At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Eyes of The Heart / Brandon Bray

2022-05-04 | Hawaii
先日に引き続きブランドン・ブレイのテープ・オンリー作品をもう1本。こちらは先日のIsrand Praisesの翌年にあたる1989年にリリースされた作品ですが、彼は1990年にエイズで亡くなっているため、おそらく本作が遺作になるものかと思われます。

まず始めに一言。収録曲をみるとA-1にYou're So Good To Meとあり、おそらくブルース・ヒバードのカバーかと思われますが、なぜか僕の持っているテープには収録されていません。他の現物を見たことがないため、全体でのコピーミスなのかロット単位でのミスなのかよく分かりませんが、とりあえず手元にあるテープではこの曲は聴けないので、その他の曲についてレビューしていきます。

前作に引き続きレリジャスな作風となっている本作ですが、現代コンテンポラリー・ハワイアン的に注目なのはA-3のYou Bring Out The Best In MeとA-4のCome To Me、それからB-1のI Believeの3曲。このうちYou Bring Out The Best In MeはDesire収録のテイクとほぼ同じ(マスタリングが違うだけで全く同じかも)に聴こえますが、他2曲もテンポは遅めながらDesire収録曲と地続きなライトメロウ系AOR/CCMナンバーで、おそらくその筋のリスナーは好みなはずです。音的には同時代のナルやナイトウィングのようなカラパナ・フォロワーというよりは、この後に出てくるランス・ジョーあたりの原形と言った雰囲気。

ちなみにB-3のHealing Loveは、おそらく1987年のNa Hoku Hanohano Awardのベスト・レリジャス・アルバムで選出されたアルバムのタイトル曲。ただ、この87年のHealing Loveという作品自体の情報がなく、87年にはDesire、88年にはIsland Praisesがリリースされていることを考えると、そもそも正規リリースされた作品なのかも不明です。最初に書いたYou're So Good To Meの収録問題と共に「ぜひ情報求む」といったところでしょうか。

ちなみに前回のIsland Praisesと本作は、先日たまたまDiscogsで売りに出されていたのを運よく発見し購入したもの。なかなか市場に出てくることは少ないと思いますが、気になる方は気長に探してみてください。この辺りがおそらく80'sコンテンポラリー・ハワイアンのなかで最もマニアックな作品になると思われます。
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Island Praises / Brandon Bray

2022-04-22 | Hawaii
このところCDやレコードを購入する機会がめっきり減り、ここに掲載するような作品もほぼ購入していなかったためディスク紹介はお休みしていましたが、先日かなり久しぶりに紹介すべき作品を手に入れたので、今回は作品レビューとします。ただし今回レビューするのは、CDやレコードではなくカセットテープ。コンテンポラリー・ハワイアンのマニアの間では有名な男性シンガー・ソングライター、ブランドン・ブレイによる1988年のアルバムです。

以前コンテンポラリー・ハワイアン曲集の紹介をした際にも少し触れましたが、ハワイでは80年代後半~90年代初頭のLPからCDの移行期、カセットテープが音楽メディアの主流だった時期があり、本作もそうした流れのなかでリリースされた一本です。カセットテープとLPの両方でリリースされている作品、カセットでリリースされた後で改めてCD化された作品などなどありますが、中にはカセットテープ・オンリーの作品もあり、おそらく本作もその一つ。この1年前にリリースされた「Desire」が超レアかつハワイアンAOR大傑作なので、気になっている方もいらっしゃると思います。

さて肝心の内容の方ですが、どうやら「Desire」リリース後の彼はレリジャスな方向に進んだようで、本作とこの次の作品はCCMとなっている模様。曲タイトルや歌詞に関しては例のごとくジーザスな感じではありますが、元々声質が優しいこともあり、CCMのやさしい曲調にハマっていて良い感じの仕上がりになっています。中でもA-3のChanging the World for JesusとA-4のBecause of Youは、共にミディアムアップの軽やかなAORナンバーで、コンテンポラリー・ハワイアン好きのウケが非常に良さそうです。

