At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Em Forma! / Bossatres

2007-06-30 | Brasil
ピアニストのルイス・カルロス・ヴィーニャスを中心としたブラジルのトリオ、ボサトレスによる65年の作品。マシャードとネトが抜けた後、いわゆる第二期ボサトレスの代表作です。ちなみにタイトルからも分かるように原盤はForma。マニアから人気の高いこのレーベルの中でも、CoisasやDesenhosと並び一際支持される一枚として知られていますね。この迫力のあるジャケットに引いてしまい、これまで何だか聴き損ねてしまっていたのですが、いざ実際に聴いてみると、これが今まで敬遠していたのかが悔しいほどの名盤でした。オープニングから疾走するM-1のBottlesや、ジャイルスのフェイバリットでもあるM-10のImprevistoで披露される、まるで音の洪水のような高速ハード・ジャズサンバには、おそらく誰もが一瞬で耳を奪われるはず。文句なしに格好いいです。ただ、個人的にツボなのはこれらではなく、数曲で演奏されるソフトな肌触りのモード・ジャズ。M-3のValseやM-7のVivo Sonhandoのような雰囲気が気に入っています。そして極めつけはM-9に収録されたComo Eu Wuis Você。真夏の夜の静寂に映えそうな絶品モーダルで、たとえばマイルスのFlamenco Sketchesなどが好きな正統派モダンジャズ・ファンにもお勧め出来る逸品に仕上がっています。その他でも、グルーヴィーなオルガンが気持ちいいM-6のBico De Luzや、リリカルでセンチメンタルなピアノが美しいM-4のBúziosなどなど、本気で全ての曲が名曲ばかり。ますます気温も上がってくるこれからの季節、正統派ジャズに暑苦しさを感じたら、こんなブラジルのピアノ・トリオを聴いてみるのも悪くないのではないでしょうか。ちなみに僕の持っている98年リリースのCDは残念ながら現在廃盤だそう。ただ値段はそれほど高騰していないので、中古市場でならわりと手に入れやすい一枚かと思います。まぁ本当のところはアナログで欲しいんですけれどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Latin Drumming / Hideo Shiraki Quintet

2007-06-24 | Hard Bop & Modal
少し久しぶりに和ジャズを紹介。Thinkからの紙ジャケ再発でこのところ話題になっている2作のうちの1枚です。オリジナルは東芝から1959年にリリースされているそうですが、普通に生活している限り出会うことはまずないでしょう。それくらい文句なしの激レア盤です。僕も今回のCD化で初めて内容を聴きました。さて、そんな本作ですが、ただレアなだけではなく、肝心の内容がまた非常に素晴らしく驚かされます。マニア垂涎のPlays Bossa Nova(これも熱烈に復刻希望)には残念ながら及ばないものの、彼の数ある作品群の中でも3本の指には入る出来ではないでしょうか。強烈なラテン・ブレイクで始まるM-1のSiboneyがまず素敵。フロア即対応のアフロキューバン・バップに仕上がっています。凄くインパクトのある曲なので、DJプレイの1曲目にかけて周囲の雰囲気をガラっと変えるのに最適。そして何と言っても圧巻なのはM-4に収録されたTropic Night(南国の夜)でしょう。冒頭ゆったりめに始まるイントロから一転、白木のブレイクから曲は一気にテンポを2倍に上げ高速ハードバップへ。正直、これでテンション上がらなかったら嘘でしょう。松本→世良→福原→白木と続く各ソロも完璧。文字通り問答無用のキラー・チューンに仕上がっています。その他の収録曲もフロア向きでこそないものの、M-7のBegin The Beguine辺りを筆頭に、いずれも素晴らしいハードバップの傑作揃い。特に松本のテナーが大きくフィーチャーされたM-6のThe Breeze And I(そよ風と私)などは、これからの蒸し暑い季節の夜のBGMにも良いのではないでしょうか。アナログでも復刻された例の「祭りの幻想」や、これまでのThinkレーベル再発の諸作はそれほど好きにはなれませんでしたが、この作品は個人的にそれらとは別格。これで後はPlays Bossa Novaさえ復刻して貰えれば、もう何も文句はないのですが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Club Date / Yusef Lateef

