At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Seaside Week End / Antena

2015-08-22 | Neo Acoustic
実は今週いっぱい夏休みを頂いていました。まぁ取り立てて何かをしたってわけでもないんですが、なんとなく休みの間よく聴いていたレコードがこれ。Isabelle Powaga(イザベル・ポワガ)を中心としたフランスの3人組ユニットAntenaによる1985年の12インチ・シングルです。最も本作リリース後にポワガはIsabelle Antena(イザベル・アンテナ)と名を変えソロデビューしており、タイトル曲は1stアルバムであるEn Cavaleにも収められているため、この時点でグループは既に半ば解体状態だったのかもしれません。知っている人には言うまでもないことですが、件のタイトル曲はジャンルを超えて愛される80'sポップの定番チューン。便宜上ここではネオアコにカテゴライズさせて頂きましたが、ある意味UKソウルやアシッドジャズの草分け的ソングでもあり、取りようによってはフェイク・ジャズの一種とも言えそうです。僕自身がこの曲を知ったのは大学に入り立ての頃。確か初めて聴いたのは当時流行っていたCafe Apres-Midiのコンピで、当時ボサノバのボの字も知らなかった僕にとっては非常にお洒落な曲に聞こえたものです。この12インチ盤自体を購入したのは2~3年前ですが、心のベストテンには10年来必ず入っている曲。カップリングで収録されたアルバム未収の2曲も、初期UKソウルの佳作と言った趣でなかなかに良い出来となっています。ちなみにタイトル曲は前述した通り問答無用の定番ソングなので各種コンピの常連ですが、ほとんどがアルバム・ヴァージョンでの収録となっているため気になる人は要注意。Diggin' Iceでも使われたこの12インチのロング・ミックスはあまりCD化されておらず、知る限り国内ビクターから86年に発売され90年にリイシューされた「新クレプスキュール物語」に収録されているのみです。こだわりのない人にとってはどうでも良い話かもしれませんが念のため。最もアナログ自体は比較的よく見かけるため、アナログ派の方にとってはそれで十分かもしれませんが。。。
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The Bridge / Burning The Bridge

2015-08-17 | Acid Jazz~UK Soul
少し久々の更新で紹介するのは知る人ぞ知るUKソウル(?)の隠れ名作。Boys Don't CryのNico Ramsden(ニコ・ラムズデン)とShogunの芳野藤丸がコンビを組み、ヴォーカルに英国人女性Gloria Robakowski(グロリア・ロバコヴスキ)を迎えたユニット、Burning The Bridge(バーニング・ザ・ブリッジ)による1988年のアルバムです。手元にあるのが翌1989年に発売された国内盤CDなので詳しいことが分からないのですが、どうやらヨーロッパ8ヶ国でリリースされた模様。アルバム自体のアナログ発売有無は情報がなく分かりませんが、リード曲であるM-2、Perfect Loveは7インチと12インチが切られているようです。作風としては全体的にこの時代らしく、打ち込みが主体のユーロポップス。後期スタイル・カウンシルやブロウ・モンキーズあたりの雰囲気に近いです。正直今聴くには少しキツいものもありますが、そんな中にキラリと光る曲も収録されており、特にお勧めなのは藤丸色の強いM-6のLong Days Journey Into Love。ブロウ・モンキーズのIt Doesn't Have To Be This Wayそっくりの跳ね系UKブルーアイドソウルに仕上がっており、フリーソウル系リスナーでも違和感なく受け入れることが出来るでしょう。またバラード系ではM-5のYou're Never Gonna Make The Same MistakeとM-10のWelcome To Eurasiaがなかなか。80年代後半~90年代前半にかけてのクリスタルな質感が好きな方ならばきっと気に入るはずです。昨今のJapanese AOR再評価の流れで藤丸氏のソロ作品は一通りリイシューされていますが、さすがにこれは今後も再発されることないと思いますので、気になる人は探してみるといいかもしれません。大枚はたいて手に入れるような類の作品ではありませんが、レコファンあたりで見かけたらチェックしてみてください。
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タオル / Koichi Ikura with Funkee Style

2015-08-02 | Japanese AOR
特に前もって注目していたわけではなく、たまたま入ったレコード屋で「こんなの出てたんだ」と思って買った新譜。元ムーン・ドッグスのイクラちゃんこと井倉光一氏が自身のバンドであるファンキースタイルを率いて録音したシングル盤です。知っている人には有名な話だと思いますが、このムーン・ドッグス、大半の曲を手掛けていたのが職業作曲家時代の横山剣。井倉氏自身も2005年にイクラ&ファンキースタイル名義で当時のセルフカバー作品を発表していますが、曲によってはボーカル以外ほとんどCKBそのものと言った趣になっています。本作もA面はクレイジーケンバンドのカバー、B面は横山剣作詞作曲によるムーンドッグス時代のお蔵入り曲ということでCKB色はそれなりに強め。しかしながらボーカルの雰囲気は剣さんとは少し違うので、これはこれでなかなか良い感じの仕上がりです。芳野藤丸のソロ作品あたりに近い質感かなというのが個人的な印象。このブログをきっかけに自分でもその片棒の数%を担いだとはいえ、最近のJ-AOR~シティポップス再評価熱のあまりの高まりには正直少し辟易しているのですが、久しぶりに面白い作品に出会えたかなと思っています。ただリリース形態には少し疑問。Vividからのリリースと言うことで、星野みちるの一連の作品と同じく7インチ+CDのパッケージという体裁を取っているのですが、正直あまり嬉しい形式ではないというのが本音です。と言うか数年前流行ったモダンソウルのドーナツ盤再発がマニア層にウケて以降、J-AORやJ-HIPHOPも新譜/再発問わず、やたらと7インチで商品展開されるようになりましたが、正直どこまで一般リスナーに好意的に受け止められているのか分かりません。音楽業界が先細りしているのは揺るぎのない事実ですが、そこに投じるべき一石としては悪手のような気がします。こんなことをしてもコア層と一般層の間に開きが生じるだけ。本当に業界の未来を憂うのであれば、一般層を取り込むもっと別の方法を考えるべきだと思うのは僕だけでしょうか。
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