At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Dear Breeze Extra / Various Artists

2015-12-29 | Compilation
どうも。早いもので今年もまた一年が終わろうとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。去年の暮れには特別企画として、僕が好きな70's~80'sコンテンポラリー・ハワイアンをランキング形式でお届けしましたが、今年はその姉妹(?)企画。これまで2回製作した架空ラジオ番組風コンピレーションの特別版として、ハワイもの縛りのコンピを作ってみました。実は構想自体は結構前からあったのですが、巷ではMuroさんがHawaiian Breaks 2を発表したり、Aloha Got Soulで知られるRoger Bongs氏が英Strut Recordsでコンピを製作したりと、何やらハワイものが再び静かなブームとなっている感があるので、発表するならこのタイミングかなと。あまり温めてブームに乗り遅れるのも嫌なので。。。前置き長くなりましたが、以下いつものようにトラックリスト。

1. Emotions / Marlene Sai
2. Seasons / Kalapana
3. Could It Be Love / Phase 7
4. Love 'em / Kalapana
5. All I've Got To Give / Lemuria*
6. You Win, I Lose / Hal Bradbury
7. Coffee In My Tea / Nalu
8. Firefly / Summer
9. My Magical Paradise / Audrey Meyers*
10. It's Okay / Mackey Feary Band
11. Back Again, Back In Love / Pauline Wilson
12. Island Boy / Nohelani Cypriano
13. Shout / David John
14. Destiny / Loyal Garner*
15. Old Enough / Cecilio
16. Together / Brandon Bray*
17. Circle / Lance Aquino
18. Kona Day / Summer
19. Call On Me / Jonah
20. Summer Symphony / Society Of Seven
21. Living Without You / Kalapana

*:未CD化

収録曲は去年ランキングに挙げたものを中心に、他の人が作ったコンピや自分の過去作と出来るだけ被らないよう、AORやソウルのテイストが強い曲を集めています。カラパナが3曲、サマーが2曲入っていますが、元々極端に少ないタマ数の中から選曲しているのでご容赦を。今回から製作にノイズ除去ソフトを導入したので、未CD化のものを盤起こしで何曲か入れています。このくらいの音質なら許容範囲かと。いつものようにMixcloudへのリンクを貼っておくので、ぜひ聴いてみてください。それでは皆様、良いお年を。

Dear Breeze Extra
コメント (2)
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Hold My Heart / The Krush

2015-12-20 | Hawaii
以前にも何作か紹介しているハワイのアイドル・グループによる1992年の作品。81年にリリースされ、ローカルヒットしたFabulous Krush名義の作品から数え通算5枚目にあたるアルバムです。時代がらカセットとCDでしか製作されなかったため、あまり中古盤屋で見かけることが少ないですが、内容的にはこれまでの4作の正当進化と言った雰囲気でなかなかに良い感じ。M-1のKuuleiは前にここでも紹介した船上パフォーマンス集団、Aikane Catamarans(アイカネ・カタマランズ)も取り上げていたトラディショナル・ナンバー。アイカネによる演奏は思い切りメロウ・グルーヴですが、こちらのクラッシュ版もコーラスが綺麗なソフトロックと言った雰囲気で素敵です。そして続くM-2のGalaxy Of Loveは前半のハイライト。マッキー・フェアリーあたりが得意としていた、ボサノバ・ミーツ・AORなアレンジが気持ちいいライトメロウな佳曲です。90年代コンテンポラリー・ハワイアンが好きならば多分気に入るはず。またM-7のタイトル曲は後のランス・ジョーあたりに通じるアイランド・メロウ系バラード。90年代初頭AORのエッセンスを散りばめたゴージャスで都会的なアレンジが秀逸です。そしてM-10のLight Up The Worldは、アルバム中唯一となるミディアム・アップ・チューン。元々ディスコ・ブギー系の楽曲も歌いこなしていた彼らなので、こうした快活なナンバーもお手の物です。さすがに80年代当時とは作風が少し違いますが、ライトメロウ的にはこちらの方がむしろベター。なお、その他の収録曲にはジャワイアンやトラディショナル風なんかもあったりしますが、全体的によく洗練された作品なので、決して購入して損する作品ではないかと。ちなみに発売元はやっぱり、お馴染みBluewater Recordsから。エグゼクティヴ・プロデューサーは当然Tom Moffatt(トム・モファット)です。90年代コンテンポラリー・ハワイアンの入門編としてもお勧めの一枚。
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Bizarre Ride II the Pharcyde / The Pharcyde

2015-12-19 | Golden Age Hip Hop
少しくどいですが、いわゆるゴールデン・エイジ・ヒップホップをもう一枚だけ。今回紹介するのはLA生まれの西海岸ニュースクール。日本でも人気が高いThe Pharcyde(ファーサイド)による1992年の1stアルバムです。初期De La SoulやA.T.C.Q.らNative Tongue(ネイティブ・タン)勢による本家ニュースクール・サウンドは正直何度聴いてもあまり好きになれないのですが、このアルバムは初めて聴いたときから今も変わらず大好物。フィーリング的なものなので言葉で説明するのがなかなか難しいのですが、なんというか初期De La Soulがちょっとチャラけすぎ、逆にA.T.C.Q.はサウンド的に少し玄人向けすぎな気がするのに対し、こちらのファーサイドは4MCによるポップなラップと音楽的にもレベルが高いハイクォリティなトラックのバランスが絶妙で、聴いていて耳馴染みが凄く良いんですよね。いわゆるヒップホップ畑の人以外でも、この作品は好きと言う方は多いはず。収録曲ではなんと言ってもM-7のSoul Flower (Remix) が抜群の完成度。先日ここでも紹介したメイン・ソースのFakin' The Funk、それからNaughty By Nature(ノーティー・バイ・ネーチャー)のHip Hop Hooray (Pete Rock Remix)、さらに同じ西海岸出身のSouls Of Mischief(ソウルズ・オブ・ミスチーフ)の93 'Til Infinityあたりと並び、アップテンポでメロディアスなパーティー系ラップの定番曲です。個人的にはSlimkid Tre(スリムキッド・トレ)がヘタウマなハモりを交えて聴かせる3バース目が特に好み。正にアゲアゲと言った感じですね。ちなみにその他の収録曲では続くM-8のOn The DLとラストを飾るM-16のReturn Of The B-Boyが好きです。M-8のPassin' Me ByとM-9のOtha Fishに関しては、共に魚のジャケットの12インチに収められていたリミックス・ヴァージョンの方が好み。最近リリースされている再発ではこれらの12インチ・リミックスも併せて収録されているようなので、気になる人は是非。ちなみに5回連続で続いたヒップホップの紹介はこれにてひとまずお休み。興味のない人も長々とお付き合い頂きありがとうございました。
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Resurrection / Common Sense

2015-12-12 | Golden Age Hip Hop
現在はコモンとして知られるシカゴ出身のラッパー、Common Sense(コモン・センス)による1994年の2ndアルバム。これもまた90'sヒップホップを語る上では避けて通ることが出来ない作品ですね。冒頭M-1のタイトル曲と、続くM-2のI Used To Love H.E.R.が二大クラシックとして知られていますが、実はそれ以外の曲もかなりレベルが高く、個人的には先日紹介したPete Rock & C.L.Smoothの3rdと並び、コアなファンでなくてもアルバム全編通して聴ける数少ないストリート系ヒップホップのアルバムだと思っています。全体的にレイドバックした曲が並んでいるのも両方の作品に共通した特徴ですね。ちなみに上記2曲以外で特に好きなのはM-5のIn My Own World (Check The Method)とのM-10のThisisme、それからM-12のChapter 13 (Rich Man Vs. Poor Man)あたり。特にYnotをフィーチャーしたM-12は正に古き良き時代の90'sヒップホップと言った趣で個人的にヘビロテ曲です。いずれの曲にも言えることですが、綺麗でありながらもどこかザラっとしたサンプリングによる上モノとタフなビートによる音作りが耳に心地よく、今聴いても古臭さを決して感じません。僕自身USモノのヒップホップを本格的に聴き始めたきっかけが2003年にリリースされたGrooveman Spotのミックステープだったこともあり、この辺りの音はやっぱり未だにど真ん中です。なお本作リリース後に同名のバンドから訴えられ、彼は改名を余儀なくされることになるのですが、その後の作品はオーガニック志向が高くなる変わりにストリート色が薄くなっていくため、個人的にはそれほど好きでもない感じ。デビュー作である91年のCan I Borrow A Dollar?も含め、やはり改名前の作品の方がずっと愛着があります。
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Illmatic / Nas

2015-12-06 | Golden Age Hip Hop
ゴールデン・エイジ・ヒップホップを取り上げるにあたり、どうしても避けて通ることが出来ないのが本作。天才Nas(ナズ)による1994年のデビュー作です。90'sヒップホップとしては基本中の基本となる作品であり、既に至るところで語りつくされている一枚ですが、作品トータルとしての完成度はやはり段違い。全10曲で約40分とLP時代を思わせる短い作品ながら、プリモの愛称で知られるDJ Premierをはじめ、ピート・ロックにラージ教授、それからATCQのQ-Tipなど当時の東側陣営の錚々たる面々が作る傑作トラック群は、今聴いても決して色褪せることがありません。個人的にはL.E.S.ことLeshan David Lewis(ルシャン・デイヴィッド・ルイス)が手がけ、盟友AZ(エーズィー)を迎えたM-2のLife's A Bitchと、マイケル・ジャクソンのHuman Natureを効果的に使った教授作によるM-10のIt Ain’t Hard To Tellが好みですが、その他にもストリート色濃い名曲群がズラリ。特にピート・ロックによるM-4のThe World Is Yoursやプリモが手がけるM-6のMemory Lane (Sittin' in da Park)、Q-Tipが製作したM-7のOne Loveあたりはクラシックとして名高いです。One Loveに関してはThe LG Experienceによる、よりドープでソウルフルなLG Main Mixや、God Father Donが手がけSadat Xを迎えたOne L Main Mixなどのリミックスも有名ですね。最近出ている20周年記念のリイシュー盤ではこのあたりのリミックス作品もボーナス・トラックとして収録されているため、今までヒップホップに触れておらず、これから初めて聴くというような人にはこちらの20周年記念盤がお勧めです。冒頭でも触れましたが、紛うことなく90'sヒップホップを代表する一枚。僕らよりも上の世代では、当時この辺りの音楽を否定していたような人も多いと思いますが、今こうして改めて聴いてみると何か新しい発見があるかもしれませんよ。偏見は捨てて是非一度聴いてみてください。
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Breaking Atoms / Main Source

2015-12-05 | Golden Age Hip Hop
ここ日本でも「教授」の愛称で知られるプロデューサー兼ラッパー、Large Professor(ラージ・プロフェッサー)が、カナダ出身の兄弟DJであるSir Scratch(サー・スクラッチ)、K-Cut(K・カット)らと結成した1MC+2DJのユニット、Main Sourceによる1991年の1stアルバム。これも僕らと同世代でヒップホップに興味のある方なら知らなきゃモグリな、ゴールデン・エイジ・ヒップホップを代表する一枚ですね。一口にヒップホップと言っても年代や場所によって様々なスタイルの作品がありますが、個人的に最もしっくりくるのがこの作品。程よくポップでありながらストリート感に満ちた極上のサンプリング・サウンドは唯一無二でしょう。特に気持ちよく跳ねたドラムにファンキーな上モノが重なるM-3のLooking At The Front DoorやM-4のLarge Professor、それからM-7のPeace Is Not The Word To Playあたりは彼らの真骨頂。いずれも聴いていると自然とカラダが動き出すキラー・チューンです。また、M-10のLive at the Barbequeは当時弱冠16歳であったNasの初お披露目曲として知られるナンバー。ドラムとビートのみのシンプルなトラックに乗るナズ、Joe Fatal(ジョー・フェータル)、Akinyele(アキネリ)、教授のマイクリレーが心地よいポッセカットに仕上がっており、往年のB-Boyなら胸が熱くなることでしょう。ちなみに2006年の国内リイシュー盤ではオリジナルの12曲のほか、未発表曲を含めた6曲が追加収録。これらのボーナス・トラックの中では何といってもサントラ「White Men Can't Rap」に収録されていた彼らの代表曲Fakin' The Funkが圧巻です。元B-Boy諸兄なら知らない人はまずいないと思いますが、これまでヒップホップに抵抗感があった人にも是非一度耳を傾けてもらいたい一枚。90年代初頭の空気感満載な最高の作品です。
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