At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

O LP / Os Cobras

2006-01-31 | Brasil
ドラムスのMilton BananaやピアノのTenorio Jr.を始め、ブラジルが誇る稀代のジャズメン達が一堂に会したドリーム・チームによる最高の一枚。64年にRCAレーベルからリリースされた本作は数あるジャズ・サンバ作品の中でも、トップクラスのクォリティを誇るLPとして知られています。とにかくJ.T.MeirelesのカヴァーとなるM-1のQuintessenciaから既にテンションは最高潮。Meireles E Os Copa 5名義による本家での演奏も素晴らしいですが、こちらもそれに負けず劣らず凄まじく熱い演奏が繰り広げられています。特にTenorio Jr.によるピアノは格好良過ぎ。同じく高速調のジャズ・サンバとなるM-5のPraiaや、M-7のThe Blues Walk辺りも文句なしでフロア・キラーです。先日紹介したBossa Nova +5もそうですが、いわゆるモダン・ジャズの諸作に比べてこの辺りのジャズ・サンバは単純に踊りやすくていいですね。ハードバップから影響を受けたアグレッシヴなソロ展開と、ブラジル音楽が元々持つノリの良さが相まって、程よいグルーヴに包まれたグッド・ミュージックに仕上がっています。しかしながら残念なことに、この盤はアナログだと世界中のコレクターが探している屈指の激レア&高額盤。数年前にCDのみで再発がなされましたが、こちらも今となっては廃盤でなかなかに手に入りくいものだったりします。ぜひもう一度復刻を希望したい一枚。出来ればアナログでお願いします。
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Introducing An Electrifying... / Rheta Hughes

2006-01-26 | Brasil
偶然立ち寄った下北沢Moodsvilleにて発見した一枚。例によって長すぎたので割愛しましたが、本当のタイトルはIntroducing An Electrifying New Starと言います。ネットで検索をかけても情報が出てこないので詳しいことは分かりませんが、どうやらこの人はアメリカのシンガーで他にも5~6枚アルバムが出ているそう。タイトルから察するにおそらくこれがデビュー盤なのでしょう。米Columbiaからのリリースで60年代中期のものと思われます。LP全体としては可もなく不可もなくといった趣なのですが、ただ一曲だけB-1に収録されたWhen Sunny Gets The Blueという曲が大変に素晴らしい出来。まるでヨーロッパのライブラリー音源のような軽快なボサノヴァに彼女のソウルフルな歌が乗ることで、他に類を見ないような素晴らしいメロウ・ボッサに仕上がっています。それでまたメロディが込み上げ系かつビートもしっかり打っているという点もポイント。1分半少々で終わってしまうのがもったいないくらい感動的な曲です。ちなみに僕はディスク・デシネの丸山さんのミックスCDで知ったのですが、てっきりヨーロッパの7インチだと思ってました。そこでも続けて収録されていたのですが、Paul LoukaのMon Requin A Moiと相性抜群です。ちなみに店員さんの話によると、ありそうで意外にない盤なのだそう。僕も今まで見たことありませんでした。ただ、あれば決して高い盤ではないのでオススメです。
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Axen / Bent Axen Trio, Quintet & Sextet

2006-01-25 | Hard Bop & Modal
澤野工房から復刻されたPoll Winner 59も人気のデンマークのピアニスト、Bent Axenによる96年リリースの編集盤。彼がDebutレーベルに残したJazz Quintet '60(澤野から昨年復刻されたMetronome盤とは同名異盤)、Axen In Action、Bent Axen Trioという3枚の7インチEP盤と、Bent Axen/Bent Jædig 6-5-4-3名義によるLet's Keep The MessageというLP盤が収録された大変お得な内容となっています。どの盤もオリジナルは大変にレアで、めったなことではお目にかかることすら出来ない代物なのですが、ここで特筆すべきはBent Axen/Bent Jædig名義のLP盤。Nicola Conteや須永辰緒氏のフェイバリットとして知られるオリジナル曲のM-12、To Iskol'hofはまさに完璧なジャズ・ダンサーの名に恥じない素晴らしい一曲となっています。異常にテンションが高い冒頭のアフロ・キューバン・ビートで即死。リーダーであるBent AxenやBent Jædigの演奏はもちろんのこと、脇を固めるAllan BotschinskyやJørn Elniffなども本当に素晴らしい演奏をしています。Sestetto Basso-ValdambriniのMonotonia辺りが好きな人は確実にマストでしょう。ちなみにこの曲は「夜ジャズ」の最新シリーズにも収録されていたりします。文句なしに格好いい!
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Le Roi De La Bossa Nova / Luiz Bonfa

