At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Thank You Universe / Joaquin Joe Claussell

2016-05-02 | House
ニューヨークのクラブ『VINYL』で毎週日曜日に開催されていたディープハウス系のパーティー『Body&Soul』のレジデンスDJの1人として、Francois K(フランソワ・K)、Danny Krivit(ダニー・クリヴィット)とともに知られるのが、このJoaquin Joe Claussell(ホアキン・ジョー・クラウゼル)。本作はそんな彼がつい先日、本人名義で8年ぶりにリリースしたアルバムCDです。この手のクラブ系作品の新譜をリアルタイムで購入するのはかなり久しぶりなのですが、以前にも書いたように年始からなんとなくハウス・ミュージックにハマっており、なかでもこのクラウゼル関連の一連の作品は特にお気に入りだったため、あまりきちんと試聴もせず即ポチってみました。内容的には近年様々な名義や媒体でリリースした曲の再録+新曲+未発表ヴァージョンの寄せ集めといったところ。バリバリの4つ打ち~ビートレスなアンビエント~Nu Jazz的なクロスオーバーと様々なテンポとリズムの曲が収録されていますが、全体としては世界観がしっかりと統一されており、安定のクラウゼル・ワールドを思う存分楽しめる一枚になっています。ハウスと聞くとなんだかクラブ・ミュージックの中でも上級者向けの感じがして、初心者の方には少し取っつき難いかもしれませんが、実際には全然そんなことなく、むしろホームリスニング用としても非常に聴き易い作品。よく知られた(と言うか知らなくても曲を聴けば明らかな)話ですが、Nujabesが楽曲作りにおいてスタイルや精神性で非常に影響を受けているのがこのクラウゼルなので、彼のファンの方も聴いてみると面白いと思います。なお、どの曲もお勧めですが中でもイチオシがM-10のMost Beautiful (Joaquin's Sacred Rhythm Version)。元々はLouie Vega(ルイ・ヴェガ)がElements Of Life名義で2013年にリリースした曲で、ルイ・ヴェガのオリジナル・ヴァージョンも十二分に素晴らしいのですが、ここではそれを得意のトライバル・ビートと爪弾くアコギを中心としたミラクルなアレンジで再構築。Chari ChariのAuroraあたりを彷彿とさせる、心地よいサウダージ感に満ちた最高のリミックスに仕上がっています。いずれにしろ、リリースされたばかりの作品で手に入れやすいと思うので興味のある人は是非。クラブだハウスだということはあまり関係なく、純粋にグッド・ミュージックとして多くの方に聴いて頂きたいと思います。
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Beyond The Mix / Frankie Knuckles

2016-02-03 | House
どうも、少しお久しぶりです。別に意図的に更新を避けていたというわけでもないのですが、なんとなくタイミングがうまく合わず、また更新が遅れてしまいました。いつも読んでくださる方々、申し訳ありません。さてさて、そんなここしばらくの近況というわけでもないのですが、年明けからこっち、自分の中でブームになっているのがハウス・ミュージック。正直これまであまり真剣に聴いてきたジャンルではないこともあり、ここ最近は水を得た魚のように猛勉強中です。というわけで今回紹介するのは、そんなハウスの語源にもなったシカゴのクラブWarehouse(ウェアハウス)のレジデンスDJ、Frankie Knuckles(フランキー・ナックルズ)による1991年の1stアルバム。知っている人には今さら紹介するまでもない名盤中の名盤ですね。まだ勉強中なのではっきりとしたことは言えませんが、80年代半ばにシカゴで産声を上げて以降、現在に至るまで一貫して12インチでのリリースが主体なハウス・ミュージックの中では、初のメジャー配給によるコンセプチュアル・アルバムだと思います。Sound Factory 12" Mixの名で知られるシングル・バージョンがアフター・アワーズ・クラシックとして有名なM-3のThe Whistle Songを筆頭に、雨音と雑踏のSEに導かれるM-2のRain Falls、ニューヨークの摩天楼を思わせるアーバンなM-8のRight Thing、さらには跳ね系R&Bとしても一級品なM-5のIt's Hard Sometimesなどなど捨て曲なしの全10曲。先日一挙に紹介したヒップホップと同じく、ある一定以上の年齢層の方には敬遠されがちなジャンルではありますが、90年代ブラック・コンテンポラリー・メインストリームの一角を占めたことは最早疑いようがないので、偏見を持たず是非聴いてみてください。このジャンルの入門編としてもお勧めな一枚です。
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