At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Los Stellarians / Same

2016-08-01 | AOR~BES
既に色々なところで紹介されているので今さらではあるのですが、やはり内容が抜群に良いので紹介。ロック・バンド311のメンバーSA Martinez(SAマルチネス)と、オルタナ・ダンス・ユニットExes Of EvilのメンバーRyan Siegel(ライアン・シーゲル)によるユニット、Los Stellarians(ロス・ステラリアンズ)によるアルバムです。あいにくCDの形でリリースされているのは、オリジナル・アルバムではなく、2014年に配信とLPでリリースした1st『Cholo Soul』と、昨年2015年に配信のみでリリースした2nd『The Mas Chingon』からP-vineがセレクトした編集盤。ただし、1stアルバムからは8曲中6曲、2ndアルバムからは8曲中5曲とそれぞれ7割近くの曲が選ばれており、しかも日本人受け良さそうな楽曲についてはきっちりと抑えてあるので、マニアの方以外は正直これで充分かと思います。内容については既に色々な人がレビューしているので僕が詳しく書くまでもないのですが、いわゆる生音中心のポップなヴィンテージ・ソウル。あまり指摘している人はいないようですが、ロック畑の人がソウルっぽい音を演っているという意味で、個人的には初期のMaroon 5に近い印象を受けました。演奏がソウルフルなのに歌唱法がロックという点にも近似性を感じます。収録曲はカバー中心ながらいずれも良い出来となっていますが、中でもとりわけ素晴らしいのはM-3のHeaven Knows I'm Miserable Now。UKの80'sバンドであるスミスのカバーですが、オリジナルのスミス流ネオアコ・サウンドを見事なポップ・ソウルに昇華しており、フリーソウル世代直撃の会心の一曲に仕上げています。また、オリジナル曲ではグッとテンポを落としたM-4のJenny (Miss U Like Crazy)がベスト。アシッド・ジャズ全盛期のようなグルーヴィー・ミディアムなので、こちらも好きな人は多いはず。個人的にあまり新録モノには食指が伸びないのですが、これはふと気になって手にしてみたところ大当たり。セレクト・ショップなんかでもBGMに使われ始めているあたり、一部ではそれなりのスマッシュ・ヒットとなっているようです。割とどこでも売っている他、itunesでも普通に配信されているので、まだ聴いたことないと言う方は是非一度お試しあれ。
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Stay With Me / Bobby Caldwell

2015-06-29 | AOR~BES
前回に引き続きボビー・コールドウェルの7inchシングルを紹介。1989年にリリースされた彼の復帰作「Heart Of Mine」の販促用として、ポリドール・レーベルから少数のみ製作された一枚です。過去にも何度かこのブログ内で触れていますが、この1989年という年はクラブ系音楽ではない一般の作品が普通にアナログでもリリースされていた最後の年。アルバムは既にCDオンリーでの流通が当たり前となっており、一部のシングル盤のみが辛うじてレコードでもリリースされている状態でした。実は本作も正規盤ではCDのみの発売となっており、アナログはプロモ盤のみ。そうした稀少性もあり、一部マニアの間では比較的知られた一枚かと思います。A面のタイトル曲はシカゴのPeter Cetera(ピーター・セテラ)に提供し、映画「竹取物語」の主題歌となったバラード、B面のHeart Of MineはBoz Scaggs(ボズ・スキャッグス)の復帰作Other Roads用に書き下ろしたバラードで、どちらもシンガーではなくソングライターとして他者に提供した曲のセルフ・カバー。今の感覚からするとAORと言うよりはアダルト・コンテンポラリーと表現した方が適切かと思いますが、両曲共にパーラメントのCMで使用されたこともあり、夜の都会を彩る大人なナンバーの代表と言って差し支えないでしょう。この素晴らしい2曲をアナログで所持出来る喜びはなかなかのもの。アルバムと同デザインながら若干色味の異なるジャケットもまた素敵です。一応アルバムの方も放送局用に若干枚数のLPが製作されているのですが、あいにくそちらはノン・ジャケット盤なので、ファンならばこちらのシングル盤を所有すべきかと。その特性上あまりどこにでもある類の盤ではないですが、気になるマニアの方は探してみても良いかもしれません。
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Richard Stepp / Same