2006-01-25 | Brasil
数多くのカヴァーが存在する「黒いオルフェ」の作者として有名なブラジルのギタリスト、Luis Bonfaが62年にフランスで録音したアルバムがCDで復刻。あいにく僕はブラジル方面の知識は疎いので、この盤がどれほどの評価を受けている盤なのかも知らないですが、これがなかなかに良い雰囲気のボサノヴァです。特にRaphael Chicorelによる名曲You're My ReasonをフルートとギターでやってるかのようなM-3のAmor Por Amor辺りは耳に心地よい感じ。しかし僕にとってこの再発盤の目玉は、本編ではなくボーナスで収録された4曲にあります。このボーナス・トラックは彼がプロデュースを手がけたBossa Nova +5によるEn Direct Du Bresilという激レア&高額なEP盤をそのまま収録しているのです。Double Standard誌上において鈴木氏もリコメンドしていますが、これがもう全曲素晴らしすぎるグルーヴィーなジャズ・サンバの嵐。というか、ここまで来るとジャズ・サンバというか最早ブラジリアン・ハードバップと呼んだ方が近いのかもしれません。MeirellesやTenorio Jr.辺りが好きな人は必聴です。特に気に入っているのはM-16のSincopado Triste。こんなのクラブでかけられたらイチコロでしょう。Piero UmilianiのNotte In Algeria辺りとも相性が良さそう。「夜ジャズ」好きな貴方もぜひ聴いてみてください。
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Free Fly / Guido Guidoboni Quintet

2006-01-22 | Hard Bop & Modal
1994年という比較的新しい年代にひっそりとリリースされたイタリアン・ジャズの快作。先日Premium CutsのHP上で紹介された87年のXoanonというLPもかなり良いらしいのですが、こちらの盤もなかなかに捨てがたい一枚となっています。このGuido Guidoboniという人はトランペット奏者で、その他のメンバーはピアノ・トリオ+トロンボーンという編成。僕の勉強不足で他のミュージシャンは聞いたことがない名前ばかりながら、値段がリーズナブルだったこともあって一聴して即購入しました。小気味良くスウィングしていくA-1のタイトル曲からして、もうヨーロピアン・ジャズ魂全開ないいアルバム。続くA-2のAnavlisも哀愁漂うゆったりめのボッサでかなり良い雰囲気です。そして白眉なのはB-1に収録されたVirtual Bossa。アフロキューバン・リズムを用いたミディアムなハードバップで、派手さはないながらも全体にかなり統制が取れた素晴らしい一曲に仕上がってます。最近リリースされて話題となり、当ブログでも紹介済みのIdea 6辺りが好きな人は確実にハマるでしょう。Gojkovic-Kovacevの人気曲Quo Vadis Samba辺りにも少し近い雰囲気。僕は特にTed Ciavarellaなる人が弾く官能的なピアノ・ソロに惹かれます。ただ年代的にアナログはそれほど切られてないと思うので、値段のわりに意外と探そうと思うと見つからないかもしれないです。
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Soul Mate / Good Bread Alley

