商社マン-東京→ニューヨーク→東京→Liverpool→東京→Ann Arbor→Austin日記

07年8月から5年間NY、帰国して2年半東京、その後何故か英国Liverpoolに。。引き続き思った事書いて行きます。

「The Catcher In The Rye」を読んで

2008-04-02 11:20:02 | Weblog
こちらに来てから徒歩通勤なのは大変ありがたい一方、日本にいるときのように通勤時間中に本を読むことができないので、読書量が極端に減ってしまった。
ちょっとこれではいけないなあと思い、できるだけ本を物色しようと時間があればちょこちょこと本屋に行っているのだが、やはり英語だとなんというか目に飛び込んでくる本が少ないんですよね。これはやはりぱっと見た瞬間にその本が響いてくるような英語的な反射神経が僕に発達してないからだと思いますが。
というわけで、良く行くStrandという本屋でちょろちょろ物色していたら、昔夢中になって読んだなじみのある本が目に飛び込んできたわけです。野崎孝訳でも村上春樹訳でも読んだけど、英語では読んでなかったので思わず買ってしまいました。
それで読んでみて思ったけど、これ、日本語で読むより英語で読むほうが明らかによかったです。なんというかよく言われるようにこの小説は16歳の少年が「口語」で語りまくるというスタイルなのですが、その口語的なユーモアだったり過剰性だったり雰囲気だったりという微妙な空気感が、小説自体で語られている結構激しい内容をうまく包み込んでいるとでも言えばいいのでしょうか。そういう口語英語の持つ役割というものがうまく機能していて、更に言えばそして現実的にその作られた空気感の中に読書している自分をおくことによって更に小説に共感できた気がしたんですね。
物語の半分以上の舞台がNYCで、今自分が住んでいる場所という点も楽しめましたね。それで強く感心したのが五十年以上前の話なのに、彼が語るデートのスタイルとか、バーとか、美術館とか、ミュージカルとかが今のNYCでもほとんど同じように機能しているというところでした。少なくとも同じようなスタイルが五十年以上機能するという都市のあり方はこの街の強みなのかもしれません。
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