2015-06-06 | AOR~BES
以前ここでも紹介したHoliday In Hollywoodという作品が界隈では知られるカナディアン・シンガー・ソングライター、Richard Stepp(リチャード・ステップ)による1981年のアルバム。前作がタイトル通りハリウッドで製作されていたのに対し、こちらは地元カナダのアルバータ州エドモントンで吹き込まれており発売自体もカナダオンリー、おまけに例のCaught In A Whirlwindのようなキラーチューンが収録されているというわけでもないため、あまり話題になることが少ないように見受けられます。ただ、この人の場合はそもそも声質自体がAORファン受け良さそうな優男風スウィート・ボイス。たとえキラーチューンが収録されておらずとも、この歌声だけで普通にローカルSSW~AORの佳作盤として聴かせてしまうものがあります。そうした意味ではハワイのRob Mehlや、そのレーベルメイトであるGeorge Michael Nasifあたりに近い肌さわりと言っても良いかもしれません。収録曲中でAORファンが好みそうなのは冒頭A-1のImaginationとA-5のYou're The Only One For Me、そしてB-2のSummer Loveの3曲。いずれもリラックスした雰囲気の木陰系Pre-AOR風ナンバーで、マイナー~自主路線のイナためサウンドが許容できる方ならきっとハマるはずと思います。特にB-2のSummer Loveは、間奏のエレピ含め非常に耳あたりの良いサウンドに仕上がっており、個人的にもとてもお気に入り。海辺のカフェでラジカセからこんな曲が流れてきたら、きっとそれだけで何だか幸せな気分になれることでしょう。おそらくプレス枚数自体もそれほど多くないと思うので、いざ探すとなるとなかなか難しいかもしれませんが、この何の捻りもないジャケットが逆にインパクトあるため、しっかりジャケ写さえ覚えておけば、どこかで見つけた際のサルベージは比較的容易。わざわざ血眼で探す類の作品とは思えませんが、もしも出会うことがあれば試聴してみると良いかもしれません。
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It's Good To Be Alive / Michael Saxell

2015-05-23 | AOR~BES
コアなAORリスナーの間では比較的有名かと思われる一枚。スウェーデン生まれのシンガー・ソングライター、Michael Saxell(マイケル・サクセル)による1981年のアルバムです。巷ではよくスウェディッシュAORの名作と紹介されており、実際リリースもPolygram Records ABというスウェーデンのポリグラム系列会社からなのですが、録音そのものは彼が当時在住していたカナダのバンクーバーで行われており、歌詞も全英語詞なので正直スウェーデンらしさは皆無。内容自体は普通に80年代初頭の白人ローカルAOR~SSWです。一応メジャー・レーベルからの作品ではありますが、質感としては当時のインディペンデントな作品群に近いため、その手のマイナーAOR好きにとってはそれなりに楽しめる内容かと。おすすめはA面冒頭の4曲。中でもA-2のSeriouslyとA-3のLove Is A Shortcutはマニアックなファンならば一聴して心惹かれることでしょう。曲全体から滲み出た優しく柔らかい雰囲気はどことなくCCMにも通じるものがあり、どちらも中盤に挟まれるサックスのソロが絶品です。なんと言うかスティービー・ワンダーのYou Are The Sunshine Of My Lifeを白人風にした雰囲気というのが僕の第一印象。ダンサンブルな作風ではなく、ブラックミュージック色も薄いためクラブプレイには不向きだと思いますが、良く晴れた休日の午後に部屋聴きするには良い感じです。わざわざ血眼になって探すような作品だとは思いませんが、もしもどこかで見かけたら試聴してみると良いかもしれません。メジャーからのリリースなのでレア度は比較的低め。一昔前ならともかく、これだけグローバル化が進んだ昨今なら、おそらくそれほど苦労せずに手に入れることが可能かと思います。今のところ未CD化のようなので、気になる方はオリジナルLPを探してみてください。
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Golden West / Various Artists

