At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Tony Bizarro / Same

2014-06-14 | Brasil
先日この翌年リリースされたアルバムを紹介したブラジルのシンガー・ソングライター、Tony Bizarro(トニー・ビザーロ)による1976年の33回転4曲入りコンパクト盤。アルバムの方はCBSからリリースされていますが、こちらは現地ブラジルの大手レーベル、RGEから発売されたようです。A-1のQue Se Faz Da VidaとB-1のComo Está Não Faz Sentidoは同テイクがアルバムにも収録されているため、本作の存在価値はなんと言ってもB-2のAgradeço Amor。Como Está~と同じ路線の高揚感に満ちたナンバーで、フリーソウル好きにウケが良さそうな気持ち良い一曲です。以前も書いたようにこの曲はテルサのコンピに収録されており、コンピ中でもドン・ベトの3曲に負けず劣らず抜群の存在感を示していたため、もしかしたら聞き覚えのある人もいるかもしれません。またもう一曲アルバム未収録のA-2、Não Vale A PenaはRobson Jorge絡み。ブレイクで始まり豪快なホーンが弾けるファンキーなナンバーとなっています。ホーンのアレンジがなんとなくTouch Of ClassのLove Means Everythingに似ているので、フリーソウルの中でもAOR路線でなくファンキー路線が好きな人はハマるかと。いずれにしろアルバム収録の2曲も含め全体的にフリーソウル度がかなり高く、歌詞がポルトガル語ということを除けば同年代のUSソウルにも決して負けない充実の完成度を誇っています。この手のサンバソウルもの全般に言えることですが、ボサノバやサンバなどのいわゆるブラジル音楽好きというより、むしろ90年代にフリーソウルを聴いてきたリスナーにこそお勧め。最近は静かなブームとなっており、日本にもそれなりに中古レコードが流れてきているため、興味のある人は探してみると面白いかもしれません
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Rio Sinal Verde / Junior

2014-05-05 | Brasil
ジュニオールのシングル盤をもう一枚。こちらは1981年にArteなるスモール・レーベルからリリースされた作品となります。ジャケット左肩にTema Musical Da Novela "Baila Comigo"と記載があるためA面のタイトル曲はミュージカル主題歌かと思われますが詳細は不明。もっともこのタイトル曲は翌年リリースされるアルバムに入っているものと同一なので、マニアとして気になるのはB面に収録されたRecadoの方です。こちらはアーバンメロウな三連ロック。ワルツのリズムで刻まれるビートとキーボードの伴奏が気持ちいいAOR風ナンバーで、ジャケットからイメージされる海辺の雰囲気とマッチした佳曲です。ちなみに両面とも彼の多くの楽曲と同じくGastão Lamounier(ガスタゥン・ラモウニエル)との共作でアレンジはリンコリン・オリヴェッチ。またクレジットには先日紹介したホブソン・ジョルジの名前も確認できます。あいにくブラジルのミュージシャンについては明るくないのですが、どうやらこのオリヴェッチやジョルジあたりを追いかけていけば良い音に出会えそうなので今後は少し気を配っていく予定。しばらく前までブラジル盤と言えば60年代のジャズサンバやカフェ系で使えそうなMPBあたりが主流でしたが、ここ数年はこの辺りのサンバソウルものも普通に見かけるようになったため、色々とチェックしてみるのも面白いかもしれませんね。なお、このジュニオール・メンデス氏、Discogsの情報によれば今年2月に亡くなったとのこと。昨年末に亡くなったドラマーの青山純さんといい、まだまだ若いと思っていた1980年代に活躍したミュージシャンの訃報を見ると否応なしに時の流れを感じさせられます。考えてみれば僕自身も若いつもりがいつの間にか30代に差し掛かったわけで、これからは健康にも気を付けて生活していかなければなどとしみじみ。何だか予期せず暗い話になってしまいましたが、作品自体の内容は良いので気になる方はチェックしてみてください。
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Junior / Same

