At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

French Music Par Excellence / Week-end Millionnaire

2013-10-30 | AOR~BES
知っている人は知っているフレンチメロウAORの傑作。それぞれが各種楽器を演奏するマルチプレーヤーである3人組ボーカル&コーラス系グループによる1979年の2ndアルバムです。フランス語が読めず詳しいことは分からないのですが、当時現地で何らかの賞も受賞したグループのようなので、現地ではそれなりに有名な人たちなのかもしれません。ただ、内容はなかなかに良い感じ。全体的に都会的かつライトメロウな楽曲が多数収録されており、それでいて音の質感やヴォーカルの雰囲気は柔らかめなので、いわゆるフリーソウル系AOR好きはやられること間違いなしでしょう。どことなくボビー・コールドウェル的な雰囲気で始まる冒頭A-1のタイトル曲からもうトロけるようなメロウナンバー。フランス語独特の柔らかい響きも相まり、非常に上質なAORに仕上がっています。ピアノ系のバラードに仕上がったA-3のTous les amours toujoursや若干ファンキーなA-4のLady Marlène、さらにほろ苦くもポップなA-5のLa musique est si volatîleなどの楽曲もなかなかに水準が高く聴きどころは多め。なんというか全体的に1979年の作品とは思えないくらい音作りが現代的なので、先日ここでも紹介したエヂ・モッタの新作あたりが好きな人は、まず間違いなくハマるはずです。仏ワーナーからのリリースと言うこともあり、結構な枚数がプレスされているのか現地でのレアリティーや取引価格はさほど高くないようですが、だからこそお勧めしたい一枚。ちなみにCDは出ているのかどうか分かりませんが、カナダのitunesやUKのamazonではダウンロード販売もあるため、ちょっとひと手間かければデジタル音源での入手も容易に可能です。いずれにしろコストパフォーマンスに優れた作品であることは間違いないので、気になるひとは是非聴いてみてください。
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Islands/ Malani Bilyeu

2013-10-27 | Hawaii
紹介するのが少し久しぶりなハワイもの。かつてマッキー・フェアリーとのツインヴォーカルにてカラパナのメインヴォーカリストを務めたマラニ・ビリューが、グループ一時脱退後の1983年にリリースしたソロ作品です。マッキーのソロに比べ取り上げられることは極端に少ないですが、初期カラパナ時代から一貫した彼特有の素朴な持ち味が非常に良く出た作品で、実は何気にコンテンポラリー・ハワイアンの名盤。いかにもハワイらしいミディアム・アップなボサ系ビートで爽やかな風を運ぶA-1のHurting Inside、同時期にリリースされたナイトライフ時代のマッキーに通じるA-3のAnother Fool For Love、アイランド・バンドあたりに良く似た綺麗なジャワイアンを聴かせるB-5のGod Bless Our Queenなどなど聴きどころは多く、今日みたいなよく晴れた休日の朝に部屋聴きするには最適な一枚です。いわゆるクリスタルで都会的なサウンドとは趣を異にしますが、これはこれでAORの一つの形。全編にわたりアイランドメロウな雰囲気を存分に堪能出来る極上の一枚と言って良いでしょう。個人的には初期カラパナみたいなギターのカッティングとサビでのファルセット・ボイスが気持ちいいA-5のSlowboat To Chinaが一番のお気に入り。いわゆるハワイアンAORのイメージに最も近いのもこの曲だと思います。ちなみに本国では大手Paradiseからリリースされていますが、掲載しているのは別ジャケットでリリースされた当時の国内盤。カラパナの再結成ライブ盤、C&Kセシリオのソロ、それからアイランドバンドの2ndと同じくWoorell Recordsというレーベルからの発売です。イルカが描かれたオリジナルのジャケットも悪くないですが、本作のイメージ的にはこちらのカラーの方が良く似合う気がするので、あえてこちらで購入してみました。ちなみに現在は廃盤ですが何度かCD化も行われているようなので、CD派の人はそちらの購入をご検討下さい。地味な作風ながらコンテンポラリー・ハワイアン好きならば見逃し厳禁なアルバム。お勧めです。
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Minuit / Same

