At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Lola / Zbigniew Namyslowski Modern Jazz Quartet

2007-08-26 | Hard Bop & Modal
ポーランド出身のジャズメンとしては比較的名の知れた存在であるズビグニエフ・ナミスロウスキ。50年代半ばからディキシー・バンドで活動を開始し、その後は時代の流れに合わせモダン~フリー~フュージョンとスタイルを変えていく彼ですが、本作はそんな彼のモダン期の代表作とも言うべき一枚です。ちょうど欧州ツアーに出ていた64年に吹き込まれたアルバムで、リリースは自国ポーランドからではなく英Deccaから。ワイシャツの上にセーターを着た4人が凛々しいジャケットもどことなく紳士の国イギリス的で良い感じですね。さて、そんな本作における最大の聴きどころは、冒頭M-1に収録されたPiękna Lola, Kwiat Północy (Beautiful Lola, Flower Of The North)。エキゾチックな導入部に続く、どこまでも繊細で美しいテーマが印象的なアップテンポのボサ・ジャズです。ナミスロウスキのアルトも良いですが、ここではそれ以上にウラジミール・グルゴウスキのピアノが見事。東欧独特の哀愁を内に秘め疾走するソロが抜群に気持ちいいですね。音の鳴り・メロディー・ライン共に凄く綺麗なので、欧州ジャズの知的な部分に惹かれる人にはぴったりな曲ではないかと思います。続くM-2のLeszek I Ludwigは一転してモーダルなバラード。グルゴウスキによるオリジナルですが、同時期の西欧諸国で作られた作品に比べても決して見劣りしない名曲で、真夜中のBGMに良く似合う珠玉のモーダル・ジャズに仕上がっています。ナミスロウスキのプレイはコルトレーン的ですが、吹いているのがテナーではなくアルトということで、どちらかというと同じような出自にあるアルト奏者ヴィクトール・アシス・ブラジル辺りに近め。個人的にはこの辺りもポイント高いです。ちなみにオリジナルのアナログ盤は高額盤で、この後のMuza盤などに比べ入手は難しいと思いますが、何年か前にユニバーサルから紙ジャケでリイシュー出ています。出来ればステファン・アベリーン辺りと一緒に、またアナログ復刻もして欲しいのですが…。
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Zumba Cinco / Same

2007-08-25 | Brasil
夏の終わりにぴったりな洒落たジャズ・サンバの小品集。ヴァイブとヴィオラン(ガット・ギター)を含む5人組による本作は、64年にMusidiscというレーベルからリリースされたアルバムで、おそらく彼らの唯一のアルバムと思われます。周知の通りこの時代のブラジルにはジャズ・サンバ系グループが多々ありますが、本作のようにヴィブラフォンがリードを取る作品は珍しく、そう言った意味ではわりと貴重な存在なのかも。例のOs Cobrasなどと異なり豪快なホーンがいないため、それほど派手な曲が入っているわけではありませんが、曲調的にもハードな曲ありソフトな曲あり、聴いてて飽きの来ない隠れ名盤なのではないかと思います。DJの方々に人気が高そうなのはB-3のQuintessência。前述Os Cobrasやメイレレースの演奏でジャズ系DJに良く知られた曲ですが、ここではホーンの代わりにヴァイブをリードに用い軽快にカヴァーしていて良い感じです。同じようなハード路線だと、カツカツ打ち込むビートと中盤のワルツへの転調が素晴らしいB-4のDetalhe Do Sambaあたりもなかなか。ただ個人的にはどちらかというとソフト路線の方が好きで、中でもA-4のMoça Do Biquini Azulが一番のお気に入り。ゆったりとしたリズムに上品なヴァイブが転がる洒落た曲で、まるで夏の終わりを思わせるようなセンチメンタルな雰囲気が今の季節に良く似合います。どことなくG/9 Groupを思わせるB-1のTema Felizも最高。可愛らしいヴァイブの音はもちろんですが、IQ高めのピアノがまた気持ち良く、日に焼けた体をそっとクール・ダウンしてくれるような素敵な一枚。オリジナルはそこそこ高価ですが、英whatmusicからCD/LP共に再発されているので、興味がある方はそちらからどうぞ。女の子にもオススメのアルバムです。
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Relax... / Kenny Clarke Quartet