2014-05-04 | Brasil
以前ここでも取り上げたCopacabana SadiaというLPがその筋で知られるブラジルのシンガー・ソングライター、Luiz Mendes Jr.(ルイズ・メンデス・ジュニオール)がJunior(ジュニオール)名義で1980年にリリースしたシングル盤。彼はこの前年にもノンジャケのシングル盤を1枚リリースしているため、おそらくこれは2ndシングルとなると思います。両面各1曲のみの収録ながら好内容で、おまけにいずれもアルバムには未収なため、もしかしたら探している方もいらっしゃるかもしれませんね。やや不穏なイントロで始まるA面のHaveráは夜感漂うアーバンメロウな三連ロックのスロウナンバー。しっとりした雰囲気のAOR風ロッカバラードながら、サビではストリングスやホーンが入ってしっかり盛り上がるため、わりと日本人好みの一曲かと思います。またB面のConte Comigoはグルーヴィーなミディアムテンポのライトファンク。2分半に満たない小品ながらアルバム収録のAgre Doceあたりに近い作風の好ナンバーで、適度にこみ上げるメロディー展開と歯切れ良いホーン隊による都会的なアレンジが癖になる一曲。フリーソウル好きならきっと気に入ることでしょう。ちなみにLPの方のジャケでは前髪が後退しているためオジさんっぽいルックスですが、こちらのジャケットではしっかり前髪もあり甘いマスクのイケメン風。このまま俳優としても売り出しても普通に通用しそうです。ジャケなしのシングル盤は何となく味気なく感じてしまって購入欲が涌きませんが、このくらいしっかりしたジャケットならシングルでも買ってもいいかなという気になります。ちなみにアルバムはRCAからリリースされていますが、本作のリリース元はCBS。もしもアルバムがそのうちCD化されたとしても、残念ながらボーナストラックとしての収録は期待出来そうにありません。気になる人は素直にオリジナル盤を探しましょう。
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Robson Jorge / Same

2014-05-02 | Brasil
Lincoln Olivetti(リンコリン・オリヴェッチ)とのコンビで82年にSom Livreからリリースした作品で知られる、ブラジルのキーボーディスト兼シンガーソングライター、Robson JorgeによるCBSからリリースされた1976年のソロ名義コンパクト盤。一昔前なら英語読みでロブソン・ジョージと呼ばれていたと思いますが、ここ10年くらいでブラジル人の人名は現地風にポルトガル語読みするのが主流になったため、ここはおそらくホブソン・ジョルジと呼ぶのが正解なのでしょう。さてこのホブソン、翌1977年には同じくCBSからLPもリリースされていますが、本作はそのLPとは曲被りなしで4曲が収録されています。内容としては年代的なところもありブラジリアン・ソウル一歩手前と言ったところ。いわゆるブラコンだったりAOR的な80年代特有のギラついた雰囲気はなく、自然体でいわゆるフリーソウル的なナンバーをやっています。A-2のTudo BemとB-1のPenso Em Dizer Que Te Amoは表裏で当時シングルも切られたようですが、現代的な観点からすると聴きどころはむしろ本作オンリーの収録となるその他2曲。A-1のViver Depoisはイントロ一発で名曲と分かるタイプのミディアム・チューン。心地よいコーラスとこみ上げ系メロディーが耳に残るピースフルな一曲です。またB-2のProcure Amarはストリングスとホーンのアレンジがどことなくモータウン作品を思わせる、高揚感に満ちたポジティヴ・ソウル。どちらもおそらく多くの人がイメージするフリーソウルの音に非常に近いので、元クラバーのR35世代なら絶対に好きなはずです。ちなみにややポップ路線は強くなるもののLPの方もなかなかの名盤。しっとりバラードで歌われるAmei vocêやエヴァーグリーンな煌めきを漂わせるUm Dia Qualquerなど聴きどころ多めなので、気になる方はこちらのコンパクト盤と合わせてチェックしてみると面白いかもしれません。
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Nesse Inverno / Tony Bizarro