2013-10-26 | AOR~BES
TotoのGeorgy Porgyカバーで知られるカナダの角松敏生ことドワイト・ドルイックと、その相棒フィリップ・ヴィヴィアルのデュオによる1979年のアルバム。知っている人も多いと思いますが、当時英語盤と仏語盤の2種類がリリースされており、アルバムのタイトルがMinuitとなっているこちらは仏語盤に当たります。巷ではドルイックが翌年リリースしたソロ同様にフレンチカナディアンAORと評されることが多いですが、サウンド的にはもう少しアコースティック寄りなため、実際にはPre-AORと言った方が適切。1980年前後のAOR一歩手前な、それほど極端にクリスタル過ぎない音が好きな方には良い一枚かと思われます。収録曲中では、何と言っても冒頭A-1を飾るIl Faut Recommemncerが瑞々しく弾けるような爽快ポップスで秀逸。軽やかなイントロ一発で即座に名曲と分かる素敵なナンバーです。フリーソウル以降のブルーアイドソウル好きなら、まず間違いなく好きでしょう。その他の曲ではテンダーリーフのようなA-3のMarilyn、ボサノバのリズムを取り入れたB-1のVien Avec Moi、そして哀愁系フリーソウルなB-4のLa Couleur Dans Mes Rêvesあたりがなかなかの出来。どの曲にも言えることですが、ライトメロウな演奏に乗るフランス語の響きが美しく、非英語圏のブルーアイドソウルとしては相当に完成度の高い作品です。あいにく先日Creole Stream Musicからリリースされた編集盤では、ほとんどの曲が英語盤からの収録でしたが、ここはやはり彼らの母国語であるフランス語で聴くのが正解かと。LP自体のレア度はそこそこと言ったところ。出てくる店舗や時期によって値段がまちまちですが、個人的にこの仏語盤については比較的よく見かける気がします。どちらかと言うと英語盤の方が見ないかな。いずれにしろ、そこまで極端なレア盤と言うわけではないので気になる人は是非。ジャケットのデザインもお洒落なのでLPで持つのがお勧めな一枚です。
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Faith Is The Key / Enlightment

2013-10-21 | CCM
アメリカ東海岸メリーランド州で人知れずリリースされた奇跡のモダン・ゴスペル。プロデューサーであり中心人物であるLarry H. Jordan(ラリー・H・ジョーダン)を中心とした男性1人女性3人によるヴォーカル&コーラス・グループ、Enlightmentによる1984年の唯一のLPです。既に内容を知っている人には説明不要と思いますが、ゴスペルとは言っても一般にイメージされるようなスピリチュアルなものとは異なり、全編にわたり現代的なAOR~モダンソウル風楽曲で構成された作品で、かつ全ての楽曲がハイレベルという驚きの一枚。フリーソウル上がりな音楽ファンの心を鷲掴みする都会的でメロウな大傑作盤です。H=D=H風のアップテンポなモダンソウルで聴かせるA-1のタイトル曲やB-1のWhat's Happening People、心地良い高揚感とライトメロウなメロディーが胸を打つミディアムアップなA-4のUp And Away、まるで同時期のカーティス・メイフィールドみたいなB-4のI Got To Get Awayなどなど、とにかくアルバム全編通してこれでもかというくらいに名曲のオンパレード。20年前のリリース作でありながら、今の時代のニーズに完璧にマッチングした内容で、ライトメロウなAORファンからモダンなディスコブギー系ファンまで必聴の一枚と言えるでしょう。正直ここまで内容の良いLPに出会うのは本当に久しぶり。元々がゴスペルという事もありオリジナル盤は非常にレアかつ高額なため、普通の人が手に入れることは非常に難しいと思いますが、どうやら今年に入りどこかの音楽ファンが愛で少量ながらリイシュー盤を制作したらしく、そちらであれば少し頑張れば入手が可能です。僕が持っているのもこのリイシュー盤。おそらくブートながらジャケットや盤自体の作りもそれほど悪くないので、よほどのマニア以外はこちらで手に入れた方が良いかと思われます。ちなみにアルバムのクレジットを見るとリズム、ストリングス&ホーンのアレンジとエクストラ・ヴォーカリストに、何とあのアル・ジョンソンが参加している様子。ゴスペルらしからぬ都会的でAORな音作りにも納得です。絶対のお勧め盤。気になる方はブート盤が完全に市場から消えてしまう前に是非是非聴いてみてください。
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Ta Ta Ya My Love / 高村 亜留