2007-06-24 | Hard Bop & Modal
米Impulse傍系ABCレーベルより、76年にリリースされたYusef Lateefの実況録音盤。最も録音自体は64年と、リリース時期よりも10年以上前のものなので、そう言った意味では60年代のレコードと言ってしまって良いかもしれませんね。位置づけ的には同じくImpulseからリリースされたLive At Pep'sの続編に当たるのかな。ちなみに本作も同じく、フィラデルフィア州のPep's Loungeで録音されています。既に何度も書いているように、フリーと言うかあまりにスピリチュアル過ぎるプレイが傷で、万人にはオススメし難い彼の作品ですが、本作はスタジオではなく実況録音と言うこともあり、内容的に非常にオーソドックスであるため、スピリチュアルが苦手な普通の人でもわりと聴き易いはず。フュラーのブルーノート盤でのプレイでも有名なA-1のOscalypsoはオスカー・ペティフォード作。トランペットを務めるリチャード・ウィリアムスとの2管でグイグイやってます。フュラーのプレイと比べてよりグルーヴィーな仕上がりとなっているので、もしかするとフロアーで使いやすいのはこちらの方かもしれません。B-2のP-BoukはシハブのOm Mani Padme Humにも通じる高速バップ・ナンバー。こういう雰囲気が好きな方も多いのではないでしょうか。例のスパルタクスと同じくオーボエを演奏するB-1のBrother Johnはワルツ・タイムのモーダル・ジャズ。どこか異国情緒の漂う、「らしい」アラビアンな曲調が見事です。冒頭の一瞬だけ気持ちの悪い不協和音が鳴りますが、そこだけ目を瞑ったら後は非常に耳障りの良いナンバー。たしか以前にどこかでも紹介されていましたね。個人的に好きなのはA-3のRogi。特に目新しいことをやっているわけではなく、曲自体は普通にスウィンギンなバップ(ただし内容は結構良い)なのですが、ラティーフがこれを演奏していることにまず驚きです。ただのイロモノではなく、オーソドックスなことをやらせてもなかなか良い感じ。彼の作品群の中では全体的に非常に聴きやすいので、初心者の方にもオススメ。何気にクラブ筋から人気盤なのか、あまり見かけることはないですが…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Music For Mice And Men / Jorn Elniff

2007-06-21 | Hard Bop & Modal
久々に購入した高額レコード。例の名盤Let's Keep The Messageにも参加していたデンマークのドラマー、Jørn Elniffによる1961年録音の(おそらく)唯一のリーダー作です。「馬車」で知られるBjarne Rostvoldや大人気Alex Rielに比べ、我が国では知名度の遥かに低いドラマーゆえ、紹介される機会こそあまりないものの、これが実は裏ジャズ・クインテット60とでも言うべきダニッシュ・ジャズの隠れ大名盤。Finn Savery(p)とErik Moseholm(b)を従えたトリオの曲も素晴らしいですが、やはりフロントにボッチンスキーが加わった冒頭3曲が抜群の出来栄えです。ミッド・テンポで演奏されるA-2のBlues No.6など、これぞ正しくダニッシュ・ジャズの王道とでも言うべき超硬派なブルースで、おそらく好きな人も多いはず。その容姿と名前からよく「坊ちゃん」と呼ばれる彼ですが、この曲やA-3のA Taste Of Theatreで聴かせるバピッシュな男気ソロを聴いたら、そんな周りの揶揄も一瞬にして吹き飛ぶのではないでしょうか。良い意味でわりと大人しい端正なプレイで知られる彼が、ここではワン・ホーンで豪快に暴れまくってます。トリオものではEPとしてもカットされているB-2のNight And Dayが、フロアでも使えそうな高速アフロキューバン・バップでクォリティ高し。今やクラシックなTo Iskol'hofでもそうでしたが、このエルニフはどうやらアフロキューバンに強いようです。北欧版のブレイキーと言ったところでしょうか。そんな彼の魅力が集約されたのがラストに収録されたB-4のタイトル曲。この曲だけはエルニフの完全なソロで、9分弱という長尺に渡り彼のドラミングを存分に堪能できるようになっています。その超絶テクニックには、ただただ圧倒されるばかり。ちなみに、おそらく再発はリリースされていないと思うので、興味のある方は頑張ってオリジナルを探してください。Debutからのリリースではありますが、同レーベルによる他の有名な諸作に比べれば遥かに良心的な価格ですし。最もあくまで「比べれば」ですけれど…。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Rio 65 Trio / Same