2014-06-04 | AOR~BES
数年前から一部マニアの間で話題のカレッジものコンピレーション。カリフォルニアにあるゴールデン・ウェスト・カレッジが製作した一連のシリーズのうち、1978年にリリースされた記念すべき一作目です。以前からその存在は知っていたものの、そのレアリティーゆえ実物を手にするには至らなかったのですが、先日ふとしたきっかけで某海外サイトで販売されていることを発見。運よくオークションではなかったので、見つけた瞬間にカートへ入れることで無事、購入することが出来ました。さて本作、主役はもちろん学生たちですが、実際のところアルバム製作の中心となったのはおそらく、本学コマーシャル・ミュージック・プログラムの教職員であるDave Anthony(デイヴ・アンソニー)とGerry Schroeder(ゲリー・シュローダー)。ジャケット裏のライナーを読む限り、この二人はどうやら商用音楽というものをかなり真剣に分析/研究していたようで、その恩恵に預かる形で各収録曲はとてもカレッジもの(=素人の自主製作)とは思えぬハイクォリティなものとなっています。特にA面の出来が抜群に良く、収録曲5曲のいずれもが同時代のコンテンポラリー・ハワイアンに通じるローカルAOR~SSW系メロウ・フォークの名曲。サバービア以降のAORリスナーならば、まず間違いなく一発で虜になることでしょう。その中でもとりわけ素晴らしいのは冒頭A-1に収録されたElaine Balkman(エレイン・バルクマン)によるKeyboard Man。爽やかなフルートと軽快な16ビートが気持ちいいアップテンポなフィメール・フリーソウルで、さながら女性版ババドゥとでも言うべきキラー・チューンとなっています。他の曲ももちろん素晴らしいですが、個人的にはこの曲が決め手となり購入を決意しました。このタイトルとジャケットなので見つけるのはなかなかに困難かと思いますが、その甲斐は充分にある作品だと思いますので、マニアの方ならぜひ頑張って気長に探してみてください。
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Daisy / Kaper

2014-05-18 | AOR~BES
イリノイのスモール・レーベル、Le Bruよりリリースされたローカル系AOR~BES。英語風にケイパーと読めばいいのかヨーロッパ風にカペルと読めばいいのか分かりませんが、彼らはGreg Brucker(グレッグ・ブルッカー)とSteve Leonard(スティーヴ・レオナルド)なる二人のマルチプレーヤーからなるデュオで、おそらくこれが唯一の作品かと思われます。製作年はおそらく70年代後半~80年代前半。同じデュオ作品と言うことで以前ここでも紹介したフレンチカナディアンのMinuitあたりに近い質感となっているので、そのあたりのファンは楽しめるかと思います。特筆すべきは作詞・作曲・編曲・演奏・プロデュースという曲作りに関わるほとんど全ての作業をこの二人だけで行っていること。ギター2本の弾き語りというような類の作品ではなく打ち込んでいる感じでもないので、当然多重録音ということになるのでしょうが、完成された曲を聴くとそのような雰囲気は全く感じられず、普通にバンドサウンドなので初めてクレジットを見たときは驚かされました。もちろんローカル作品ならではのいなたさはあるものの、決してチープな質感ではなく充分に鑑賞に耐えうるもの。全体の雰囲気やヴォーカル・ワークもいい感じなので、もしもフリーソウルの頃に発見されていたら、それなりの人気盤になっていたかもしれません。現代的な価値観での注目曲はA-3のJuneとB-2のI'll Never Let You Go。前者は弾けるような瑞々しいライトメロウ系ミディアム、後者はコンテンポラリー・ハワイアンに通じるオーシャン・ブリーズなバラードとなっており、その手のファンならまず間違いなく琴線に触れることでしょう。そのままサバービアに乗っていても違和感ないジャケットもまた良い感じ。自主盤に近いと思うのでUS盤と言えど入手にはそれなりに手間取るかもしれませんが、気になる人は是非探してみてください。
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Robbie Dupree / Same

