こちらも今回再発分のバッソ=ヴァルダンブリーニ関連盤。先のBasso Valdambrini Plus Dino Pianaと同じく伊Jollyが原盤になりますが、こちらは当時米Verveからも発売されていた他、Stellaからの2ndプレスもあるので、オリジナルのレア度とは裏腹に彼ら関係のLPとしては比較的見る機会が多い一枚なのではないかと思います。さて、そんな本作は若干メンバー編成の変わる3セッションからなる59年録音。注目ポイントとしては、スウェーデンが誇る巨漢バリトン奏者ラース・ガリンの参加と、本来ギタリスト(当時はわりとベースも演奏していたようですが…)であるフランコ・チェリの奏でるベース、それからアレンジで参加しているウミリアーニ辺りになるのでしょうか。演奏スタイルとしては、そもそもイタリアという国自体がジャズ後進国であったことも踏まえ、同時代の他のヨーロッパのコンボに比べ若干古さを感じさせるところもありますが、ある意味そこが逆にこの盤の魅力なのかもしれません。どことなく54~55年くらいの英Tempo盤などにも通じる演奏。おそらくこの盤を録音したことには、本場アメリカへ向けて当時のイタリアン・ジャズメンを紹介するという目的があったと思いますが、そう言った意味では同様の目的で作られたジミー・デューカーのPub Crawlingにも非常に近い雰囲気がありますね。クラブ映えするようなレコードではないですが、純粋にオールド・ジャズとして楽しめる1枚に仕上がっています。個人的に気に入っているのはGeorge GruntzのアレンジによるA-1のIndiana。心地良いスウィングで飛ばすバップ・ナンバーで、聴いていると何故だか自然とウキウキした気分になること間違いなしです。B-3のPeter Of April辺りも良いですね。なんとなくサバービア的な雰囲気も感じられる1枚。フロアでガンガンに踊るのでもなく、家で一人で真剣に聞くのでもなく、ほのぼのとジャズを聴きたい方にはオススメです。
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