピ中心の非常に洗練された作品となっており、AORファン受け良さそうな爽やかな歌声含め全体的に良い雰囲気。マイナー盤らしい手作り感に満ちたブルーアイドソウル名盤に仕上がっています。マイケル・ジェイムス・マーフィーの2ndやジム・シュミット辺りの作品が好きな方ならおそらく間違いなくハマることでしょう。軽やかに始まる冒頭A-1のHe'll Never Let You Goを筆頭にアップ~スロウまで全曲良いですが、中でも特に聴きどころなのがB-4のLord Love His Children。いかにも日本人受け良さそうなメジャー7th系の展開が心地よいライトメロウなミディアムアップで、ババドゥのWords To A Songをもう少しシンプルにした感じのナンバーなため、あの類の曲が好きな人は確実にやられるはず。個人的には以前ここでも紹介した同じくマイナーCCMであるレジー・デヴォーンのI'll Be With Youから繋げて聴くのがお気に入りです。その他の曲ではイントロの眩いカッティング・ギターと都会的なサックスが心地よいB-1のLove's Not Just A Feelingが絶品ライトファンクで良い感じ。全盛期の山下達郎が予算を潤沢に使えるメジャーでなく自主製作で音源を残していたのなら、きっとこんな雰囲気の曲になっていたことでしょう。僕自身は数年前に購入したため、ぎりぎり高騰する前のタイミングでゲットすることが出来ましたが、最近は海外含め知名度も上がってきたようで、某サイトではとんでもない値段で売られている模様。残念ながら今では一般の音楽ファンが気軽に手を出せるレベルを超えてしまいました。内容的には抜群なため、初回限定生産でリイシューすれば一部マニア層にはそれなりに需要がありそうな気がしますがいかがでしょう。細々と人知れぬマイナー盤を掘ってきた方は怒るかもしれませんが、個人的にはリイシュー希望の一枚です。
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I Love You / Marlene Sai

2014-05-21 | Hawaii
先日のノヘに続き、もう一枚リラックス系の作品を。古くからトラディショナル・ハワイアンを中心に活躍するディーヴァ、Marlene Sai(マリーン・サイ)による80年代のLPです。彼女の場合、まだコンテンポラリー・ハワイアンと呼ばれる音楽が誕生する前の1959年から活動を開始しているため、本作リリース時点では既に大ベテランにあたるわけですが、そんな彼女が当時流行のサウンドに歩み寄り製作したのが本作。日本人で言うとちょうど60年代に活躍した伊東ゆかりが80年代に入り、流行のシティポップスを取り入れて傑作Misty Hourをリリースしたイメージに近いです。元々がトラディショナル畑の人なので、さすがに当時一線で活躍していたガーナーやノヘと同じようには行きませんが、曲によってはなんとなくイメージが近いものもあり、彼女たちのファンならば楽しめるかもしれません。コンテンポラリー目線で見た場合の注目曲はなんと言ってもA-2のEmotions。ゆったりとしたスロウテンポの楽曲ながら、全体的にシンセを多用した爽やかなアレンジとなっており、その美しすぎるメロディーラインや歌唱を含め非常に感動的なナンバーに仕上がっています。AORというのとは少し違いますが、ミニー・リパートン辺りが好きな人ならきっと満足することが出来るはず。またA-1のタイトル曲やB-2のMy Reason To Belong、それからB-5のSunsetなどもハワイの雄大な大地を感じられるバラードの佳作となっており、ポピュラー・ヴォーカル好きにはお勧め。ちなみにリリースはこのブログではお馴染みのParadiseから。ジャケットの出来がいまいちですが、製作側もそのように感じたのか90年代に入ってからのCDリイシュー時には差し替えられています。正直初心者向けとはちょっと言い難いですが、コンテンポラリー・ハワイアン中~上級者ならば素直に楽しむことが出来るはず。気になる人は探してみると良いかもしれません。
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Wisdom Of A Child / Nohelani Cypriano

