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サヒブ・シハブとの共演盤が有名なRadio Jazz Groupによる一枚。このRadio Jazz Groupはエリック・モーセホルムとベント・アクセンを中心に61年に結成されたグループで、メンバーにはアラン・ボッチンスキー、ベント・ヤーディグ、ニルス・ハスム、ニルス・ペデルセンなどなどJazz Quintet 60周りの人脈がズラリ。当時のデンマークを代表するミュージシャンが一同に介したオールスター的グループです。これはそんな彼らの65年作。あのシハブのOktav盤から1~2ヶ月後に録音された作品となります。ただ、内容の方はOktav盤とは少し趣が異なり、彼らにしてはかなりフリー寄りの演奏になっているため、あの迫力のビッグバンド・サウンドを期待してる人は要注意。LPはA面がモーセホルム作による長尺曲Hanne、B面が黒人サックス奏者レイ・ピッツ作による組曲Voyage Of The Star-Birdで構成されています(A面には他に3曲収録されていますが、いずれも短尺でインタールード的)が、どちらもわりと前衛的な曲です。もっとも演奏してる面子が面子なので、いわゆる「デンマーク・ジャズらしさ」が全くないわけでもなく、たとえば三部構成のHanneにおける第二部辺りはOktav盤(特に一曲目のDi-da)にわりと近い雰囲気。パレ・ミッケルボルグとヤーディグによるソロも悪くないと思います。ただ、個人的にこの作品一番の聴き所だと思うのは組曲Voyage Of The Star-Birdの二曲目、Earthlight。テーマ部でトロルフ・モルガードが吹くユーフォニウムと、ボッチンスキーのソロが非常に耳辺り良く、聴いているとタイトル通り何とも言えぬ優しい気持ちになります。ちなみにこの組曲の四曲目Venusian Blueはこの後、作曲者のレイ・ピッツ自身も参加したロストヴォルド(本作には不参加)の66年作にて再演済み。以前ニコラ・コンテが、このロストヴォルドらによる演奏の方をチャートに挙げていました。もっとも僕としては、いずれの演奏もそれほど好みのタイプではありませんが…。ともあれレア度だけで言えばそれなりに高めの一枚。それほど血眼になって探す必要のある作品とは思いませんが、どこかで見つけたら聴いてみてください。なお、スウェーデンにもRadiojazzgruppenなるグループが存在しますが、あちらはヤン・ヨハンソンらが中心になって結成されたもので、このRadio Jazz Groupとは無関係です。お間違えのないように。
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