2007-08-24 | Hard Bop & Modal
55年のMJQ脱退後、その活動拠点を本場アメリカからパリへと移し、いわゆる渡欧組ミュージシャンの先がけとなったドラマーがこのケニー・クラーク。60年代にはベルギー生まれのピアニスト、フランシー・ボランと双頭ビッグバンドを結成し、正に世界を又に駆けて活躍することになるわけですが、本作はそれより3年ほど前、渡仏後あまり間もない57年に録音されたEP作品となります。当時はLPよりEPが隆盛を誇っていたヨーロッパのこと、収録曲はおそらく全て本作のみでしか聴けない作品なのだと思いますが、これがいずれ劣らぬ素晴らしい傑作揃いで、このまま埋もれさせておくには余りに勿体なすぎる一枚だったりするから困り者。同じく渡欧組のラッキー・トンプソン、それから現地フランスのミュージシャンであるマーシャル・ソラルとピエール・ミシュロという面子で演奏された作品で、その素晴らしい録音技術とも相まり、この時代におけるヨーロピアン・モダン・ジャズの一つの完成形とも言える体を為しています。とにかく全編に渡り演奏者全員のプレイが抜群に冴えていて非常に男前。曲調及び年代がらフロア向けの作品とは決して呼べませんが、もしも出来ることならば是非一度DJでかけてみたいものです。全曲文句なしの出来ですが、あえて一曲挙げるとすればA-1のNow's The Time。ドラム・ブレイクによるイントロに続くトンプソンのテナー、そしてソラルのピアノが最高に格好いいミディアム・テンポのハードバップです。まぁ他の曲も全て格好いいんですけれどね。何とかしてムリヤリDJでプレイするとすればA-2のSquirrel辺りでしょうか。それにしてもEPの世界は奥が深い…。有名アーティストのリーダー作でも、まだまだ世に知られていない作品がたくさんありそうです。
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The Svend Asmussen Sextet / Same

2007-08-23 | Hard Bop & Modal
コペンハーゲン生まれのジャズ・バイオリニストによる66年の作品。モダン・ジャズにおいてバイオリン奏者とは比較的珍しい存在だと思いますが、少し調べてみたところ、同じくヨーロッパのバイオリニストとして有名なステファン・グラッペリなどとも親交のあった一流プレーヤーだそうです。もしかしたら当地ではベテランのバイオリニストとして、わりと有名な方なのかもしれませんね。そんな彼による本作。他メンバーのクレジットがないため詳細は分からないものの、クラリネット・オルガン・ギターなど通常のジャズコンボとは少し趣きの違うセクステット編成によるアルバムで、同時代の北欧ジャズと比べてもやや異色な作品となっています。ただ、スヴェンドのバイオリン演奏を引き立てるという意味ではこの楽器編成で正解。その編成ゆえ、一聴するとややトラッドな印象を覚える演奏も、実は要所でモダンのエッセンスが散りばめられていて、あまり古臭さを感じません。それどころか、西欧伝統音楽(=クラシック)とモダン・ジャズを足して2で割ったような独特の雰囲気が、むしろ非常にヨーロッパ的で好感が持てます。この感じはさすがにアメリカでは出せないでしょうからね。収録曲はどれも部屋聴き仕様のオシャレな逸品揃いですが、個人的なオススメはA-1のGrandfather's Clock。ラテン・パーカスを交え、軽快なボサノバ風にアレンジされた「大きなのっぽの古時計」です。心地良く跳ねるリズムに乗った、バイオリンとクラリネットによる優雅なテーマ部には、おそらく誰しも耳を奪われるはず。おまけに使い方によってはDJプレイも可能。ジャズ好きはもちろんのこと、イタリア辺りの映画音楽やライブラリーが好きな人にも気に入っていただけるのではと思います。それほど高い盤ではないので、見つけたら是非聴いてみてください。
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In Concert / The Jazz Couriers