2014-05-19 | Hawaii
前二作に比べ、いまいち取り上げられることが少ないノヘことNohelani Cypriano(ノヘラニ・シプリアーノ)による3rdアルバム。Kokonut Recordsなるほとんど自主盤に近いスモールレーベルからリリースされており、発売時期自体もレコード⇒CD移行期の1987年と微妙なため、三枚ある彼女のLP作品の中では最もプレス数が少ないと思われる一枚です。おまけに内容的にも前作In The Eveningからさらにもう一歩トラディショナル・ハワイアンに踏み込んだものとなっており、いわゆるAORな音を期待するとやや肩透かしを食らう作品なので、その手の専門店が商品を仕入れること自体も少なく、その結果として彼女自身のネームバリューとは裏腹に市場ではそこそこのレア盤と化している模様。もっとも前述した通りAOR色は薄いので、このブログを普段見ているような方が無理してオリジナルを手に入れる必要があるかと言われれば、それもまた微妙ですが…。ただ、いわゆるアーバンメロウな雰囲気こそないものの、内容的には非常に洗練されており、いわゆる土着的なトラディショナル・ハワイアンとは一線を画すこともまた事実。作品自体が新しいこともあり録音も非常にクリアとなっており、その点ではAOR嗜好の耳でも充分に鑑賞に耐えうる一枚。実際に僕自身、ここ最近かなりの頻度で本作をターンテーブルへ乗せています。このロハス風味な雰囲気が妙に心地よく、風呂上りなどにビールを飲みながらついついヘビーローテーション。単に自分が年を取っただけかもしれませんが、日々の仕事に疲れたカラダにはこのくらいの音が良く染みます。中でもとりわけお気に入りなのはB-3のタイトル曲。アルバム中でもっともコンテンポラリー度が高いアイランド・メロウなバラードです。ちなみに本作、最初に書いた通りオリジナルのLPはレアですが、10年ほど前にKahi DiscからCDリイシューされる以前にも日本でCD化されており、CDでの入手は比較的容易。AORのみしか聴かないという方には不向きでしょうが、癒しを求めているような方には良いかもしれません。
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Daisy / Kaper

2014-05-18 | AOR~BES
イリノイのスモール・レーベル、Le Bruよりリリースされたローカル系AOR~BES。英語風にケイパーと読めばいいのかヨーロッパ風にカペルと読めばいいのか分かりませんが、彼らはGreg Brucker(グレッグ・ブルッカー)とSteve Leonard(スティーヴ・レオナルド)なる二人のマルチプレーヤーからなるデュオで、おそらくこれが唯一の作品かと思われます。製作年はおそらく70年代後半~80年代前半。同じデュオ作品と言うことで以前ここでも紹介したフレンチカナディアンのMinuitあたりに近い質感となっているので、そのあたりのファンは楽しめるかと思います。特筆すべきは作詞・作曲・編曲・演奏・プロデュースという曲作りに関わるほとんど全ての作業をこの二人だけで行っていること。ギター2本の弾き語りというような類の作品ではなく打ち込んでいる感じでもないので、当然多重録音ということになるのでしょうが、完成された曲を聴くとそのような雰囲気は全く感じられず、普通にバンドサウンドなので初めてクレジットを見たときは驚かされました。もちろんローカル作品ならではのいなたさはあるものの、決してチープな質感ではなく充分に鑑賞に耐えうるもの。全体の雰囲気やヴォーカル・ワークもいい感じなので、もしもフリーソウルの頃に発見されていたら、それなりの人気盤になっていたかもしれません。現代的な価値観での注目曲はA-3のJuneとB-2のI'll Never Let You Go。前者は弾けるような瑞々しいライトメロウ系ミディアム、後者はコンテンポラリー・ハワイアンに通じるオーシャン・ブリーズなバラードとなっており、その手のファンならまず間違いなく琴線に触れることでしょう。そのままサバービアに乗っていても違和感ないジャケットもまた良い感じ。自主盤に近いと思うのでUS盤と言えど入手にはそれなりに手間取るかもしれませんが、気になる人は是非探してみてください。
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Robbie Dupree / Same

2014-05-14 | AOR~BES
ブルックリン生まれの白人シンガーソングライター、Robbie Dupree(ロビー・デュプリー)による1980年のヒット作。その筋では有名な黒白混合バンド「クラッキン」出身のRick Chudacoff(リック・チュダーコフ)とPeter Bunetta(ピーター・ブネッタ)によるプロデュース作として、リアルタイム派のAORファンには広く知られる一枚です。何でもA-1のSteel Awayが全米シングル・チャート6位となり、当時の日本でも大いにヘビープレイされたとのこと。あいにく世代が違うため当時の様子は知る由もありませんが、実際聴いてみるとこれが実はもの凄く今のリスナー向きの作品で、何年か前に初めて聴いたときは驚いたものです。この手のリアルタイムでヒットしたAOR作品というものは往々にして、今の感性で聴くと多かれ少なかれ古臭さを感じてしまうものですが、本作に関してはそうした杞憂は一切不要。ヴォーカル・演奏・アレンジどれをとっても今風で、フリーソウル~ライトメロウの流れで聴くにあたり全く違和感を感じさせません。収録曲はどれも現代的観点でのブルーアイドソウルとして理想的なものになっていますが、中でもとりわけ素晴らしいのがB-1のNobody Else。少しディスコがかったライトメロウなミディアムアップで、フリーソウルファン直撃の完璧なキラー・ナンバーです。たとえばフルムーンのI Need Your Loveやコーク・エスコヴェドのI Wouldn't Change A Thing、それから数年前に発掘され大いに話題となったエートレインのBaby Please辺りの洗練されたグルーヴィーな楽曲が好きな方ならまず間違いなくハマることでしょう。大ヒットの功罪によりLPは未だに町のレコ屋で二束三文で売られていますが、完成度は下手なレア高額盤より遥かに上。どこででも簡単に手に入る一枚なので、もしもまだ聴いたことないという方がいるならば今すぐの購入をお勧めします。
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Rhythm Of The City / John Rowles