この人のことはブログ活動時代のロジャー・ボンが大々的に取り上げていたので、Aloha Got Soulのレーベルが立ち上がった際には、てっきり目玉としてアルバム2枚をリイシューするのかと思っていましたが、今のところまったくその気配がないですね。

なにせ希少な作品だと思うので気軽に「聴いてみてください」とは言いにくいですが、ひとまずご紹介まで。単純に他人が取り上げないような価値のある記事を載せたいという思いで書いているだけで、決してレア盤自慢のつもりではありませんので悪しからず。
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I'll Make You Feel Real Good / Aura

2016-06-29 | Hawaii
FMI(Fusion Music, Inc.)なるレーベルから1979年にリリースされたアルバムで知られる、ハワイの男女混成バンドAuraによるシングル盤。一応Platinum Pacific Recordsなるレーベルからのリリースとなっていますが、規格番号がPPR-1001-EPS(A面)とPPR-1002-EPS(B面)なので、おそらく限りなく自主盤というか私家盤に近い位置づけの作品と思われます。製作年次の記載はありませんが、タイトル曲では往年の角松敏生のようなバキバキの打ち込みサウンドをやっているので、録音されたのはおそらく1980年代後半。言うまでもなく超マイナー盤なのですが、このところのコンテンポラリー・ハワイアンブームに乗じ、ちらほらと中古市場で見かけるようになりました。僕自身はと言うと、前々から存在は知っていたものの、よく試聴曲として紹介されているタイトル曲にまったく食指が動かなかったためこれまでスルーしていたのですが、カップリングで収録されたB-3のBaby Got To Have Youが実は思いっきりアイランド・メロウな超名曲と言うことに気づき、慌ててネット通販で購入した次第。この手のAORがかったアイランド・メロウ・ナンバーとしては、ヘンリー・カポノのレア曲Love Isと並ぶ屈指の名曲です。元々1979年のLPやその後にParadiseレーベルからリリースされたThe Feeling's Right(リイシュー盤CDではボーナストラックとして収録)でも素敵なアイランド・メロウ・ナンバーを披露していた彼らですが、本作ではそれをさらに洗練させたような雰囲気となっており、有り体に言って最高。この手のコンテンポラリー・ハワイアン・ファンの琴線に触れること間違いなしの一曲となっているので、興味のある方は市場に流れているうちに購入しておくことをお勧めします。ちなみにクレジットを見ると"From LP"なる文言が確認できるのですが、もしかして彼らの2nd LPが存在するのでしょうか。それともお蔵入り? 詳細不明なのでもしも詳しい方いらっしゃれば是非ご教示頂きたく。。。なお僕が購入したのは12インチですが7インチも存在する様子。件のBaby Got To Have Youはどちらにも収録されているので、特にこだわりなければ素直に先に見つけた方を購入することをお勧めします。
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Live / Rodney Arias

2016-05-24 | Hawaii
紹介するのは結構久しぶりとなるハワイ産LP。彼の地のショウビズ系シンガー(?)、Rodney Arias(ロドニー・アリアス)が1979年にSilvercloudなるレーベルに吹き込んだ一枚。実はこれまで何度か見たことありながらも食指が動かずスルーしてたと思わしき作品ですが、先日DJ YamaさんのHawaiian Flavorで取り上げられていたA-3のLove Is In The Airが見事なポップ・ディスコ・ナンバーで耳を奪われたため、この度購入に踏み切りました。いざ買ってみて他の曲も聴いてみたところこれが非常に良い雰囲気。エレピやカッティング・ギターを中心とした、いなたくも温かみのあるバッキングに乗るロドニーのジェントルな歌声が素敵すぎます。メドレー形式で聴かせるA-1のIf My Friends Could See Me Now / One Life To Liveと、壮大なイントロから一転、急速調でなだれ込むB-3のMacArthur Parkは、件のA-3同様に昨今流行りのディスコ・ブギー系ナンバー。個人的にはそれほど得意というわけでもないですが、昨今のシーンを見ていると、それなりにニーズはあるのではないかと思います。個人的に気に入っているのはスロウで聴かせる系のナンバー。特にA-2のJust The Way You AreとB-2のAfter The Lovin'は、いかにもハワイと言った趣のしっとりとした仕上がりになっているので、これからの季節のナイトミュージックにも良いかと思われます。作品トータルの雰囲気としてはVic MaloとJohn Rowlesの作品を足して2で割ったような感じになっているので、それらの作品が好きな方は是非。同じショウビズ界隈で言うならばSociety Of Sevenあたりのファンでも問題なく楽しめると思います。なんとなく古臭い雰囲気がして食指の伸びないジャケットではありますが、中身は間違いなしなので、気になる人は早めにチェックがおすすめ。この手のローカル作品は一度市場から消えると、一気にレア盤化することがよくあるので…。
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All Alone / Lance Aquino

2016-01-10 | Hawaii
どうも。少し遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。今年もまぁぼちぼちと更新をしていこうと思いますので、よろしければお付き合いくださいませ。さて新年一発目はオアフ生まれのシンガー・ソングライター、Lance Aquino(ランス・アキノ)による1994年の一枚。おそらくこのアルバム一枚だけの人だと思うので、ライナーに書かれていること以上のバイオグラフィーは分からないのですが、内容的にはなかなか良い雰囲気の90'sコンテンポラリーとなっており、一部で人気があるのも頷けます。参加ミュージシャンのクレジットを見る限り、ランスはボーカル以外にギターとキーボードも弾いているようで、どうやら多重録音で製作されたアルバムのようですね。M-1のGood Timeはタワー・オブ・パワーのホーン・セクションとカラパナのD.J.プラットがゲスト参加したミディアム・テンポの都会的なファンク・ナンバー。デジタル録音に移行した80年代以降の山下達郎サウンドにも通じるものがあるので、その手の音が好きな人なら気に入るかと思います。またM-6のOur Holidayは、柔らかなキーボードとソプラノサックスの音色に導かれる陽だまりのAOR。こちらは昨年発売された小西勝氏監修のガイド本「歌追い人たちのアメリカ」で紹介されていた作品の雰囲気に近いと思います。そしてなんと言っても個人的に推したいのがラストM-10のCircles。跳ねたリズムが心地よいミディアムアップでポップなライトメロウ・チューンです。Brandon BrayのTogetherから繋げてかけると相性が抜群なので、この間のコンピでも早速セレクトさせてもらいました。ちなみにリリース元はTropical Musicなるホノルルのインディー・レーベル。例によって生産量が少ないと思われるので市場にはなかなか出てきにくいですが、あれば価格自体はそれほど高くはないと思うので、気になる人は是非探してみてください。
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Hold My Heart / The Krush

2015-12-20 | Hawaii
以前にも何作か紹介しているハワイのアイドル・グループによる1992年の作品。81年にリリースされ、ローカルヒットしたFabulous Krush名義の作品から数え通算5枚目にあたるアルバムです。時代がらカセットとCDでしか製作されなかったため、あまり中古盤屋で見かけることが少ないですが、内容的にはこれまでの4作の正当進化と言った雰囲気でなかなかに良い感じ。M-1のKuuleiは前にここでも紹介した船上パフォーマンス集団、Aikane Catamarans(アイカネ・カタマランズ)も取り上げていたトラディショナル・ナンバー。アイカネによる演奏は思い切りメロウ・グルーヴですが、こちらのクラッシュ版もコーラスが綺麗なソフトロックと言った雰囲気で素敵です。そして続くM-2のGalaxy Of Loveは前半のハイライト。マッキー・フェアリーあたりが得意としていた、ボサノバ・ミーツ・AORなアレンジが気持ちいいライトメロウな佳曲です。90年代コンテンポラリー・ハワイアンが好きならば多分気に入るはず。またM-7のタイトル曲は後のランス・ジョーあたりに通じるアイランド・メロウ系バラード。90年代初頭AORのエッセンスを散りばめたゴージャスで都会的なアレンジが秀逸です。そしてM-10のLight Up The Worldは、アルバム中唯一となるミディアム・アップ・チューン。元々ディスコ・ブギー系の楽曲も歌いこなしていた彼らなので、こうした快活なナンバーもお手の物です。さすがに80年代当時とは作風が少し違いますが、ライトメロウ的にはこちらの方がむしろベター。なお、その他の収録曲にはジャワイアンやトラディショナル風なんかもあったりしますが、全体的によく洗練された作品なので、決して購入して損する作品ではないかと。ちなみに発売元はやっぱり、お馴染みBluewater Recordsから。エグゼクティヴ・プロデューサーは当然Tom Moffatt(トム・モファット)です。90年代コンテンポラリー・ハワイアンの入門編としてもお勧めの一枚。
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Same World / Henry Kapono

2015-10-11 | Hawaii
あまり話題になることがないセシリオ&カポノ活動休止後のソロ・ワークスから、本日は1991年にリリースされたこのアルバムを紹介。この前年リリースされたSong For Someoneという作品がトラディショナルや50~60年代に製作された楽曲のカバー集だったため、本作がCD全盛期の90年代に入ってからの実質的な1作目。例のKona Windsが収録された1984年のTropical Heat以来のオリジナル・アルバムとなります。タワー・オブ・パワーが参加した冒頭M-1のInsy'aがいきなりのサンバなのでちょっと面食らうかもしれませんが、続くM-2のI'll Be Hereはマイケル・マクドナルド参加の正統派ミディアムAOR。こちらは生ドラムとシンセ主体のKona Winds直系ナンバーとなっているため、リアルタイムのAORファンでも楽しめそうです。そうかと思うとM-3のStand In The Lightはジャワイアン、さらにM-4のHold Me Upは生音系のバラードとなっており、アルバム全体としては余り統一感がなく、比較的とっ散らかっている印象。ちなみにM-5のタイトル曲はいかにも90年代風といった質感のAORで面白みにかけます。ただ、そうした統一感にかける作品中でひときわ輝いているのがM-7のAll Because I Love You。サム・ライニーのサックスを全面的にフィーチャーしたアイランドメロウなミディアム~スロウです。参加ミュージシャンのクレジットを見ていると、どうやらジェフ&マイクのポーカロ兄弟(from TOTO)を中心とした西海岸コネクションにて吹き込まれている模様。しかしながらサウンドの方はしっかりとコンテンポラリー・ハワイアンしており、同年代のたとえばNaluあたりに近い雰囲気となっているため、そのあたりが好きな人は楽しめるはずです。なお、そこそこの市場流通があったのか現在でも中古で安価に手に入るほか、itunesからダウンロード購入も可能なので、気になる人は聴いてみてください。マニアックなレア盤も良いですが、たまにはこのような、いつでも買える作品に改めて触れてみるのも良いと思います。
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Sweet Maui Moon / Keola Bemaer

2015-10-03 | Hawaii
Honolulu City Lightsのヒットで知られるビーマー兄弟の兄、ケオラ・ビーマーによる1989年の作品。時代的にテープとCDのみしか製作されておらずLPは存在しないと思いますが、リリース元はお馴染みParadiseです。どちらかと言うとスラック・キー・ギターの名手として知られる人なので、あまりコンテンポラリーな雰囲気は期待できないかとこれまで作品の存在自体は知りながらも敬遠していたのですが、いざ聴いてみるとこれがなかなかの快作。当然、彼自身のアコギとヴォーカルを中心に据えた作品なのですが、ほとんどの曲で入るシンセというかキーボードが肝となり、想像以上にしっかりとコンテンポラリーな音作りになっています。全体的にアコースティックで柔らかな質感なので耳あたりも良く、休日に肩の力を抜いて聴くのには最適。70年代後半のメロウなマイナーSSWあたりが好きな人などでも楽しめるのではないでしょうか。なかでも個人的に気に入っているのがM-3のSweet Island Girl。どことなくボサノバっぽい雰囲気のあるミディアムで、以前ここでも紹介したKool Elevationあたりにも通じるロコAORの佳作に仕上がっています。同系統だとM-7のLahainaも良い雰囲気。また、バラード系ではM-4のHilo RainとM-6のThe Wings Of A Seabirdがなかなか。アルバム全編通じて言える話ですが、まるでロードムービーのサントラでも聴いているかのような、程良い感じのイナタさが抜群に心地よいです。ちなみに日本のamazonでは例によって不当に価格が高騰していますが、この手のローカルなコンテンポラリー・ハワイアンの中では比較的手に入りやすい部類。根気よく探していればそのうち安値で見つかると思うので、興味がある人は焦らず気長に出会いを待ちましょう。
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True Love / Johnny Fernandez

2015-09-12 | Hawaii
少し久しぶりの更新となってしまいましたが、ちょっと珍しそうな作品を買ってみたので紹介。若かりし頃のマイケル・ジャクソンを思わせる容姿が印象的なヴォーカリスト、Johnny Fernandez(ジョニー・フェルナンデズ)による1987年の作品です。中性的な顔立ちなので写真では男女どちらか判別つきにくいですが、彼は当時若干16歳の少年シンガー。情報がないので詳しいことは分かりませんがレビューを読む限りフィリピン系移民のようです。内容的にはいかにもLate 80'sと言った趣のハワイアンAOR。同じハワイものでも似たような時期にリリースされたブランドン・ブレイやHeartfeltあたりに近い質感です。アップテンポ~ミディアム~バラードと様々なタイプの曲を歌っていますが、個人的に注目したいのはバラード・ナンバー。Nueva VidaのRachel Gonzales(レイチェル・ゴンザレス)嬢とのデュエットで聴かせるA-1のタイトル曲から既にアーバン・リゾート感溢れる名曲となっており、この辺りのコンテンポラリー・ハワイアン好きなら一発でやられること間違いなしです。冒頭と間奏で聴かせるサックス・ソロがまた見事。クレジットがないため誰が演奏しているのか分かりませんが、おそらく名のあるプレーヤーの仕事なのでしょう。ややブルージーなB-3のNext To Youも同系統のバラードで素晴らしい出来。クリスタル世代のAORファンでもきっと満足するはずです。ミディアム系ならば子ども声のSEで始まるA-4のBows And Arrowsが多幸感に満ちたナンバーで素敵。こちらはフリーソウル系のファンに受けがよさそうです。ちなみにリリース元は、コンテンポラリー・ハワイアン好きにとってはお馴染みのBluewater Records。本当にこのレーベルはハズレがないですね。どれだけリリースがあるのか全貌が掴めませんが、マイナーものでもこれだけの完成度なので、これからもどこかで見かけ次第、細々と掘っていこうと思います。
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Intuition / Pauline Wilson

2015-05-15 | Hawaii
元シーウィンドのヴォーカリストであるPauline Wilson(ポーリン・ウィルソン)が、西海岸を中心に活動する日本人コンポーザー横倉裕をプロデューサーに迎え1992年に発表した一枚。作品のリリース時期がちょうど90年代初頭にあったAORリバイバル・ブームと重なるので、その頃からのAORファンならばリアルタイムで聴いていたという方も多いことでしょう。後に数年遅れでアメリカ本国でも発売されることになりますが、どうやら元々はポニーキャニオンから日本オンリーでリリースされていたようです。内容的にはこの時期らしいスムース・ジャズ。ミディアム~バラードの楽曲が中心となっており、音の質感も全体的に硬めなので、レアグルーヴ以降のリスナーからすると苦手な類の作風かもしれませんが、なんと言っても彼女の場合、天から授かったその素晴らしい歌声があるので、アレンジ云々は関係なくその声だけで聴かせてしまうものがあります。ソウルフルでいてアーバン、かつどこか儚げな女性らしさを感じる歌声は、恐らくレアグルーヴ世代でも嫌いな人はいないはず。冒頭M-1のWalking My Way To Youから始まりラストに至るまで余すことなく彼女のヴォーカルを堪能することが出来ますが、中でもレアグルーヴ好きと親和性が高そうなのはM-8のBack Again, Back In Love。フリーソウルの頃のオルガンバー・スイートに入っていても違和感なさそうなライトメロウ系のミディアムナンバーです。まるでデュエットでもしているかのようにポーリンのヴォーカルと寄り添い絡みつくアルトサックスが素晴らしく、前後の曲をうまく考えれば恐らくDJプレイの中に組み込むことも可能かと。ポニーキャニオンから発売されていたこともあり、それほど苦労せずに手に入れることが出来ると思うので、良かったら探してみてください。
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