■米国発「金融危機」 「信頼」崩れて機能停止
朝日新聞 2008年9月17日3時3分
「1世紀に1度の危機」。 米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン前議長は金融の惨状をそう表現する。
米証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)は、金融の核心である「信頼」が地に落ちたことを浮き彫りにした。
中身がどこまで傷み、誰が傷を負うのか――。破綻した今、疑念の的となった60兆円を超える資産 は「死体解剖」にさらされることになる。
金融機関の破綻は今年11行にのぼったが、来年以降も含めると、最終的に100行を上回るとの見方もある。
「あそこが解体されたらどうなるのか」。日本の大手損保の幹部は9月に入り、株価が下落し続ける米保険最大手AIGについて、最悪の事態を想定したシミュレーションを部下に指示した。危機の芽はあちこちにある。