2014-05-01 | Brasil
サンバソウル好きリスナーの間では比較的よく知られる、シンガーソングライターTony Bizarro(トニー・ビザーロ)による1977年のソロ1作目。以前テルサのコンピに収録されていたAgradeço Amorというドン・ベト風フリーソウル曲が気に入ったので、アルバムの方を購入してみました。件の曲はこの前年RGEからリリースされた4曲入りコンパクト盤収録で残念ながら本作には未収。しかしながら、こちらでも同時期のUSソウルを彷彿とさせる粋な楽曲アレンジは健在で、その手のファンなら好きそうな曲が多数収録されています。全体的にAORというよりもう少しストレートにスティービーの影響を受けているようで、まるで70年代三部作のような曲もちらほら。もろニューソウルと言った雰囲気で聴かせる壮大なA-2のタイトル曲、それから跳ねるリズムとストリングス、そしてフルートがファンキーなB-3のNão Vejo A Horaあたりはレアグルーヴ好きなら自然と食指が伸びるはずです。個人的に好みなのはラストB-5に収録されたComo Está Não Faz Sentido。2分に満たない短い楽曲ながら、アルバム中で最もフリーソウル度が高く洗練されたアレンジとメロディーが気持ちいい一曲です。全体的にストリングス主体な楽曲ながら要所で入るエレピの音色がアクセントになっており、エレピ好きの僕としては満足度高め。ちなみにLPはそれなりの値段が付いていますが、10年くらい前にCharles Gavin(シャルレス・ガヴィン)の手によりリイシューCDが出ており、国によってはitunesにもアップされている模様。権利関係の問題からか残念ながら日本と米国のitunesにはありませんが、少なくともUKとカナダでダウンロード販売されていることは確認しました。いわゆるAORのみを聴くリスナーには向かない作品と思いますが、広い意味でのレアグルーヴが好きならきっと気に入るはず。特にスティービー・ワンダー好きは聴いてみると面白いかもしれません。
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A Noite Vai Chegar / Lady Zu

2014-04-30 | Brasil
かつてブラジルのドナ・サマーと呼ばれた伝説のディスコ・クイーン、Lady Zu(レイジー・ズー)ことZuleide Santos Silva(ズレイジ・サントス・シルヴァ)による1978年のデビュー作。この手のブラジリアン・ソウルに馴染みのある方にはお馴染みの一枚かと思います。以前ここでも紹介した自作コンピには翌1979年のアルバムからValeu A Penaという曲をセレクトしましたが、あちらの作品はその他の曲が比較的ファンク色が強いので、個人的にはよりフリーソウル度高めな本作の方が好み。冒頭A-1のNovidadesから高揚感溢れるミディアムテンポのポップソウルで、込み上げ系の歌メロと彼女の素晴らしい歌声に一瞬にして耳を奪われます。その他の曲でも弾けるアレンジが爽快なA-2のAmando Você、カナダのパッツィー・ギャランに通じるライトメロウな展開が気持ちいいA-4のNão Deu Em Nada、アップテンポかつ歌謡ディスコ調なB-1のCom Sabor、ミック・ジャクソンのWeekendっぽいイントロで始まるB-2のDê-Me Mais Carinhoと、とにかく名曲揃いで非常に充実した作品。シスター・スレッジやアルトン・マクレインあたりの、いわゆるフリーソウル的ディスコ作品が好きな方なら虜になること間違いなしでしょう。極めつけはA-6のタイトル曲。冒頭のラララコーラスと込み上げまくるサビの展開に胸が熱くなる至福のナンバーです。フリーソウル全盛期の表現で言うところの「泣きながら踊る」系。当時クラブに通っていた人なら自然と胸にグッとくるものがあるはずです。なおアナログはミドルクラスのレア盤と言ったところ。この手のサンバソウル作品の中では比較的手に入れやすい部類です。ちなみに現在ではitunesでも購入出来るため、手っ取り早く音源だけ聴きたいという方はこちらでの購入がお勧め。非英語圏のフリーソウルとしてはかなりレベルが高い部類の一枚なので、気になる方はチェックしてみると良いかもしれません。
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Sandra Sa / Same