2006-01-22 | Free Soul
ずいぶん久しぶりとなる7インチの紹介はPrivate Stockという恐らくUKのマイナーレーベルに残された一枚。僕が持っているのはジャケなしのプロモ盤なので細かい情報は分からないのですが、クレジットを見る限りどうやら77年にリリースされたものらしいです。元々はJon Lucienの曲みたいですね。We Love Free Soulにて小林径さんがフェイバリットとして挙げていた若干エレクトロがかったジャズ・ファンク~フュージョン。たしかRoutine Jazzのテープにも収録されていたはずです。時代柄からかプレ・ニューウェーブ的な雰囲気もちらほら見え隠れ。♪ベンベンベンビ~というコミカルなスキャットで始まるオープニングから徐々にコズミックな展開を見せていくアレンジが絶妙で、聴くたびにハマってしまう面白い1曲と言えるでしょう。リズム・パターンが4つ打ちでハウスのテンポに近いので、その辺りとの相性がいいのかもしれません。ちなみに裏面では何故かミニー・リパートンのLovin' Youをインスト&微妙なコーラスでカヴァー。こっちは正直分からないのですが、少なくとも疾走感と開放感に満ちたA面はなかなかの出来です。テンションを上げたい時に聴くといい感じ。ジャケなし7インチというフォーマットなので国内市場に出回ることも少なく、なかなか見つけるのは難しいかもしれませんが、少なくとも本国ではそれほどレアというわけでもなく、おまけに値段も全然高くないので、こういうのに高いお金を払わないようご注意を。
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In The Light Of Day / Rigmor Gustafsson Quintet

2006-01-20 | Contemporary Jazz
一般の人にはほとんど知られていないながら、コンテンポラリー・ジャズのシーンではかなり知名度があるスウェーデンの女性ヴォーカリストRigmor Gustafssonによる97年の1st。当然ながらアナログはリリースされていないので、僕が持っているのはCDです。なんと言うか北欧らしい透明感に満ちた一枚。最近の傾向と言うことでボトムが強めではありますが、それ以外では同郷のIrene Sjogren Quintetなんかにも近い雰囲気が漂う北欧ジャズですね。どことなく優良再発レーベルCelesteのラインにも共通点が見出せるので、その辺りが好きな人ならばきっと気に入ると思います。アルバムではテンポが速いものから遅いものまでバラエティに富んでいますが、その中で白眉としたいのはM-1のRain Just Rain。メンバーのピアニストであるTino Deradoのオリジナルながら、若干フュージョンがかったアップテンポのサンバ・ジャズでかなり良い感じです。北欧産と言うことでアップテンポと言えど決してバカみたいに明るいわけではなく、ほのかに陰影を孕んでいるところもポイントですかね。特に中盤以降のピアノ・ソロが気持ちよく歌っていて気に入ってます。西ロンドンの影響なども感じさせるM-6のEl Doradoも秀逸。高速6/8拍子に呪術的で神秘的なスキャットがひたすら乗るスピリチュアルなナンバーです。ちなみに廃盤ではないのですが、若干古めの輸入盤になるので店頭で手に入れるのはなかなか難しいかも。
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The Sweetest Sound / Elsie Bianchi Trio

2006-01-20 | Hard Bop & Modal
スイスの女流ピアニスト兼シンガーElsie Bianchiが65年に独Sabaレーベルに残したこの盤は、本格的なジャズ愛好家のみならず多くのDJからも人気が高い一枚。最近になってSonoramaレーベルから未発表音源集がリリースされたようですが、やはりこちらの盤には敵わないというのが正直なところでしょう。ヴォーカル入りの曲とインストゥルメンタルがほぼ半々に収められたこのアルバム、人気が出るのも頷けるハイクォリティな一枚に仕上がっていますね。ゆるやかにスウィングしていくA-1のTeach MeTonightがスピーカーから流れた瞬間に、周囲の空気がグッと大人な雰囲気に変わります。高級レストランでディナーを食べている時に流れるBGMのよう。都会的で洗練されたヨーロピアン・ジャズ・ヴォーカルが堪能できます。そして何と言っても注目なのはA-3のLittle Bird。小鳥のジャケットが印象的なPete Jollyのカヴァーなのですが、これがミディアム・テンポのモーダルなジャズ・ダンサーでかなり良い雰囲気です。硬質なピアノとリム・ショットは正に踊るためのジャズとしては完璧。ヨーロピアン・ジャズ好きが求める質感を目一杯盛り込んだ好例ですね。3分ちょいという尺もDJ的には文句なし。ちなみにCDは廃盤になっていたようですが、この2月にもう一度再発される模様。僕が持っているのは数年前にリリースされたという重量盤です。オリジナルは激レアな盤としても知られていますね。ヨーロピアン・ジャズ愛好家はマストです。
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Mad About The Boy / Cybill Shepherd