2014-05-14 | AOR~BES
ブルックリン生まれの白人シンガーソングライター、Robbie Dupree(ロビー・デュプリー)による1980年のヒット作。その筋では有名な黒白混合バンド「クラッキン」出身のRick Chudacoff(リック・チュダーコフ)とPeter Bunetta(ピーター・ブネッタ)によるプロデュース作として、リアルタイム派のAORファンには広く知られる一枚です。何でもA-1のSteel Awayが全米シングル・チャート6位となり、当時の日本でも大いにヘビープレイされたとのこと。あいにく世代が違うため当時の様子は知る由もありませんが、実際聴いてみるとこれが実はもの凄く今のリスナー向きの作品で、何年か前に初めて聴いたときは驚いたものです。この手のリアルタイムでヒットしたAOR作品というものは往々にして、今の感性で聴くと多かれ少なかれ古臭さを感じてしまうものですが、本作に関してはそうした杞憂は一切不要。ヴォーカル・演奏・アレンジどれをとっても今風で、フリーソウル~ライトメロウの流れで聴くにあたり全く違和感を感じさせません。収録曲はどれも現代的観点でのブルーアイドソウルとして理想的なものになっていますが、中でもとりわけ素晴らしいのがB-1のNobody Else。少しディスコがかったライトメロウなミディアムアップで、フリーソウルファン直撃の完璧なキラー・ナンバーです。たとえばフルムーンのI Need Your Loveやコーク・エスコヴェドのI Wouldn't Change A Thing、それから数年前に発掘され大いに話題となったエートレインのBaby Please辺りの洗練されたグルーヴィーな楽曲が好きな方ならまず間違いなくハマることでしょう。大ヒットの功罪によりLPは未だに町のレコ屋で二束三文で売られていますが、完成度は下手なレア高額盤より遥かに上。どこででも簡単に手に入る一枚なので、もしもまだ聴いたことないという方がいるならば今すぐの購入をお勧めします。
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Collective Hearts / Ron Victors

2014-04-19 | AOR~BES
前回に続きこちらもマイナーなカナダ盤。謎の男性シンガー、Ron Victors(ロン・ヴィクターズ)によるおそらく唯一の作品と思われる1983年のLPです。声質からするとなんとなく白人っぽい気がしますが実際のところは不明。裏ジャケットには一応いろいろクレジットが書かれているものの、ネットで検索をかけても引っかかってこないので手がかりがないため、詳細がまるで分からない正体不明の一枚です。ただ内容的にはLate 70'sスタイルの生音系AOR~BES。全体的に柔らかい質感でいわゆるフリーソウルっぽい曲をやっています。ラリー・リーのDon't Talk(ロンリー・フリーウェイ)あたりを思わせるポップなA-1のTouched By The Sunがまず名曲。続くA-2のGod Only Knowsはビーチボーイズのナンバーとは同名異曲ですが、どこか雄大な自然を思わせる暖かいスローナンバーで、こちらもなかなかに良い感じです。そして極め付けはA-4のIt's Been So Long。Sharon Leigh Fraserなる謎の女性シンガーとのデュエットで歌われるライトメロウなミディアムで、イントロ一発で名曲と分かるタイプのフリーソウル風ナンバーに仕上がっています。男女デュエットによる伸びやかな歌声にこみ上げ系メロディーライン、さらにはストリングスを効果的に使った軽快でシルキーなオケと、フリーソウル好きにウケる要素がこれでもかというくらい詰め込まれているので、おそらく当時リアルタイムでフリーソウルを聴いていたような人でこの曲が嫌いな人はいないはず。実はハートマークに惹かれてのジャケ買いだったのですが大正解でした。ちなみにリリースはトロントのNightflite Recordsなるインディー・レーベルから。どうやら結構なレア盤のようなので、いざ探すとなかなか出てこない類の作品だと思いますが、ジャケットが特徴的なのでおそらく一度しっかりと意識して覚えたら記憶に残るはず。どこかで出会ったら是非聴いてみてください。
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Lost And Found / Calico