2007-08-22 | Hard Bop & Modal
英国モダン・ジャズ黄金期の伝説的コンボ、The Jazz Couriersによる58年のライブ盤。原盤は英Tempoで、同レーベルから当時リリースされた作品と同じく、生半可なことでは手に入れることの出来ないレア&高額盤ですが、本作に関してはジャケ違い(掲載しているものです)ながら70年代(?)にリイシューが出ているので、僕のようにオリジナルに特別拘ることさえなければ、音源入手自体は割と容易かと思われます。さて、そんな本作。正直クラブジャズという観点から見ると、それほどフロア・ユースな作品ではないものの、その変わりに(本来の意味での)王道ハードバップが存分に楽しめる一枚になっているため、しっかりとしたモダンジャズを聴きたいという人にはオススメです。A-1のWhat Is This Thing Called LoveやB-1のGuys And Dollsのような高速ナンバーはもちろんのこと、タビーのモダンなヴァイブ・プレイに痺れるA-2のSome Of My Best Friends Are Bluesや、ラテンのリズムを取り入れたA-3のThe Serpentなど、どの演奏も一様に気品に満ちた完成度の高い演奏で、飽きずに長く聴けるレコードなのではないでしょうか。そんな中で個人的に特に気に入っているのはB-2のSpeak Low。曲自体は有名なスタンダードですが、ここではそれを例の名盤Tubby's Grooveに収録されたTin Tin Deo風アレンジで、クールかつモーダルにプレイしています。人通りの少ない真夜中の街を一人歩いているかのような雰囲気が唯一無二。タビーのライブ盤と言うと、クラブ世代にはやはり2枚のFontana盤のイメージが圧倒的に強いですが、たまには気分を変えてこのレコードに針を落としてみるのも面白いかもしれません。ちなみに以前どこかのレーベルからかCD化もされていたはず。興味があれば是非どうぞ。
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Bossa Nova... / S.Sawada&The Modern Jazz Allstars

2007-08-19 | Brasil
久しぶりに和モノのレコードを買ったので紹介。タイトルが少し長過ぎて上に入り切りませんでしたが、「ボサノバ・スタンダード・デラックス」と言う沢田駿吾のLPです。但しこれは70年代の2ndプレス。タイトルとジャケットが変わっているので分かりにくいですが、67年にリリースされた「決定盤!これぞボサ・ノバ」というレコードが本作のオリジナルになります。最近こちらのオリジナル仕様でThinkからCD化もされたので、もしかするとタイトルに見覚えのある人もいるかもしれませんね。さて、そんな本作。オリジナル・2nd共に「いかにも」なジャケットとタイトル、そしてスタンダード中心の収録曲から、つい安易なイージー・リスニング作品を連想してしまいがちですが、これが意外にもジャズ・マナーに則った大人のボサノバ作品となっているので侮れません。中でも白眉はB-2のFly Me To The Moon。自身のレギュラー・カルテットに宮沢昭のフルートを加え、サヒブ・シハブのシャレードを思わせるアレンジで演奏しています。あそこまで武骨な演奏ではないものの、編成的に似通っていることもあり、雰囲気はわりと近いのではないでしょうか。少なくとも僕は、一聴してすぐにサヒブを連想しました。西条孝之助のテナーと宮沢のフルートによる二管の絡みが美しいA-3のDesafinadoも名演。いわゆるハードバップ的な演奏ではないですが、華やいだ夜の雰囲気が良く出ていて、個人的に気に入っています。フロア受けが良さそうなのはB-6に収録された高速ボサジャズのCinnamon And Clove。スパイ映画のテーマのようなスリリングな演奏と、伊集加代子のスキャットが良く合っていて格好いいですね。その他の曲も全体的に雰囲気良いし、あまり和モノっぽさもないので、日本人の演奏に抵抗がある人でもわりと普通に聴けるはず。どちらかと言うとボサノバ好きよりジャズ好き向けという気はしますが、興味があったら是非聴いてみてください。オススメです。
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Bossa Jazz Trio Vol.2 / Bossa Jazz Trio