2006-01-17 | Contemporary Jazz
とてつもなく洗練されたジャケットが印象的な一枚。美人女優Cybill ShepherdがInner Cityというレーベルからリリースした本作は、Stan Getzを向かえ76年にレコーディングされたヴォーカル・アルバムです。とにかくこのジャケットの為にお金を払ってもいいと思えるくらいモノクロームのアート・ワークがお気に入り。広い家に住んでいたなら、どこかに飾っておきたいですね。ただ、内容の方も決して悪くなく、むしろこの手の女優モノにしてはかなりクォリティが高い一枚に仕上がっています。暖かく包み込むようなゲッツのテナー・サックスはやはり唯一無二だし、あどけなさの残る彼女の声もかなり好み。ジャズもボッサもスタンダードもやっているんだけれど、全体としてはとてもスマートにまとまっていて、そこがとても都会的で良い感じです。ブリザブラジレイラやサバービアでもリコメンドされているA-1のTristeは、数あるこの曲のカヴァーの中でもかなり上位に入る出来。Tania MariaのSamba De Orlyなどと並んで明け方を彩るメロウ・ジャズ・ボッサ屈指の一曲でしょう。華やいだスウィング・スタイルのB-3、Speak Lowも素晴らしい。これぞゲッツ節と言えるような甘いテナーが秀逸です。それほどレアなアルバムと言うわけではありませんが、いざ探してみると何気になかったりします。CDでも再発されているので、オシャレな音楽が聴きたいなと思う方は買ってみてください。特に女の子にはぜひオススメの一枚です。
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Jazz A Confronto / Kenny Clarke

2006-01-17 | Hard Bop & Modal
欧州最強ビッグバンドとして名高いClarke=Boland楽団のリーダーにして、アメリカ出身のジャズメンとしては最も古い時期にヨーロッパへ渡ったドラマーKenny Clarkeによる75年のリーダー作。ローマのHoroというレーベルから計35枚リリースされたJazz A Confrontoというシリーズの20番に当たるのが今作です。このシリーズはジャケットがどれも似通っていて(顔写真のはまだ良い方で、その他の顔なしジャケット数種類は文字以外全て一緒)、おまけにタイトルも一緒なためにコレクター泣かせなわけですが、その中でもDJ諸氏にとって圧倒的な人気を誇るのがこの盤でしょう。とにかくA-3のBig Bangという曲に尽きます。ボッサのリズムと4ビートを高速で自在に行き来するKenny Clarkeのドラムの上に二管クインテットが踊る素晴らしい一曲。クラブで盛り上がるハードバップのお手本のような構成を誇るキラーです。例のDouble Standard誌上においては「ソロが長いのが難点」とありましたが、全体の尺は5分半とこの手の楽曲にしてはそれほど長くないので、全然丸ごと使えるのではないでしょうか。今をときめくイタリアのピアニスト、Enrico Pieranunziが参加している所も興味深いですね。ちなみに、今回はわざわざ分かりやすいように顔ジャケを掲載しましたが、僕が実際に持っているのは顔なしジャケットの方。顔なしの方が2ndプレスになるのかな?よく分かりませんが、激オススメ盤であることに違いはないです。
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