2014-04-12 | AOR~BES
知っている人は知っているカナダはオンタリオ州ミシサガ産のマイナー盤。「カリコ」なる男女ツインヴォーカルによるAOR~BES隠れ名作です。Andy Parisien(アンディ・パリジャン)、Donna Lee(ドナ・リー)という主役二人の素性はよく分かりませんが、プロデュース&アレンジを務めるキーボーディストのJames E. Dale(ジェームス・エドウィン・デール)を筆頭に、サイドを固めるのはカナダでは良く知られるというビッグバンドRob Mcconnell & Boss Brass(ロブ・マコンネル&ボス・ブラス)のメンバーが中心。元々ジャズ畑のプレーヤーが演奏しているだけにそのレベルは高く、マイナー盤ながら味わいのある一枚になっています。LPにはデュオ曲、各ソロ曲の双方が収録されていますが、個人的には透明感がありながらよく伸びる女性ヴォーカル中心のナンバーがお気に入り。軽やかなフルートに導かれるA-2のWhat Am I Gonna Doや、静かなイントロから突如転調し中盤からライトファンク・ナンバーとなるB-3のSo Glad、さらに国産シティポップに通じるライトメロウなB-5のSay Goodbyeなど、いずれも極上のフュージョン系ヴォーカル・ナンバーに仕上がっています。フリーソウルで人気だったマリリン・スコットや、同じカナダ出身のパッツィー・ギャランあたりが好きな人は、一発で虜になること間違いなしでしょう。また、男性ヴォーカル曲で素晴らしいのは若干ブラジルがかったライトメロウなB-6のSunday Afternoon。軽やかな演奏に乗るジェントルな歌声が心地よく、タイトル通り休日の午後に聴くのに最適なナンバーとなっています。インディー盤であるため、それほど入手が容易な類の作品ではないと思いますが、そのレアリティーも含め個人的には和モノAORの隠れ名作として知られる東北新幹線のカナダ版といった印象。いずれにしろこの手のマイナー盤好きにはグッとくる作品だと思いますので、気になるひとは是非聴いてみてください。
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French Music Par Excellence / Week-end Millionnaire

2013-10-30 | AOR~BES
知っている人は知っているフレンチメロウAORの傑作。それぞれが各種楽器を演奏するマルチプレーヤーである3人組ボーカル&コーラス系グループによる1979年の2ndアルバムです。フランス語が読めず詳しいことは分からないのですが、当時現地で何らかの賞も受賞したグループのようなので、現地ではそれなりに有名な人たちなのかもしれません。ただ、内容はなかなかに良い感じ。全体的に都会的かつライトメロウな楽曲が多数収録されており、それでいて音の質感やヴォーカルの雰囲気は柔らかめなので、いわゆるフリーソウル系AOR好きはやられること間違いなしでしょう。どことなくボビー・コールドウェル的な雰囲気で始まる冒頭A-1のタイトル曲からもうトロけるようなメロウナンバー。フランス語独特の柔らかい響きも相まり、非常に上質なAORに仕上がっています。ピアノ系のバラードに仕上がったA-3のTous les amours toujoursや若干ファンキーなA-4のLady Marlène、さらにほろ苦くもポップなA-5のLa musique est si volatîleなどの楽曲もなかなかに水準が高く聴きどころは多め。なんというか全体的に1979年の作品とは思えないくらい音作りが現代的なので、先日ここでも紹介したエヂ・モッタの新作あたりが好きな人は、まず間違いなくハマるはずです。仏ワーナーからのリリースと言うこともあり、結構な枚数がプレスされているのか現地でのレアリティーや取引価格はさほど高くないようですが、だからこそお勧めしたい一枚。ちなみにCDは出ているのかどうか分かりませんが、カナダのitunesやUKのamazonではダウンロード販売もあるため、ちょっとひと手間かければデジタル音源での入手も容易に可能です。いずれにしろコストパフォーマンスに優れた作品であることは間違いないので、気になるひとは是非聴いてみてください。
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