2013-10-20 | Japanese AOR
1980年代中盤に本作品を含むアルバム2枚とシングル2枚のみを残して表舞台を去ってしまった女性シンガーによる1986年の2ndアルバム。時代がらニューウェーブ~テクノポップな打ち込みサウンドが主体な作品ですが、いわゆるAOR~シティポップも若干収められており、近年はそちら方面で密かな人気を誇る一枚です。A-3の「皆既月食」とB-2のAppeal To You、そしてB-5のGood Luck Againの3曲がそのシティポップス風ナンバーですが、中でも完成度が高いのがA-3の「皆既月食」。やわらかで都会的な演奏に、やや低い高村の歌声がマッチしたライトメロウな良質ミディアム~スロウで、この辺りの80's J-AORやブラコン・サウンド好きならば惹かれること間違いなしの名曲です。土方隆行の弾くジャジーなエレキギターのフレーズがまた良い感じ。クニモンド瀧口氏による「流線形」のようなサウンドを求めている人には特にお勧めです。そしてB-2のAppeal To Youは、マイケル・ジャクソンによるブラコン名曲I Can't Help Itにインスパイアされたと思わしきグルーヴィーなミディアム・チューン。ベースラインがまったく同じな上に、上モノの雰囲気も非常によく似ているので、正直パクりと言ってしまえばそれまでなのですが、曲自体の完成度もそれなりに高く、パクり元がパクり元なだけにフロア受けは非常に良さそうです。90年代中盤にMuro氏のDiggin'シリーズを聴いて育ったようなヒップホップ系の人なんかはきっとイチコロでしょう。ちなみにLPからCDへの移行期の作品ということで、どちらのフォーマットでもリリースされています。マイナーな作品なのでどこにでも転がっているというわけではないですが、探せばわりと労することなく手に入れられるはず。わざわざ高い値段で買うような作品でもないと思いますが、もしもどこかで安く見つけたら聴いてみてください。
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Sandra Sa / Same

2013-10-19 | Brasil
ブラジリアン・ソウル・ディーヴァの一人、サンドラ・サーによる一枚。この人のアルバムにはタイトルがついていない(俗に言うSame Title)ものが多く、文字情報だけではなかなか伝わりにくいのですが、こちらは1982年にRGEからリリースされた2ndアルバムになります。この後サンドラ・ヂ・サーと若干名義を変えて現在に至るまで活動を続けている彼女ですが、やはり代表作と言えば本作とこの翌年に同じくRGEからリリースされたVale Tudo(バーリトゥード=何でもあり)。どちらもおそらく未CD化ながら、同時代のUSものにも引けを取らぬディスコ~AOR作品として、界隈では人気の高い一枚です。全編にわたりナイトクラブ感の漂う良い雰囲気ですが、中でも聴きどころはディスコ調のホーン隊が瑞々しく弾けるミディアム・アップなA-2のMúsica MaravilhaとB-3のNegra Flor、それからライトメロウな展開に胸が締め付けられるB-2のConte Comingo。当然のことながら歌詞は全てポルトガル語ですが、USものに混ぜてかけると良いアクセントになる非英語圏ディスコ~フリーソウルの名曲です。DJプレイ的にも同じく非英語圏の作品であるカナダのパッツィー・ギャランやダイアン・テル辺りと同じような使い勝手が可能かと。また家聴き用としてはラストに収録されたB-5のSe Grile Nãoがしっとりしたミディアム~スロウが良い雰囲気。このあたりの音楽が好きな人であれば、アーバンかつソウルフルなサンドラの歌唱に惹かれること間違いなしでしょう。ちなみに先ほども書いたように未CD化ではありますが、大手レーベルからのリリースと言うこともありレア度は低めのいわゆるミドルクラス盤。少し本腰を入れて探せばすぐに手に入れることが思います。裏ジャケ含めジャケットの雰囲気もかなり良い感じなので、是非LPで所有していたい一枚。ブラジリアン・ソウル好きはもちろん、それ以外の方も是非聴いてみてください。
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Crystal Clear / Sapphire