2007-06-18 | Brasil
ブラジル産ピアノ・トリオの頂点。レア・グルーヴ周辺では古くから人気のあるリオ65・トリオの1stアルバムです。白いジャケットのブラジル盤(オリジナル)が良く知られていますが、僕が持っているのはなんと別ジャケ仕様の日本盤。リリース年が記載されていないため詳細は分かりませんが、ジャケットの作りから察するにおそらく70年代前半辺りに製作されたものかと思われます。セルメンらによる当時のボサノバ・ブームにあやかって国内盤が作られたのでしょう。売れたのかどうかは全く分かりませんが…。ちなみにジャケットにはボサノバ・ブラジリア・シリーズ⑧と記載されています。さて、推測はこのくらいにして肝心の中身の話に移りましょう。知っている人には説明不要ですが、このグループはドラマーのエディソン・マシャードを中心に結成されたピアノ・トリオ。同じようなグループが多く存在するこの時期のブラジルで、人気・知名度・内容のどれもがアタマ一つ飛び抜けているのが彼らです。後のムジカノッサ・ムーヴメントの中でフランクリンもカヴァーしていたA-2のMeu Fraco É Café Forte(濃いコーヒーを)はこちらがオリジナル。叩きつけるようなサルバドールの超高速ピアノが素晴らしい、スリリングなジャズ・サンバです。同系統としてはB-3のTim Dó(悲しみのとき)も良い感じですね。こちらでもやはりサルバドールの妙技が光ります。正統派ジャズ・ボサのB-2、Mau Mauはこれからの季節にぴったりなサニー・サイドの名演。ミルトン・バナナが好きな人とかはツボなのではないでしょうか。ただ、個人的に最も気に入っているのは冒頭A-1のDesafinado。まるでヨーロッパのピアノ・トリオのような非常に洗練されたアレンジが最高です。とにかく全編に渡って音楽IQはかなり高め。廃盤になってしまいましたがCDも出ているので、未聴の方は是非聴いてみてください。ちなみにオリジナルのアナログはブラジル盤という性質上、たいていジャケ/盤ともに汚いものが多いです。僕が持っているのは日本盤なので綺麗ですが、下手に汚いオリジナルに高額を払うならCDを買ったほうが正解かもしれません。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Together / Dino & Franco Piana Quintet

2007-06-17 | Contemporary Jazz
1996年と比較的最近に録音されたコンテンポラリーなイタリアン・ジャズの傑作盤。50年代後半から活動を始めたディノ・ピアーナと、その息子であるフランコ・ピアーナの双頭リーダー名義で発表された1枚です。この2人の双頭リーダー作は何枚かあるようですが、おそらく内容的にはこの盤が最も良いのではないでしょうか。ちなみに先日Deja Vuからリリースされたコンピに収録された2曲の出典先がこの作品です。冒頭M-1のQuintetから軽快に疾走するネオ・バップで格好良いですが、やはり本作の目玉はM-4のImpulse。高揚感を煽る出だしのピアノと、続くメロディアスな2管のアンサンブルによるテーマ部が最高です。純粋なモダンジャズとしてはやや物足りなさはあるものの、ダンスフロアー向けのクラブジャズとしてはこれで100点。誰にでも分かりやすい格好良さを持っているのでクラブ映えも抜群です。こちらはDeja Vuのコンピに収録後、夜ジャズのコンピにも収録されていましたね。もう1曲Deja Vuコンピに収録されていたM-9のCalypsoも南国風味満点のアフロキューバン・ジャズで気持ちいいです。ただ楽しいだけのラテンではなく、どこか翳りを含んでいるところもポイント。これからの季節にぴったりなのはこちらの曲の方ですかね。それから少し雰囲気は違いますが、M-7のOpen Bluesも軽快なラテン・ジャズでなかなかに良い感じ。上手くかけることが出来れば、こちらもフロアー対応可能ですかね。なお、本作のリリース元も先日のロマーノ・ムッソリーニと同じく伊Penta Flowers。まだ日本では大々的に取り上げられてはいませんが、話によるとなかなかに秀逸な作品が他にも多く眠っているそう。ご興味があれば探してみても良いかもしれません。ただ、レーベル自体が既になくなってしまっているそうなので、もし探すのであれば中古CDショップになってしまいますが。しかもマイナー・レーベルなので、下手したらその辺のレア盤アナログを探すより困難かも…。まぁ好事家向きのレーベルですね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Here I Go Again...! / Eddy Doorenbos