2014-05-13 | Hawaii
ニュージーランド生まれの男性シンガー、ジョン・ロウルズが1980年にリリースしたLP。つい先日、有名DJのミックスCDに収録されたようなので、もしかしたら知っている人もいるかもしれませんね。発売元が同じポリネシア文化圏であるハワイの大手レーベルParadiseなため、一部ではコンテンポラリー・ハワイアン扱いされていますが、本作が録音されたのはハリウッドで、おまけに作品プロデュースを務めるのはアレサ・フランクリンやフランク・シナトラ等のアレンジも手掛けたことがあるベテラン黒人アレンジャーのH.B.バーナム。したがって本当のところを言うと、実はハワイとはあまり関係なかったりします。しかしながら全編通じて若干いなたさが残りつつもトロピカルなディスコ風ポピュラー・ヴォーカル作品になっており、内容的にはすこぶる良作。作品を包む空気感がいかにもハワイっぽいので、知らずに聴いたら信じてしまっても仕方ないかと思います。単に話題性から言えばA-4に収録されたEternallyが、チャップリン映画「ライムライト」主題歌である有名曲のドリーミンなミラクルディスコカバーで耳を惹きますが、実はバーナムが手掛けたオリジナル曲がの完成度がそれ以上に高く、特にA-3のYou And IとB-2のBeautiful Ladyは全ライトメロウ&フリーソウルファン悶絶の大名曲。同じポピュラー・ヴォーカル畑の男性シンガーで言うならば、フランキー・ヴァリのSwearin GoodやNative New Yorker辺りをよりポップにしたような非常に日本人好みのサウンドなので、おそらく嫌いな人はいないと思います。あいにく現在に至るまで未CD化のようですが、アルバム自体の完成度もかなり高いので個人的に是非CD化してもらいたい一枚。USでは前述のとおりParadiseからリリースされていますが、実は本国ニュージーランドに同内容・同ジャケでEMIからリリースされている盤があったりするので、ユニバーサルあたりにEMI方面から攻めていけば何となくCD化可能っぽい気がするのですが…。ちなみにLPの方は比較的どれも手に入りやすいこのレーベルの作品としてはかなりレアな部類。簡単には手に入らないと思いますが、内容的には間違いないのでマニアの方は是非手にして頂きたいと思います。
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Reflections /Noly

2014-05-11 | Hawaii
知っている人は知っている80'sコンテンポラリー・ハワイアン。フィリピン生まれカリフォルニア州ヴァレーホ育ちのシンガーソングライター兼キーボーディスト、Noly Paa(ノリー・パー)が1985年にPali Windsなる自主レーベルからリリースした作品です。ジャケットの雰囲気からしていかにもコンテンポラリーをやりそうですが、実際バックミュージシャンにもカポノ・ビーマー(g)、ノヘラニ・シプリアーノ(Cho)、ブルース・ハマダ(b)などのお馴染み腕利きメンバーを揃えており、トラディショナル要素のない洗練されたコンテンポラリー・ハワイアンを展開。同時代のアウディー・キムラ作品あたりに近いピュアな雰囲気のアイランドAORをやっています。いわゆるフロアキラー的楽曲は収録されていませんが、全体的に海を感じる心地よい演奏となっており、今日みたく良く晴れた休日の午後のBGMには最適。リリース年次が新しいこともあり自主盤ながら録音も非常にクリアで、この手の80'sコンテンポラリー・ハワイアンとしてはかなり上質な部類の一枚かと思います。特に気に入っているのは収録曲中唯一のインストゥルメンタル・ナンバーとなるB-2のClassical Hula。タイトルだけだとトラディショナルなナンバーを想像してしまいますが、実際にはボサ系のリズムと優しいピアノが印象的なミディアムテンポの極上フュージョン・サウンドとなっており、サバービア系作品が好きな方なら一聴して耳を奪われることでしょう。また、こちらはヴォーカル入りですがラストB-5に収録されたGood Friends Never Say Goodbyeも穏やかなボサノバのリズムが気持ちいい名曲。アウディー・キムラの1stアルバム収録曲によく似た質感となっているため、その辺りが好きな人にはお勧めです。この手の他のコンテンポラリー作品同様、見つけることさえ出来れば比較的安価で購入可能なので、気になる方はチェックしてみてください。
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Haleakala / Same

2014-05-10 | Hawaii
夜景のジャケットで有名なマッキー・フェアリー・バンドの1stと同じRainbow Recordsからリリースされた1枚。リリース年の記載はありませんが、規格番号が3つしか離れていないので、おそらく1978~79年に発売されたものと思います。ハワイ語で「太陽の家」を意味する火山の名前を冠した彼らは、5人組の男性ヴォーカル&コーラス・グループ。演奏ミュージシャン側のクレジットがないので、誰がプレイしているのかは分かりませんが、LPにはアップテンポ~バラードまで幅広いナンバーが収録されており、なかなかに楽しめる一枚となっています。ヴォーカル含め全体的にややもっさりした演奏なのでAOR風の音作りではありませんが、以前ここでも紹介したKaliokaiあたりに近い作風となっているので、いなたい音を許容できる人には良いかもしれません。いわゆるフリーソウル~レアグルーヴ的な観点での聴きどころは、A-1のCatamaranとB-3のSwinging Bamboo。前者はVic Maloにも似たジェントルなヴォーカルと絹のようなストリングスが印象的なライトメロウ系ディスコ、後者はさり気ないエレピが気持ちいいカントリー・コンフォート~カラパナ風のメロウ・ミディアムとなっており、この辺りのサウンドが好きな人にとってはハマる楽曲かと思います。またA-3のHonolulu City Lightsは当時リリースされたばかりでヒットしたKeola & Kapono Beamerのカバー。セシリオ&カポノ風アイランドメロウな原曲をレアグルーヴ的解釈でリアレンジしており、こちらもなかなかの好曲に仕上がっています。MuroさんのHawaiian Breaksにも収録されているのはこのバージョン。ちなみに見つけることさえ出来ればそれほど高いLPではないのですが、意外に出会う頻度が低くちょっとした入手困難盤。個人的にも前回見逃してから購入するまで、予想外に時間がかかってしまった一枚だったりします。
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Somebody Loves You / Bob & Pauline Wilson

2014-05-09 | Hawaii
元おしどり夫婦、ボブ&ポーリンによる1981年のアルバム。よく知られるように演奏陣はお馴染みシーウィンドの面々なのですが、名義が異なる上にリリース元がCCM系レーベルのMyrrhからだったことから、かつては「シーウィンド幻の5作目」などという呼ばれ方をしていたこともありました。インターネット時代の今でこそ気軽に入手が可能ですが、どうやらリリース当時はあまり日本に入ってこなかったようで、一部マニアのみが密かに愛聴していたようです。内容的にはこの前年にリリースされた「海鳥」という邦題で知られるS/T作品と同系統のフュージョン~クロスオーヴァー系サウンド。AORと呼ぶには個人的に少し抵抗がありますが、全体的にいわゆるリアルタイム派のリスナーが好みそうな作品になっています。ただ僕自身を含め、フリーソウル以降のAORリスナーの好む音かと言われれば正直少し微妙。これは本作に限らず彼らの作品全般に言えることなのですが、ポーリン自身の歌声は抜群なのにもかかわらず、いわゆるフリーソウル特有の「気持ちいい」成分が薄く、イマドキのリスナーが求めるサウンドとしての直球ストレートにはなりにくいというのが本音です。ただ、そんな彼らの作品の中では本作が一番僕ら向け。特に若干ブラジリアンな雰囲気を漂わせたA-2のWith Love In Your Eyesとサビでの三連ビートが気持ちいいA-3のJoyful Melodyがなかなかのクォリティで佳曲で個人的には好感度高めです。CCMでもAORでもなくコンテンポラリー・ハワイアンの一環として聴くのが今の気分。普段ここで紹介しているような作品が好きな方なら、LemuriaやAuraあたりの延長で自然に耳に馴染むはずなので、シーウィンド自体を敬遠されていた方も是非一度再チャレンジして頂きたいと思います。ちなみにCool SoundからCDでもリイシューされているため、アナログを聴ける環境にない方もご安心。Amazonではなぜか異常に高騰していますが、街の中古屋で見つけることが出来れば安価で購入可能な一枚なので、気になる方は探してみてください。
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