2013-10-19 | Brasil
ブラジリアン・ソウル・ディーヴァの一人、サンドラ・サーによる一枚。この人のアルバムにはタイトルがついていない(俗に言うSame Title)ものが多く、文字情報だけではなかなか伝わりにくいのですが、こちらは1982年にRGEからリリースされた2ndアルバムになります。この後サンドラ・ヂ・サーと若干名義を変えて現在に至るまで活動を続けている彼女ですが、やはり代表作と言えば本作とこの翌年に同じくRGEからリリースされたVale Tudo(バーリトゥード=何でもあり)。どちらもおそらく未CD化ながら、同時代のUSものにも引けを取らぬディスコ~AOR作品として、界隈では人気の高い一枚です。全編にわたりナイトクラブ感の漂う良い雰囲気ですが、中でも聴きどころはディスコ調のホーン隊が瑞々しく弾けるミディアム・アップなA-2のMúsica MaravilhaとB-3のNegra Flor、それからライトメロウな展開に胸が締め付けられるB-2のConte Comingo。当然のことながら歌詞は全てポルトガル語ですが、USものに混ぜてかけると良いアクセントになる非英語圏ディスコ~フリーソウルの名曲です。DJプレイ的にも同じく非英語圏の作品であるカナダのパッツィー・ギャランやダイアン・テル辺りと同じような使い勝手が可能かと。また家聴き用としてはラストに収録されたB-5のSe Grile Nãoがしっとりしたミディアム~スロウが良い雰囲気。このあたりの音楽が好きな人であれば、アーバンかつソウルフルなサンドラの歌唱に惹かれること間違いなしでしょう。ちなみに先ほども書いたように未CD化ではありますが、大手レーベルからのリリースと言うこともありレア度は低めのいわゆるミドルクラス盤。少し本腰を入れて探せばすぐに手に入れることが思います。裏ジャケ含めジャケットの雰囲気もかなり良い感じなので、是非LPで所有していたい一枚。ブラジリアン・ソウル好きはもちろん、それ以外の方も是非聴いてみてください。
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Paris Pas Rio / Evinha

2013-10-12 | Brasil
現在は三人姉妹コーラスグループとして活動しているトリオ・エスペランサの主要メンバー、エヴァ・コレアがポール・モーリア楽団への参加を経て、結婚~渡仏を果たした後の1980年にリリースしたエヴィーニャ名義でのシングル盤。この人と言えば1974年にエヴァ名義でリリースされたアルバムに収録されたMoon Riverが、ゴールデン・ボーイズのHipnose辺りと並ぶブラジル産フリーソウルのクラシックとして知られており、レア・グルーヴ界隈でも古くからそれなりに有名な人ですが、今聴くのであれば断然この作品がお勧めです。フランス語で歌われるA-sideのParis Pas Rioもさることながら、なんと言ってもB-sideに収録されたÉ Difícil Dizerが絶品ブラジリアン・メロウグルーヴ。エレピがたゆたう都会的で暖かいオケと、エヴィーニャの柔らかな歌声&癒し系美メロの邂逅により奇跡の一曲に仕上がっています。1980年前後の限られた時期にのみしか存在しない独特の「柔らかくも都会的でライトメロウ」という質感を理想的に体現しつつ、それでいて技巧に走ることなく適度に歌謡的。正にブラジル版シティポップスと呼ぶに相応しい至福の一曲で、個人的には趣味ど真ん中です。同じような趣味志向を持つ方には分かると思いますが、これ以上古いと野暮ったく、これ以上新しいと逆にクリスタル過ぎるので実はこのギリギリの空気感を持つ曲は貴重なんですよね。いわゆる現代的な価値観でのAOR~ライトメロウな楽曲が好きな方ならば、まず間違いなくツボに入ることでしょう。おそらくアルバムには未収でシングルのみのナンバーですが、数年前にリリースされたTercaの青盤にコンパイルされているので、興味のある方はまずはそちらで聴いてみるのが良いかもしれません。ちなみにシングルはブラジルの大手レーベルRGEからのリリース。それほど極端にレアというわけでもないし、しっかりとピクチャースリーブ仕様になっているので、シングル盤とは言えノンジャケットのいわゆるドーナツ盤に比べれば比較的探しやすいはず。普段このブログを見ていただいているような方には絶対にお勧めの一枚なので、是非聴いてみてください。
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Claudia Telles / Same

2013-09-22 | Brasil
サンバカンソン~ボサノバの歌姫シルビア・テレスの愛娘にして、現在でも現役として活動している女性シンガー、クラウディアによる1979年作。ジャケットの写真はなんだか少し怖い気がするものの、実際にはなかなかの美人さんです。広い意味ではMPBと言うべき作品なのでしょうが、この時期らしく全体的にシンセが多用されていることもあり、ブラジル版シティポップスの一枚として捉えるのが今の気分。カナディアン・フレンチAORで一世を風靡したダイアン・テルの80年代作品あたりに近い雰囲気を持つ名盤と言えるでしょう。どこか切なくも優しいメロウバラードなA-2のUm Amor Tão LindoやA-5のTristezas De Ontemを中心に柔らかい音作りのナンバーが並びます。特に素晴らしいのはA-6のTão SoとB-2のFoi Como Um Sonho。どちらもアメリカナイズされたフロア向けのミディアム・ナンバーで、その高揚感と綺麗なメロディラインからブラジル版フリーソウルと言い切ってしまって遜色ない名曲です。30代以上のサバービアOBならノスタルジックな気分に浸れること請け合い。シンセの音を中心にしながら要所で控えめなホーンが入る、この年代ならではの柔らかくアナログな音作りが好きな人には堪らないナンバーかと思います。主役を務めるクラウディア自身の声質もフリーソウル向きの可愛らしいものなので、その点でも個人的には高得点。この手の声の女性シンガーは探すとなかなかいないものです。あいにく残念ながらCD化はされていないようですが、アナログではそこまでレアと言うこともないと思いますので、気になる人は是非チェックしてみてください。テルサの青盤コンピを聴いてピンと来た方なら、まず間違いなくツボにハマるであろう一枚。いわゆる定番曲を聴き尽くした上で、非英語圏のフリーソウルが聴きたいという方にもぴったりだと思います。
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Enquanto Houver Amor / Cornelius

2013-09-21 | Brasil
しばらくJ-AOR系の紹介が続いたので少し趣向を変えてブラジルものを。Made In Brazilなるロックグループのヴォーカリストでその後ソロで活動した美形白人シンガー、コーネリアスが1979年にリリースしたシングルです。この人は76年にSanta Feというアルバムも出しており時々店頭でも見かけますが、AOR的にオイシイのはやはりアルバム未収のこのシングル盤。片面1曲ずつしか収録されていない33回転の7インチ盤ですが、A面のタイトル曲、そしてB面のDeixaともにこの年代らしいブラジリアンAORの佳曲となっており、人気が高いのも頷けます。この辺りのブラジリアンソウル~AORを聴くにあたっては、良くも悪くも(いわゆるボサノバやMPBのような)ブラジルらしさがどれだけ残っているかが一つの尺度となりますが、この盤の場合両面とも歌詞がポルトガル語であるということ以外ブラジル色は非常に希薄。人気のドン・ベトらと同様、完璧にアメリカナイズされたサウンドになっているため、ブラジル産独特の音作りに抵抗のある正統派のAORファンやモダンソウル愛好家でも難なく受け入れることが出来るかと思います。フロアで人気が高いアッパーなこみ上げ系メロウナンバーのDeixaももちろん良いですが、個人的に押したいのはA面のタイトル曲。若干ディスコのテイストが入ったライトメロウな良曲で、フリーソウルやシティポップス系の音が好きな人ならば気に入ること請け合いでしょう。黒人音楽と白人音楽の中間を上手く縫うようなこの手のサウンドは大好物なので、聴いていると自然にテンションが上がります。ノンジャケットのシングル盤なので正直あまり購買欲が湧きづらい一枚ではありますが、買って損のない一枚であることは間違いないので、興味のある人は探してみてください。それほど極端にレアな盤というわけでもないので、見た目よりは手に入りやすい一枚かと思います。
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