ニュージーランド生まれの男性シンガー、ジョン・ロウルズが1980年にリリースしたLP。つい先日、有名DJのミックスCDに収録されたようなので、もしかしたら知っている人もいるかもしれませんね。発売元が同じポリネシア文化圏であるハワイの大手レーベルParadiseなため、一部ではコンテンポラリー・ハワイアン扱いされていますが、本作が録音されたのはハリウッドで、おまけに作品プロデュースを務めるのはアレサ・フランクリンやフランク・シナトラ等のアレンジも手掛けたことがあるベテラン黒人アレンジャーのH.B.バーナム。したがって本当のところを言うと、実はハワイとはあまり関係なかったりします。しかしながら全編通じて若干いなたさが残りつつもトロピカルなディスコ風ポピュラー・ヴォーカル作品になっており、内容的にはすこぶる良作。作品を包む空気感がいかにもハワイっぽいので、知らずに聴いたら信じてしまっても仕方ないかと思います。単に話題性から言えばA-4に収録されたEternallyが、チャップリン映画「ライムライト」主題歌である有名曲のドリーミンなミラクルディスコカバーで耳を惹きますが、実はバーナムが手掛けたオリジナル曲がの完成度がそれ以上に高く、特にA-3のYou And IとB-2のBeautiful Ladyは全ライトメロウ&フリーソウルファン悶絶の大名曲。同じポピュラー・ヴォーカル畑の男性シンガーで言うならば、フランキー・ヴァリのSwearin GoodやNative New Yorker辺りをよりポップにしたような非常に日本人好みのサウンドなので、おそらく嫌いな人はいないと思います。あいにく現在に至るまで未CD化のようですが、アルバム自体の完成度もかなり高いので個人的に是非CD化してもらいたい一枚。USでは前述のとおりParadiseからリリースされていますが、実は本国ニュージーランドに同内容・同ジャケでEMIからリリースされている盤があったりするので、ユニバーサルあたりにEMI方面から攻めていけば何となくCD化可能っぽい気がするのですが…。ちなみにLPの方は比較的どれも手に入りやすいこのレーベルの作品としてはかなりレアな部類。簡単には手に入らないと思いますが、内容的には間違いないのでマニアの方は是非手にして頂きたいと思います。
最新の画像[もっと見る]
- Junior / Same 10年前
- Robson Jorge / Same 10年前
- Nesse Inverno / Tony Bizarro 10年前
- New Horizons / Wickety Wak 11年前
- Love Trip / 間宮 貴子 12年前
- The Radio Jazz Group / Same 15年前
- Jazz In Italy N.1 / Franco Mondini 16年前
- Jazz Quintet 58 / Same 17年前
- Bossa Nova! / Quintetto Basso Valdambrini 17年前
- New Sound From Italy / Basso-Valdambrini Octet 17年前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます