At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Four / 桃井 かおり

2005-03-31 | Japanese Groove
出ました、無敵のボッサ歌謡(笑)現在も女優として精力的に活動していて、若い女性からも絶大な支持を集める桃井かおりが、若かりし頃にリリースしたタイトル通り4枚目のオリジナル・アルバム。もともと不良少女として売っていた彼女なので曲の大半は姉御肌なジャジーで煙たいムード歌謡のようなのですが、やはりA-1、「気まぐれサンバ」の突き抜け方は天下一品です。下手なボッサものなんかには楽に勝てるトリッキーなイントロからして凄い。そして歌詞も適度にB級感が出ていてこれまた良い感じ。いきなり「♪面倒なやりとりはカラダにも良くないし~」ですからね(笑)辰緒さんも大推薦していましたが、本当にこの辺りの歌謡ボッサでも特筆出来る完成度ではないでしょうか?夜のバーを思わせるジャジーでスモーキーなB-1の「ちょっと待って」や、なぜかダンクラ調の跳ねたビートのB-5、「秋風の吹く夜」も良い。特に後者はライトメロウなメロディが印象的です。最近出たガイド本「Light Mellow和モノ」には紹介されていませんでしたが、Double Standardではしっかりリコメンされてましたね(笑)残念ながらCD化はなく店頭でもあまり見かけませんが、なぜかヤフオクでは良く見ます。必ず「Organ b. SUITE収録!須永辰緒」という前書きと一緒にね。1000円くらいで遊び半分で買うには良いアルバム。
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September / Wayne Wonder

2005-03-31 | Club Music
ダンスホールっぽい曲はあまり好みではないですが、ラヴァーズ・ロックはものにもよりますが全体的にわりと好きです。何の話かって?これはレゲェの話です。で、そのレゲェ界の超大物シンガーによるEarth, Wind & Fireの大名曲のカヴァー。ディスクガイド本であるDouble Standard誌にもCubismo Graficoの松田"Chabe"岳二氏が紹介していましたが、これが彼の紹介通り素晴らしくメロウな仕上がりで、とてつもなく良いカヴァーなのです。もともとEW&Fの原曲からして既にめちゃくちゃ良いんですけれど、ここではそれをライトメロウなラヴァーズにアレンジしていて、原曲とは全然違うながらに心地よいグルーヴを生み出しています。僕はレゲェに関してはジャズなんかよりももっと素人なので全く分かりませんが、たぶんフリーソウル・ファンならばこの都会的なアレンジは自然とグッと来てしまうでしょう。おそらく7インチのみの音源ですが、なぜかジャマイカプレスにも関わらず日本のSONYによる発売で、最近また若干出回ってます。そういえば彼と言えばMuroさんのテープに入っていたLast Christmasもめちゃくちゃ良かったですよね。こちらはコンピCDでしか持っていませんが・・・。しかしジャマイカ盤ってなぜこうプレスが悪いのでしょうか?新品で買ったのに無音部の雑音が少し気になります。
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Sla Radical Dance Disco Club / Fernanda Abreu

2005-03-31 | Brasil
95年にEMI Brasilからリリースされた(僕にとっては)謎のアルバム。更新されているかどうかは知りませんがホームページなどもあるし、彼女は現在でもそこそこ活動しているらしいブラジル人シンガー兼ピアニスト。ジャンル的にはMPBに分類されるのでしょうが、このアルバムにだけ関して言うならば曲調的には完全にディスコでしょう・・・。アシッド・ジャズなどの90'sクラブ・サウンドを通過したディスコ・サウンドという感じです。クラブでかかることを意識してかボトムはしっかり強いですしね・・・。で、明らかにB級感漂いまくりのこのアルバムを何でここで取り上げるかと言うと、ひとえにA-5のLuxo Pesadoの素晴らしさによるもの。コレ、シェリル・リンのダンスクラシック大定番Got To Be Realのブラジル語カヴァーなのですが、原曲が持つファンキーさを完全に削ぎ落として落ち着いた都会的なアレンジで仕上げてます。とは言え決してバラードでカヴァーしているとかいうわけではなく全体としてはしっかりとダンス仕様。しかしFernandaのキュートな高音ヴォイスと相まって、原曲にはなかったフリーソウル感がひしひしと伝わってきます。こう胸の奥が切なく込み上げる感じといいましょうか?何かのMix Tapeにも入ってるようですが、この曲は本当にオススメ。ぜひ聴いて貰いたいキュート・カヴァーです。
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Do You Still Feel The Same Way / Tommie Young

2005-03-31 | Free Soul
テキサス出身のアーティストによる73年の唯一のアルバム。これも数年前に再発がなされました。フリーソウルで人気のA-4、Hit And Run Loverはもちろん、アルバム全体を通してAlice Clarkタイプの一枚だと思います。若干ドラムが乾いた感じがしますが・・・。中には少しアップテンポのものもありますが、基本的にはソウルフルにしっとりと歌い上げる曲が多いです。夜に似合うアルバム、とでも言いましょうか?ただ、このアルバムはやっぱり前述したB-4、Hit And Run Loverが収録されているLPとしての印象が強いです。サバービア・スイートにも掲載されていましたが、この曲は本当にAlice ClarkのNever Did I Stop Loving Youと雰囲気が似ていて良い感じに込み上げる良曲なんですよ。事実、辰緒さんのテープでも並べて収録されていましたし・・・。これをヤングソウルというかは正直僕のなかでは微妙なところではありますが、そんなことは抜きにして素晴らしい曲。以前UKのJazzmanからも7インチで再発されていました。続くB-5、アルバムのエンディングを飾るEverybody's Got A Little Devilも若干アップテンポで楽しい曲。オリジナルはレア盤だったのですが、再発のおかげで今では誰でも簡単に手に入れることが出来ることが出来るようになっています。再発って本当に嬉しいことですね。ここに紹介しているアルバムが全て再発されれば良いのに・・・。
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Can You Feel It / The Voices Of East Harlem

2005-03-31 | Free Soul
ハーレムの施設で育った孤児たちによるユニット、The Voices Of East Harlem。そんな彼らがLeroy Hutsonをプロデューサーに向かえ作ったアルバムです。Cashing In収録の青ジャケットのアルバムやファンキーな1stも人気ですが、僕が彼らで一番好きなのはコレ。彼らのアルバムの中でも最も都会的な気がするんですよね。中でもA-3~A-5までの展開が格段に素晴らしい。まずA-3のAmazing Loveはアルバム中唯一男性ヴォーカルがリードを取るCashing In直系のライト・メロウ・サウンド。そしてA-4のSo Rareは一転して静かながら確実にグルーヴィーなミッド・テンポ佳作。本当に黒人が歌ってるのか疑わしくなるほどAOR~ブルーアイズド的な曲調。Leroy Hutsonのプロデュースが効いているのでしょう。ピアノの音色も綺麗で、どことなくハーレムの夜明けを連想させます。そして続くA-5、Take A Standはまさに完璧としか言いようがないヤング・ソウル。グルーヴィーなベースラインからホーンが入って一気に弾けるイントロからして100点です。メロディの込み上げ度、そしてサビのコーラスからバックの演奏に至るまでダメ出しする箇所がただの一つもないくらいに素晴らしい。さらにモロにフリーソウルなB-1、Just Got To Be Myselfも良い。ぜひ聴いて貰いたい大名盤です。現在廃盤ですが、数年前に国内P-VineからCDでも再発があった模様。
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Timeless / Diane Schuur

2005-03-31 | Contemporary Jazz
盲目のシンガーであるDiane Schuur、コンテンポラリー・ジャズ・ヴォーカルの中では知名度が高いようで、86年にリリースされたこのアルバムも同年のグラミー賞最優秀女性ジャズヴォーカル賞を受賞しているみたい。まぁ僕ら世代のリスナーにとって見れば、グラミー賞を取ったからってそれがどうこうという話でもないのですが・・・。さてさて、このアルバムですが、いわゆる普通のビッグ・バンドとは違いストリングスを大胆に導入した構成で作られています。言うなればビッグバンド+オーケストラのような感じ。コンテンポラリーってあんまり聴いたことがないので分かりませんが、少なくとも古典的なビッグバンドとは若干趣が異なるのは事実。そのせいもあってか全体にかなり柔らかい音が展開されています。曲自体にバラードが多いのも原因だとは思いますが。しかし、AB両面の2曲目に関してはそれぞれ正統派のビッグ・バンド・ジャズ・ヴォーカル。軽快にスウィングしていてなかなかにカッコいいです。クレジット見たらこの2曲アレンジャーが同じなんですね・・・。どうりで似たような音だと思いました。特にA-2のEasy To Loveはアルバム中唯一グルーヴィーと言えるベース・ライン。Organ b. SUITE No.9の冒頭を飾った曲としても知られています。静かに始まり中盤から徐々にホーンが入っていく展開は、これから始まる楽しい夜を予感させてくれるよう。現在は廃盤のようですがCDでもリリースあるみたいです。
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Chris Meets Paris / Chris Woods

2005-03-30 | Hard Bop & Modal
テネシー州メンフィスから渡仏したアルト・サックス奏者Chris Woodsが、パリでGeorge Arvanitasのトリオとセッションした音源。オリジナルもバカ高いというわけではないのだけれど、とりあえず最近94年の再発盤が再び市場に出回っているようなのでそちらで購入。まぁ何と言うかフランスらしい演奏が聴ける一枚です。適度にオシャレで適度にポップでスウィンギンなカルテット。でもJet Set RecordsさんやDisques Dessineeさんが押してるA-1、Cabaretはちょっと僕には違うかなぁという感じでした。僕の好みにばっちり合ったのはB-1のMy Lady。オリジナル曲なのですが、適度にモーダルで美しい。ここではC.Woodsはアルトサックスからフルートへと楽器をシフトして演奏しています。Gino MarinacciのMetropoliにも通じるヨーロピアン・ジャズらしいモーダル・ジャズ名曲。高速ハードバップ、B-4のLulu's Back In Townもなかなかに悪くない感じ。早すぎてクラブ的には向かないのかもしれませんが、ここでは超絶技巧のアルトとピアノによるソロが聴けます。サバービアなどで紹介されているジャケットは2ndプレスだそうで、オリジナルのジャケはこちらになるそう。でも、あっちの町並みジャケの方が好きだなぁ・・・。かといって1万数千円も出す気になるレコードでもありませんが・・・。
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Poptical / Ed Motta

2005-03-30 | Brasil
昨年What Musicからアナログ化もされたEd Mottaの2003年のアルバム。現時点での最新作ということになるのでしょうか?僕は彼のことについてはあまりよく知らないのですが、D.M.R.の試聴で気に入ったので買ってみました。一般にはMPBとして紹介されているこの作品ですが、実際のところAORでしょう、コレ・・・。ブラジリアンな雰囲気よりもブルーアイズドソウルの方が強く感じられます。70年代フュージョンそのままな楽器を使ってアルバム全体が作られているので、まさにその時代の雰囲気を楽しめます。ちょっと曲調は違うけれど、流線形のサウンドを初めて聴いた時のような感覚になりました。A-5、Que Bom Voltarがライトメロウなミッド・チューンでカッコいいです。度々言っていますが、非英語圏のAORはそれだけで僕のなかで評価20%増し。他の曲も全体にそこそこ良く、アップテンポ主体のA面、バラード主体のB面とアルバム構成のバランスも中々に秀逸です。そして全編を被うきらめきのシティポップス感とトワイライト・グルーヴ。出来ることならCDではなく、ぜひアナログで持っていたい一枚。ちなみにEd Mottaという人、こんなに御立派な髭を持っていらっしゃいますが意外に若いらしいです・・・。
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L'evement Le Plus Important... / Michel Legrand

2005-03-30 | OST / Library
たまにはレア盤の自慢もさせてください(笑)L'evement Le Plus Important Depuis Que L'homme A Marche Sur La Luneというとてつもない長いタイトルを持つ本盤は「モン・パリ」という短い邦題で知られるフランス映画のサントラ。音楽を担当するのはフレンチ・サントラと言えばこの人、天才Michel Legrandです。Michel Legrandと言えば「ロシュフォールの恋人たち」や「華麗なる賭け」のサントラなどが広く知られていますが、これはそんなルグランの作品の中ではとびきりレアなサントラです。一応国内盤もリリースされているようですが、ほとんど見たことありません。ちなみに僕が持っているのはフランス・オリジナル盤。A-1、タイトル曲もVavaのLe Petit Homme風味の込み上げフレンチ・フリーソウルの佳作ですが、やはりここはA-5のMy Babyを押しておきましょう。とにかくときめくようなピアノが優しい大名曲で、曲単位のなかで言ったら数あるルグラン作品のなかでも断然No.1の完成度ではないかと個人的には思います。ギターやオルガンの音色も完璧。これからの季節にぴったりな明るい音で、まるで満開の桜並木の下を歩いているかのような曲。卒業式なんかでかけてもぴったりな雰囲気です。とにかく素晴らしい!!CDもなく激レアですが是非聴いてみてもらいたい一枚。
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The Men In The Moon / A Full Moon Consort

2005-03-30 | Free Soul
Midwest Recordsというあまり聴いたことのないようなインディーズ・レーベルから78年にリリースされたマイナーAOR。知っている人は知っている的な盤で、とにかくA-2のThey Don't Know Where They're Goingが込み上げ系アコースティックAORの最高峰。先に紹介したTender Leafにも通じるようなきらめきのアーバン・ポップス感がひしひしと伝わってきます。僕が部屋でこのアルバムかける時はたいていTender Leafとセット。よく晴れた昼間に聴きたくなることが多いですね。ちなみにOrgan b. SUITE No.9にも収録されています(アーティスト名の記載がプリント・ミスですが・・・)。B-1のI'm Telling Youという曲もロック度若干アップですが、なかなかに込み上げるミッド・テンポ・ポップスで結構好きです。アルバム全体的にロック度がそこそこ高くブルーアイズドソウルという言葉ではなく、AORという形容の方が似合う一枚。レア盤として紹介され海外でもそこそこ高い値段で売られているアルバムですが、意外にディスク・ユニオンあたりで5000円程度で見ることも?残念ながらCDのリリースはありませんが、アナログ派の方にはぜひ聴いてみてもらいたいです。ネオアコ好きなんかでもイケるかもしれません。オススメ。
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