2007-06-14 | Free Soul
オランダのヴォーカリスト、Eddy Doorenbosによる81年録音の一枚。彼のことは詳しく知らないのですが、どうやらサバービア掲載で知られるThe Millersの元メンバーのようですね。こちらの方が録音が後だと言うこともあって、全体にMillersの頃よりも音が綺麗になって洗練された印象を受けます。内容としてはボビー・コールやSvante Thuressonらと同じく都会的なジャズ・ヴォーカル作品。一昔前に流行ったジャズ系フリーソウルとでも言ったところでしょうか。カヴァー曲が中心の選曲となっていますが、いわゆるスタンダード曲やポップスの大ネタ曲はやっていないので、普通にオリジナル・アルバムとして楽しめる内容になっています。A-1のTakin' A Chance On Loveは以前Organ b.Taro 4に収録されていた曲。弾むピアノとグルーヴィーなアレンジが楽しいスタイリッシュなハッピー・スウィングで良い感じです。終わり方が非常に格好良いので、DJプレイに緩急を付けるには最適なのでは。パーカスの効かせ方が絶妙なA-6のAround The Worldも凄くオシャレだし、込み上げ系メロディーで疾走するB-6のThe End Of A Love Affair辺りも好きな人が多いのではと思います。部屋聴き用としては、しっとりとしたブラジリアン・フュージョン仕立てのB-2、I'm Shadowing Youがオススメ。原曲はブロッサム・デアリーですが、このエディーのヴァージョンもかなり良い雰囲気になっています。ちなみにここに挙げた曲以外もなかなかに良く、全体的に音楽のIQは非常に高め。今日みたいな雨の日のカフェで、こういうアルバムがさり気なくかかっていたらオシャレですね。50年代のハードバップやモーダル・ジャズも良いですが、そればかりと言うのもやはり考えもの。たまには気分を変えて、こういう優しいアルバムに針を落としてみてはいかがでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

The Basso - Valdambrini Quintet / Same

2007-06-11 | Hard Bop & Modal
先日Deja Vuからも新たに再発され話題になった彼らの59年録音作品(伊Music原盤)の国内企画リイシュー盤です。Deja Vu盤とは違い、こちらは同時期にリリースされた米Verve盤を元に作られたリイシューであるため、ジャケット・ワークやラベルがVerveのそれになっていますが内容自体は同じもの。実は僕が初めて自分で買ったモダン・ジャズのアルバムがこれだったということもあって、個人的には少し思い入れのある作品だったりします。最もExciting 6のような作品を期待して買った当時の僕には、サウンドの質感が少し古過ぎて若干期待外れな一枚で、購入後まもなく手放してしまいましたが…。ただ、それから何年か経ち、数多くのジャズを通過した今の耳で聴くと、これが意外にも凄く良い感じに聴こえるものだから不思議なもの。まだ50年代の作品と言うこともあり、ハードバップと言うよりもウエスト・コースト的な色彩の強い一枚ですが、それがまた作品を包み込む格調高い雰囲気作りに一役買っており、全体としてはすこぶる気品に満ちた50'sイタリアン・ジャズの佳作として仕上がっています。あのSchema Sextetの演奏で有名なB-1のLotar(こちらの演奏が直接のネタ)ばかりが取り上げられていますが、個人的にはA-4のParlami D'Amore Mariuで聴ける鮮やかな2管の絡みがツボ。これぞイタリアが誇る最強コンボの真骨頂と言ったところでしょうか。B-4のGone With The Wind(風と共に去りぬ)もなかなか。ちなみに何故わざわざ今やレアなこちらのリイシューで紹介したかと言うと、単純に僕がこのVerve盤のジャケットの方が好みだからです。少しくすんだ色合いに味があって、そこがまたジャズらしいというか。ちなみに本作も70年代にStellaからさらに別ジャケで再発が出ています。ただ、そのジャケットはMusic盤より更に微妙なので、ご購入を考えているならこのポリドール盤が最もオススメ。国内盤という事でライナーもついていますしね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Where There's Bud Vol.II / Bud Poindexter Trio