2007-08-15 | Brasil
暑い日が続き過ぎているので、夏らしくブラジルのピアノ・トリオでも紹介。ピアニストのアミルソン・ゴドイ率いる、その名もボッサ・ジャズ・トリオの2ndです。ブラジルのトリオはとかく似たような名前のものが多く、ただでさえ相関関係が非常に分かりにくいのですが、困ったことにこのゴドイ家3兄弟というのがまた全員同じような名前で、その全体像の理解し難さにますます拍車をかけていて、注意してクレジットを読まないと何が何やらまるで分からなくなるので要注意。整理すると、このアミル「ソ」ンは3兄弟の一番下に当たり、ジンボ・トリオで知られるアミル「ト」ンが真ん中のお兄さん。そして本作にも何曲か提供してる作曲家のア「ヂ」ルソンが長兄とのこと。まぁ興味がない人にはどうでもいい話ですが…。さて、そんな三男アミルソンによる本作は、タンバ・トリオのようなコーラス入りではなく、わりと正統派なジャズサンバ作品。収録曲もアップな曲から若干スロウなものまでバラエティに富んでいて、非常に聴きやすい一枚になっています。白眉はなんと言ってもB-3に収録されたZero Hora。例のSambossa 5やJoni Mazaによるホーン入りのカヴァーでも知られていますが、一応このヴァージョンがオリジナルになるのでしょうか? 幻想的なイントロから一転、不穏なベースがブンブンと唸る超高速のハード・ジャズ・サンバへと雪崩れ込む様はただただ格好いいの一言。ホセ・ロベルト・サルサノのカツカツ打ち込むドラムや、アミルソンの神技ピアノ・テクニックも本当に素晴らしいです。元のメロディーが良いだけに、誰がやってもわりと格好いい演奏になるであろう曲ですが、ここまでのプレイを見せ付けられるとさすがに鳥肌が立ちますね。CDでも出ているので、この演奏のためだけにでも是非聴いてみてください。ちなみに全く触れませんでしたが、他の曲もそれなりに水準高めですよ。
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Kalapana II / Kalapana

2007-08-14 | Hawaii
夏なのでたまにはこんなレコードも紹介してみましょう。これがリリースされた当時、サーファー達の間で一世を風靡したという噂のカラパナによる76年の2ndアルバムです。「ワイキキの熱い砂」とトホホな邦題が付いていたり、どう考えてもダサいジャケットだったりと、まぁ色々と突っ込みどころはありますが、そんな部分もある意味この時代特有のご愛嬌。肝心の中身の方は、今聴いても全然古くないエヴァー・グリーンなものになっているのでご安心を。注目はやはりマッキー・フェアリーがリード・ヴォーカルを取る曲。特にオープニングを飾るA-1のLove 'Emは、これぞマッキー節とでも言うべきメロウAORの大傑作です。この後にソロで発表するA Million Stars直系の曲調で、その甘く力強い歌声も相まり、アルバム中でも屈指のアーバン・リゾート感を誇る作品。日本人でこういう曲が嫌いな人、多分いないのではないでしょうか。幻想的なミッド・バラードで聴かせるB-1、Moon And Starsも最強の名曲。こちらもやはりマッキーの甘い歌声が光ります。間奏でのフルート・ソロも涼しげで良い感じですね。また、ソフト・ブラジリアンなB-5のJulietteは、アコースティック・ピアノのきらきらした音色が印象的な佳曲。どこか昭和歌謡的な雰囲気もありますが、こういうのも好きな人には堪らないのではないでしょうか。また、アップ・テンポな楽曲ではA-2のFreedomが良い感じ。こちらはもう一人のヴォーカルであるマラニ・ビリューとのデュオ曲ですが、白人っぽい声質のマラニと黒人っぽい声質のマッキーの掛け合いが面白い一曲になっています。全体的にも良い曲揃いなので、この季節に聴くにはオススメの一枚ですね。何より安いですし…(笑) ちなみにマッキーは、このアルバムを最後にバンドを去ることになります。
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Cannonball Plays Bossa Nova / Cannonball Adderley

2007-08-14 | Hard Bop & Modal
「キャノンボール」ことジュリアン・アダレイが、セルジオ・メンデス率いるボッサ・リオ・セクステットを従え録音した1枚。ゲッツとジョアンによる共演盤からシングル・カットされた「イパネマの娘」のヒットにより、ボサノバが世界的なブームになっていくのとほぼ同時期の63年に吹き込まれた作品で、ファンの間ではわりと良く知られたボサジャズの傑作盤です。冒頭から気だるさ全開で始まるA-1のCloudsや、続くA-2のO Amor Em Pazは夏の木陰のブラジリアンといった趣きの佳作。また、一転してアップ・テンポで楽しげなA-3のMinha SaudadeやA-4のSambopもなかなかに良い感じですね。しかし、この盤最大のハイライトは何と言ってもB-1に収録されたGroovy Samba。クラブ的にはDanish Jazzballet Society Emsembleによるカヴァーがラウンジ・クラシックとして知られていますが、本家のこちらもそれに劣らない素晴らしい一曲に仕上がっています。カツカツと打つボッサ・ビートに乗る哀愁に満ちたテーマ・フレーズが最高にエキゾチック。キャノンボール~セルメンと続くソロも素敵です。個人的には、セルメンの長いキャリアの中でもこれがベスト・ワークだと思うのですが如何でしょう。いずれにしろ初期セルメンを代表する1曲であることは確かだと思います。ただ、残念ながらこの曲はモノラルで聴かないと魅力が半減してしまうので要注意。管が1本しか入っていないので、左右に音を振り分けた擬似ステレオ盤だと、聴感上なんだか妙な違和感を覚えてしまうんですよね。前々から知ってはいたものの紹介が遅れてしまったのも、実はそうした違和感が気に入らず、今までレコード自体を持っていなかったためです。ちなみに掲載しているジャケットは蘭Fontanaからライセンス・リリースされているもの。原盤は言うまでもなく米Riversideですが、個人的にはこのヒップなジャケットの方が断然気に入っています。真夏の暑い季節、こんな小粋なボサジャズを聴きながら、のんびりと夜を過ごすのも良いのではないでしょうか。
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Adam's Apple / Wayne Shorter

2007-08-11 | Hard Bop & Modal
ブルーノートの4232番はウェイン・ショーターのワン・ホーン作品。最近3管メッセンジャーズにハマっていることもあって、その中心人物であるショーターは個人的に気になる存在だったりします。他のリーダー作をあまり真剣に聴いたことがないので良く分かりませんが、本作はどうやら彼の数少ないワン・ホーン作の模様。マイルス・クインテットでも共演していたハービー・ハンコックをサイドに従え、いわゆる新主流派なモード・ジャズをやっている一枚です。一応ワン・ホーンではあるものの、野暮ったさはあまり感じられず、全体的に知的な仕上がりになっているので、個人的にはわりとお気に入りの作品。特にブラジルのリズムを取り入れたA-3のEl Gauchoは軽快な一曲で、この季節の夜に軽く聴くには打ってつけです。そしてなんと言っても素晴らしいのはB-1のFootprints。抑制の効いたモーダルなナンバーで、たとえば年代的にちょうど同時期に当たる初期レンデル=カー作品などにも通じる甘美なテナーの音色が印象的な一曲です。彼らのBlue Mosqueが好きな人ならば、おそらくこの演奏も気に入るはず。これまでああいう独特で知的な雰囲気はヨーロッパでなければ出せないと思っていましたが、アメリカにもちゃんと出せる人がいたんですね。これまでアメジャズを敬遠していた自分にちょっと反省。ハンコックの流麗なピアノ・ソロがまた素晴らしく、聴いているうちにグイグイと引き込まれてしまいそうです。途中のテンポ・チェンジも決まっていますね。B-3のChief Crazy Horseも同系統でなかなか良い感じの一曲です。こちらもやはりハンコックのピアノが印象的。なお、A-1のタイトル曲はジャズ・ロックで、これは個人的にちょっと苦手だったりします。まぁそれを差し引いても素晴らしいアルバムなので、気になった人は是非聴いてみてください。ちなみに、この辺からリバティーがオリジナルです。念のため。
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