2013-10-16 | CCM
ずいぶん前に金澤さんのLight Mellow on the webで紹介されていたCCMのレア盤。マイケル・ジェイムス・マーフィーの2ndと同じMilk & Honeyレーベルから1980年にリリースされており、全編に渡ってハドリー・ホッケンスミスが演奏に参加。おまけにそのホッケンスミスとブルース・ヒバードの共作による提供曲もありと、とにかく煽り文句には事欠かない一枚です。ただし、いざ実際に聴いてみると内容的にはまぁそれなりと言ったところ。ある程度心得のあるリスナーとしては、この組み合わせだとどうしてもロビー・デュークやマイケル・ジェイムス・マーフィー、それからレジー・デヴォーン辺りのライトメロウ路線を期待してしまいますが、実際の作風としてはシーウィンドを地味にしたオメガ・サンライズを、さらにもう一段階地味にしたような仕上がりとなっており、少なくてもライトメロウな雰囲気を味わうことは難しいかと思われます。雰囲気や音作り的にライトメロウ路線に最も近いのはA-3のThrough Lookin'と思われますが、あいにくメイン・ヴォーカルを務めるAmy Swartzendruber(エイミー・スワーツェンデュルバー)の歌声がかなり体温低め。残念ながらいわゆるライトメロウな楽曲に求められる爽快感は感じられません。ただそう言った先入観を一通り捨てて聴くならば、デンマークのエリアル辺りにも似た雰囲気なので、これはこれで悪くないです。ちなみにその他の楽曲では、同じくスワーツェンデュルバーのペンによるA-4のStand On The Promise、ややSSW調な男性ヴォーカルによるB-2のSarah、イントロや間奏のシンセ使いにマイケル・ジャクソンの影響が感じられるアップテンポなB-3のRain辺りが聴きどころ。ホッケンスミス参加などという前口上を鵜呑みして血眼になってまで手に入れるべき作品とは思いませんが、どこかで安く見つけたら聴いてみてもいいかもしれません。少なくともレア盤であることは間違いなく、またジャケットの雰囲気も悪くないので、数千円台前半で手に入れることが出来ればそれなりの満足感を得られるのではないかと思います。
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Metropolitan Suite / Various Artists

2013-10-15 | Compilation
少し久しぶりの自作コンピレーション紹介。和モノ系というかシティポップス関連でまとめた作品を一つ作ってみました。いわゆる有名DJのみならず、最近は僕と同じような素人の方でも似たようなことやっている人が多いので、製作中はどこで他と違うオリジナリティーを出すかということにやや頭を悩ませまたりもしましたが、完成してみれば非常に僕らしい仕上がりでわりと満足気味。いつもの通りマニアックな曲はほとんどなく、このジャンルの中でも定番曲と言われるものばかりですが、ともすればザ・ベストテンみたいに歌謡曲丸出しな選曲になってしまう中で、程よく都会的な洗練さとビターな味わいを残すことが出来たかなと思っています。とりあえず以下収録曲。

1. Love Trip / 間宮 貴子
2. 銀河特急 / 松崎しげる
3. Stardust Night / Jadoes
4. Dear Breeze / 杉山 清貴 & オメガトライブ
5. クリスタル・シティー / 大橋 純子 & 美乃家セントラル・ステイション
6. 恋のウォーミング・アップ / 大滝 裕子
7. モーニング・サブウェイ / 新井 正人
8. Street Dancer / 岩崎 宏美
9. Melty / 川口 雅代
10. Taxi-Driver / 坪倉 唯子
11. Only A Love Affair / 佐藤 博
12. 夏と秋のGood Luck / ラ・ムー
13. メランコリーTea Time / 中原 めいこ
14. ロンリー・ガール / 佐東 由梨
15. Circus Town / 山下 達郎
16. パーティーを抜け出して / 井田リエ & 42nd Street
17. ボディートーク / 弘田 三枝子
18. Who Are You / 芳野 藤丸

気分はラジオDJ。真夜中のドライブ中、たまたま回したラジオ局でかかっていたらつい嬉しくなるプログラム。そんなコンセプトでまとめています。いつも通りmixcloudにアップしたので、興味のある方は是非聴いてみてください。

Metropolitan Suite

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Things I Can't Deny / Ken Priddy