2007-06-10 | Contemporary Jazz
米コロラド州デンバーにて87年に吹き込まれたカセット・テープ作品を、後に日本のNormaレーベルがLPとして発売したのが本作。以前Jazz Next Standard誌にも取り上げられていたので、ジャケットに見覚えのある方もいるのではないでしょうか。このバド、どうやら地域密着型のローカル・ジャズメンだったらしく、いわゆるジャズ史の表舞台に出てくるようなピアニストではないのですが、もともとが名門音大の卒業者ということもあってテクニックはかなりのもの。また80年代後半の録音ということで音質もクリアであり、全体的に非常に洗練された印象を受けるピアノ・トリオ作に仕上がっています。澤野工房のトリオ作辺りが好きな方には恐らく気に入って頂けるのではないでしょうか。A-1のYork's Saunaは友人でもあるピアニストのドン・スカレッタのカヴァー。打ってるドラムとグルーヴィーなベースの上を疾走するテクニカルなバドのピアノが気持ちいい一曲です。以前、夜ジャズ<裏>にも収録されていましたね。しかし今の気分としては断然B-4のGoodbye。どこかヨーロッパのピアノ・トリオにも通じるマイナー・コードの高速ボサジャズで、使い方次第ではDJプレイも可能かと思われます。例えばフランスのJazz Hip Trio辺りと相性良さそうですね。部屋聴き用にはB-3のWhen You Wish Upon A Starがオススメ。こんなに美しくアレンジされた「星に願いを」を聴けば、きっと誰もがつい白ワインでも飲みたくなるはずです。素敵な夜の始まりを思わせるA-3のAh, Viennaもエヴァンス・ライクなミディアム・スウィングで良い感じ。気分は高級ホテルのバー・ラウンジと言ったところでしょうか。しかし、こんなテープのみのマイナー音源をわざわざLP化して発売してしまう辺り、日本のジャズファンの異常なまでのマニアぶりが本当に伺えますね。まぁ買ってる僕も僕なのですが…。ちなみに最近Norma盤のデッドストックが見つかったそうで、少量ながら本作も市場に再流通しています。すぐ無くなってしまうと思うので買える内にどうぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

J.M.Tim & Foty / Same

2007-06-08 | Free Soul
Cortexで有名な仏Disques Esperanceにて77年に残されたマイナー・ソウル盤。あまり良くは知らないのですが、どうやらフランスのキーボーディスト兼シンガーの作品のようです。この人たちは何枚かアルバムを出しているみたいですが、日本で一番人気があるのは多分、フリーソウル度の高い本作ですね。ちなみに同じフレンチ・フリーソウルとは言っても、ミシェル・フーガンやLast Exitのようにガッツ溢れる作品ではなく、良くも悪くもよりアメリカナイズされた一枚なのでご注意を。普通に70年代のUSアングラ・ディスコ(レア・グルーヴと言い換えてもいいかな)と同じ音をしていて、そのせいかディスコ~ファンク系のコレクターからも人気のようです。A-4のFunky BafoussamやB-4のDouala By Night辺り、モロにカルト・ディスコと言った感じの曲調で、その筋のファンには溜まらないのではないでしょうか。どちらもインストなのでフロアでの使い勝手も良さそうですしね。Tender Leaf辺りのアイランドAORに近い雰囲気のB-2、Menze Siもマリン・フレーバー溢れる一曲でなかなか良い感じ。A-1のEdaも同系統ですかね。海まで5分と言ったところでしょうか。ただ、個人的に好きなのはやはりB-1のLove Is Light。以前Organ b.SUITEにも収録されていたエレピまみれの絶品メロウ・グルーヴです。一瞬で部屋の温度を下げてしまう清涼感溢れるアレンジと爽快なハイトーン・ヴォイスが最高に気持ち良くて、初めて聴いた瞬間から虜になりました。終盤現れるグルービーなサックス・ソロも絶妙だし、正に文句なしの一曲。他の曲も総じて水準高めですが、中でもこの曲はダントツの出来映え。正直、この曲のためだけにでも聴いて欲しいアルバムです。ただ、未だにリイシューがない上に、オリジナルもこの手の作品の中では結構レア。何かのコンピにでも収録されていて良さそうなのですが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする