しばらく前に一部マニアの間で話題になったオーストラリア産AOR。日本での知名度は局地的ながら、インターネット上にはオフィシャルのホームページがあり、2007年にはライブ盤のリリースも行っているようなので、もしかしたら現地では今でもそれなりに活動しているバンドなのかもしれません。まぁ実際のところは良く分かりませんが。ただ、そんな詳細不明なバンドの作品ながら、本作については全体的にバラエティに富みながらも耳馴染みの良い曲が並んでおり、非常に完成度の高い一枚。なんというか70年代後半から80年代前半にかけての洋楽サウンド全開です。ソウルとかロックとかそういうことではなく単純に洋楽のポップス。往年のベストヒットUSAから流れてきそうな日本人好みのポップサウンドが満載で、聴いていると自然と楽しい気分になれます。当時もしも国内盤が発売されていたのなら、今ごろはきっとスタイラス以上にオージーAORの基本盤とされていたはず。中古レコード屋ではよくB-3のDance And Singがフックアップされていますが、個人的なお勧めはA-1のMoonlight Marvel。軽快な8ビートとエレキギターが気持いいミディアム・ナンバーで、夕暮れ時の海岸をドライブしているときに聴きたくなるような素敵な曲です。続くA-2のUnder The Night SkyはJP8シンセの音色が印象的なライトメロウ系バラード。どことなくコンテンポラリー・ハワイアンにも通じるアイランド・フレーバーが魅力です。このバンドには曲に寄って異なる3人のメインヴォーカルがいるようですが、このA-2や人気曲のB-3を歌っているトニー・ジェフリーは、どこかマッキー・フェアリーを思わせる甘い声なので、そちら方面から人気が出るのも納得。また、A-1と同じくロブ・ローゼンルンドが歌うB-2のWaitin' For A Slow Songはミディアムスロウのサンセット・メロウ・フローターで、これもまた非常に日本人受けが良さそうです。とにかくここに挙げた曲以外にも総じて洋楽ポップスとしてのクォリティが高い一枚。最近は一時期に比べ価格も落ち着いてきていると思うので、興味があれば探してみてください。ちなみにホームページによると2in1でCD化もされている模様。ツアー限定で少量しかプレスされてないようなので入手は厳しいと思いますが、CD派の人は探してみても良いかもしれません。
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