2013-10-14 | CCM
今の時期に聴くのにぴったりなマイナー系ピアノSSWの好盤。このケン・プリディーなる人のことは正直良くわかりませんが、鍵盤奏者のSteve Bassett(スティーヴ・バゼット)がプロデュースをした一枚のようで、ギターにはスティーリー・ダン参加などで知られる職人エリオット・ランドールが参加しています。曲タイトルを見ると分かりますが基本的にはCCMなので、どの曲も非常に優しいメロディーとアレンジになっており、また肝心のヴォーカル自体もAORファンに好まれる非常に甘い白人風なため、こうして休日の午後にのんびりと聴くには最適な一枚。とりたててキラーと呼ばれる類の曲こそ収録されていませんが、全体的に手堅くまとまった良質なライトメロウ系作品と言えるでしょう。まったりとした雰囲気で始まるA-1のThank The Lordからもう完璧にトロトロのプレAOR。続くA-2のThe Christian UndergorundはCCMにしては珍しいマイナー調。まぁ歌詞で扱っている内容が内容なので、当たり前と言えば当たり前なのですが、これはこれで新鮮な雰囲気で悪くないですね。個人的に特に気に入っているのはA-5のGod Only KnowsとB-4のGoing Home。どちらも正に日だまりのCCMと言った雰囲気のゆったりとした暖かいナンバーで、聴くものの気持ちを自然と落ち着ける素敵な仕上がりとなっています。マイナーレーべルからのリリースということもあり、なかなか手に入り易い一枚とは言えないので、万人向けにお勧め出来る作品と言うわけではありませんが、もしもどこかで見かけたら耳を傾けてみても良いかもしれません。何年か前に韓国から再発CDもリリースされたパーシー・メイスあたりの牧歌的SSW系CCMが好きな人にはお勧め。何かのついでにでも発見したら、ぜひ聴いてみてください。優しい気持ちになれること請け合いです。
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Paris Pas Rio / Evinha

2013-10-12 | Brasil
現在は三人姉妹コーラスグループとして活動しているトリオ・エスペランサの主要メンバー、エヴァ・コレアがポール・モーリア楽団への参加を経て、結婚~渡仏を果たした後の1980年にリリースしたエヴィーニャ名義でのシングル盤。この人と言えば1974年にエヴァ名義でリリースされたアルバムに収録されたMoon Riverが、ゴールデン・ボーイズのHipnose辺りと並ぶブラジル産フリーソウルのクラシックとして知られており、レア・グルーヴ界隈でも古くからそれなりに有名な人ですが、今聴くのであれば断然この作品がお勧めです。フランス語で歌われるA-sideのParis Pas Rioもさることながら、なんと言ってもB-sideに収録されたÉ Difícil Dizerが絶品ブラジリアン・メロウグルーヴ。エレピがたゆたう都会的で暖かいオケと、エヴィーニャの柔らかな歌声&癒し系美メロの邂逅により奇跡の一曲に仕上がっています。1980年前後の限られた時期にのみしか存在しない独特の「柔らかくも都会的でライトメロウ」という質感を理想的に体現しつつ、それでいて技巧に走ることなく適度に歌謡的。正にブラジル版シティポップスと呼ぶに相応しい至福の一曲で、個人的には趣味ど真ん中です。同じような趣味志向を持つ方には分かると思いますが、これ以上古いと野暮ったく、これ以上新しいと逆にクリスタル過ぎるので実はこのギリギリの空気感を持つ曲は貴重なんですよね。いわゆる現代的な価値観でのAOR~ライトメロウな楽曲が好きな方ならば、まず間違いなくツボに入ることでしょう。おそらくアルバムには未収でシングルのみのナンバーですが、数年前にリリースされたTercaの青盤にコンパイルされているので、興味のある方はまずはそちらで聴いてみるのが良いかもしれません。ちなみにシングルはブラジルの大手レーベルRGEからのリリース。それほど極端にレアというわけでもないし、しっかりとピクチャースリーブ仕様になっているので、シングル盤とは言えノンジャケットのいわゆるドーナツ盤に比べれば比較的探しやすいはず。普段このブログを見ていただいているような方には絶対にお勧めの一枚なので、是非聴いてみてください。
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